Good News Ministry

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米軍 900人中東に派遣

2023年10月10日 | 世界情勢
米国防総省のパトリック・ライダー報道官は26日、中東地域での親イラン武装勢力による米軍基地への攻撃が強まる中、防空強化に向け米兵約900人が同地域に到着または向かっていると発表した。記者団に対し、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの紛争で緊張が高まる中、米軍および連合軍が先週、イラクで少なくとも12回、シリアで4回攻撃されたと述べた。合計21人の米兵が軽傷を負い、その大半が外傷性脳損傷だったという。また、26日未明にもイラクで米軍が再び標的にされたが、攻撃は失敗したと明かした。イランとの関連があるとみられる武装集団が犯行声明を出したが、これ以上の詳細な情報はないという。(10/26/2023 Reuters)


🔳ハマス人質 半数超が外国籍保有者
イスラエル政府は25日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに拘束されたとみられる約220人の人質の半数以上が外国籍保有者だと発表した。その大半はイスラエル国籍も保有する二重国籍者とみられ
るが、そうではないタイ人54人も含まれるという。人質のうち138人が25カ国の外国パスポートを持っており、アルゼンチン人15人、ドイツ人12人、米国人12人、フランス人6人、ロシア人6人が含まるが、多くはイスラエル国籍も持っているとみられるとした。政府統計によれば、タイ人はイスラエルにおける移民労働者の最大集団であり、約3万人が農業部門で働いている。イスラエル政府は最新情報として、7日のハマスによる奇襲攻撃後、外国人328人の死亡または行方不明が確認されたと発表した。うち米国人の死者は34人、行方不明者は5人、ウクライナ人の死者25人、行方不明者2人、フランス人の死者23人、行方不明者1人、ロシア人の死者23人、行方不明者4人となっている。(10/26/2023 Reuters)


🔳ハマス 人質米国人女性2人を開放
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマス軍事部門の広報官アブ・ウバイダ氏は20日、ハマスがカタールの調停努力に応じ「人道的理由」により、人質として捉えていた米国人の女性とその娘の2人を解放したと発表した。(10/21/2023 Reuters)


▪️ガザの病院空爆 イスラエル軍は否定
イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザの病院を空爆したという情報を否定した。軍の情報によると、パレスチナの過激派武装組織「イスラム聖戦」に責任があるという見解を示した。パレスチナ自治区ガザの保健当局は同日、ガザ市内の病院がイスラエル軍の空爆を受け、パレスチナ人約500人が死亡したと発表した。病院は患者のほか、避難民で混みあっていた。 もっと見るイスラエル国防軍の報道官は声明で、国防軍の作戦システムの分析によると、病院が空爆を受けた時間に「ガザのテロリストが発射したロケット弾が病院の近辺を通過した」とし、病院の被弾は「イスラム聖戦によるロケット弾発射の失敗によるもの」であることを複数の情報が示していると説明した。(10/18/2023 Reuters)


🔳イスラエル ヒズボラとの戦闘激化
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化し、ガザ地区の住民に対する人道支援に向けた取り組みが続けられる中、16日はイスラエルが同国北部のレバノンとの国境付近の住民に避難を命じた。イスラエルはレバノン国境から2キロメートルの地帯にある28の集落の住民に避難を命令。これに先立ち、レバノンの親イラン組織ヒズボラは、イスラエル北部にある5カ所のポジションを標的にしたと明らかにしていた。イスラエルとハマスが戦闘状態に入ったことを受け、ヒズボラとイスラエルは数日前からレバノンとイスラエルの国境沿いで砲火を交わしており、紛争拡大の恐れが高まっている。(10/16/2023 Reuters)


🔳イスラエル軍 ガザ地上戦に移行
イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ氏は、イスラエル軍の歩兵部隊と戦車部隊が13日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ内で「局地的な奇襲」を実施したと発表した。空爆作戦から地上作戦への移行を初めて明らかにしたとみられる。ビデオ会見で、奇襲はパレスチナのロケット部隊を攻撃し、人質に関する情報を得るために行われたとした。(1/14/2023 Reuters)


🔳救出か取引か イスラエル史上最悪の人質危機
イスラエルが地上戦をにらみ、正規軍と予備軍の兵士計数十万人をパレスチナ自治区ガザ地区との境界付近に集結させている。だが、何ともしようがないような難しい状況にイスラエルは直面している。ガザ地区のイスラム組織ハマスは7日にイスラエル南部に侵入した際、少なくとも150人を人質にとった。それらの人質は現在、ガザ地区内の秘密の場所で拘束されている。女性、子ども、高齢者もいる。もうすぐ始まるとも言われるガザ地区での本格地上侵攻に、イスラエルが実際に踏み切った場合、どれくらいの確率で人質たちは生き残れるのだろうか。

