Good News Ministry

聖書的観点から見た世界の社会的、政治的、文化的、地域的現実を捉え、祈り備える。

中国「家の教会」の著名牧師 懲役14年

2024年01月27日 | 世界情勢
中国北東部・大連の甘京子区人民法院(地方裁)は12日、闞小勇(カン・シャオヨン)牧師と妻の王鳳英(ワン・フェンイン)さん、教会ボランティアの女性4人を「邪教を利用して法執行を妨害した罪」(邪教罪)などで有罪とし、闞牧師に対しては6人の中で最も重い懲役14年を言い渡した。闞牧師はオンライン宣教で成功を収めていた牧師で、重刑の言い渡しは、その働きを阻止するためだと指摘する声が上がっている。在米対中キリスト教人権監視団体「チャイナエイド」(対華援助協会、中国語)によると、王さんには懲役4年、教会ボランティアの女性1人には懲役10年、他3人は懲役3年、執行猶予4年が言い渡された。

対中人権監視ニュースサイト「ビター・ウィンター」(英語)によると、現在65歳の闞牧師と63歳の王さんは、共に中国中部・武漢の出身。闞牧師は中国共産党と関係のある家系の御曹司で、成功した実業家だった。一方、王さんは学教教員で、バレーダンサーとしても活動していたという。しかし2018年に、それまでの世俗的なキャリアを捨てて大連に移住。キリスト教のオンラインプラットフォーム「門訓家園(弟子の家)」を設立し、フルタイムで宣教に携わるようになった。「門訓家園」は成功を収め、中国政府非公認のプロテスタント教会(家の教会)の関係者の間では、全国的に知られるようになった。そうした中、21年10月に闞牧師と王さんの自宅が家宅捜索され、6人は逮捕された。

甘京子地方検察庁はその後、詐欺罪と違法営業罪も追加して訴追。京子区人民法院で昨年5月から同10月にかけ審理が行われた。闞牧師は当初、懲役20年以上、王さんは懲役15~18年を言い渡される可能性があったが、詐欺罪については無罪とされ、量刑が押さえられた。しかし、それでも関係者らは「弁護が成功したように見えるかもしれないが、実際は誰も有罪ではない」と話している。関係者らによると、闞牧師らは法廷で、警察が取り調べ中に、自白を引き出すため拷問したと証言。闞牧師は革靴で頭を殴られ、王さんは地面に土下座させられた上、足を蹴られるなどし、6人全員が2~3時間の拷問を受けたと話した。これに対し検察側は、法廷で反論することはなかったという。

北京の「家の教会」の長老である徐永海(シュー・ヨンハイ)さんが米公共ラジオ「自由アジア放送」(RFA、英語)に語ったところによると、中国では近年、人気のあるプロテスタント教会が当局の圧力により分裂を余儀なくされているという。「多くの教会は、数十の小さなグループに分かれないと集会ができず、地下集会は今ではただの家族の集まりになっています」と徐さん。「私たちは今、1980年代~90年代初頭に戻っています」と話した。チャイナエイドによると、闞牧師らは無罪を求めて控訴する方針。(1/26/2024 Christian Today)

終末時計 人類滅亡へ「残り90秒」

2024年01月24日 | 世界情勢
米誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツは23日、緊張する中東情勢や、高度な人工知能(AI)の登場、気候変動といった脅威を分析し、人類滅亡を午前0時に見立てた「終末時計」の残り時間を「90秒」と発表した。1947年の創設以来、最短となった昨年と同じ残り時間を維持した。ロシアが核攻撃に踏み切ったらアメリカはどこに報復するか?ノーベル賞受賞者を含む科学や政策の専門家らが、過去1年の世界情勢に基づいて人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表。解決に向けた行動を呼びかける狙いもある。2020~22年は残り100秒としていた。昨年はロシアのウクライナ侵攻や核使用への切迫感などを考慮、針を10秒進めた。(1/24/2024 共同通信)

迫害による殉教者 1年間で約5千人

2024年01月22日 | 世界情勢
国際的なキリスト教迫害監視団体「オープンドアーズ」は17日、世界各国におけるキリスト教徒に対する迫害状況をまとめた報告書「ワールド・ウォッチ・リスト」(WWL)の最新版を発表した。それによると、キリスト教徒や教会に対する暴力は世界各地で増加しており、信仰を理由に殺害されたキリスト教徒はこの1年間で5千人近くに上った。発表されたのはWWLの2024年版(英語)で、2022年10月から23年9月までの1年間を対象に統計をまとめている。それによると、この1年間に信仰を理由に殺害されたキリスト教徒は4998人に上り、平均すると1日に13人が殺害されていることになる。

