ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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ねじれ水晶

2020-08-28 11:48:39 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ねじれ水晶」です。過去に「曲がり水晶」(2012.01.21)というタイトルで曲がり水晶を話題にした事がありましたが、「ねじれ水晶」のタイトルは初めてです。

現在、店に置いてある「DANA'S SYSTEM OF MINERALOGY」(Seventh Edition VOLUME Ⅲ SILICA MINERALS)の中に非常に興味深いねじれ水晶の写真がありました。

上の写真がそれです。C軸がねじれた21cmもの長さの一本ものの水晶です。すばらしい一品だと思います。

私はなぜか?ねじれ水晶には惹かれてしまいます。ただし、ねじれ水晶はレアものなのでそう簡単には入手できません。

私が過去に見た記憶のあるねじれ水晶は、やはり益富寿之助著「鉱物」(保育社のカラー自然ガイド)という本に載っていたねじれ水晶でしょうか。それと、10年以上前の大阪ショーで見た磯部敏雄さんのねじれ水晶でしょうか。なぜか?それらはどれも煙水晶です。

そのようなすばらしいねじれ水晶が無いので、その代わり、と言っては変ですが、DANAのねじれ水晶のように細長いAMELANDというペーパナイフの写真です。そのフォルムがデザイン的に美しく、気に入っております。

さて、ねじれ水晶にはもうひとつ並行連晶によるタイプのものが知られています。それらはグインデルクォーツという呼び名でかなり高価なものです。どうもスイス産の煙水晶に多いようです。

現在、「石の華」には、その並行連晶タイプのものがあります。

上の写真がそれです。写真ではチョッとわかりにくいかもしれませんが、肉眼的に立体視するとねじれている事がわかります。

これは一見、白い水晶のように見えるのですが、よく見ると、どうも非常に薄い色の煙水晶のようです。

ねじれ水晶と煙水晶の関係性、もしかすると、自然界の放射線を受けながら結晶成長するとねじれが生じてしまうのかもしれません。

 

 

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アメシストの欠片

2020-08-20 15:52:42 | 日記・エッセイ・コラム

一つ前のブログの三つ目の写真(紫色と青色のバイカラーの蛍石)と同じように、紫色と青色のバイカラーのアメシストがある事を思い出して、それの写真を撮ろうとしたのですが、なかなか上手く撮れませんでした。

上の写真がそれです。肉眼的にはセンター部分に縦に青い筋が入っているように見えるのですが、なぜか?写真ではそのように見えません。撮り方が良くないのか?カメラの特性なのか?良くわかりませんが、LEDライトで透かして見ると、その実物は紫色と青色のバイカラーに見えるアメシストです。

これは一見すると、何も面白くない、アメシストの欠片だったりして、興味がなかったものでしたが、それがバイカラーで、しかもブルーが見えてしまうと、一瞬で、貴重な存在に変化してしまいました。

そして、更に、これを白熱灯で透かして見ると、赤紫色にカラーチェンジしました。鉱物のカラーチェンジも面白いものです。さらなる魅力が増したような気がしました。

これはザンビア産のアメシストの欠片です。結晶面に欠けがあったりして何の魅力もないものでしたが、これもどうしてもとっておきたくなってしまいました。

 

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ルーペサイズの結晶美2

2020-08-11 10:58:49 | 日記・エッセイ・コラム

ルーペサイズとは言えないものの、肉眼的には小さすぎてあまり面白くない蛍石の結晶があります。

上の写真は中国 貴州省 チンロン鉱山産の蛍石です。小さな立方体結晶の集合体ですが、よく見ると面白い構造が見えます。

上の写真は低倍率のマクロ撮影写真です。立方体結晶のエッジ部分に紫色に縁取りが入っていて魅力的に見えます。このような自然の秩序には鉱物結晶好きの心がくすぐられます。

蛍石はもっとも対称性の高い立方晶系の鉱物なので、このような規則正しい秩序が現れるのだろうと思いますが、小さくてもルーペを用いるとその魅力が倍増します。鉱物の結晶を愛でるには8倍から10倍程度のルーペが相応しいような気がしております。

そうそう、蛍石の劈開の性質を利用した安価な八面体結晶が大量に流通しておりますが、それらの中に、結晶好きの心をくすぐるものがありました。

上の写真がそれです。どうでしょうか?

鉱物のバイカラーものは人気が高いのですが、このような安価な蛍石の中にも、秩序立ったバイカラーのものがあるのです。このようなものを見つけると、どうしてもとっておきたくなってしまいます。

 

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ルーペサイズの結晶美

2020-08-04 12:10:24 | 日記・エッセイ・コラム

先日の仕入れ品の中に興味深い標本がありました。

上の写真がそれです。一見、あまり面白みのない単なる岩石の欠片のように見えますが、その標本ラベルには、Champion Mine,California,U.S.A産のダイアスポアとなっており、それをルーペでよく見ると、小さな放射状結晶が密集している集合体でした。ラベル情報を信じて、面白いものだと思い、店頭に出してみたところ、常連のOさんがそれに興味を示し、そして、いつものように持参のルーペでそれを見て、さらに、スマホでmindat.orgで調べ始めました。すると、それはダイアスポアが共生している葉蝋石のようでした。どうもダイアスポアは褐色の母岩部分に張り付いている光沢のある結晶部分で、私が面白いと思った小さな放射状結晶の集合体部分は葉蝋石のようでした。葉蝋石というと、私は経験的に、その10倍ぐらいのサイズの結晶のものだろうと思っておりましたが、今回のものは1/10のルーペサイズの結晶だったのです。

上の写真は、結晶釉の焼物です。

どうでしょうか?何となく、先の葉蝋石のように似ているような気がします。

それは、恐らく、マンガン系の結晶釉だろうと思われますが、ルーペサイズの結晶の集合体で形成されています。私は両者に共通する結晶美を感じてしまいました。

鉱物結晶の世界は肉眼サイズだけではなく、その1/10のルーペサイズの結晶世界もあるのです。

どちらかと言うと、私は、肉眼サイズを愛でる方なのですが、実は、鉱物結晶の世界の大半はルーペサイズなのです。(もしかすると顕微鏡サイズの方がもっとメジャーなのかもしれませんが・・・)

1、1/10、1/100、1/1000、1/10000・・・・、10進法のマイナス乗のサイズの世界の結晶美、結晶世界の奥深さを感じてしまいます。

 

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