Good News Ministry

聖書的観点から見た世界の社会的、政治的、文化的、地域的現実を捉え、祈り備える。

レイクウッド教会の礼拝で発砲事件

2024年02月18日 | 世界情勢
毎週の平均礼拝出席者数が4万5千人と、全米最大とされるメガチャーチ「レイクウッド教会」(テキサス州ヒューストン)で11日、女が発砲し、2人が負傷する事件が発生した。女は長年、精神疾患を患っていたとされ、教会に居合わせた非番の警官2人によって射殺された。負傷した1人は、女の子どもで頭を撃たれ重体となっている。発砲した女は、ジェネス・イボンヌ・モレノ容疑者(36)。11日午後2時ごろ、息子のサムエル君(7)を連れて、スペイン語の礼拝が始まる直前に教会に入った。トレンチコートに身を包み、自動小銃「AR-15」を含む銃2丁を所持していた。

発砲後、教会の警備員をしていた非番の警官2人と銃撃戦になり、その場で射殺された。警官2人は事件の捜査が行なわれている間、休職処分となった。サムエル君の他に負傷したのは、57歳の男性で足を撃たれた。男性は既に退院しているが、頭を撃たれたサムエル君は脳の一部を切除する大きな手術を受け、依然として重篤な状態が続いているという。一方、誰が撃った銃弾によってサムエル君と男性が負傷したかは捜査中だという。ヒューストン警察のトロイ・フィナー署長は次のように述べた。「警官たちを称賛したいと思います。女は銃身の長い銃を持っており、もっと悲惨な結果になっていてもおかしくありませんでした。しかし、警官たちは立ち上がり、自分の仕事をやり遂げました。私は彼らに感謝したいと思います」

レイクウッド教会のジョエル・オスティーン主任牧師は声明で、この事件に「打ちのめされている」と述べ、祈りの支援を求めた。「この困難な時に、神の癒やしの御手が関係者全員の人生に触れ、慰めとなりますように。このような暗闇を前にしても、私たちは信仰を持ち続け、悪が勝つことはないことを覚えていなければなりません。神は最も暗い時を乗り越えて、私たちを導いてくださるでしょう」「私たちは共にこの悲劇を乗り越え、互いに愛し合い、支え合うという決意を固めるでしょう。このような時、私たちの信仰は試され、また同時に強められるのです」「なぜこのようなことが起こるのか、常に理解できるわけではありません。しかし私たちは、神が支配しておられることを知っています。癒やしと平和を、共に祈り続けてください」

テキサス州のグレッグ・アボット知事も事件を受け声明を発表し、次のように述べた。「私たちの心は、今日の悲劇的な銃撃事件の影響を受けた人々、そしてヒューストンのレイクウッド教会の共同体全体と共にあります。礼拝所は神聖な場所なのです」モレノ容疑者は2022年に離婚し、その後、元夫やその家族とサムエル君の親権を巡って訴訟をしていた。元夫の母親は、サムエル君の後見人となることを申し立てていたが、裁判所は申し立てを退けていた。モレノ容疑者には約20年前から複数の犯罪歴があったが、所持していたAR-15は昨年12月に合法的に購入したものだった。(2/18/2024 Christian Today)

中国「家の教会」の著名牧師 懲役14年

2024年01月27日 | 世界情勢
中国北東部・大連の甘京子区人民法院(地方裁)は12日、闞小勇(カン・シャオヨン)牧師と妻の王鳳英(ワン・フェンイン)さん、教会ボランティアの女性4人を「邪教を利用して法執行を妨害した罪」(邪教罪)などで有罪とし、闞牧師に対しては6人の中で最も重い懲役14年を言い渡した。闞牧師はオンライン宣教で成功を収めていた牧師で、重刑の言い渡しは、その働きを阻止するためだと指摘する声が上がっている。在米対中キリスト教人権監視団体「チャイナエイド」(対華援助協会、中国語)によると、王さんには懲役4年、教会ボランティアの女性1人には懲役10年、他3人は懲役3年、執行猶予4年が言い渡された。

対中人権監視ニュースサイト「ビター・ウィンター」(英語)によると、現在65歳の闞牧師と63歳の王さんは、共に中国中部・武漢の出身。闞牧師は中国共産党と関係のある家系の御曹司で、成功した実業家だった。一方、王さんは学教教員で、バレーダンサーとしても活動していたという。しかし2018年に、それまでの世俗的なキャリアを捨てて大連に移住。キリスト教のオンラインプラットフォーム「門訓家園(弟子の家)」を設立し、フルタイムで宣教に携わるようになった。「門訓家園」は成功を収め、中国政府非公認のプロテスタント教会(家の教会)の関係者の間では、全国的に知られるようになった。そうした中、21年10月に闞牧師と王さんの自宅が家宅捜索され、6人は逮捕された。

甘京子地方検察庁はその後、詐欺罪と違法営業罪も追加して訴追。京子区人民法院で昨年5月から同10月にかけ審理が行われた。闞牧師は当初、懲役20年以上、王さんは懲役15~18年を言い渡される可能性があったが、詐欺罪については無罪とされ、量刑が押さえられた。しかし、それでも関係者らは「弁護が成功したように見えるかもしれないが、実際は誰も有罪ではない」と話している。関係者らによると、闞牧師らは法廷で、警察が取り調べ中に、自白を引き出すため拷問したと証言。闞牧師は革靴で頭を殴られ、王さんは地面に土下座させられた上、足を蹴られるなどし、6人全員が2~3時間の拷問を受けたと話した。これに対し検察側は、法廷で反論することはなかったという。

北京の「家の教会」の長老である徐永海(シュー・ヨンハイ)さんが米公共ラジオ「自由アジア放送」(RFA、英語)に語ったところによると、中国では近年、人気のあるプロテスタント教会が当局の圧力により分裂を余儀なくされているという。「多くの教会は、数十の小さなグループに分かれないと集会ができず、地下集会は今ではただの家族の集まりになっています」と徐さん。「私たちは今、1980年代~90年代初頭に戻っています」と話した。チャイナエイドによると、闞牧師らは無罪を求めて控訴する方針。(1/26/2024 Christian Today)

