昨日は、日曜日休業している事もあって、昼食を外食にしようと思って、「金沢情報」に載っていた「金澤アンモナイト」という居酒屋に行きました。
石のお店をやっていると「金澤アンモナイト」という店名は、やはり、どうしても気になってしまいます。
上の写真が、その店です。
その店は、せせらぎ通りにあり、アンモナイトの看板で、すぐわかりました。
店主がアンモナイト好きらしく、店内には多数のアンモナイトが飾ってありました。(他に、水晶や天青石などの鉱物も置いてありました。)
私が、注文したのは、やはり、アンモナイトカレーです。
上の写真がそれです。
普通のカレーと違って手間がかかるせいか、多少の時間がかかったようでした。味は普通のスパイシーなカレーでしたが、アイデアは面白いと思いました。
今日は、このブログでは珍しい食の話題でした。
先日、Web上でAI鉱物という画像を見てしまいました。ついにこんなものまで出ていたのか!という驚きと共に嘆かわしい気持ちにもなってしまいました。
その画像は、一見、美しい結晶鉱物のように見えるのですが、何となく不自然で、ある意味、不気味な存在のように感じてしまいました。
昨今は、Pinterstなどで天然の美しい結晶鉱物の写真が簡単に見れるようになっており、何も架空のAI鉱物の画像など必要としておりません。
そんなものには何のトキメキも感じませんし、そもそも、現実に存在しないAI鉱物などには興味がありません。
そんなAI鉱物に比べると、比較になりませんが、かつての鉱夫芸術と呼ばれた実際の鉱物を使ったアリエナイ共生標本の方が好感が持てます。
上の写真は、そのような鉱夫芸術と呼ばれるもののひとつです。これは釈迦内鉱山の水晶と黄鉄鉱を鉱夫の人が人工的に組み合わせたもののようなのですが、その絶妙なバランスとその全体的な共生の景色には許せる姿があるような気がしております。
私は、その昔、あるミネラルショーの会場で、尾去沢鉱山産の標本の中に、妙に美しい菱マンガン鉱と黄鉄鉱の共生標本を見た事がありますが、その標本が人工的に張り合わせたものである事を知ると、急激に興味を失ってしまった経験があります。ただ、今、考えてみると、それも鉱夫芸術と呼ばれるものの一つであって、それが人工的なものであっても、結晶鉱物そのものは天然のものである事には変わらないので、それもまたアリなのかもしれない、と思っております。
また、鉱夫芸術の方は実体のある3次元の物質ですが、AI鉱物なるものは単なる2次元の画像データに過ぎません。
Web上の画像情報に騙されてはなりません。
今後は、ますます、鉱物認識リテラシーとも呼べる鑑識眼が必要とされるようになるようです。
一昨日は、店の定休日だったので福井県のこども歴史文化館(これき)で開催中の特別展「地球のカケラがいっぱいVer.2」を見に行きました。
展示会場のようすは、このブログのブックマークのこれきのホームページから見れますので、そちらからご覧ください。今回も見応えがありました。
私の方は、これきのHPには出ていなかった第二会場の関連展示「鉱物画の世界」の一部を紹介します。
上の写真がそれです。
最初はドイツの鉱物学者クルルの「鉱物の王国」(1878年)で、次は和田維四郎の「金石一覧」(1880年)で、最後はその後のいくつかの明治時代の教科書の挿絵です。
水晶や瑪瑙などの図は現本の鉱物画をまねた図が用いられております。こうやって並べてみると、和歌の本歌取りのように、奥行きと重層化のような面白さを感じました。
それによく気づいたと感心しました。
私は、その展示に感動したのと同時に、歴史文化館ならではのその再発見に感動しました。学芸員のOさんに拍手!
その他にも、これきらしい展示がありましたが、それらは現地でご覧ください。
最後に、もう一つ、これきの特別展ではお馴染みになっている林 奈緒子さんの鉱物画の写真を出しておきます。こちらも見事です!
今日は「比重」です。鉱物に於いては、鉱物種を同定する際の重要な指標の一つですが、このブログでは、これまであまり触れてこなかった話題だと思います。
鉱物的な比重とは、水(比重1)との重さを比較した密度の値の事で、例えば、水晶は2.7、ダイヤモンドは3.6、自然金は15.2~19.3と言った風になります。(自然金は自然銀との合金なので、金の重度によって変化します。)
そう言えば、今朝のNHKニュースで金の価格が1g1万円を超えて最高値更新中だと伝えていました。有事の金、という言葉が過ぎりました。・・・。(純金の比重は19.32です。)
もう一つ、比重ではなく、惑星の大きさと質量から求められる惑星の密度の話題でしたが、先週、「発泡スチロール並に低密度な惑星TOI-1420bを発見」というニュースがありました。その系外惑星の平均密度は0.082gだそうで、水に浮いてしまうような軽さです。(因みに最も密度の高い天体は、ブラックホール以外では、特殊な中性子星だそうです。)
重さの話題では、密度とは、単位体積あたりの質量の事で、比重とは、ある物質の密度と、4℃の水の密度との比のことです。(密度には単位があり、比重には単位がありません。)
では、最も比重の高い鉱物は何でしょうか?答えは、オスミウム(22.57)かイリジウム(22.61)だそうです。二つあるのは同位体の扱いによって差が出るようです。逆に軽い方はわかりませんでした。
鉱物の比重の話題は、単純そうで、チョッと調べてみると、かなり奥深いものがありました。・・・。
重さの話題では、他に、面白い話がありました。先日、郵便局にお勤めの人から聞いた話です。「最近は、新米の季節の関係で、米30kgという荷物が多く、苦労しているが、それよりも同じ重さのダンベルセットには気が滅入る・・・」人間には、心理的な比重のようなものがあるようです。
大物好きのコレクターの中には、苦労して巨大な標本を採集してくる人がいますが、恐らく、その標本の比重以上の標本価値を見いだしているからだろうと思います。
そろそろ奥能登国際芸術祭2023シリーズは終わりにしたいと思っております。
このブログの最後の作品は、作品ナンバー06 ファイグ・アフメッド「自身への扉」です。
先日のNHK「日曜美術館」では、引き潮の時間帯に作者と共に紹介されておりましたが、我々がその場に着いた頃は海の中にありました。この作品は、やはり、夕日がその鳥居の中にある時間帯に見るのが一番良いような気がしました。
そう言えば、近くにはゴジラ岩や窓岩があります。
特に、窓岩は、穴の位置に夕日がある時間帯に見るのが一番だと思います。Web上では画像検索すれば、すぐにそのような写真を見る事ができます。
水石の愛好者の中には、穴の開いた石ばかりを集めている人がいます。どちらかと言うと、私も穴の開いた石が好きな方で、そのような好みには共感するところがあります。
この鳥居の作品の近くには、もう一つ、名も無き気になる岩がありました。
上の写真がそれですが、その岩には海蝕洞窟のような穴が口を開いているように見えました。石のブログ的には、その岩も非常に気になる存在でした。