Good News Ministry

聖書的観点から見た世界の社会的、政治的、文化的、地域的現実を捉え、祈り備える。

バイデン LGBTQ平等法早期成立目指す

2020年10月29日 | 世界情勢
米大統領選の民主党候補であるジョー・バイデン前副大統領は、11月3日の大統領選で当選した場合、性的少数者(LGBTQ)を差別から保護する「平等法」の成立を最優先課題とし、就任後100日以内の署名を目指すとの公約を明らかにした。フィラデルフィア・ゲイ・ニュースとの電子メールによるインタビューで述べたバイデン氏はオバマ政権での副大統領時代から、LGBTQの権利擁護で指導的立場を取っている。同氏は、当選したら平等を米国の外交の中心に据え、LGBTQの権利を国際的に拡大すると言明。「就任後100日間、平等法の成立を司法面での最優先課題とする。ドナルド・トランプはこの優先順位に反対している」と述べた。トランプ陣営は、インタビューに関するロイターのコメント要請に応じていない。民主党が過半を握る下院は、2019年に平等法を可決。しかし共和党が過半数を押さえる上院での可決には至っていない。(10/29/2020 Newsweek)

米上院「ウイグル人ジェノサイド」非難決議案提出

2020年10月29日 | 世界情勢
米上院の超党派議員団は27日、中国・新疆ウイグル自治区に暮らすウイグル族など少数派イスラム教徒に対する中国当局の迫害は「ジェノサイド(集団虐殺)」に相当すると非難する決議案を提出したと明らかにした。共同提出者の一人、コーニン議員(共和)は決議案について「中国に醜悪な行為の責任を負わせるための第一歩」と指摘。マークリー議員(民主)は「監視や投獄、拷問、強制的な『再教育施設』という少数民族に対する中国当局の攻撃はジェノサイドそのものだ」と強調した。中国当局によるイスラム教徒弾圧をめぐり人権団体は、100万人以上のウイグル族が自治区の施設で苦境に置かれ、中国当局が強制的な同化とイスラムの伝統根絶を図っていると訴えている。中国側は100万人収容説を否定し、施設についても職業訓練所だと主張している。(10/28/2020 時事通信)

イスラエルとスーダン 関係正常化

2020年10月24日 | 世界情勢
米国のトランプ大統領は23日、米国の仲介を受けてイスラエルとスーダンが関係正常化に合意したと発表した。1948年のイスラエル建国以来、対立してきたアラブ諸国でイスラエルとの関係正常化に踏み切るのはこれで5カ国目。トランプ氏はこれに先立つ22日、スーダンのテロ支援国家指定を取り消す意向を議会に通告した。11月3日に迫った米大統領選で再選を目指すトランプ氏は、仲介者として外交実績をアピールする考えだ。トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相、スーダンを共同統治する文民のハムドク首相、軍部のブルハン統治評議会議長が23日の電話協議で合意に達した。その後、「スーダンとイスラエルの関係を正常化し、両国間の好戦的な状態を終わらせることに合意した」との共同声明を発表した。 

両国はまず農業などの経済貿易関係から段階的に関係を深める。正式な国交樹立は、スーダンの議会で了承された後になる。アラブ諸国のイスラエルとの関係正常化は、8月以降ではアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンに続く3カ国目だが、スーダンの場合は意味合いが異なる。UAEやバーレーンはイスラエルと戦争をしたことはないが、スーダンは第1次中東戦争(48年)でエジプト軍に加わって参戦した経緯があるためだ。第3次中東戦争(67年)後にはスーダンの首都ハルツームでアラブ連盟首脳会議を開催。イスラエルとは「講和せず、承認せず、交渉せず」とする「3つのNo」を決議に盛り込んでアラブの対決姿勢を示した歴史がある。ネタニヤフ氏は23日のビデオ声明で、現在のスーダンは「平和にイエス、承認にイエス、正常化にイエスと言っている」と述べ、中東地域の「新時代だ」と称賛した。

