ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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「おとめのめおと」

2023-03-31 11:23:24 | 日記・エッセイ・コラム

昨夜、いつも見ているYouTubeの柴犬動画(「Momo Ten Kuuももと天空」の「困った顔が可愛すぎる柴犬」)を自宅のTVで見て、大笑いしました。それは柴犬ももの冬毛を眉のようにして遊んでいるママと困り顔のももの表情の動画でした。この動画を見て、私は、「もものまろまゆ」という言葉を思い付きました。

ひらがなだけの綴りは、その音感が何となく良いのです。

もうひとつ、近所に多宮と言う名前の畳屋さんがあって、そこの看板が「たたみやたみや」となっていました。面白いと思いました。

さて、このブログは石のブログなので、今日の話題です。

上の写真は、縁あって「石の華」に来た乙女鉱山産水晶の日本式双晶です。乙女鉱山の水晶は人気が高く、中でも日本式双晶は別格の存在で、博物館などではお馴染みの存在でありながらも、鉱物コレクションするには中々縁遠い存在でした。そのような一種の憧れに近かったものが身近なところに現れました。

さらに、この水晶の裏側には面白いことに何か粒状の鉱物が付着しておりました。これは何でしょうか?

その一粒をマクロ撮影で拡大してみました。

恐らく、これは小さな雲母の放射状結晶した粒だと思われます。過去にブラジル産の水晶に、このような雲母の結晶痕があった事を思い出しました。いわゆるスターバーストと言われていたものです。

乙女鉱山産の水晶にもこのような雲母が張り付くことがあるのかと、調べてみると、確かに存在しているようでした。逆に言うと、乙女鉱山産水晶の日本式双晶の表記に間違いなかった、と思われます。

日本式双晶の水晶は、夫婦(めおと)水晶と呼ばれることもあります。そうすると、これは「乙女の夫婦」、ひらがな表記すれば「おとめのめおと」となります。

何か良い感じがします。「おとめのめおと」、回文調のアナグラムのような感じです。双晶に相応しい対称性のようなものを感じてしまいました。

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岩塩

2023-03-28 10:59:41 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日、TVを見ていて、とんでもない岩塩洞窟の映像を見てしまいました。それはTBS系列「世界遺産」(特別企画 ディレクターが泣いた 感動の絶景)という番組の中のポーランド「ヴィエリチカ岩塩坑」を紹介したコーナーでした。その内部にあるキンガ礼拝堂と「最後の晩餐」の塩彫刻は有名ですが、ディレクターが泣いた 感動の絶景とはそれではなく、そのさらに地下にあるという非公開の岩塩の結晶洞窟内部の自然でした。

その映像を見て、私も共感しました。そこには無数の巨大な岩塩の結晶が洞窟内壁に張り付いていました。それらは7万年の時間をかけて成長したそうです。そこはメキシコのナイカ鉱山やスペインのプルピ晶洞の巨大石膏結晶に匹敵する、と言えそうです。それこそ世界遺産です!

その番組は録画していなかったので、もう一度見たいと思い、Web検索してみましたが、番組のホームページでは動画が見れませんでした。(1枚のスチール写真だけ見れました。)残念でした。

世界には、まだまだ知らなかった絶景があったようです。地球にはまだまだ未知の巨大結晶空間があるはずです。今後のそれらの発見が楽しみです。

今日の写真は、岩塩ではなく、食塩の人工結晶です。

上の写真は小さな塩の結晶をマクロ撮影したものです。

このような面白いものも簡単にできます。

塩は最も身近な鉱物と言えそうです。

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「最高です!」

2023-03-24 10:49:13 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日は、定休日だったので、自宅のTVでWBCの決勝戦を観戦しました。私は普段は野球の試合を見る習慣があまりないのですが、一昨日は、歴史的な名勝負にハラハラドキドキしながらTVに見入ってしまいました。特に、準決勝からの連日の奇跡的な逆転劇と最後の大谷とトラウトの勝負は非常に感動的だったと思います。スポーツは「筋書きのないドラマ」と言われることもありますが、今回の試合は台本があったようにドラマチックでした。

試合後のインタビューでは、皆さん「最高です!」の言葉を連発されておりました。流行語大賞の有力な候補になるだろうと感じました。

試合終了後はお昼になったので、近くのスーパーに行き、トラウトサーモンがたくさん入ったお寿司を買って、自宅で優勝祝いをしました。

さて、このブログは石のブログです。

上の写真は、奈留島産の水晶の日本式双晶(V字形 Vはvictoryの頭文字)です。これの面白いところは、サイズの異なった日本式双晶が二つ並んでいるところです。連晶タイプの日本式双晶と言えます。

パソコンで「れんしょう」とキーボードを打つと「連晶」ではなく、やはり「連勝」の文字が出てきます。

今回のWBC決勝リーグでの侍ジャパンの連勝に繋がっているように思えて、今日の写真としたいと思います。

そう言えば、アメリカチームのトラウトの次のバッターになるのはゴールドシュミットでした。水晶の日本式双晶の命名者はドイツの鉱物学者ゴールドシュミットでした。・・・。