終末時計 人類滅亡へ「残り90秒」

2024年01月24日 | 世界情勢
米誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツは23日、緊張する中東情勢や、高度な人工知能(AI)の登場、気候変動といった脅威を分析し、人類滅亡を午前0時に見立てた「終末時計」の残り時間を「90秒」と発表した。1947年の創設以来、最短となった昨年と同じ残り時間を維持した。ロシアが核攻撃に踏み切ったらアメリカはどこに報復するか?ノーベル賞受賞者を含む科学や政策の専門家らが、過去1年の世界情勢に基づいて人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表。解決に向けた行動を呼びかける狙いもある。2020~22年は残り100秒としていた。昨年はロシアのウクライナ侵攻や核使用への切迫感などを考慮、針を10秒進めた。(1/24/2024 共同通信)

迫害による殉教者 1年間で約5千人

2024年01月22日 | 世界情勢
国際的なキリスト教迫害監視団体「オープンドアーズ」は17日、世界各国におけるキリスト教徒に対する迫害状況をまとめた報告書「ワールド・ウォッチ・リスト」(WWL)の最新版を発表した。それによると、キリスト教徒や教会に対する暴力は世界各地で増加しており、信仰を理由に殺害されたキリスト教徒はこの1年間で5千人近くに上った。発表されたのはWWLの2024年版(英語)で、2022年10月から23年9月までの1年間を対象に統計をまとめている。それによると、この1年間に信仰を理由に殺害されたキリスト教徒は4998人に上り、平均すると1日に13人が殺害されていることになる。

また、教会やキリスト教施設に対する攻撃は、少なくとも1万4766件が発生。これは前年の7倍で、「教会やキリスト教施設に対する攻撃は23年に急増し、記録されている以上に多くのキリスト教徒が暴力的な攻撃に直面した」としている。高いレベルの迫害に直面しているキリスト教徒の数は3億6500万人を超え、これは世界のキリスト教徒の7人に1人の割合になる。米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)の取材に応えたオープンドアーズ米国支部のライアン・ブラウン最高責任者(CEO)は、キリスト教徒に対する暴力が増加している理由の一つとして、加害者が犯行後の処罰を恐れずに行動できる状況があるのではないかと推測した。そのため、国によって事情の違いはあるものの、既存の法律などを通じ、キリスト教徒を保護するよう各国政府に呼びかけた。

その上で、イエス・キリストが、キリスト教徒は信仰のために憎悪や虐待に直面すると繰り返し警告していたことを挙げ、次のように話した。「皮肉なことですが、キリストの御手による働きが実際に至る所で見られます。敵が悪を意図することは、実際には逆効果なのです。多くの場合、そのような文脈の中で教会は勇気付けられ、強められるのです」「私たちは、世界中の兄弟姉妹が、高まる暴力に直面し、その犠牲を数えつつ、神の国がそこにあると認識しているのを目にしています。彼らがキリストを追い求めてキリストと関係を築くことは、彼らが耐えている暴力や彼らが苦しんでいる迫害よりも価値があるのです」

WWL(2024年版)に基づき、キリスト教徒に対する迫害が深刻な50カ国を示した地図。赤色が「極度」、だいだい色が「非常に高度」の迫害を示す。迫害国のランキングでは、キリスト教徒が信仰を実践する上で最も困難な国として、北朝鮮が前年に続きワースト1位になった。北朝鮮は、22年は2位だったものの、それ以外は過去20年以上にわたって、世界最悪の迫害国とされている。北朝鮮では、キリスト教徒は「政治犯として労働収容所に強制送還されるか、その場で殺される」とし、北朝鮮でキリスト教信仰を持つことは、同時に「事実上の死刑宣告」を受けるに等しい状況だという。WWLの北朝鮮に関するファクトシート(英語)には、次のように書かれている。

「礼拝のために会うことはほとんど不可能であり、(礼拝は)極秘のうちに、重大な危険を冒して行わなければならない。23年5月には、祈りと聖書の勉強のために集まった家族5人が逮捕され、キリスト教に関する文献が押収された。彼らは毎週集会を開いていたが、情報提供者により密告され、逮捕された」オープンドアーズはまた、アフリカのサハラ砂漠以南の国々におけるキリスト教徒に対する暴力を取り上げた。この地域では、26カ国が「高度」の迫害レベルにあり、このうち15カ国は「暴力」による迫害が「極めて高度」とされた。WWLには、次のように記されている。

「迫害の全体的レベルが『高度』以上であったサハラ砂漠以南の26カ国のうち18カ国では、23年9月30日までに、少なくとも4606人のキリスト教徒が信仰を理由に殺害された。残りの8カ国では、殺害の記録はなかった」このうち最も多くの人が犠牲になったのは、世界6位の迫害国とされたナイジェリアで、サハラ砂漠以南の国々における死者の9割に相当する4118人が命を奪われた。オープンドアーズは、この地域では紛争が続いているため、実際の死者はより多い可能性が高く、信頼できる統計を得ることは困難だとしている。ナイジェリアでは、「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)といったイスラム過激派グループや、イスラム教徒が主体の遊牧民「フラニ族」の過激派などが、国内のキリスト教徒を標的に攻撃を行っている。

中国は19位だったが、教会に対する攻撃件数では上位10カ国にランクインした。中国では1万もの教会が閉鎖されたり、攻撃されたりしているとされ、WWLには次のように記されている。「閉鎖された教会数が圧倒的に多いのは、中国のいわゆる『家の教会』だ。中国の文脈におけるこの用語は、しばしば誤解を招いてきた。『家の教会』は当初、礼拝のために集まった小規模で未登録の家庭的グループとして始まったが、その多くはホテル施設や賃貸オフィスのフロアなど公共の場所で集会を開き、大きく成長した」「これらの教会には毎週何百人、何千人ものキリスト教徒が参加していた。しかしその自由は、新型コロナウイルスのための当局による措置が利用されたこともあり、今は終わってしまった。『家の教会』は現在、原点に戻り、あまり目立たない無数の家庭的グループとして分かれており、その多くは限られた教会指導者や資源しか持っていない」

ブラウン氏は、米政府が迫害されているキリスト教徒を保護する一つの方法として、国際社会で地位を望む国々に対し、信教の自由の保護を拡大するよう奨励することを挙げた。「中国は経済大国になりましたが、信教の自由はそれに伴っていません。私は、それらを結び付けるような政策、つまり、貿易パートナーになることを望む国々に基本的人権の保障を促す政策が、確かに必要だと考えています」その上でブラウン氏は、政治的働きかけ以上に重要なのは祈りの力だと述べ、米国内の教会に対し、同胞である世界中のキリスト教徒たちを支えるよう呼びかけた。「教会には、祈りによって兄弟姉妹を支えるための大きな機会があると思います。自分たちは忘れられていない、自分たちは一人ではない、祈りによって自分たちを支えてくれる兄弟姉妹が世界中にいると知るだけで、世界各地の人々がどれほど励まされているかを聞き、私は謙虚にさせられ、また驚かされ続けています」