これに対し、パレスチナ自治政府のアッバス議長は声明を発表し、スーダンを非難した。スーダンの動きはアラブ連盟決議や、パレスチナ国家の建設など包括的和平の後でアラブ諸国がイスラエルとの関係を正常化するという「アラブ和平イニシアチブ」に反すると指摘。「パレスチナ人とパレスチナの大義を代弁する権利は誰にもない。包括的で公正な平和への道は、国際法、国際的な正当性のある決議に基づいていなければならない」と強調した。米国は、国際テロ組織アルカイダやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを支援したなどとして、93年にスーダンをテロ支援国家に指定した。しかし、約30年にわたってスーダンを支配したバシル前大統領が2019年に失脚。民主化を進める暫定政府は、資金調達などの障壁を排除するため、テロ指定の解除を求めてきた。暫定政府が、アルカイダによる98年のケニアやタンザニアの米大使館爆破テロの犠牲者や家族に3億3500万ドル(約354億円)を支払うことで合意したことを受け、トランプ氏はテロ支援国家指定を解除する方針を示していた。(10/24/2020 毎日新聞)

アルメニア アゼルバイジャン紛争 死者5千人

2020年10月24日 | 世界情勢
ロシアのプーチン大統領は22日、アルメニアとアゼルバイジャンが係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐり3週間以上続けている紛争で、5000人近い死者が出ていると明らかにした。プーチン氏はテレビに出演した際、「われわれのデータによると、双方の死者数はそれぞれ2000人近い。つまり、合計死者数はすでに5000人に迫っている」と述べた。戦闘は先月末、アゼルバイジャンのナゴルノカラバフ自治州を実行支配するアルメニア系分離派とアゼルバイジャン軍の間で発生。これまで公式に確認された死者数は1000人を下回っている。両国は戦闘継続を表明しており、国際社会による停戦仲介努力はほぼ無視されている。(10/23/2020 AFPBB News)

この紛争の背後にいるロシアとトルコは、はっきり言って困っている状況..。4年の猶予はあるかも知れない。

バイデンスキャンダル SNSが隠蔽工作

2020年10月21日 | 世界情勢
米大統領選に出馬している野党・民主党のジョー・バイデン候補とその息子に関する米大衆紙の記事について、フェイスブックとツイッターが表示を制限した問題で、トランプ陣営や与党・共和党だけでなく、ツイッターのドーシーCEOも自社の対応を「容認できない」と批判した。ツイッターは14日、米大衆紙ニューヨーク・ポストの記事について、リンクが「安全でない可能性がある」と表示し、ユーザーが記事リンクをツイートできないようにした。その理由については後から、記事内に「ハッキングによって得られた内容」が含まれているからだと説明した。同様にフェイスブックも、問題記事がニュースフィードで拡散されるのを制限した。これは、記事内容が意図的に事実と異なる情報操作かどうかを第三者がファクトチェックして判断するための時間を確保するのが目的で、「通常の手続きだ」と説明した。とはいえ、読者に人気の一般大衆紙の記事がこういう扱いを受けるのは、きわめて異例だ。

11月3日の大統領選を目前にした今回のツイッターとフェイスブックの対応によって、ソーシャルメディアには偏向や検閲が存在するという批判が再燃している。ルーパート・マードック氏経営のニューズ・コープ傘下にあるニューヨーク・ポストの記事には、バイデン前副大統領の息子、ハンター・バイデン氏が送ったり受け取ったりしたものだとされるメールのスクリーンショットが含まれており、個人のメールアドレスを読み取ることができた。そのほか、ハンター氏のきわめて個人的な写真も使用していた。この写真は、2019年4月にコンピューター修理店に持ち込まれたラップトップ・コンピューターから取り出したものだと同紙は書いている。持ち主はパソコンを回収しなかったものの、修理店がハードドライブの内容をコピーし、このコピーをトランプ氏の弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏に提供したのだという。記事によると、ジュリアーニ氏がこれを同紙に提供した。