また、教会やキリスト教施設に対する攻撃は、少なくとも1万4766件が発生。これは前年の7倍で、「教会やキリスト教施設に対する攻撃は23年に急増し、記録されている以上に多くのキリスト教徒が暴力的な攻撃に直面した」としている。高いレベルの迫害に直面しているキリスト教徒の数は3億6500万人を超え、これは世界のキリスト教徒の7人に1人の割合になる。米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)の取材に応えたオープンドアーズ米国支部のライアン・ブラウン最高責任者(CEO)は、キリスト教徒に対する暴力が増加している理由の一つとして、加害者が犯行後の処罰を恐れずに行動できる状況があるのではないかと推測した。そのため、国によって事情の違いはあるものの、既存の法律などを通じ、キリスト教徒を保護するよう各国政府に呼びかけた。

その上で、イエス・キリストが、キリスト教徒は信仰のために憎悪や虐待に直面すると繰り返し警告していたことを挙げ、次のように話した。「皮肉なことですが、キリストの御手による働きが実際に至る所で見られます。敵が悪を意図することは、実際には逆効果なのです。多くの場合、そのような文脈の中で教会は勇気付けられ、強められるのです」「私たちは、世界中の兄弟姉妹が、高まる暴力に直面し、その犠牲を数えつつ、神の国がそこにあると認識しているのを目にしています。彼らがキリストを追い求めてキリストと関係を築くことは、彼らが耐えている暴力や彼らが苦しんでいる迫害よりも価値があるのです」

WWL(2024年版)に基づき、キリスト教徒に対する迫害が深刻な50カ国を示した地図。赤色が「極度」、だいだい色が「非常に高度」の迫害を示す。迫害国のランキングでは、キリスト教徒が信仰を実践する上で最も困難な国として、北朝鮮が前年に続きワースト1位になった。北朝鮮は、22年は2位だったものの、それ以外は過去20年以上にわたって、世界最悪の迫害国とされている。北朝鮮では、キリスト教徒は「政治犯として労働収容所に強制送還されるか、その場で殺される」とし、北朝鮮でキリスト教信仰を持つことは、同時に「事実上の死刑宣告」を受けるに等しい状況だという。WWLの北朝鮮に関するファクトシート(英語)には、次のように書かれている。

「礼拝のために会うことはほとんど不可能であり、(礼拝は)極秘のうちに、重大な危険を冒して行わなければならない。23年5月には、祈りと聖書の勉強のために集まった家族5人が逮捕され、キリスト教に関する文献が押収された。彼らは毎週集会を開いていたが、情報提供者により密告され、逮捕された」オープンドアーズはまた、アフリカのサハラ砂漠以南の国々におけるキリスト教徒に対する暴力を取り上げた。この地域では、26カ国が「高度」の迫害レベルにあり、このうち15カ国は「暴力」による迫害が「極めて高度」とされた。WWLには、次のように記されている。

「迫害の全体的レベルが『高度』以上であったサハラ砂漠以南の26カ国のうち18カ国では、23年9月30日までに、少なくとも4606人のキリスト教徒が信仰を理由に殺害された。残りの8カ国では、殺害の記録はなかった」このうち最も多くの人が犠牲になったのは、世界6位の迫害国とされたナイジェリアで、サハラ砂漠以南の国々における死者の9割に相当する4118人が命を奪われた。オープンドアーズは、この地域では紛争が続いているため、実際の死者はより多い可能性が高く、信頼できる統計を得ることは困難だとしている。ナイジェリアでは、「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)といったイスラム過激派グループや、イスラム教徒が主体の遊牧民「フラニ族」の過激派などが、国内のキリスト教徒を標的に攻撃を行っている。