WWL(2024年版)に掲載された迫害国上位50カ国は下記の通り。

1. 北朝鮮
2. ソマリア
3. リビア
4. エリトリア
5. イエメン
6. ナイジェリア
7. パキスタン
8. スーダン
9. イラン
10. アフガニスタン
11. インド
12. シリア
13. サウジアラビア
14. マリ
15. アルジェリア
16. イラク
17. ミャンマー
18. モルディブ
19. 中国
20. ブルキナファソ
21. ラオス
22. キューバ
23. モーリタニア
24. モロッコ
25. ウズベキスタン 26. バングラデシュ
27. ニジェール
28. 中央アフリカ
29. トルクメニスタン
30. ニカラグア
31. オマーン
32. エチオピア
33. チュニジア
34. コロンビア
35. ベトナム
36. ブータン
37. メキシコ
38. エジプト
39. モザンビーク
40. カタール
41. コンゴ民主共和国
42. インドネシア
43. カメルーン
44. ブルネイ
45. コモロ
46. タジキスタン
47. カザフスタン
48. ヨルダン
49. マレーシア
50. トルコ. (1/22/2024 Christian Today)

「ヤマザキパン」3代目はクリスチャン 被災地にいち早く支援物資

2024年01月06日 | 世界情勢
「ヤマザキパン」の迅速な対応に各方面から称賛の声が上がっている。大きな災害が起こるたび、山崎製パンのトラックが被災地に“一番乗り”する光景は珍しくないが、それを可能にした同社の“DNA”の秘密に迫った。

「ヤマザキパンさん、いつも災害時にご支援ありがとうございます」1月3日、自民党の佐藤正久・参院議員は自身のXに、山崎製パンのトラックから自衛隊員の手で支援物資が次々と運ばれる動画とともに、こう感謝の言葉を投稿した。最大震度7を観測した能登半島地震は発生から5日目を迎えたが、現在も懸命な救助活動が続けられている。電力供給や通信サービスといったインフラ面の制限に加え、必要な物資も滞るなかにあって、いち早く支援物資を届けたのが山崎製パンだった。

「これまでも同社は阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、熊本地震などの大きな災害時に素早い対応で支援物資を届けてきたことで知られます。2016年10月21日に起きた鳥取県中部地震の際には、発生当日のうちに同社の岡山工場から菓子パンなどが続々と届けられ、翌未明までに約1500個が到着。11年の東日本大震災時には発生翌日に約60万個のパンが現地に届けられただけでなく、避難所が閉鎖された同年11月までに約1500万個のパンや約800万個のおにぎりなどが供給されました」(全国紙社会部記者)それを可能にした理由の一つが、同社の“自前主義”という。

「独自配送」へのこだわり

「創業時から山崎製パンは〈自分で作って、自分で運び、自分で売る〉というスタイルを貫き、製造部門だけでなく、商品を運ぶ物流部門や販売部門をグループ内に確立。白地に黒の『ヤマザキ』の文字が躍るトラックは自社で物流網を築いていることの証です。自分たちで“川上から川下まで”担うやり方は、昨今の“選択と集中”型の経営スタイルがもてはやされる時流からは逆行しますが、これがイザという時の“瞬発力”に繋がっていることは否定できません」(食品業界ジャーナリスト)

この自社一貫体制の構築には、3代目となる現社長・飯島延浩氏(82)の哲学が影響しているという。「石炭産業が衰退したのは、船や鉄道など時代とともに移り変わった輸送手段(物流)に左右された面が大きいと考えた飯島氏は、大手流通企業などとの共同配送を拒み、独自配送にこだわり続けた。山崎製パンが業界のなかでも“異彩”を放つのは、飯島社長の思想や人物像と無縁でないと見られています」(同)飯島氏は売上総額1兆円超の企業グループを率いる経営者としての顔だけでなく、敬虔なクリスチャンとしての一面も併せ持つ。

支援は「会社の責務」

飯島氏がプロテスタント教会で洗礼を受けたのは1973年。その直後、当時の主力工場だった武蔵野工場が火事に遭い、全焼する不運に見舞われる。「しかし周辺の工場の支援や協力によって、すぐに通常の供給体制を回復したといいます。この困難を経て、飯島氏は会社としての使命を問ううちに、被災地への緊急支援は『食品企業としての責務』と公言するようになったと伝えられます」(同)山崎製パンに今回の支援について訊ねると、「火や水もない緊急時に、そのまま食べられるパンなどをできる限り早く、現地へと届けるのは当社の使命と考えています。今回も地震発生後、農林水産省から日本パン工業会に支援依頼があり、それに弊社が応えた形です。(迅速な対応が可能だったのは)自社で配送を持っていることや過去の経験、社内体制などが生きた結果と考えています」(同社広報)届けられたパンを頬張り、被災した人たちに束の間でも笑みが戻れば――と願わずにいられない。(1/5/2024 デイリー新潮)


ナイジェリア クリスマスに教会襲撃 200人以上殺害

2024年01月02日 | 世界情勢
昨年のクリスマスシーズンに、キリスト教徒が多く住むコミュニティーを狙った襲撃が相次いであったナイジェリア中部プラトー州では、キリスト教徒らがさらなる襲撃の恐怖におびえて暮らしている。迫害下にある教会を支援する英キリスト教団体「リリース・インターナショナル」(RI、英語)によると、クリスマスシーズンに起こった一連の襲撃では、死者が200人近くに及び、さらに多くの遺体が発見されている状況だという。襲撃は昨年12月23日から28日にかけてあり、約80のコミュニティーが標的となった。襲撃は、イスラム教徒を主体とする遊牧民「フラニ族」の過激派によるものとされる。襲撃者らは、住民らを殺害し、教会やトウモロコシの販売所、診療所などを放火した。一方、イスラム教徒が所有する建物は標的にされなかったとされる。