また、かつてトランプ氏の選対委員長や戦略担当だったスティーヴ・バノン被告(別件の詐欺罪で起訴)が9月の時点で同紙に、このハードドライブの存在を伝えたのだという。ツイッターは14日、この記事のリンクを投稿できないようにした。投稿しようとすると、「このリンクは危険な可能性があるとツイッターか当社パートナーが特定したため、この要求を完了できません」というエラーメッセージが表示された。ツイッターは、ニューヨーク・ポスト記事の内容を話題にしてツイートすることは利用規則違反ではないものの、メール・アドレスなど個人情報が記載されていたほか、「ハッキング」によって入手した情報を暴露したからだと、記事の表示制限の理由を説明した。この記事を個人的にダイレクト・メッセージで送信することもできなかった。記事リンクをクリックしようとしたり、すでにツイートされた記事をリツイートしようとすると、リンクが「危険な可能性がある」という表示が出た。

これについてツイッターのジャック・ドーシーCEOは、なぜこうして介入したのか、ツイッターとしてもっと早く説明すべきだったと認めた。「@nypost記事に関する我々の対応についての情報発信は、よろしくなかった。そしてURL(サイトのリンク)をシェアするツイートやDMを、説明ゼロでブロックしたのは、容認できない」と、ドーシー氏はツイートした。ツイッターは、「自分たちのルールをこうして適用する際には、もっと分かりやすく説明するためさらに努力が必要だと承知している」と認めた。共和党が多数を占める連邦議会上院の司法委員会は20日にも、この件についてドーシー氏を証人として公聴会に喚問するか採決する。すでに共和党の委員7人が、喚問に賛成すると話している。テキサス州選出のテッド・クルーズ議員は、「主要メディアの報道をこのように検閲するなど見たことがない。巨大IT企業は一線を超えた。責任を取る必要がある」と批判した。

ニューヨーク・ポスト紙の記事は、2015年4月のメールに関する内容だった。それによると、ウクライナのエネルギー企業ブリスマの顧問が当時、バラク・オバマ政権の副大統領だったバイデン氏との面会を仲介してくれたハンター氏に感謝している。ただし、記事はこの面会が実際に行われたものか証拠を示していない。バイデン氏の選挙対策陣営は、そのような会談はなかったとしている。ハンター・バイデン氏は2014年、父バイデン氏が副大統領だった当時、ブリスマ社の役員に就任した。その後、2019年に辞任している。バイデン陣営は、「当時のジョー・バイデンの公式日程を確認した。ニューヨーク・ポストが言うような会談は、いっさい行われていない」と説明した。「(トランプ大統領の)弾劾手続きの最中に行われた報道機関による調査や、共和党が主導する2つの上院委員会の調査でさえ(この調査は共和党の同僚議員に「正当なものではなく」政治的な動機によるものだと批判されていた)、同じ結論に達した。ジョー・バイデンはウクライナに対してアメリカの公式な外交を担当しており、問題行動は何もとっていないというのが、その結論だった」と、バイデン氏の広報担当、アンドリュー・ベイツ氏は述べた。「トランプ政権関係者が宣誓をした上で、こう証言している」とベイツ氏は強調した。

ツイッターの対応によって、ソーシャルメディアはリベラル寄りで反保守で偏向しているという主張が盛り上がっている。トランプ米大統領は、「(バイデン親子が)怪しいと示す記事をフェイスブックとツイッターが削除したのは、ひどい話だ」とツイートした。トランプ氏はさらに支持者集会で、ホワイトハウスのケイリー・マケナニー大統領報道官の個人アカウントがニューヨーク・ポスト記事の内容をツイートし、「真実を報告した」せいで、ツイッターに凍結されたのだと述べた。ツイッターは、確かに個人アカウントの凍結解除のためこの投稿を削除するようマケナニー氏に伝えたと認めている。

トランプ陣営はマケナニー報道官のアカウントが凍結された証拠としてスクリーンショットを投稿したトランプ氏はさらに、ソーシャルメディアなどの利用者が投稿する内容についてウエブサイトの運営会社の法的責任を制限する法律の規定について、撤廃するようあらためて呼びかけた。トランプ氏はかつて、ソーシャルメディアの運営各社が投稿内容を制限するならば、各社は出版社と同じように扱われるべきだと述べている。ニューヨーク・ポスト側は、ソーシャルメディア各社がバイデン陣営をひいきして応援していると批判。「フェイスブックやツイッターはメディア・プラットフォームではない。どちらもプロパガンダ機関だ」と社説で非難した。下院司法委員会の共和党議員団による公式ツイッターアカウントは、自分たちのウエブサイトにニューヨーク・ポスト記事の写しを掲載したと投稿し、サイトのリンクを共有するよう呼びかけた。
ツイッターは今では、このリンクの投稿も制限している。

