先ほどのYahoo!JAPANのニュースで地球滅亡までの時間を示す終末時計が「残り100秒」と史上最低となった、とありました。核戦争と地球温暖化という二つの脅威に加え、世界の指導者が、そうした脅威に対処するための国際的な取り組みを弱めていると指摘したそうです。さらに、新型コロナウィルスも気になるニュースです。今年はそのような大きな波乱のニュースで幕開けしました。
今日は、そのような大きなニュースではないものの、年初の小さなニュースに注目したいと思っております。そのニュースはあまり注目されなかったと思いますが、それは決して小さなニュースではなく、地球サイズの大きなニュースでした。
そのニュースとは「79万年前の巨大隕石が生んだクレーター判明」というニュースです。
鉱物市場では、モルダバイトやリビアングラスと共に黒いテクタイトという隕石由来のインパクトグラスが有名ですが、その飛散エリアは広大で、アジア南部から太平洋西部、インド洋、オーストラリア、南極大陸の一部にまで及んでいるものの、そのクレーターそのものが不明で、それが大きな謎だったのです。(このブログ「謎の痕跡」2019.03.01参照)
今回のニュースはその隕石クレーターが特定されたというニュースでした。その場所とはラオス南部で、クレーターの直径は13~17キロである可能性が高く、その隕石は直径1キロ級と推定されるそうです。その規模の隕石の衝突は100万年から500万年に1度の頻度で起きるとされているそうです。79万年前は人類の祖先がアフリカで活動していた時期で、巨大隕石の衝突としては最も新しいそうです。
この発見は衛星写真の分析とテクタイトの化学分析や重力測定による地下構造の推定、地質の年代測定などにより、クレーターの場所や大きさを絞り込んだそうです。火山活動により埋もれてしまったクレーターが最新の調査によって火山岩の下に埋まっていたことが判明したのです。
この新しい知見は、地球史を知る上で重要な意味を持つと思われます。
今日の写真はそのテクタイトです。
このテクタイトはよくある球状や滴状ではなく、左右に伸びて先端が膨らんでいます。これは空中で固まる前の溶けていた時に、爆風に飛ばされながら回転してできたのだろうと想像できます。その回転の遠心力で両端が膨らんだのだろうと思われます。このようなタイプのテクタイトは珍しい訳ではなく数多く存在しているようです。隕石衝突とその瞬間の状態が想像できる形なのだろうと思います。