日本の人権状況に関し、国連欧州本部の自由権規約委員会は24日に発表した最終見解で、慰安婦を「性奴隷」と明記し、日本政府を非難した。1996年に国連人権委員会(現人権理事会)に出されたクマラスワミ報告書をはじめ、国連は慰安婦問題で日本を批判してきた。間違ったことがあたかも事実のように喧伝されてきた背景には国連を利用し、自らの主張を通そうとする左派・リベラル勢力の活発な動きがある。
今月15、16の両日、ジュネーブのレマン湖を見下ろす高台にある国連欧州本部で行われた自由権規約委員会。日本に対する審査で、日本政府代表団は慰安婦について、戦時の日本の官憲が組織的に朝鮮半島から女性たちを無理やりに連行するという「強制」は確認できないと説明した。しかし、委員たちは聞く耳を持たなかった。事実関係と異なるストーリーは、これまでも何度となくジュネーブの国連本部から発信されてきた。代表的なのは、クマラスワミ報告書だ。虚偽であることが明白な著作などを基に、慰安婦を「性奴隷」と定義し、その人数を「20万人」と記述した。
1998年に提出されたマクドゥーガル報告書は、慰安所を「強姦所」と呼んだ。様々な機関が、まるで日本が慰安婦問題について頬かぶりしているかのような表現で、日本の責任を追及する報告書や勧告を相次いで出してきた。外交筋は国連が「究極の人権保障に向けて各国政府をたたき続ける存在であることが大きい」と指摘する。特にジュネーブは国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が本部を置くことから同地に事務所を持つ人権関係の非政府組織(NGO)も多く、委員との情報交換やロビー活動が日常的に行われている。
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国家による「政治」の場がニューヨークの国連本部なら、個人の「人権」はジュネーブの国連本部が本場なのだ。今回の審査をみてもなぜ国連が日本を批判しつづけてきたかがわかる。対日審査に先だって14、15の両日、地元記者が「NGOによる委員洗脳の場」と揶揄する「NGOブリーフィング」が実施された。15日には日本の16団体の代表が慰安婦問題をはじめ特定秘密保護法、死刑制度、朝鮮学校の高校無償化除外などに関し、イデオロギー色の濃い説明を委員たちに英語で伝えた。ブリーフィングの主催者は、今回の審査のために結成された日本弁護士連合会などの団体からなる「Japan NGO Network」。会場に入るには事前登録が必要だ。
会場には慰安婦問題解決や死刑制度廃止、ヘイトスピーチ(憎悪表現)禁止の法整備などを求め日本から来たNGO関係者ら約70人が陣取っていた。ほとんどが左派・リベラル勢力だ。こうした中、一人の「普通」の主婦が立ち上がった。16日の審査終了後、傍聴したスイス在住の日本人主婦、大坪明子(めいこ)(57)は、審査で日本を批判した南アフリカの委員、ゾンケ・マジョディナにこう質問した。「あなたが『慰安婦は奴隷』と言ったのでとてもショックを受けました。本当に彼女たちはお金をもらっていなかったんですか?」
慰安婦が旧日本軍兵士の数十倍の月収を得ていたことは、米軍資料などでも記録されている。なぜ国連の場で日本ばかりが標的にされるのか、大坪は疑問に感じ審査に足を運んでいた。マジョディナは答えた。「お金を受け取っていたかいないかは重要ではない。奴隷的な扱いを受けていたかどうかが問題で、奴隷に該当する。」尚も事実関係を正そうとする大坪にマジョディナはこう言い放った。「その質問は重要ではないので答えない」
短時間のやりとりだったが、大坪はたちまちほかの委員や日本のNGOメンバーらに取り囲まれた。「やり過ぎだ!」などといった日本語も飛び交った。慰安婦を「性奴隷」とする表現を90年代から取り上げ、世界に発信してきた国連は左派・リベラル勢力からどのように利用されているのか。現地に飛んだ田北真樹子記者が自由権規約委員会を通じて検証する。(7/26/2014 産經新聞)
■クマラスワミ報告書
国連人権委員会の「女性に対する暴力」特別報告官に任命されたスリランカ出身の女性法律家、ラディカ・クマラスワミ氏が日本や韓国を訪問し、戦争被害者らから聞き取りし、まとめた報告書。北朝鮮には代理人が訪れ調査した。慰安婦に関する記述は「付属文書1」として添付された。日本政府に対し法的責任の受け入れと被害者への補償など6項目を勧告している。
■自由権規約委員会
国際人権規約に基づき、締約国の規約順守状況を監視する委員会。締約国は167カ国。日本は1979年に批准した。死刑、差別撤廃、表現の自由などの権利を包括的にカバーする。18人の委員によって締約国は6年に1度、人権状況について審査を受ける。審査終了後に「最終見解」とする勧告が出されるが、法的拘束力はない。