2つの戦局が激化した。1つは、米大統領選を目前にした虚偽情報とソーシャルメディアの戦いだ。政治的な虚偽情報や介入に対策をとるようツイッターやフェイスブックへの圧力はかねて高まっていた。しかし今回の件は、ソーシャルメディアが果たしてどこまでやるべきか、あるいはやってはならないのかについて、大きな疑問を投げかけた。メインストリームな報道機関による情報の拡散を、ツイッターがこれほど包括的に制限したのは初めてのことだ。一方のフェイスブックにとってはそれほど斬新なことではない。フェイスブックでは以前から、内容の信憑性に疑問のある記事の拡散を遅らせ、客観的なファクトチェック担当が事実確認する時間を確保していた。2つ目の戦局は、ソーシャルメディア各社(特にツイッター)とトランプ大統領の間の戦いだ。トランプ氏とその支持者たちは、巨大IT各社が右派の意見を封じているとかねて批判してきた。今回の件は、その声にとって燃料となる。ツイッターのドーシーCEOは今回の対応について、記事内の個人情報と、ハッキングされた情報に関する自社規則が理由だと説明した。けれども、同社がその理由をただちに説明しなかったことから、共和党はツイッターに激怒し続けている。(10/16/2020 Reuters)

東京五輪 ロシアがサイバー攻撃計画

2020年10月20日 | 世界情勢
英政府は19日、ロシアの情報機関が東京五輪・パラリンピックの関係団体などに対しサイバー攻撃を仕掛けていたと発表した。攻撃は3月に開催延期が決まる前だった。東京五輪に対するサイバー攻撃の脅威が浮き彫りになったほか、今後の日ロ関係に影を落とす可能性もある。英政府は、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が攻撃を指揮したと断定。攻撃対象には主催団体や物流サービス、スポンサー企業などが含まれていたという。具体的に被害が生じたかどうかは明らかにしていない。英紙タイムズは、英国のサイバーセキュリティー当局が攻撃計画を阻止したと伝えた。ロシアの情報員が北朝鮮と中国のサイバー犯罪者を装っていたという。英米両政府は同時に、GRUが2018年2月に韓国で開かれた平昌冬季五輪にもサイバー攻撃を加えていたと公表した。

米司法省は19日、GRUの情報員6人を平昌五輪などに対するサイバー攻撃に関連して刑事訴追したと発表した。ロシアが組織的なドーピング問題に絡み、東京五輪や平昌五輪から除外されたことが背景にある。ラーブ英外相は声明で「可能な限り強い言葉で非難する。英国は同盟国と協力し、悪意あるサイバー攻撃に対抗する」と述べた。英米両政府によると、平昌五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)や選手、韓国政府関係者らが狙われた。英情報当局は、平昌五輪開催を妨害する狙いだったと分析。マルウエア(悪意あるソフト)をITシステムに感染させており、韓国当局が対策を取らなければ被害が拡大していた可能性があった。GRUはこれまで16年の米大統領選などでサイバー攻撃を行ったと指摘されているが、米司法省は新たに17年のフランス大統領選でマクロン大統領の陣営に対しサイバー攻撃を仕掛けていたと認定した。(10/20/2020 時事通信)

こんなこと、何で他国に教えてもらわなあかんねん!? これおかしいと思わんのか? 日本人は??