中国は19位だったが、教会に対する攻撃件数では上位10カ国にランクインした。中国では1万もの教会が閉鎖されたり、攻撃されたりしているとされ、WWLには次のように記されている。「閉鎖された教会数が圧倒的に多いのは、中国のいわゆる『家の教会』だ。中国の文脈におけるこの用語は、しばしば誤解を招いてきた。『家の教会』は当初、礼拝のために集まった小規模で未登録の家庭的グループとして始まったが、その多くはホテル施設や賃貸オフィスのフロアなど公共の場所で集会を開き、大きく成長した」「これらの教会には毎週何百人、何千人ものキリスト教徒が参加していた。しかしその自由は、新型コロナウイルスのための当局による措置が利用されたこともあり、今は終わってしまった。『家の教会』は現在、原点に戻り、あまり目立たない無数の家庭的グループとして分かれており、その多くは限られた教会指導者や資源しか持っていない」

ブラウン氏は、米政府が迫害されているキリスト教徒を保護する一つの方法として、国際社会で地位を望む国々に対し、信教の自由の保護を拡大するよう奨励することを挙げた。「中国は経済大国になりましたが、信教の自由はそれに伴っていません。私は、それらを結び付けるような政策、つまり、貿易パートナーになることを望む国々に基本的人権の保障を促す政策が、確かに必要だと考えています」その上でブラウン氏は、政治的働きかけ以上に重要なのは祈りの力だと述べ、米国内の教会に対し、同胞である世界中のキリスト教徒たちを支えるよう呼びかけた。「教会には、祈りによって兄弟姉妹を支えるための大きな機会があると思います。自分たちは忘れられていない、自分たちは一人ではない、祈りによって自分たちを支えてくれる兄弟姉妹が世界中にいると知るだけで、世界各地の人々がどれほど励まされているかを聞き、私は謙虚にさせられ、また驚かされ続けています」

WWL(2024年版)に掲載された迫害国上位50カ国は下記の通り。

1. 北朝鮮
2. ソマリア
3. リビア
4. エリトリア
5. イエメン
6. ナイジェリア
7. パキスタン
8. スーダン
9. イラン
10. アフガニスタン
11. インド
12. シリア
13. サウジアラビア
14. マリ
15. アルジェリア
16. イラク
17. ミャンマー
18. モルディブ
19. 中国
20. ブルキナファソ
21. ラオス
22. キューバ
23. モーリタニア
24. モロッコ
25. ウズベキスタン 26. バングラデシュ
27. ニジェール
28. 中央アフリカ
29. トルクメニスタン
30. ニカラグア
31. オマーン
32. エチオピア
33. チュニジア
34. コロンビア
35. ベトナム
36. ブータン
37. メキシコ
38. エジプト
39. モザンビーク
40. カタール
41. コンゴ民主共和国
42. インドネシア
43. カメルーン
44. ブルネイ
45. コモロ
46. タジキスタン
47. カザフスタン
48. ヨルダン
49. マレーシア
50. トルコ. (1/22/2024 Christian Today)

「ヤマザキパン」3代目はクリスチャン 被災地にいち早く支援物資

2024年01月06日 | 世界情勢
「ヤマザキパン」の迅速な対応に各方面から称賛の声が上がっている。大きな災害が起こるたび、山崎製パンのトラックが被災地に“一番乗り”する光景は珍しくないが、それを可能にした同社の“DNA”の秘密に迫った。

「ヤマザキパンさん、いつも災害時にご支援ありがとうございます」1月3日、自民党の佐藤正久・参院議員は自身のXに、山崎製パンのトラックから自衛隊員の手で支援物資が次々と運ばれる動画とともに、こう感謝の言葉を投稿した。最大震度7を観測した能登半島地震は発生から5日目を迎えたが、現在も懸命な救助活動が続けられている。電力供給や通信サービスといったインフラ面の制限に加え、必要な物資も滞るなかにあって、いち早く支援物資を届けたのが山崎製パンだった。

「これまでも同社は阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、熊本地震などの大きな災害時に素早い対応で支援物資を届けてきたことで知られます。2016年10月21日に起きた鳥取県中部地震の際には、発生当日のうちに同社の岡山工場から菓子パンなどが続々と届けられ、翌未明までに約1500個が到着。11年の東日本大震災時には発生翌日に約60万個のパンが現地に届けられただけでなく、避難所が閉鎖された同年11月までに約1500万個のパンや約800万個のおにぎりなどが供給されました」(全国紙社会部記者)それを可能にした理由の一つが、同社の“自前主義”という。