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翻訳アプリ

2023-03-17 11:14:18 | 日記・エッセイ・コラム

最近になって、新型コロナウイルスの感染状況が世界的に治まりつつあるようで、来日する外国人が増えて来ているようです。金沢にも多くの外国人が来ており、先週辺りから「石の華」にも来店する外国人も現れ始めています。

先週は、大きなスーツケースを持った香港からの若い女性のお客さんがありました。見た目は日本人かと思っておりましたが、スマホの翻訳アプリで話し掛けて来て、会話が始まりました。店内には1時間以上滞在し、京都産の桜石を幾つかと、他にもマニアックな鉱物を購入されました。その際に、驚いたことは翻訳アプリの実力です。ほとんど自然な日本語になっており、普通に会話が進みました。そして、彼女は小さいながらも高輝度のライトを持参しており、それを使ってじっくりと品定めをしておりました。恐らく、マニアさんなのだろうと思いました。私は外国人の若い女性の鉱物マニアの方と初めて接触しました。

先週は、オーストラリアからの若い男性もいらっしゃいました。彼の滞在時間は短かったものの、私が勧めた奈留島産水晶の日本式双晶と北海道産のアンモナイトの化石を購入していきました。

昨日は、韓国からの女性でした。彼女は、折り畳み型のスマホの翻訳アプリで話し掛けて来て、色々迷った末、アクアマリンのペンダントを購入されました。そう言えば、現在、店内には、日本産の宝石鉱物を使ったアクセサリーが少なかったのです。(小松の赤瀬のオパールを使った委託品の指輪がありましたが、サイズが合わずダメでした。)その会話の際に、少し驚いてしまったのは、翻訳アプリを使って日本語の文字を撮影し、瞬時にハングルに翻訳されていた事です。

この3年、コロナ禍で、ほとんど外国人のお客さんがなかったので、知らなかったのですが、翻訳アプリの実力は相当進化しておりました。

そう言えば、私が今使っているスマホにも翻訳アプリが付いておりました。

今朝、その翻訳アプリを初めて使ってみました。

すると、マイクのマークが出て来たので、「こんにちは」と話すと、すぐに音声で「Hello」と答えました。次は、試しに「最高です」と話すと「It's the best」と出ました。感心しました!

さて、最後に今日の写真です。

上の写真は奈留島産水晶の日本式双晶の表と裏ですが、面白い事に、片方をそれぞれ共有し二つの日本式双晶が重なり合っているように見えます。珍品だと思います。

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三角式黄銅鉱

2023-03-14 10:50:27 | 日記・エッセイ・コラム

今更ながらなのですが、過去に黄銅鉱のタイトルは何度か使い、三角式黄銅鉱に関してもチョットだけ触れておりましたが、三角式黄銅鉱というタイトルは今回が初めてです。

三角式黄銅鉱と言うと、二十数年前に秋田大学鉱業博物館で見た形の変遷していく標本セットが非常に印象的でした。そして、和田維四郎コレクションにも複数の標本があったと記憶しております。

上の写真は、三角式黄銅鉱と思われる分離結晶と母岩付き結晶です。

今、なぜ、三角式黄銅鉱なのかと言うと、昨日知ったことなのですが、どうも三角式黄銅鉱の発見者は若林彌一郎だったらしいのです。

若林彌一郎とは日本三大鉱物コレクションと言われている東京大学・若林鉱物標本の蒐集者で、珍しい石川県出身の鉱物学者(金沢市片町で生まれた。)でした。

その若林鉱物標本が東京大学総合研究博物館で特別展示されるようです。期間は3月23日~9月1日となっており、私も久しぶりに東京に行き見学したいと思っております。

今回の展示内容を見てみると、もちろん荒川鉱山産の三角式黄銅鉱がラインナップされておりました。(三角式黄銅鉱は若林彌一郎が荒川鉱山の鉱山長在任中に発見したそうです。)

「INTRODUCTION TO JAPANESE MINERALS」(工業技術院地質調査所 1970年)という本には、三角式黄銅鉱の産地として、秋田県以外にも飛んで石川県の尾小屋鉱山が記載されております。更に、「所謂三角式黄銅鑛に就いて」(砂川一郎 1949年)と言う論文には、「筆者は尾小屋鉱山に於ける産出を疑問覗している。」と書いてありました。

実際のところ、尾小屋鉱山産の三角式黄銅鉱はあったのでしょうか?

長らくそのような現物は不明でした。ただ、数年前、それらしきもの(細長いタイプのもの)が某所の収納品の中から再発見されております。また、一昨年、能美市の鉱山跡からもそれらしいもの(細長いタイプのもの)が採集されております。

三角式黄銅鉱は日本だけに産出するらしいので、そのような貴重なものが身近な産地に存在していたという事、また、その発見者が石川県出身者だったという事、そういう意味で石川県人にとっては特別な存在であろうと思います。

コメント (3)
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