米国最大のプロテスタント教派、南部バプテスト連盟(Southern Baptist Convention)の指導者やボランティアおよそ380人が、性的虐待を行っていた疑いがあることが発覚した。テキサス州の新聞社2社の報道によると、1998年以降の被害者は700人以上に上るという。被害者のほとんどが子どもで、最年少は3歳。告発された加害者が教会内で働き続けていたケースもあったという。報道を受けて教会側は、実際の被害者数がさらに多い可能性を認め、被害者らに名乗り出るよう促した。南部バプテスト連盟の唱道者ラッセル・ムーア氏は12日、AFPの取材に「現在、多くの牧師が積極的に事態に対処していることに勇気づけられている」と述べた。南部バプテスト連盟は米国南部を中心に教会4万7000か所、信徒1500万人を擁している。これまでカトリック教会を混乱させてきた性的虐待スキャンダルと同様の事例が南部バプテスト連盟内でも暴露されたことで、組織全体には衝撃が走った。同連盟は、より包括的な対応について来週発表を行う予定だと述べた。(2/13/2019 AFP News)
⬜︎米最大のプロテスタント教派で性的虐待 被害者700人以上
米国最大のプロテスタント教派である南部バプテスト連盟(SBC)で、過去20年間に牧師や執事、日曜学校の教師ら約380人が性的虐待を行い、被害者が700人以上に上ることが報じられた。テキサス州の新聞2紙が共同で調査報道したもので、SBCの指導者らは被害の究明に乗り出す考えを示している。SBCの性的虐待問題を報じたのは、ヒューストン・クロニクルとサンアントニオ・エクスプレス・ニュースの2紙。両紙はそれぞれ10日から13日にかけ、「信仰の虐待」と題した3部からなる特集記事を各紙のサイトに掲載した。
第1部は「指導者たちが改革に抵抗するため広がる南部バプテストの性的虐待」と題するもので、SBCの指導者やボランティアら約380人により、過去20年間で700人以上の性的虐待被害者が出たことを伝えるもの。第2部は「性犯罪で告発された数十人の指導者を雇用した教会」と題し、性的な不正行為により告発されたSBCの牧師やボランティア少なくとも35人が現在も教会で働いていることを伝えている。そして第3部は「100人以上のユースパスター(青年担当牧師)が性犯罪で有罪判決を受けた、または告訴された」とするもの。
報道を受け「心が折れた」と言うSBCのJ.D.グリアー議長は10日、ツイッターにコメントを投稿。「この記事で伝えられている声は、教会に悔い改めを求める神からの警告として聞かれるべきだ。クリスチャンとして、われわれは罪的なすべてのものを光の前にさらす必要がある。この記事に出てくる被害者たちはそれをしたのだ」と語った。SBC倫理宗教自由委員会のラッセル・ムーア委員長も10日、自身のブログに、報道に対する見解を掲載。「これは天にまでとどろくスキャンダルだ」とし、「被害者に対する教会のメッセージは、彼らを罪を犯した者ではなく、罪を犯された者と明確にするものであるべきだ。彼らは教会の問題児ではなく、本当の『問題』を明らかにする手助けをしているのだ」と述べ、被害を告発した人々が不当な扱いを受けることがないよう訴えた。
SBC執行委員会のオーガスト・ボトー暫定委員長は、ヒューストン・クロニクル紙の取材を受け「(同紙は)南部バプテスト連盟の敵ではない」とコメント。「あなたたちは、われわれを助けているのだ。犯罪に日の光を当てることは全面的に賛成だ」と語った。ムーア氏もブログで「どの教会もヒューストン・クロニクル紙の報道にストレスを受けるべきではなく、むしろ神に感謝すべきだ」と述べ、報道が真相究明につながるものだとし、前向きな姿勢を示している。2紙の報道によると、性的虐待を行った約380人のうち約220人が有罪判決を受けており、100人近くは現在も服役中だという。さらに被害者たちは、SBCの元議長を含む数人の指導者たちが虐待を隠蔽したり、適切に対応しなかったりしたと訴えている。(2/13/2019 Christian Today)
