ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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「石ものがたり Part2」

2020-10-30 07:41:20 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日は、福井のこども歴史文化館(これき)で開催中の「石ものがたり ふくいが生んだ鉱物学者たち Part2」(10/24~11/29)に行って参りました。今年の夏休み中に開催されていた和田維四郎没後百年記念特別展Part1に続くPart2という位置付けとなっており、前回同様に素晴らしい展示会でした。

今回も、これきの皆さんの解説付きで案内して頂きました。毎回、感謝しております。

企画展示室に入ると、いきなり「鉱山借区図」という明治期の鉱山の地図が貼られておりました。これは明治政府が地主(土地所有者)から借りた土地を鉱区として採掘を認めた場所の地図で、北海道を除いて全国を九区に分けて作成された第四と第五(福井・石川・富山が入っている)部分です。この地図は、今回の展示会のPart1の時に、今回のテーマに興味を持たれた一般のコレクターの方の所有物らしいのですが、大変貴重な地図だと思いました。

さらに、その方のコレクションという江戸時代の山師の秘伝書「山相秘録」や明治時代の近代鉱物学教科書なども展示されておりました。また、明治期のブック型標本なども今回のテーマに相応しい展示だと思いました。

興味深かったのは、青木周蔵から和田維四郎へ鉱物の鑑定を依頼した手紙です。そこには渋沢栄一が企図した倉谷鉱山不動嶋坑と思われる表記があり、石川県人としても興味深く思いました。

また、北陸三県の石たちのコーナーでは、前回に引き続き、OさんのコレクションとTさんのコレクションが競い合って並べられておりました。これらの中には新産地のものもあり、大変貴重です。

これは市川新松標本の遊泉寺銅山産の紫水晶です。立派なものだと思います。

比企忠標本も別格です。

願わくば、和田維四郎標本の展示が欲しかった・・・

他には、パネル展示だけでしたが、岩佐(今井)巌や仙谷亮や木下亀城もありました。どうして福井出身の鉱物学者が多いのでしょうか?不思議な気がします。

今回の展示会は、立派な鉱物標本だけではなく、「これき」らしい歴史的な資料展示も充実しており、見応えがあったと思いました。

 

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準結晶

2020-10-23 05:11:31 | 日記・エッセイ・コラム

「石の華 弐」のリニューアル・セールも終わり、引っ越し作業の最中に再発見された多くの未整理標本のダンボール箱の片付けにめどが付き、さらに予期せぬ天井照明の修理工事も終わり、ようやく落ち着いた日常が戻ってきました。次は店内に新調する本棚の設置準備と新たな妄想(壁面スクリーン化計画)を実現する為の情報収集中なのですが、生憎、ネット環境が遮断されている為、何もできないでいる状態となっております。

そんな中、お客さんがいない時間にできる事と言えば、やはり読書でしょうか?ちょうど新刊本を買ったものの、リニューアル作業で読めずにほったらかしだった一冊の本を読みました。

その本とは「第二の不可能を追え!」(ポール・J・スタインハート著 みすず書房)です。理論物理学者が、ありえない物質(天然の準結晶)を求めて様々な博物館や研究機関や人物を渡り歩いてカムチャツカに至り、更なる新しい科学の領域に踏み込んでいくアドベンチャー的な内容で、知的なワクワク・ドキドキ感が続き、最後まで一気に読めました。また、現在進行形で新たな発見が続いている準結晶の世界の面白さにも心躍りました。

「準結晶」(周期的な原子構造を持つ「結晶」と不規則な構造の「アモルファス・非晶質」とは、別の、周期的ではないが規則性がうかがえる不思議なパターンを持つ第三の物質形態)は、固体物質のひとつで、非常に面白い存在です。当初は人工的に合成されましたが、天然の物質にそれを見つけようと挑戦する事、それがこの本のタイトル「第二の不可能を追え!」となっております。その過程は探偵小説のようにスリリングで、しかも、物性物理学だけではなく幾何学や結晶学・鉱物学・地質学・地球科学・隕石学・惑星天文学、等々、多岐に渡り、私の興味のある学問分野に通底しております。また、そこには一貫して科学的精神が貫かれていおり、共感しました。

そんな中、「石の華」的には、特に、衝突合成実験で得られた花のような十角形の準結晶の写真が気になりました。それは正二十面体の準結晶の粒でできていたそうで、正五角形の正十二面体の準結晶とも関係がありそうです。

今日の写真は、著者が「愚者の金」ならぬ「愚者の準結晶」と呼びたいとした黄鉄鉱の五角十二面体の結晶です。(これは五回対称性にはなれないので、準結晶ではありません。)

今後も更なる準結晶の発見を期待したいと思っております。

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「鉱物に描かれたランドスケープ」

2020-10-16 07:57:53 | 日記・エッセイ・コラム

ひかり電話回線工事の遅延で、店の電話・FAXだけではなく、インターネットも使えないので、今日のブログは自宅で書いております。どうもコロナ禍の影響はあちこちで発生しているようです。現代社会において、ネット環境は最も重要なインフラです。早く開通して欲しいものです。

さて、この前の日曜日にご来店して下さったお客さんから聞いた話で、東山のギャラリーで、鉱物をテーマにした展示会をやっている、という情報があり、興味深く思いましたので、リニューアル・セール中ですが、月曜日の午前中に小一時間、店を抜け出して行って参りました。

そこは「KAI」という昨年オープンしたギャラリーでした。

上の写真はその展示会の案内状です。KAI-SEKIというタイトルで今月末まで開催しているそうです。

そこでは「鉱物の中に入ったかのような」、「小さな鉱物の中に大きな風景を見る」体験ができます。まるで、山田英春さんの石の世界のような空間でした。

金沢でそのような展示会は非常に珍しいと思います。身近なところにも、まだまだ、知られざる石の世界があったようです。

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「石の華 弐」 始動

2020-10-11 10:56:19 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、「石の華 弐」は無事、始動できました。その前日は、夜遅くまで引っ越し作業をやっていて、大変でした。もう二度と引っ越しはやらないという気持ちにもなっていましたが、昨日、何とか、リニューアルオープンできました。お陰様で、売り上げ・客数ともに、初売り以来の大商いとなりました。ご来店して下さった皆様、本当にありがとうございました。

今日の写真は現在の店の風景です。

 

お祝いのお花は、リニューアル工事をお願いしたサンテンコーポレーションさんからと常連客のNさんから頂きました。重ね重ね、ありがとうございます。

昨日は、いつもの常連さん達の他、遠路、石の本場の山梨県からのお客様もあり、いつも以上にうれしく思いました。前日までの引っ越し作業の疲れが飛んでしまいました。石の店をやっていて本当に良かったと思います。

夕方には福井の「これき」の前館長であるKさんとOさんもご来店して下さり、様々な情報交換も出来ました。

その会話の中のひとつで、「石の華」の壁面にあった結晶展開図のような巨大な壁掛けが無くなってしまって、壁面スペースが寂しくなっているという話から、その広い壁をスクリーンにしてKさんの鉱物写真でも投影できたら面白いのに・・・、というような話になって、私は少し興奮してしまいました。

ちょうど、天井からのハロゲンライトも無くなって少し暗くなっているので、白く広い壁面は、まるでスクリーンのようになっております。・・・。

益々、妄想が膨らんでしまいました。

コメント (2)
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「石の華 弐」

2020-10-08 18:33:04 | 日記

先ほど、ようやく新しい店舗の準備が整いました。これから引っ越し作業が始まります。

今日は、今しか見れない写真を出します。

10月10日(土)から「石の華 弐」が始まります。乞うご期待!!

 

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