イラン 武器禁輸解除宣言

2020年10月18日 | 世界情勢
イランとの武器の売り買いを禁止してきた国連安全保障理事会の制裁措置が18日、解除期限を迎えた。イラン外務省は18日の声明で、武器禁輸の措置は自動的に解除されたと宣言し、今後は武器の調達先や輸出について、いかなる制約も受けないと主張した。解除は、2015年にイランが米欧などと結んだ核合意に基づく。合意を一方的に離脱したトランプ米政権は、イランは「世界最大のテロ支援国家」だとして武器取引を断固認めない考えを表明しており、米イランの対立が続くことになる。

声明は禁輸解除を宣言する一方、イランの防衛政策は自国技術の活用を原則にすると強調した。大量破壊兵器を調達したり、通常兵器を買いあさったりする考えはないとも主張。イランの軍事力増強を懸念する欧州などに一定の配慮を示した。イランはロシアや中国の戦闘機、戦車、防空システムの購入に関心を示しているが、米国の経済制裁で外貨不足が深刻化しており、大規模な調達は困難な情勢だ。11月には米国の対イラン政策を左右する米大統領選が控えており、イランは当面、目立った武器取引は控えるとの見方もある。トランプ米大統領は9月、対イラン国連制裁決議が全面的に復活したとの一方的な主張に基づいて、イランと武器を取引した国や企業には米国が新たな制裁を科す大統領令に署名した。制裁の復活に関しては、イランに近いロシアや中国だけでなく、欧州の米同盟国の賛同も得られておらず、米国は孤立している。(10/18/2020 共同通信)

ロシア侵攻に対し スウェーデン防衛費40%増

2020年10月17日 | 世界情勢
スウェーデンは15日、欧州での緊張の高まりを受けて防衛力を強化する必要が生じたとして、2021~2025年の防衛費を40%引き上げると発表した。ペーテル・フルトクビスト国防相は記者会見で、2021~2025年の防衛予算を270億クローナ(約3200億円)増やすと発表した。スウェーデン政府は、「ロシアによるジョージアとウクライナへの軍事侵攻」に言及し、欧州での緊張の高まりを受けて防衛力を強化する必要が生じたと発表。フルトクビスト氏は、「スウェーデンへの武力攻撃はあり得る」と述べた。スウェーデンの防衛費は2014~2020年も増加しており、2014~2025年の増加幅は85%に上る。フルトクビスト氏は、「これは1950年代以降で最大の防衛費増加幅だ」と述べた。政府によると、今回の防衛費増額により、兵員も現在の6万人から9万人に増やすという。(10/16/2020 AFPBB News)

自殺者激増 女性と子供が顕著

2020年10月15日 | 世界情勢
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、前年比で減少が続いていた国内の自殺者数が7月以降増加に転じている。女性と子供の増加率が特に顕著で、コロナ禍での生活様式の変化がストレスとなって心の健康に影響している可能性があることを日本の状況がいち早く示している。警察庁の最新統計によると、全国の自殺者数は9月に1805人と前年同月比8.6%増となり、7月から3カ月連続で増えた。政府の緊急事態宣言の下、外出自粛が広がった4ー6月は全国で約13%減少していた。7-9月を通じて男性がほぼ前年並みだったのに対し、女性の自殺者の増加率は7月16%増、8月40%増、9月28%増と著しく多かった。厚生労働省のデータによると、小学生から高校生までの8月の自殺者数は59人と前年の28人から倍増し、自ら命を絶つ子供が増えていることも浮き彫りとなった。子供の自殺予防に詳しい精神科医の松本俊彦氏は、外出自粛が広がる中で女性や子供の自殺が増えていることについて「仕事といった外との交流から傷付くことが多い中高年の男性と比べて、女性と若者は身近な人間関係にストレスを感じる」傾向がある、と指摘する。

自殺者の多さから対策を迫られてきた日本はNPO団体による積極的な働き掛けもあり、先進国の中でも自殺に関するデータを定期的に公表している数少ない国の一つだ。新型コロナを巡っては、経済活動を止めることによりウイルス原因の死者数よりも自殺者が多くなることを懸念する意見も一部の識者から出ている中で、日本でのデータはコロナによる大規模な失業や社会的孤立に見舞われている他国の今後の状況も示唆している可能性がある。日本では年初以降の新型コロナによる死者が2000人以下にとどまっているのに対し、生活困窮や育児、いじめ、孤立など社会とのつながりの中で「追い込まれた末の死」と政府が位置付ける自殺者の数は約1万3000人に上っている。政府は自殺について、多くが防ぐことのできる社会問題ともとらえているが、新型コロナがもたらした精神的な負担や失業などの経済的な代償は、女性や子供など特定のグループに偏っており、自死のリスクを高めていると専門家らは危惧している。