RIによると、プラトー州ではさらなる襲撃が計画されているという情報があり、現地は引き続き厳戒態勢にある。RIのポール・ロビンソン最高責任者(CEO)は、「これらの襲撃は、クリスマスにキリスト教徒を恐怖に陥れるため、時期を狙って行われました」と話した。ナイジェリアは、RIが最近発表した「2024年迫害傾向報告書」(英語)で取り上げた国の一つ。報告書は、24年にナイジェリアではキリスト教徒に対する暴力が増加すると予測している。同じく迫害下にある教会を支援するカトリックの慈善団体「エイド・トゥ・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)は、クリスマスシーズンに行われたこの襲撃は、「よく調整された計画的なもので、特にキリスト教コミュニティーを標的」にしたものだったと指摘している。

プラトー州のプシットとボックコスでは、事前に襲撃に関する警告があった。こうした警告は、この地域のキリスト教コミュニティーでは珍しいことではないが、ナイジェリア・キリスト教協会(CAN)によると、プシットに送られてきた襲撃を警告する文書には、キリスト教徒らが「クリスマスを祝うことはないだろう」と書かれていたという。RIによると、今回の襲撃は、235人が犠牲になった2018年の襲撃以来、この地域では最悪の被害となった。18年の襲撃も事前に警告があったが、治安当局は適切に対応できなかった。しかし今回の襲撃では、一部の襲撃について警告を受けた軍が介入し、人命の損失を防いだという。(1/01/2024 Christian Today)

アメリカ州議会議事堂に悪魔礼拝の祭壇

2023年12月17日 | 世界情勢
アメリカ・アイオワ州議会議事堂に、無神教の宗教団体「サタニック・テンプル」の祭壇が展示され、物議を醸している。祭壇が12月初めに設置されると、市民や議員から撤去を求める声が相次いだ。その一方で、設置は言論や信教の自由だと主張する人たちもいる。祭壇に飾られているのは、キャンドルに囲まれたサタニック・テンプルの「7つの信条」とシンボルマーク、そしてバフォメット像だ。バフォメット像はヤギの頭と人間の体、それに翼を持つ偶像で、様々なオカルトや大衆文化で使われる。アイオワ州議会議事堂に設置されたバフォメット像は、赤いベルベットのマントを身につけて、中央に五芒星が描かれた黒と赤のリボンのリースを持っている。この祭壇の設置に、複数の共和党の議員らが反発している。

ブラッド・シャーマン州議員は12月8日付のニュースレターで、祭壇はアイオワ州憲法に違反していると主張し、展示に反対した。牧師でもあるジョン・ダンウェル州議員は「キリスト教信者としては祭壇は不愉快」とSNSに投稿しつつも「議事堂での展示は申請を通して許可されており、宗教やイデオロギーによってに差別されることはない」と説明している。ダンウェル州議員は今回の設置を受け入れる意向を示しながらも、今後は展示を制限する必要があるかもしれないとも綴っている。キム・レイノルズ州知事は12月12日付のプレスリリースで、祭壇を「不快」と述べたうえで、「不愉快な言論に対し、自由な社会が取るべき最善の対応はさらなる言論で対抗すること」と訴えている。

サタニック・テンプルは、その名前とは異なり、悪魔を崇拝する宗教団体ではない。無神教の宗教で、「7つの信条」に基づいて他者への共感や体の自己決定権などを説き、政教分離などを訴える政治活動を行なっている。サタニック・テンプルの共同創設者で広報のルシアン・グリーヴス氏は、「(アイオワ州議会議事堂の)展示をキリスト教徒を侮辱するためのものだと考えている人々もいるが、そうではない」と地元紙デモイン・レジスターに説明している。グリーヴス氏によると、開かれた公共の場で、サタニック・テンプルのような宗教が平等に扱われることが重要だという。

「政府に宗教的表現の形式を選り好みすることを許すことこそがより大きな悪であるということを、サタニック・テンプルの価値観の裏にある象徴主義に反対する人たちにも理解してほしいと思います」サタニック・テンプルがアーカンソー州議会議事堂へ設置しようとしたバフォメット像(2018年8月16日)サタニック・テンプルが州議会議事堂で信教の自由を試すのは、今回が初めてではない。2013年には、キリスト教の教えを書いた「十戒」の記念碑が置かれたオクラホマ州議会に、8フィート(2メートル50センチ)のバフォメット像を設置しようとした。その後、十戒の記念碑は撤去された。また2018年にも、アーカンソー州議会議事堂に十戒の記念碑が設置されたことに、バフォメット像を展示することで抗議している。(12/16/2023 Huffpost)

米軍 900人中東に派遣

2023年10月10日 | 世界情勢
米国防総省のパトリック・ライダー報道官は26日、中東地域での親イラン武装勢力による米軍基地への攻撃が強まる中、防空強化に向け米兵約900人が同地域に到着または向かっていると発表した。記者団に対し、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの紛争で緊張が高まる中、米軍および連合軍が先週、イラクで少なくとも12回、シリアで4回攻撃されたと述べた。合計21人の米兵が軽傷を負い、その大半が外傷性脳損傷だったという。また、26日未明にもイラクで米軍が再び標的にされたが、攻撃は失敗したと明かした。イランとの関連があるとみられる武装集団が犯行声明を出したが、これ以上の詳細な情報はないという。(10/26/2023 Reuters)


🔳ハマス人質 半数超が外国籍保有者
イスラエル政府は25日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに拘束されたとみられる約220人の人質の半数以上が外国籍保有者だと発表した。その大半はイスラエル国籍も保有する二重国籍者とみられ
るが、そうではないタイ人54人も含まれるという。人質のうち138人が25カ国の外国パスポートを持っており、アルゼンチン人15人、ドイツ人12人、米国人12人、フランス人6人、ロシア人6人が含まるが、多くはイスラエル国籍も持っているとみられるとした。政府統計によれば、タイ人はイスラエルにおける移民労働者の最大集団であり、約3万人が農業部門で働いている。イスラエル政府は最新情報として、7日のハマスによる奇襲攻撃後、外国人328人の死亡または行方不明が確認されたと発表した。うち米国人の死者は34人、行方不明者は5人、ウクライナ人の死者25人、行方不明者2人、フランス人の死者23人、行方不明者1人、ロシア人の死者23人、行方不明者4人となっている。(10/26/2023 Reuters)


🔳ハマス 人質米国人女性2人を開放
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマス軍事部門の広報官アブ・ウバイダ氏は20日、ハマスがカタールの調停努力に応じ「人道的理由」により、人質として捉えていた米国人の女性とその娘の2人を解放したと発表した。(10/21/2023 Reuters)