「独自配送」へのこだわり

「創業時から山崎製パンは〈自分で作って、自分で運び、自分で売る〉というスタイルを貫き、製造部門だけでなく、商品を運ぶ物流部門や販売部門をグループ内に確立。白地に黒の『ヤマザキ』の文字が躍るトラックは自社で物流網を築いていることの証です。自分たちで“川上から川下まで”担うやり方は、昨今の“選択と集中”型の経営スタイルがもてはやされる時流からは逆行しますが、これがイザという時の“瞬発力”に繋がっていることは否定できません」(食品業界ジャーナリスト)

この自社一貫体制の構築には、3代目となる現社長・飯島延浩氏(82)の哲学が影響しているという。「石炭産業が衰退したのは、船や鉄道など時代とともに移り変わった輸送手段(物流)に左右された面が大きいと考えた飯島氏は、大手流通企業などとの共同配送を拒み、独自配送にこだわり続けた。山崎製パンが業界のなかでも“異彩”を放つのは、飯島社長の思想や人物像と無縁でないと見られています」(同)飯島氏は売上総額1兆円超の企業グループを率いる経営者としての顔だけでなく、敬虔なクリスチャンとしての一面も併せ持つ。

支援は「会社の責務」

飯島氏がプロテスタント教会で洗礼を受けたのは1973年。その直後、当時の主力工場だった武蔵野工場が火事に遭い、全焼する不運に見舞われる。「しかし周辺の工場の支援や協力によって、すぐに通常の供給体制を回復したといいます。この困難を経て、飯島氏は会社としての使命を問ううちに、被災地への緊急支援は『食品企業としての責務』と公言するようになったと伝えられます」(同)山崎製パンに今回の支援について訊ねると、「火や水もない緊急時に、そのまま食べられるパンなどをできる限り早く、現地へと届けるのは当社の使命と考えています。今回も地震発生後、農林水産省から日本パン工業会に支援依頼があり、それに弊社が応えた形です。(迅速な対応が可能だったのは)自社で配送を持っていることや過去の経験、社内体制などが生きた結果と考えています」(同社広報)届けられたパンを頬張り、被災した人たちに束の間でも笑みが戻れば――と願わずにいられない。(1/5/2024 デイリー新潮)


ナイジェリア クリスマスに教会襲撃 200人以上殺害

2024年01月02日 | 世界情勢
昨年のクリスマスシーズンに、キリスト教徒が多く住むコミュニティーを狙った襲撃が相次いであったナイジェリア中部プラトー州では、キリスト教徒らがさらなる襲撃の恐怖におびえて暮らしている。迫害下にある教会を支援する英キリスト教団体「リリース・インターナショナル」(RI、英語)によると、クリスマスシーズンに起こった一連の襲撃では、死者が200人近くに及び、さらに多くの遺体が発見されている状況だという。襲撃は昨年12月23日から28日にかけてあり、約80のコミュニティーが標的となった。襲撃は、イスラム教徒を主体とする遊牧民「フラニ族」の過激派によるものとされる。襲撃者らは、住民らを殺害し、教会やトウモロコシの販売所、診療所などを放火した。一方、イスラム教徒が所有する建物は標的にされなかったとされる。

RIによると、プラトー州ではさらなる襲撃が計画されているという情報があり、現地は引き続き厳戒態勢にある。RIのポール・ロビンソン最高責任者(CEO)は、「これらの襲撃は、クリスマスにキリスト教徒を恐怖に陥れるため、時期を狙って行われました」と話した。ナイジェリアは、RIが最近発表した「2024年迫害傾向報告書」(英語)で取り上げた国の一つ。報告書は、24年にナイジェリアではキリスト教徒に対する暴力が増加すると予測している。同じく迫害下にある教会を支援するカトリックの慈善団体「エイド・トゥ・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)は、クリスマスシーズンに行われたこの襲撃は、「よく調整された計画的なもので、特にキリスト教コミュニティーを標的」にしたものだったと指摘している。

プラトー州のプシットとボックコスでは、事前に襲撃に関する警告があった。こうした警告は、この地域のキリスト教コミュニティーでは珍しいことではないが、ナイジェリア・キリスト教協会(CAN)によると、プシットに送られてきた襲撃を警告する文書には、キリスト教徒らが「クリスマスを祝うことはないだろう」と書かれていたという。RIによると、今回の襲撃は、235人が犠牲になった2018年の襲撃以来、この地域では最悪の被害となった。18年の襲撃も事前に警告があったが、治安当局は適切に対応できなかった。しかし今回の襲撃では、一部の襲撃について警告を受けた軍が介入し、人命の損失を防いだという。(1/01/2024 Christian Today)