水面下では、カタール、エジプト、そしておそらく他の国々が、人質の一部解放に向けた交渉の努力をしているとされる。イスラエルの刑務所に収容されている36人のパレスチナ人女性と未成年者と引き換えに、ハマスが女性と子どもを解放するという案も浮上している。しかし、イスラエルのライヒマン大学政策戦略研究所のシニアアナリスト、マイケル・ミルスティーン氏は、イスラエルが最優先するのは平時なら人質の返還だが、現在は軍事的脅威であるハマスの排除だと話した。

イスラエルとハマスは共に緊張と怒りが頂点に達している。妥協や譲歩の雰囲気はない。イスラエル国民は、南部で国境がいとも簡単に武装集団に突破され、少なくとも1200人が(多くは冷酷な方法で)殺害されたことに衝撃と憤りを感じている。一方のパレスチナ人は、ハマス以外の人々も含め、イスラエルによる2000回以上のガザ空爆で1000人超が死亡していることに大きなショックを受けている。ガザ地区では現在、燃料、電気、水、医薬品の供給が断たれている。

ハマスは、イスラエルが警告なしに空爆を実施し、ガザ地区で民間人の死者が出るたび、人質を1人ずつ「処刑する」と脅している。それがこれまでに実行された証拠はない。他方、イスラエルにも自制の兆しはほぼ見られない。意図的にガザ地区の大部分をがれきへと変えている。ただ、ライヒマン大学のミルスティーン氏は、女性や子ども、高齢者を拘束し続けることには、ハマスはこだわっていないだろうとみている。それらの人々は、拘束すれば国際的に非難されるし、世話が大変だからだ。空爆が続き、人質の居場所をガザ内のイスラエル側スパイに知られないようにしている状況では、面倒をみるのは簡単ではない。対照的に、拘束した兵士については、ハマスは最大限に利用するだろう。今後、交渉が始まった場合は、最大限の対価を要求するはずだ。

こうした状況が、イスラエル政府をジレンマに陥れている。リスクを伴う軍事的な救出作戦を試みるのか。それとも、ハマスが空爆で弱体化して取引に応じる気になるのを待つのか。後者にもリスクはある。人質は地下トンネルや地下壕で拘束されているとみられるが、空爆の影響が及ぶ可能性がある。また、ハマス戦闘員が衝動的な怒りや、救出されてしまうとの見通しに基づいて、人質を殺す恐れは常にある。これは実際、2012年にナイジェリアでジハード(聖戦)主義者に拘束された人質2人の救出作戦で、イギリスとナイジェリアの特殊部隊が失敗した時に起きたことだ。

イスラエルは今回、人質対応の専門部署を素早く設置し、人質一人ひとりの身元と状況の確認を進めている。イスラエル領内で拘束されていた人々については、イスラエル軍と警察の特殊部隊が救出した。その際、一緒にいたハマス戦闘員らは全員殺害した。しかし、イスラエル軍情報部に20年間在籍していた前出のミルスティーン氏は、「イスラエルがガザのすべての家や通りのデータを握っているわけではない」と警告する。ハマスは地下の部屋やトンネルのネットワークに、自らと人質を隠すことができる。

イスラエルは人質救出の実績をもち、訓練も集中的に実施している。1957年に創設されたイスラエルの秘密部隊「サイェレット・マトカル」は、イギリス軍の特殊空挺部隊(SAS)やアメリカの陸軍特殊部隊(デルタフォース)に似ている。1976年に、ウガンダの空港でハイジャックされた飛行機から人質を救出した「エンテベ空港奇襲作戦」で一躍有名になった。この部隊の指揮したヨナタン・ネタニヤフ大佐は、イスラエル軍側の唯一の死者となった。現在のイスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフ氏は、その弟だ。交渉による人質解放に望みをかけるのか、それとも武力による救出という強硬手段に出るのか、その決断は彼が下す。