▪️ガザの病院空爆 イスラエル軍は否定
イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザの病院を空爆したという情報を否定した。軍の情報によると、パレスチナの過激派武装組織「イスラム聖戦」に責任があるという見解を示した。パレスチナ自治区ガザの保健当局は同日、ガザ市内の病院がイスラエル軍の空爆を受け、パレスチナ人約500人が死亡したと発表した。病院は患者のほか、避難民で混みあっていた。 もっと見るイスラエル国防軍の報道官は声明で、国防軍の作戦システムの分析によると、病院が空爆を受けた時間に「ガザのテロリストが発射したロケット弾が病院の近辺を通過した」とし、病院の被弾は「イスラム聖戦によるロケット弾発射の失敗によるもの」であることを複数の情報が示していると説明した。(10/18/2023 Reuters)


🔳イスラエル ヒズボラとの戦闘激化
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化し、ガザ地区の住民に対する人道支援に向けた取り組みが続けられる中、16日はイスラエルが同国北部のレバノンとの国境付近の住民に避難を命じた。イスラエルはレバノン国境から2キロメートルの地帯にある28の集落の住民に避難を命令。これに先立ち、レバノンの親イラン組織ヒズボラは、イスラエル北部にある5カ所のポジションを標的にしたと明らかにしていた。イスラエルとハマスが戦闘状態に入ったことを受け、ヒズボラとイスラエルは数日前からレバノンとイスラエルの国境沿いで砲火を交わしており、紛争拡大の恐れが高まっている。(10/16/2023 Reuters)


🔳イスラエル軍 ガザ地上戦に移行
イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ氏は、イスラエル軍の歩兵部隊と戦車部隊が13日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ内で「局地的な奇襲」を実施したと発表した。空爆作戦から地上作戦への移行を初めて明らかにしたとみられる。ビデオ会見で、奇襲はパレスチナのロケット部隊を攻撃し、人質に関する情報を得るために行われたとした。(1/14/2023 Reuters)


🔳救出か取引か イスラエル史上最悪の人質危機
イスラエルが地上戦をにらみ、正規軍と予備軍の兵士計数十万人をパレスチナ自治区ガザ地区との境界付近に集結させている。だが、何ともしようがないような難しい状況にイスラエルは直面している。ガザ地区のイスラム組織ハマスは7日にイスラエル南部に侵入した際、少なくとも150人を人質にとった。それらの人質は現在、ガザ地区内の秘密の場所で拘束されている。女性、子ども、高齢者もいる。もうすぐ始まるとも言われるガザ地区での本格地上侵攻に、イスラエルが実際に踏み切った場合、どれくらいの確率で人質たちは生き残れるのだろうか。

水面下では、カタール、エジプト、そしておそらく他の国々が、人質の一部解放に向けた交渉の努力をしているとされる。イスラエルの刑務所に収容されている36人のパレスチナ人女性と未成年者と引き換えに、ハマスが女性と子どもを解放するという案も浮上している。しかし、イスラエルのライヒマン大学政策戦略研究所のシニアアナリスト、マイケル・ミルスティーン氏は、イスラエルが最優先するのは平時なら人質の返還だが、現在は軍事的脅威であるハマスの排除だと話した。

イスラエルとハマスは共に緊張と怒りが頂点に達している。妥協や譲歩の雰囲気はない。イスラエル国民は、南部で国境がいとも簡単に武装集団に突破され、少なくとも1200人が(多くは冷酷な方法で)殺害されたことに衝撃と憤りを感じている。一方のパレスチナ人は、ハマス以外の人々も含め、イスラエルによる2000回以上のガザ空爆で1000人超が死亡していることに大きなショックを受けている。ガザ地区では現在、燃料、電気、水、医薬品の供給が断たれている。

ハマスは、イスラエルが警告なしに空爆を実施し、ガザ地区で民間人の死者が出るたび、人質を1人ずつ「処刑する」と脅している。それがこれまでに実行された証拠はない。他方、イスラエルにも自制の兆しはほぼ見られない。意図的にガザ地区の大部分をがれきへと変えている。ただ、ライヒマン大学のミルスティーン氏は、女性や子ども、高齢者を拘束し続けることには、ハマスはこだわっていないだろうとみている。それらの人々は、拘束すれば国際的に非難されるし、世話が大変だからだ。空爆が続き、人質の居場所をガザ内のイスラエル側スパイに知られないようにしている状況では、面倒をみるのは簡単ではない。対照的に、拘束した兵士については、ハマスは最大限に利用するだろう。今後、交渉が始まった場合は、最大限の対価を要求するはずだ。

こうした状況が、イスラエル政府をジレンマに陥れている。リスクを伴う軍事的な救出作戦を試みるのか。それとも、ハマスが空爆で弱体化して取引に応じる気になるのを待つのか。後者にもリスクはある。人質は地下トンネルや地下壕で拘束されているとみられるが、空爆の影響が及ぶ可能性がある。また、ハマス戦闘員が衝動的な怒りや、救出されてしまうとの見通しに基づいて、人質を殺す恐れは常にある。これは実際、2012年にナイジェリアでジハード(聖戦)主義者に拘束された人質2人の救出作戦で、イギリスとナイジェリアの特殊部隊が失敗した時に起きたことだ。

イスラエルは今回、人質対応の専門部署を素早く設置し、人質一人ひとりの身元と状況の確認を進めている。イスラエル領内で拘束されていた人々については、イスラエル軍と警察の特殊部隊が救出した。その際、一緒にいたハマス戦闘員らは全員殺害した。しかし、イスラエル軍情報部に20年間在籍していた前出のミルスティーン氏は、「イスラエルがガザのすべての家や通りのデータを握っているわけではない」と警告する。ハマスは地下の部屋やトンネルのネットワークに、自らと人質を隠すことができる。

イスラエルは人質救出の実績をもち、訓練も集中的に実施している。1957年に創設されたイスラエルの秘密部隊「サイェレット・マトカル」は、イギリス軍の特殊空挺部隊(SAS)やアメリカの陸軍特殊部隊(デルタフォース)に似ている。1976年に、ウガンダの空港でハイジャックされた飛行機から人質を救出した「エンテベ空港奇襲作戦」で一躍有名になった。この部隊の指揮したヨナタン・ネタニヤフ大佐は、イスラエル軍側の唯一の死者となった。現在のイスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフ氏は、その弟だ。交渉による人質解放に望みをかけるのか、それとも武力による救出という強硬手段に出るのか、その決断は彼が下す。