絶句・・・この事件が報道された一週間前だ。「米南部バプテスト連盟の指導者、 教会内での差別撤廃を呼び掛け!」とあったのは。。もう恥を知れ!恥を!!! お前ら、そんなに自滅したいんなら勝手に死ねばいい。ただ、人を道れにするな!!! ..とは言え、この問題はパートテイカー(共同責任)として捉えねばならない..真剣に身の振り方を祈り、行動すべし。
⬜︎虐待に関与したの教会は除名 SBC総会で議決
米プロテスタント最大教派の南部バプテスト連盟(SBC)は11日、アラバマ州バーミンガムで開催した年次総会で、人種差別で告発された教会や、性的虐待に対して適切な対処を怠った教会は除名とすることを圧倒的多数で可決した。11,12の両日にわたって開催された年次総会の初日、加盟教会から選出された代議員らは、民族性に基づく人種差別や性的虐待に対し、適切な対処を怠ったり、隠蔽したりした教会を除名し、SBCと「友好的。協力関係にない」と見なす教憲の修正案を可決した。また、これまで代議員の登録手続きなどを行っていた資格審査委員会に、これらの嫌疑を受けた教会を調査し、対処勧告を行う権限を与え、常設化することも可決した。SBCのニュースサイト「バプテスト・プレス」によると、SBC執行委員会のロニー・フロイド委員長は採決後、代議員らに次のように述べた。
「これは、SBCの歴史において非常に重要な瞬間だったと思います。私たち一人一人がこの結果を神に感謝する必要があると思います」「SBCがあらゆる形態の性的虐待に反対することを、この世界が知りますように」とフロイド氏は述べ、「4万7千の加盟教会に、数千の群れを加えた5万2千弱の教会からなるこの連盟が、性的虐待に対する考えと、米国や世界の人種差別に反対することについて明確なシグナルを示したことを、この世界が知りますように」と続けた。バプテスト・プレスによると、資格審査委員会は、執行委員会委員長、登録担当主事、執行委員会の推薦を受けた3人、推薦委員会の推薦を受けた4人からなる9人で構成されることになる。総会に出席したSBC倫理宗教自由委員会の地域宣教責任者を務めるトリラ・ニューベル氏は12日、ツイッターで次のようにコメントした。
「昨夜、一人の女性が私に駆け寄って言いました。『あなたにハグしたいです』。また彼女は続けて言いました。『10年前の14歳の時、私は被害者としてSBC(の総会)に来ました。私は父でもある牧師に虐待されていましたが、今日は勝利者として来ています』と。私は彼女の顔と驚くばかりの喜びを決して忘れないでしょう」デルレイ・バプテスト教会(バージニア州)のギャレット・ケル牧師は、人種差別に反対する修正案の可決を歓迎し、次のようにツイートした。「SBCの代議員によって今日可決された修正案は、まさに奴隷制度に関して人種差別主義的な立場で1845年にSBCを創設した教会を、協力関係から除外することになるでしょう。私はこの進歩に励まされています」
南部バプテスト神学校(ケンタッキー州)のアルバート・モーラー学長はツイッターで、次のように述べた。「これは、SBCの今総会が取り扱うべき最も重要な案件であり、このような動きが圧倒的な力で行われることは本当に大切です。これは意義深いスタートです。この時代において、SBCには常設の資格審査委員会が必要です」バプテスト・プレスによると、今回の総会では、資格審査委員会がこれまで担っていた業務を引き継ぐ登録委員会の新設も決まった。フロイド氏は「何かが正しいやり方で行われていないと思われるとき、私たちは常にそれを変えることができます」と述べる一方、「しかし、神に感謝します。私たちは今日、再び明確なシグナルを具体的な言葉で送りました。これは単なる言葉の問題ではなく、行いの問題です」と続けた。その上で、SBCに加盟する諸教会に「神に関する事柄と互いの取り扱い方において忠実」であるようにと呼び掛け、「今日、神がなされたことの故に神に栄光がありますように」と語った。(6/14/2019 Christian Today)