イスラエルに対しては、アメリカが機密情報と、おそらくは特殊部隊による支援も提供しているとの報道が出ている。米海軍は、地中海東部の沖合に大型空母群を展開させている。しかしハマスは、戦力が大きく上回る相手と戦えることを、これまでに証明している。イスラエルはテクノロジーと火力で圧倒的優位に立っているが、ハマスはその差を補うことができる。通信を最小限に抑え、デジタルの痕跡を残さないようにすることで、ハマスは7日のイスラエル奇襲を可能にした。150人超の人質を拘束している戦闘員らは、可能な限りオフラインの状態を保ち、電波を使わないだろう。人質たちからはほぼ間違いなく、すべてのデジタル機器を取り上げているはずだ。「これは間違いなく、イスラエルにとって史上最も難しい人質事案だ」。前出のミルスティーン氏はそう話す。(10/13/2023 BBC)


🔳イスラエル「総攻撃」宣言 双方死者2100人以上
イスラエルのガラント国防相は10日、イスラム組織ハマスが侵入したイスラエル領内の支配を取り戻したと表明し、今後イスラエル軍は「総攻撃に向かう」と宣言した。イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザに対する空爆でハマス政治部門の幹部ら2人を殺害したと発表。ハマスはイスラエル中部アシュケロンに多数のロケット弾を撃ち込み、応酬が激化している。死者の合計は2100人以上となった。バイデン米大統領は10日の演説で、イスラエルには「対抗する権利と義務がある」と述べ、武器供与などの支援を加速する考えを表明。米中央軍は原子力空母を中核とする空母打撃群が東地中海に到着したと発表した。ハマスは10日、レバノン南部からイスラエル側にロケット弾攻撃を行ったと明らかにした。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは同日、両国国境付近で誘導ミサイル弾などにより交戦した。両者の衝突は3日連続で、国境で緊張が続いている。(10/11/2023 Kyodo)


🔳イスラエル「戦争状態」宣言 30万人招集
イスラエル軍は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したと明らかにした。地上攻撃を計画している可能性がある。ハマスによる週末の攻撃を受け、イスラエルはガザを空爆。ハマスは、イスラエルが警告なしに民家を爆撃するごとに拘束したイスラエル人の人質を1人ずつ処刑すると警告した。イスラエル領内では、パレスチナの戦闘員が7日の攻撃以降も複数の地域を占拠している。

イスラエルのテレビ局は、ハマスの攻撃による死者が900人に上り、少なくとも2600人が負傷したと伝えた。ガザの保健省は7日以降、イスラエルの空爆で少なくとも687人のパレスチナ人が死亡し、3726人が負傷したと発表した。死者にはイタリア、ウクライナ、米国の市民も含まれており、バイデン米大統領は9日に少なくとも11人の米国人が死亡したと発表した。わずか2日間で30万人の予備役が招集されたことから、イスラエルがガザへの地上攻撃を計画しているのではないか、という憶測を呼んでいる。

イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ氏は「これほどの規模の招集は前例がない。これからも攻勢を掛けていく」と述べた。また、イスラエルのガラント国防相は、ガザの封鎖を強化して食料や燃料の供給を止めると発表した。双方の仲裁に乗り出す動きも見られている。エジプトの治安筋によると、過去にイスラエルとハマスの仲裁をしたエジプトは双方と緊密に連絡を取り合っているという。トルコのエルドアン大統領も、仲介に意欲を示した。関係筋によると、カタールの担当者がハマス幹部と緊急の電話会談を行い、双方が拘束している女性や子どもの解放に向けて交渉している。(10/10/2023 Reuters)


◾️ハマスとイスラエル 死者1600人以上
パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルの武力衝突による死者は1600人近くにのぼっていて、事態がさらに悪化する懸念もでています。ハマスが7日におこなった大規模攻撃への報復として、イスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆や、ハマスの戦闘員の掃討作戦を続けています。ハマス側も断続的にイスラエルにロケット弾を撃ち込んでいて、イスラエルメディアはおよそ900人が死亡したと伝えています。一方、パレスチナ側の保健当局はこれまでに687人が死亡したとしていて、双方の死者は1600人近くにのぼっています。(10/10/2023 日テレNews)

こうしたなか、ロイター通信によりますと、ハマスは9日「イスラエルが警告なしに民家を空爆するたびにイスラエル人の人質が処刑されることになる」という声明を出したということです。イスラエルのメディアは、ハマスと別の武装組織がおよそ130人を人質にとり、なかには軍の高官もいると主張していると伝えています。また、ロイター通信はパレスチナ自治政府の通信社を引用し、パレスチナが「ガザで進行中のイスラエルの攻撃」を阻止するため、国連に介入を要請したと報じています。

国連のグテーレス事務総長は、ハマスによる攻撃を非難する一方、イスラエルがガザ地区の包囲を命じたことについて懸念を示しました。国連・グテーレス事務総長「イスラエルがガザ地区を完全に包囲するという本日の発表を受け、深く心を痛めている」さらに国際社会に対しガザ地区への早急な人道支援を求めました。