イスラエルに対しては、アメリカが機密情報と、おそらくは特殊部隊による支援も提供しているとの報道が出ている。米海軍は、地中海東部の沖合に大型空母群を展開させている。しかしハマスは、戦力が大きく上回る相手と戦えることを、これまでに証明している。イスラエルはテクノロジーと火力で圧倒的優位に立っているが、ハマスはその差を補うことができる。通信を最小限に抑え、デジタルの痕跡を残さないようにすることで、ハマスは7日のイスラエル奇襲を可能にした。150人超の人質を拘束している戦闘員らは、可能な限りオフラインの状態を保ち、電波を使わないだろう。人質たちからはほぼ間違いなく、すべてのデジタル機器を取り上げているはずだ。「これは間違いなく、イスラエルにとって史上最も難しい人質事案だ」。前出のミルスティーン氏はそう話す。(10/13/2023 BBC)


🔳イスラエル「総攻撃」宣言 双方死者2100人以上
イスラエルのガラント国防相は10日、イスラム組織ハマスが侵入したイスラエル領内の支配を取り戻したと表明し、今後イスラエル軍は「総攻撃に向かう」と宣言した。イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザに対する空爆でハマス政治部門の幹部ら2人を殺害したと発表。ハマスはイスラエル中部アシュケロンに多数のロケット弾を撃ち込み、応酬が激化している。死者の合計は2100人以上となった。バイデン米大統領は10日の演説で、イスラエルには「対抗する権利と義務がある」と述べ、武器供与などの支援を加速する考えを表明。米中央軍は原子力空母を中核とする空母打撃群が東地中海に到着したと発表した。ハマスは10日、レバノン南部からイスラエル側にロケット弾攻撃を行ったと明らかにした。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは同日、両国国境付近で誘導ミサイル弾などにより交戦した。両者の衝突は3日連続で、国境で緊張が続いている。(10/11/2023 Kyodo)


🔳イスラエル「戦争状態」宣言 30万人招集
イスラエル軍は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したと明らかにした。地上攻撃を計画している可能性がある。ハマスによる週末の攻撃を受け、イスラエルはガザを空爆。ハマスは、イスラエルが警告なしに民家を爆撃するごとに拘束したイスラエル人の人質を1人ずつ処刑すると警告した。イスラエル領内では、パレスチナの戦闘員が7日の攻撃以降も複数の地域を占拠している。

イスラエルのテレビ局は、ハマスの攻撃による死者が900人に上り、少なくとも2600人が負傷したと伝えた。ガザの保健省は7日以降、イスラエルの空爆で少なくとも687人のパレスチナ人が死亡し、3726人が負傷したと発表した。死者にはイタリア、ウクライナ、米国の市民も含まれており、バイデン米大統領は9日に少なくとも11人の米国人が死亡したと発表した。わずか2日間で30万人の予備役が招集されたことから、イスラエルがガザへの地上攻撃を計画しているのではないか、という憶測を呼んでいる。

イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ氏は「これほどの規模の招集は前例がない。これからも攻勢を掛けていく」と述べた。また、イスラエルのガラント国防相は、ガザの封鎖を強化して食料や燃料の供給を止めると発表した。双方の仲裁に乗り出す動きも見られている。エジプトの治安筋によると、過去にイスラエルとハマスの仲裁をしたエジプトは双方と緊密に連絡を取り合っているという。トルコのエルドアン大統領も、仲介に意欲を示した。関係筋によると、カタールの担当者がハマス幹部と緊急の電話会談を行い、双方が拘束している女性や子どもの解放に向けて交渉している。(10/10/2023 Reuters)


◾️ハマスとイスラエル 死者1600人以上
パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルの武力衝突による死者は1600人近くにのぼっていて、事態がさらに悪化する懸念もでています。ハマスが7日におこなった大規模攻撃への報復として、イスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆や、ハマスの戦闘員の掃討作戦を続けています。ハマス側も断続的にイスラエルにロケット弾を撃ち込んでいて、イスラエルメディアはおよそ900人が死亡したと伝えています。一方、パレスチナ側の保健当局はこれまでに687人が死亡したとしていて、双方の死者は1600人近くにのぼっています。(10/10/2023 日テレNews)

こうしたなか、ロイター通信によりますと、ハマスは9日「イスラエルが警告なしに民家を空爆するたびにイスラエル人の人質が処刑されることになる」という声明を出したということです。イスラエルのメディアは、ハマスと別の武装組織がおよそ130人を人質にとり、なかには軍の高官もいると主張していると伝えています。また、ロイター通信はパレスチナ自治政府の通信社を引用し、パレスチナが「ガザで進行中のイスラエルの攻撃」を阻止するため、国連に介入を要請したと報じています。

国連のグテーレス事務総長は、ハマスによる攻撃を非難する一方、イスラエルがガザ地区の包囲を命じたことについて懸念を示しました。国連・グテーレス事務総長「イスラエルがガザ地区を完全に包囲するという本日の発表を受け、深く心を痛めている」さらに国際社会に対しガザ地区への早急な人道支援を求めました。


◾️米英独仏伊 イスラエル支持で結束
米国、ドイツ、英国、フランス、イタリアの首脳は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を非難する共同声明を発表し、イスラエルへの「揺るぎない結束した支持」を表明した。バイデン米大統領、マクロン仏大統領、ショルツ独首相、メローニ伊首相、スナク英首相は声明で「イスラエルが自国を防衛し、最終的に平和で統合された中東地域の条件を整えられるよう、われわれは同盟国として、イスラエルの共通の友人として、結束と連携を続けていく」とした。(10/10/2023 Reuters)


◾️ハマスの残虐行為 ISに酷似
イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した際に行った残虐行為は過激派組織「イスラム国 (IS)」が行った残虐行為に酷似していると述べた。ネタニヤフ首相は「ハマスによる残虐行為はISの残虐行為以来のものだ。拘束された子供たちが家族とともに処刑され、若い男女が背中を撃たれて処刑された」と指摘。「ハマスはISだ」とし「世界がISを打ち負かしたようにイスラエルもハマスを打ち負かす」とした。(10/10/2023 Reuters)