ことなかれ主義主導の日本人の中にあって、実に勇気ある行動ですよね! これが海外に住んでいる日本人の良い所だと思います。こういったブレない態度、私達も見習うべきです。
今月15、16の両日、ジュネーブのレマン湖を見下ろす高台にある国連欧州本部で行われた自由権規約委員会。日本に対する審査で、日本政府代表団は慰安婦について、戦時の日本の官憲が組織的に朝鮮半島から女性たちを無理やりに連行するという「強制」は確認できないと説明した。しかし、委員たちは聞く耳を持たなかった。事実関係と異なるストーリーは、これまでも何度となくジュネーブの国連本部から発信されてきた。代表的なのは、クマラスワミ報告書だ。虚偽であることが明白な著作などを基に、慰安婦を「性奴隷」と定義し、その人数を「20万人」と記述した。
1998年に提出されたマクドゥーガル報告書は、慰安所を「強姦所」と呼んだ。様々な機関が、まるで日本が慰安婦問題について頬かぶりしているかのような表現で、日本の責任を追及する報告書や勧告を相次いで出してきた。外交筋は国連が「究極の人権保障に向けて各国政府をたたき続ける存在であることが大きい」と指摘する。特にジュネーブは国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が本部を置くことから同地に事務所を持つ人権関係の非政府組織(NGO)も多く、委員との情報交換やロビー活動が日常的に行われている。
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国家による「政治」の場がニューヨークの国連本部なら、個人の「人権」はジュネーブの国連本部が本場なのだ。今回の審査をみてもなぜ国連が日本を批判しつづけてきたかがわかる。対日審査に先だって14、15の両日、地元記者が「NGOによる委員洗脳の場」と揶揄する「NGOブリーフィング」が実施された。15日には日本の16団体の代表が慰安婦問題をはじめ特定秘密保護法、死刑制度、朝鮮学校の高校無償化除外などに関し、イデオロギー色の濃い説明を委員たちに英語で伝えた。ブリーフィングの主催者は、今回の審査のために結成された日本弁護士連合会などの団体からなる「Japan NGO Network」。会場に入るには事前登録が必要だ。
会場には慰安婦問題解決や死刑制度廃止、ヘイトスピーチ(憎悪表現)禁止の法整備などを求め日本から来たNGO関係者ら約70人が陣取っていた。ほとんどが左派・リベラル勢力だ。こうした中、一人の「普通」の主婦が立ち上がった。16日の審査終了後、傍聴したスイス在住の日本人主婦、大坪明子(めいこ)(57)は、審査で日本を批判した南アフリカの委員、ゾンケ・マジョディナにこう質問した。「あなたが『慰安婦は奴隷』と言ったのでとてもショックを受けました。本当に彼女たちはお金をもらっていなかったんですか?」
慰安婦が旧日本軍兵士の数十倍の月収を得ていたことは、米軍資料などでも記録されている。なぜ国連の場で日本ばかりが標的にされるのか、大坪は疑問に感じ審査に足を運んでいた。マジョディナは答えた。「お金を受け取っていたかいないかは重要ではない。奴隷的な扱いを受けていたかどうかが問題で、奴隷に該当する。」尚も事実関係を正そうとする大坪にマジョディナはこう言い放った。「その質問は重要ではないので答えない」
短時間のやりとりだったが、大坪はたちまちほかの委員や日本のNGOメンバーらに取り囲まれた。「やり過ぎだ!」などといった日本語も飛び交った。慰安婦を「性奴隷」とする表現を90年代から取り上げ、世界に発信してきた国連は左派・リベラル勢力からどのように利用されているのか。現地に飛んだ田北真樹子記者が自由権規約委員会を通じて検証する。(7/26/2014 産經新聞)
■クマラスワミ報告書
国連人権委員会の「女性に対する暴力」特別報告官に任命されたスリランカ出身の女性法律家、ラディカ・クマラスワミ氏が日本や韓国を訪問し、戦争被害者らから聞き取りし、まとめた報告書。北朝鮮には代理人が訪れ調査した。慰安婦に関する記述は「付属文書1」として添付された。日本政府に対し法的責任の受け入れと被害者への補償など6項目を勧告している。
■自由権規約委員会
国際人権規約に基づき、締約国の規約順守状況を監視する委員会。締約国は167カ国。日本は1979年に批准した。死刑、差別撤廃、表現の自由などの権利を包括的にカバーする。18人の委員によって締約国は6年に1度、人権状況について審査を受ける。審査終了後に「最終見解」とする勧告が出されるが、法的拘束力はない。
ことなかれ主義主導の日本人の中にあって、実に勇気ある行動ですよね! これが海外に住んでいる日本人の良い所だと思います。こういったブレない態度、私達も見習うべきです。