◾️米英独仏伊 イスラエル支持で結束
米国、ドイツ、英国、フランス、イタリアの首脳は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を非難する共同声明を発表し、イスラエルへの「揺るぎない結束した支持」を表明した。バイデン米大統領、マクロン仏大統領、ショルツ独首相、メローニ伊首相、スナク英首相は声明で「イスラエルが自国を防衛し、最終的に平和で統合された中東地域の条件を整えられるよう、われわれは同盟国として、イスラエルの共通の友人として、結束と連携を続けていく」とした。(10/10/2023 Reuters)


◾️ハマスの残虐行為 ISに酷似
イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した際に行った残虐行為は過激派組織「イスラム国 (IS)」が行った残虐行為に酷似していると述べた。ネタニヤフ首相は「ハマスによる残虐行為はISの残虐行為以来のものだ。拘束された子供たちが家族とともに処刑され、若い男女が背中を撃たれて処刑された」と指摘。「ハマスはISだ」とし「世界がISを打ち負かしたようにイスラエルもハマスを打ち負かす」とした。(10/10/2023 Reuters)


◾️50年後のヨムキップルー戦争
攻撃が始まったとき、イスラエル人の多くは眠っていたはずだ。7日は土曜日で、ユダヤ教の安息日だった。加えて、ユダヤ教の祭日でもあった。つまり多くの家族は自宅やシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で過ごす予定だっただろうし、友人同士は集まる予定を立てていたかもしれない。しかし夜明けと共に、空からロケット弾が大量に降ってきた。規模と連携において前例のない攻撃の、開始の合図だった。イスラエルはもう何年も前から、パレスチナ人の小さな自治区、ガザ地区とイスラエル領の間の分離壁を強化してきた。しかし、今回の攻撃が始まるや数時間のうちに、分離壁は越えられないどころか、数カ所で破られていた。守りは鉄壁ではなく、その思い込みは誤っていたことが露呈した。

ハマスはガザから今回、かつてないほど多岐にわたり統制の取れた、練り上げられた攻撃を実施した。それをハマスがどのように調整したのか知ろうと、BBCニュースは、現場の戦闘員や民間人が撮影した映像を分析した。現地時間の7日午前6時半ごろ、ロケット弾が飛び始めた。ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスが、よく使う手法だ。ハマスはイギリスをはじめ世界各国から、テロ組織と指定されている。ハマスが使うロケット弾は基本的な作りで、イスラエルの進んだ防空システム「アイアン・ドーム」を回避できないことが多い。しかし今回は、短時間の間に数千発を一気に発射することで、その防空体制をかいくぐることに成功した。このことから、ハマスが何カ月も前からこの攻撃を計画し、ロケット弾を備蓄していたことがうかがえる。ハマスは当初の攻撃でロケット弾を5000発、発射したと主張する。一方、イスラエル軍はその半数だったと反論している。

空襲警報は、ガザから60キロ離れたイスラエルの首都テルアヴィヴのほか、エルサレムでも鳴り始めた。ロケット弾が着弾した複数の場所から、黒煙が立ち上った。ロケット弾の砲撃が続く間、ハマスの戦闘員はガザを厳重に取り巻く分離壁を複数個所から突破するため、所定の場所にそれぞれ集まっていた。イスラエルは2005年の時点で、部隊と入植者をガザから引き揚げた。しかし今も、その上空と境界線、ならびに海岸線を支配下に置いている。イスラエルがガザを囲って設置した分離壁は、場所によってはコンクリートの壁、場所によっては金網のフェンスだ。その一帯をイスラエル軍は定期的に警備しているし、侵入を防ぐためのカメラやセンサーが多数配置され、警備の網を作っている。

それでも数時間のうちに、この分離壁は何度も何度も突破された。ハマス戦闘員の一部は、分離壁を完全に避けてイスラエルに入ろうとした。中には、パラグライダー(少なくとも7人がパラグライダーでイスラエル上空を漂っている、未確認映像がある)や、ボートを使った者もいる。イスラエル国防軍は、ボートで海岸に上陸しようとしたハマスの集団を、2回にわたり押し返したという。しかし、今回の攻撃が従来と異なるのは、境界線の複数の検問所に対する直接攻撃が、連携をとって行われたことだ。ソーシャルメディア「テレグラム」上で午前5時50分、ハマス軍事部門とつながりのあるチャンネルに、最初の現場映像が投稿された。