◾️50年後のヨムキップルー戦争
攻撃が始まったとき、イスラエル人の多くは眠っていたはずだ。7日は土曜日で、ユダヤ教の安息日だった。加えて、ユダヤ教の祭日でもあった。つまり多くの家族は自宅やシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で過ごす予定だっただろうし、友人同士は集まる予定を立てていたかもしれない。しかし夜明けと共に、空からロケット弾が大量に降ってきた。規模と連携において前例のない攻撃の、開始の合図だった。イスラエルはもう何年も前から、パレスチナ人の小さな自治区、ガザ地区とイスラエル領の間の分離壁を強化してきた。しかし、今回の攻撃が始まるや数時間のうちに、分離壁は越えられないどころか、数カ所で破られていた。守りは鉄壁ではなく、その思い込みは誤っていたことが露呈した。

ハマスはガザから今回、かつてないほど多岐にわたり統制の取れた、練り上げられた攻撃を実施した。それをハマスがどのように調整したのか知ろうと、BBCニュースは、現場の戦闘員や民間人が撮影した映像を分析した。現地時間の7日午前6時半ごろ、ロケット弾が飛び始めた。ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスが、よく使う手法だ。ハマスはイギリスをはじめ世界各国から、テロ組織と指定されている。ハマスが使うロケット弾は基本的な作りで、イスラエルの進んだ防空システム「アイアン・ドーム」を回避できないことが多い。しかし今回は、短時間の間に数千発を一気に発射することで、その防空体制をかいくぐることに成功した。このことから、ハマスが何カ月も前からこの攻撃を計画し、ロケット弾を備蓄していたことがうかがえる。ハマスは当初の攻撃でロケット弾を5000発、発射したと主張する。一方、イスラエル軍はその半数だったと反論している。

空襲警報は、ガザから60キロ離れたイスラエルの首都テルアヴィヴのほか、エルサレムでも鳴り始めた。ロケット弾が着弾した複数の場所から、黒煙が立ち上った。ロケット弾の砲撃が続く間、ハマスの戦闘員はガザを厳重に取り巻く分離壁を複数個所から突破するため、所定の場所にそれぞれ集まっていた。イスラエルは2005年の時点で、部隊と入植者をガザから引き揚げた。しかし今も、その上空と境界線、ならびに海岸線を支配下に置いている。イスラエルがガザを囲って設置した分離壁は、場所によってはコンクリートの壁、場所によっては金網のフェンスだ。その一帯をイスラエル軍は定期的に警備しているし、侵入を防ぐためのカメラやセンサーが多数配置され、警備の網を作っている。

それでも数時間のうちに、この分離壁は何度も何度も突破された。ハマス戦闘員の一部は、分離壁を完全に避けてイスラエルに入ろうとした。中には、パラグライダー(少なくとも7人がパラグライダーでイスラエル上空を漂っている、未確認映像がある)や、ボートを使った者もいる。イスラエル国防軍は、ボートで海岸に上陸しようとしたハマスの集団を、2回にわたり押し返したという。しかし、今回の攻撃が従来と異なるのは、境界線の複数の検問所に対する直接攻撃が、連携をとって行われたことだ。ソーシャルメディア「テレグラム」上で午前5時50分、ハマス軍事部門とつながりのあるチャンネルに、最初の現場映像が投稿された。

動画には、戦闘員が検問所を襲撃する様子や、血にまみれたイスラエル兵2人が地面に倒れた様子が映っていた。撮影場所は、ガザの検問所の中で最も南にある、ケレム・シャロームだ。別の動画では、ライフルを手にした戦闘員が2人ずつ乗ったバイクが少なくとも5台、分離壁の金網フェンスの部分を切り開いた箇所を、通り抜けていく様子を見せていた。警備の薄い個所では、金網と鉄条網のフェンスを、ブルドーザーが押しつぶして破壊していた。丸腰に見える数十人がその場に集まっていた。数人は、フェンスの隙間を走って通り抜けていった。

ガザの検問所で最北にあるエレズは、ケレム・シャロームから約43.4キロに位置する。ここでもハマス勢力は、検問所を襲撃した。この動画は、ハマス系プロパガンダ・チャンネルの一つに掲載された。コンクリート壁で爆発があり、これを襲撃の合図に、戦闘員が爆発の方向へ武装集団を誘導する様子が映っている。防弾チョッキを付けてライフルを手にした男性8人が、厳重警備の検問所へ向かって走り、イスラエル兵へ向けて発砲していた。動画の後半では、明らかに統制がとれて訓練された戦闘員たちが、検問所の内部を部屋ごとに点検しているのが見える。床に複数のイスラエル兵が倒れている様子も映っている。

ガザから出るための公式な検問所は7つある。そのうち6カ所はイスラエルが管理し、エジプトへ通じる1カ所はエジプト政府が管理している。しかしハマスは今回、数時間のうちに分離壁の複数箇所からイスラエル領内に入ることに成功していた。ハマス戦闘員はガザを出て、あらゆる方向へ進んだ。イスラエル当局の話によると、ハマスが襲撃した場所は27カ所に上る。敵は見つけ次第その場で殺害せよと、命令されていた様子だという。ハマスが最も遠くまで到達したのは、ガザから22.5キロのオカフィムの町だった。ガザから3キロにあるイスラエル南部スデロトでは、市内を走るピックアップトラックの荷台に武装勢力が乗っている様子が映像で捉えられている。

襲撃されたエレズ検問所のすぐ北にあるアシュケロンでは、数十人の武装勢力がひとけのない通りに広がって移動していた。同じような光景がイスラエル南部各地で見られ、国防軍は民間人に屋内にいるよう指示した。レイム近くで開かれていた音楽フェスティバルでは、砂漠に集まった大勢の若者に向かって、武装勢力が手当たり次第に発砲した。目撃者はBBCに対して、武装勢力が武器を大量に積んだバンを乗り回し、標的にするイスラエル人を3時間かけて探し回っていたと話した。この音楽フェスティバルをはじめ複数の場所にいた人たちが、人質として取られ、ガザへ連行されたことが今ではわかっている。イスラエルによると、兵士と民間人を合わせた計100人が拉致された。

ベリの町で撮影され、BBCが本物だと確認した映像では、4人ほどの民間人が武装勢力に連れ去られる様子が映っている。インターネットで拡散している映像の中には、混雑したガザの通りを複数のイスラエル人が連行される様子を撮影したものもある。イスラエル人の一部は重傷を負っている。ここで掲載するには生々しすぎる内容の残酷行為も、映像で記録されている。中には、車から引きずり出された運転手が、その場でのどを切られるものもある。死亡した民間人や兵士の遺体が、痛めつけられる様子の映像もある。