男性を失業に追い込んだ過去の不況と異なり、コロナショックは女性の雇用を直撃している。国際労働機関(ILO)は、世界中で新型コロナによる雇用者数の減少は男性よりも女性の間で大きいと報告している。
自殺の社会的な要因を研究している桃山学院大学の平野孝典准教授は、こうした雇用不安が女性の自死リスクを高めていると説明する。女性の職域が人との接触を伴う医療・福祉、小売り、飲食サービスなど感染リスクにさらされる産業に偏っているとも指摘。これらの職業に従事する女性たちに「相当な心理的負担」が生じている可能性があるという。日本では4月、女性の就業者数が前年比で約8年ぶりに減少した。総務省の労働力調査によると、3月時点と比べて8月の就業者数は男性22万人減、女性51万人減と2倍以上の差があり、非正規雇用の約7割を占める女性の立場の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の分析によれば、7月末時点で休業していた女性の比率は男性の3.9倍で、女性は男性と比べて職場復帰も遅れている。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で自殺率が最も高い韓国では、3月から6月にかけて女性の自殺者数が急増した。韓国自殺防止センター長のパイク・ジョン・ウー氏は、自死増加の背景にある3つの要因として、若い女性を中心に高まる失業率、休校により増加した家事育児の負担、そしてコロナ禍で広がる社会的孤立を挙げた。 警察庁の統計によると、日本の自殺者数は2003年に3万4427人とピークを迎えた。10年以降は減少を続け、昨年は2万人程度まで減っていた。一方で、19歳以下のグループでは、17年以降は増加が続いている。子供の自殺は以前から問題だったが、コロナの影響で「状況が悪化した」と話すのはNPO法人で「フリースペースたまりば」(川崎市)の西野博之理事長だ。不登校の子供に長く寄り添ってきた西野氏は、「日本は子供の数が減少してるのに自ら命を絶つ子供の数は増えている」と指摘、「幼稚園の年中(5歳)から小2で死にたいという言葉を聞く」と述べた。

精神科医の松本俊彦氏は、10代の子供たちを診察する中で、緊急事態宣言前後から自分の体を傷付ける行動が増加していると明かす。松本氏は休校やテレワークが実施され、「ステイホーム」が叫ばれた結果、子供たちが家庭内の葛藤に追い込まれたと指摘。虐待やネグレクト(育児放棄)、親の夫婦不和などの問題を抱える家庭の子供にとって緊急性は一層高まると懸念を示した。家庭以外の環境で息を抜いたり、友人との会話の中で癒やされたりすることもあるとし、「3密など公衆衛生のメッセージとしては大事だが、公衆衛生や感染症対策だけで人類は生きているわけではないことも理解した方が良い」と訴える。松本氏は、もし子供から心配な相談を受けた時は、「善悪のジャッジよりも先に背景にある問題を優しく聞く姿勢」を見せてほしいと呼び掛けた。(10/14/2021 Bloomberg)

アルメニア アゼルバイジャン紛争 プーチンとエルドアンが停戦協議

2020年10月15日 | 世界情勢
アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ地域周辺で続く同国軍とアルメニア軍の戦闘をめぐり、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は14日、電話協議した。ロシア大統領府によると、両首脳は10日に成立した停戦合意を重視することで一致したという。ただ、今回の軍事衝突に対するロシアとトルコの立場には大きな隔たりがあり、停戦合意後も続く戦闘の停止につながるか注目される。両首脳が電話協議するのは今回の軍事衝突が始まった9月末以来初めて。アルメニアが実効支配を続けるナゴルノ・カラバフをめぐる紛争で、ロシアは停戦合意を仲介、トルコは関係が深いアゼルバイジャンを支持している。ロシア大統領府は、この日の電話協議で両首脳が今後、和解のための政治プロセスを加速させることでも一致したとするが、トルコ大統領府によると、エルドアン氏は「アルメニアは占領状態を永続的にしようとしている」と従来の立場を改めて示したという。(10/15/2020 朝日新聞)