動画には、戦闘員が検問所を襲撃する様子や、血にまみれたイスラエル兵2人が地面に倒れた様子が映っていた。撮影場所は、ガザの検問所の中で最も南にある、ケレム・シャロームだ。別の動画では、ライフルを手にした戦闘員が2人ずつ乗ったバイクが少なくとも5台、分離壁の金網フェンスの部分を切り開いた箇所を、通り抜けていく様子を見せていた。警備の薄い個所では、金網と鉄条網のフェンスを、ブルドーザーが押しつぶして破壊していた。丸腰に見える数十人がその場に集まっていた。数人は、フェンスの隙間を走って通り抜けていった。

ガザの検問所で最北にあるエレズは、ケレム・シャロームから約43.4キロに位置する。ここでもハマス勢力は、検問所を襲撃した。この動画は、ハマス系プロパガンダ・チャンネルの一つに掲載された。コンクリート壁で爆発があり、これを襲撃の合図に、戦闘員が爆発の方向へ武装集団を誘導する様子が映っている。防弾チョッキを付けてライフルを手にした男性8人が、厳重警備の検問所へ向かって走り、イスラエル兵へ向けて発砲していた。動画の後半では、明らかに統制がとれて訓練された戦闘員たちが、検問所の内部を部屋ごとに点検しているのが見える。床に複数のイスラエル兵が倒れている様子も映っている。

ガザから出るための公式な検問所は7つある。そのうち6カ所はイスラエルが管理し、エジプトへ通じる1カ所はエジプト政府が管理している。しかしハマスは今回、数時間のうちに分離壁の複数箇所からイスラエル領内に入ることに成功していた。ハマス戦闘員はガザを出て、あらゆる方向へ進んだ。イスラエル当局の話によると、ハマスが襲撃した場所は27カ所に上る。敵は見つけ次第その場で殺害せよと、命令されていた様子だという。ハマスが最も遠くまで到達したのは、ガザから22.5キロのオカフィムの町だった。ガザから3キロにあるイスラエル南部スデロトでは、市内を走るピックアップトラックの荷台に武装勢力が乗っている様子が映像で捉えられている。

襲撃されたエレズ検問所のすぐ北にあるアシュケロンでは、数十人の武装勢力がひとけのない通りに広がって移動していた。同じような光景がイスラエル南部各地で見られ、国防軍は民間人に屋内にいるよう指示した。レイム近くで開かれていた音楽フェスティバルでは、砂漠に集まった大勢の若者に向かって、武装勢力が手当たり次第に発砲した。目撃者はBBCに対して、武装勢力が武器を大量に積んだバンを乗り回し、標的にするイスラエル人を3時間かけて探し回っていたと話した。この音楽フェスティバルをはじめ複数の場所にいた人たちが、人質として取られ、ガザへ連行されたことが今ではわかっている。イスラエルによると、兵士と民間人を合わせた計100人が拉致された。

ベリの町で撮影され、BBCが本物だと確認した映像では、4人ほどの民間人が武装勢力に連れ去られる様子が映っている。インターネットで拡散している映像の中には、混雑したガザの通りを複数のイスラエル人が連行される様子を撮影したものもある。イスラエル人の一部は重傷を負っている。ここで掲載するには生々しすぎる内容の残酷行為も、映像で記録されている。中には、車から引きずり出された運転手が、その場でのどを切られるものもある。死亡した民間人や兵士の遺体が、痛めつけられる様子の映像もある。

ハマスはイスラエルの町村を標的にしただけでなく、ジキムとレイムの2カ所にあるイスラエル軍基地も攻撃した。レイム付近で撮影された映像では、基地へ至る道路の路肩に焼け焦げた複数の車両が点在している。ここの戦闘で何人が死亡したのかは、明らかになっていない。ハマスはソーシャルメディアで繰り返し、イスラエル兵の遺体の映像を流している。BBCニュースはその内容を検証できていない。ロケット弾の集中砲火が始まってから数時間のうちに、何百人ものイスラエル人が死亡した。しかも、思いもよらない方法で。

襲撃されたイスラエル南部には、数時間のうちに助けの手がたどりついた。しかしその間ハマスは、一時的にせよ、ガザ以外の土地を実効支配していたのだ。今回の奇襲作戦のスピードと殺傷力は、イスラエルに衝撃を与えている。なぜこのような事態が起こり得たのか、今後何年も問われることになるだろう。攻撃開始から数時間後、7日の正午になる前に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「これは戦争だ」と宣言した。(10/10/2023 BBC)

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