Good News Ministry

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「ヤマザキパン」3代目はクリスチャン 被災地にいち早く支援物資

2024年01月06日 | 世界情勢
「ヤマザキパン」の迅速な対応に各方面から称賛の声が上がっている。大きな災害が起こるたび、山崎製パンのトラックが被災地に“一番乗り”する光景は珍しくないが、それを可能にした同社の“DNA”の秘密に迫った。

「ヤマザキパンさん、いつも災害時にご支援ありがとうございます」1月3日、自民党の佐藤正久・参院議員は自身のXに、山崎製パンのトラックから自衛隊員の手で支援物資が次々と運ばれる動画とともに、こう感謝の言葉を投稿した。最大震度7を観測した能登半島地震は発生から5日目を迎えたが、現在も懸命な救助活動が続けられている。電力供給や通信サービスといったインフラ面の制限に加え、必要な物資も滞るなかにあって、いち早く支援物資を届けたのが山崎製パンだった。

「これまでも同社は阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、熊本地震などの大きな災害時に素早い対応で支援物資を届けてきたことで知られます。2016年10月21日に起きた鳥取県中部地震の際には、発生当日のうちに同社の岡山工場から菓子パンなどが続々と届けられ、翌未明までに約1500個が到着。11年の東日本大震災時には発生翌日に約60万個のパンが現地に届けられただけでなく、避難所が閉鎖された同年11月までに約1500万個のパンや約800万個のおにぎりなどが供給されました」(全国紙社会部記者)それを可能にした理由の一つが、同社の“自前主義”という。

「独自配送」へのこだわり

「創業時から山崎製パンは〈自分で作って、自分で運び、自分で売る〉というスタイルを貫き、製造部門だけでなく、商品を運ぶ物流部門や販売部門をグループ内に確立。白地に黒の『ヤマザキ』の文字が躍るトラックは自社で物流網を築いていることの証です。自分たちで“川上から川下まで”担うやり方は、昨今の“選択と集中”型の経営スタイルがもてはやされる時流からは逆行しますが、これがイザという時の“瞬発力”に繋がっていることは否定できません」(食品業界ジャーナリスト)

この自社一貫体制の構築には、3代目となる現社長・飯島延浩氏(82)の哲学が影響しているという。「石炭産業が衰退したのは、船や鉄道など時代とともに移り変わった輸送手段(物流)に左右された面が大きいと考えた飯島氏は、大手流通企業などとの共同配送を拒み、独自配送にこだわり続けた。山崎製パンが業界のなかでも“異彩”を放つのは、飯島社長の思想や人物像と無縁でないと見られています」(同)飯島氏は売上総額1兆円超の企業グループを率いる経営者としての顔だけでなく、敬虔なクリスチャンとしての一面も併せ持つ。

支援は「会社の責務」

飯島氏がプロテスタント教会で洗礼を受けたのは1973年。その直後、当時の主力工場だった武蔵野工場が火事に遭い、全焼する不運に見舞われる。「しかし周辺の工場の支援や協力によって、すぐに通常の供給体制を回復したといいます。この困難を経て、飯島氏は会社としての使命を問ううちに、被災地への緊急支援は『食品企業としての責務』と公言するようになったと伝えられます」(同)山崎製パンに今回の支援について訊ねると、「火や水もない緊急時に、そのまま食べられるパンなどをできる限り早く、現地へと届けるのは当社の使命と考えています。今回も地震発生後、農林水産省から日本パン工業会に支援依頼があり、それに弊社が応えた形です。(迅速な対応が可能だったのは)自社で配送を持っていることや過去の経験、社内体制などが生きた結果と考えています」(同社広報)届けられたパンを頬張り、被災した人たちに束の間でも笑みが戻れば――と願わずにいられない。(1/5/2024 デイリー新潮)


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