ハマスはイスラエルの町村を標的にしただけでなく、ジキムとレイムの2カ所にあるイスラエル軍基地も攻撃した。レイム付近で撮影された映像では、基地へ至る道路の路肩に焼け焦げた複数の車両が点在している。ここの戦闘で何人が死亡したのかは、明らかになっていない。ハマスはソーシャルメディアで繰り返し、イスラエル兵の遺体の映像を流している。BBCニュースはその内容を検証できていない。ロケット弾の集中砲火が始まってから数時間のうちに、何百人ものイスラエル人が死亡した。しかも、思いもよらない方法で。

襲撃されたイスラエル南部には、数時間のうちに助けの手がたどりついた。しかしその間ハマスは、一時的にせよ、ガザ以外の土地を実効支配していたのだ。今回の奇襲作戦のスピードと殺傷力は、イスラエルに衝撃を与えている。なぜこのような事態が起こり得たのか、今後何年も問われることになるだろう。攻撃開始から数時間後、7日の正午になる前に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「これは戦争だ」と宣言した。(10/10/2023 BBC)

ラハイナ 2025人の子供が行方不明

2023年09月06日 | 世界情勢
🔸Over 2,000 Children Missing From Lahaina Public Schools Two Weeks After Maui Fire

8月24日、ハワイ州教育省は、ラハイナの公立学校で 2,025人の生徒が行方不明であることを示す報告書を発表した。8月8日にマウイ島のラハイナの町を破壊した火災の後に調査がなされた。火災前、ラハイナ学区は小学校 2校、中学校 1校、高等学校 1校の計 4校で構成されていた。これらの学校には合計 3,001人の生徒が在籍していた。



残念ながら、火災による被害のため、現在すべての学校が休校となっている。ある小学校は大きな被害を受け、しばらく再開できない可能性がある。他の 3校も強風、瓦礫、すすの被害を受けた。報告書は、欠席していた児童の多くが火災で亡くなったかどうかについては触れていない。8月21日付の報告書によると、登録されている 3,001人の学生に何が起こったのかは次のとおりだ。

・538人の生徒が他の公立学校に再入学した。

・438人の学生がハワイ州通信教育プログラムに参加した。

・残りの 2,025人の学生の動向は考慮されていない。この生徒たちは、他の公立学校に再入学したり、通信教育を選択したりしていない。彼らは州外に引っ越したか、私立学校に入学した可能性がある。

ホノルル・スター・アドバタイザー紙は、マウイ島の私立学校にかなりの入学者がいると伝えた。火災事件以来、約 1,000件の新規申請があった。この記事では、火災が悲惨な結果をもたらした別の私立学校についても取り上げられている。スター・アドバタイザー紙は以下のように伝えている。マウイ島の私立学校も変化を経験している。マウイ準備アカデミーでは、新たに利用可能な枠に対して約 1,000件の申し込みがあった。学校は、火災により避難した生徒たちを受け入れるためにこれらの開校部門を設けた。

学校関係者は次のように述べている。「 110人の新入生を迎えるためにキャンパス全体を再配置しました。昨年より入学者数が 40%増加することになります。しかし、今日は非常に多くの生徒たちが教室に来てはいません」セイクリッド・ハーツ学校はウェブサイトで、キャンパスが「壊滅的な火災に見舞われ、キャンパスは廃墟となった」と伝えた。

ハワイ独立学校協会の報告によると、この学校には約 200人の生徒が在籍していた。ハワイ州政府当局は火災で命を落とした子どもの数について透明性を欠いている。2週間経っても、文書で確認された死者は 115人のみだが、さまざまな年齢の推定 850人から1,100人が行方不明となっている。行方不明者名簿は公表されていない。事件当日、ラハイナの学校に通う若者たちは自宅に留まるよう勧告された。沖合のハリケーンによる強風が原因だった。親が職場にいるため、多くの子どもたちが自宅に一人でいた。

AP通信の報道では、火事の中から自分の子どもを救出することに成功した父親が特集されていた。しかし、隣人の子どもたちを救うことができなかったために、彼は深く苦しんでいた。 AP は以下のように報じている。生存者の多くは激怒しており、少しの通知さえあれば多くの命が失われずに済んだのではないかと考え、苦悩している。

ベアードさんによると、ラハイナ・ルナ通り近くの彼の自宅近くでは、火事が近づいたときに家に一人でいた子どもたちがたくさんいた。「あと 10分あれば、多くの子どもたちを救えたかもしれない」とベアードさんは涙をこらえながら語った。「警報が通知されてさえいれば、10分か 15分あればよかった」(8/25/2023 greatgameindia.com)


【ハワイ州教育省の報告書】

米国の自殺者 過去最多

2023年08月14日 | 世界情勢
米国で、2022年の自殺による死者が過去最多のほぼ5万人に上ったことが、米疾病対策センター(CDC)の暫定データから明らかになった。CDCが10日公開したデータによると、2022年には4万9449人が自殺によって死亡。21年の4万8183人を2.6%上回った。年齢別では、65歳以上の増加率が最も高く、前年から8.1%増えた。45~64歳では6.6%、25~44歳では0.7%、それぞれ上昇。一方、若者の自殺は減少しており、10~24歳では8.4%減だった。人種・民族別では、ハワイ先住民およびその他の太平洋諸島住民の増加率が15.9%で最大だった。男女別では、女性が3.8%、男性が2.3%、それぞれ増加した。

米国では近年、自殺者が増え続けている。CDCによると、自殺死亡率は2001年から2021年にかけて31.8%上昇。19年と20年は低下したが、21年には新型コロナウイルス流行開始以前の水準に戻った。ジョンズ・ホプキンス大学の銃暴力解決センターも、6月に発表した報告書で、2019年から2020年にかけて銃が関わる自殺が10%上昇したと報告。銃が関わる自殺は自殺増加の最大要因だったと指摘した。米政府は昨年夏、4億3000万ドル(約620億円)以上を投じた自殺防止対策を発表。その一環として、それまで10桁だった全米自殺防止ホットラインの電話番号を3桁の「988」に変更し、通話あるいはテキストメッセージで利用できるようにした。しかし英調査会社ユーガブが先月発表した調査結果では、「988」の導入から1年後、この番号を覚えていた米国人は14%、聞いたことがあると答えた人は55%にとどまった。(8/13/2023 Forbes)