ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【5月も毎週日曜日は休業します。】

梯川石

2019-07-26 12:36:41 | 日記・エッセイ・コラム
ようやく梅雨明けしたと思ったら、いきなり猛暑になっている金沢です。ただ、「石の華」店内にいると、猛暑が続いていた昨年の夏に比べると、幾分、涼しいような気がしております。恐らく、ポルテ金沢の空調の温度設定が昨年より低くなっているからだろうと思います。

さて、少し前の事になってしまいましたが、店の常連さん二人と小松の愛石家の方のご自宅にお邪魔して来ました。その目的はその愛石家のご自宅に飾ってある観賞石を見せてもらう事と、処分したいという梯川(かけはしがわ)の石を頂く為でした。

実は、昨年の石川県愛石会の石展を見に行った時に、私がおなじ小松出身である事から、小松の梯川の石を譲って頂ける、という嬉しいお話を頂いておりました。梯川は私の出身中学の校歌の冒頭にも出て来る川でもあって、愛着がある川です。ただ、あまりにも身近な川であって、その梯川の石にはそれほど興味はありませんでした。さらに、同じ石の趣味でも、水石や観賞石の愛石の世界と主に鉱物結晶を愛でる鉱物趣味とは基本が異なっておりますので、鉱物趣味派の私としては、それほど積極的にはなれませんでした。そんなこんなで、約1年間、そのままになっていたのですが、今年の石展の際に、「早く来ないと、捨ててしまうぞ!」という言葉に押されて、店の常連さんをお誘いして、梯川石をもらいに行って参りました。

その愛石家の方のご自宅には、すばらしい水石や観賞石が飾られていました。私もヌケのある石や石橋のある滝石等は好きな方なので、同じような美意識には強く共感してしまいました。さらに、庭にもたくさんの石が養石中で、それらの中から、処分しても良いという石をたくさん出してもらいました。我々三人はその場では選ばず、出してもらった石を全て頂いて帰りました。

金沢に戻ってから、三人で数点ずつ選んで、残りの石は店に運んで、お客さんの中で欲しい人に配りたいと思っております。

今日の写真はそれらの梯川石の中から私が選んだ石です。







最初は球顆流紋岩です。その割れた中は紫水晶のジォードになっておりました。一部に放射状の石の華もあって、非常に気に入っております。

次は、同じ球顆流紋岩だと思いますが、何となく恐竜の卵のように見えてしまいます。そして、その石の裏側には、面白い事に、恐竜の足跡化石のように見えるくぼみがあります。これは何でしょうか?観賞石の世界では見立ては重要な要素だと思いますが、そのような見立てもアリではないか、と思っております。





昨日、常連のDさんが恐竜の骨化石を購入した際に、この石に強く反応された為、この石をお譲りする事にしました。

こんな風にして、梯川石は愛好者に配布したいと思っております。
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写真集2

2019-07-18 15:11:58 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「写真集2」です。(過去に「写真集」2017.06.16を書いておりました。)

一昨日の事ですが、越中・海中翡翠原石愛好会の代表幹事の得道さんが来店されました。来店の目的は写真集「珠玉の海中翡翠」(2015年11月発刊)の別冊として「珠玉の海中翡翠 発見記」(令和元年5月)を発行した、という事で、その小冊子を持参して下さいました。それは写真集に掲載された翡翠原石の発見当時の状況等を取りまとめたもので、写真を見ながら読むと、発見当時の情景を感じられる、というものです。





「石の華」でもその写真集は販売しておりました。今回、新たに別冊が発行された、という事で、過去に購入されたお客様にはその別冊を配布したいと思います。

また、今後、写真集を購入のお客様には、購入時にその別冊もお付けして販売したいと思っております。さらに、今回、得道さんが採集された翡翠原石を頂きましたので、新たに写真集を購入されるお客様には先着順でその翡翠原石を選んでもらって、ひとつづつ、プレゼントしたいと思っております。



(無くなり次第終了です。)
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早朝散歩3

2019-07-12 12:20:06 | 日記・エッセイ・コラム
一昨日の定休日、梅雨晴れだったので、久しぶりに早朝散歩をしてきました。今回の散歩コースは金沢市の公式ホームページのウォーキングコースに出ていた湯涌地区1コースにしました。

湯涌温泉総湯「白鷺の湯」の駐車場を起点に、玉泉湖を一周して、氷室小屋の横の急な階段の散策路を登り、湯涌散策園を回ってくるというコースでした。昨今、熊出没のニュースが多いという事もあって、いざという時に備えて、自宅にあったゴルフ用の柄の長い傘(その昔、コンペの賞品でもらっていた物)を杖替わりに持って歩きました。その散策路、普段、誰も歩いていないせいか、落ち葉だらけで、あちこちにイノシシが掘り起こしたであろう穴が残っておりました。そして、散策園内で道を間違えてしまったせいか、出口にはカギがかかった柵が閉じられていたので、柵の下の狭い隙間から這いつくばって脱出しました。

帰り道、白雲楼ホテルがあったという公園広場があり、庭園内のあずまやの天井には、かつての写真が貼ってありました。

白雲楼ホテルは(建築年:昭和16年、設計・施工:大林組)は、かつて存在した豪華な温泉ホテルで、能登出身の実業家・政治家 桜井兵五郎が建てた別荘旅館でした。戦後、GHQが保養施設として接収したり(米軍は宮本三郎に食堂の壁画の製作を依頼、それが「日本の四季」という6点の連作)、昭和天皇・皇后が食事をとったことがあるなど、栄華を極めていたそうですが、1999年(平成11年)倒産し、廃墟化した為、2006年(平成18年)解体されたそうです。

私は白雲楼ホテルそのものも廃墟化したその後の姿も見た事がありません。かつての写真しか見た事がないのですが、もし、現存していたなら、廃墟の女王と称される神戸の摩耶観光ホテル並みの存在感があったであろうと想像します。

「近代建築再見」(山口廣+日大山口研究室=文、宮本和義=写真、エクスナレッジ発行)という本には「北陸湯の街の別荘旅館」というタイトルで、白雲楼ホテルが紹介されております。





今日の写真はその本にあったスパニッシュ・コロニアル様式のたたずまい。その中階テラスには、なぜか?石が置かれています。何となく戸室石のように見えますが、これは何で?何の為に?置かれていたのでしょうか?気になっております。

その日は、散歩で汗をかき、早朝から営業している「白鷺の湯」に浸かってから帰路に就きました。

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黄鉄鉱型三角二十面体2

2019-07-04 16:11:48 | 日記・エッセイ・コラム
先日、このブログで「黄鉄鉱型三角二十面体」を書いたところ、積み木インテリアギャラリーさんと野呂輝雄さん(「鉱物結晶図鑑」の著者)からコメントが入ってきました。特に、野呂輝雄さんからは結晶プログラムで作成した結晶図と展開図も送られてきましたので、今日のブログに掲載したいと思います。





上の二つがそれです。この図があると理解しやすい、と思います。

黄鉄鉱の結晶形態には正十二面体と正二十面体に似た形態がありますが、正十二面体と正二十面体はどちらも自然界には見かけない形です。正十二面体は黄鉄鉱型五角十二面体に当たり、正二十面体は黄鉄鉱型三角二十面体に当たるようで、どちらも自然界に存在します。

両方の理想形の黄鉄鉱結晶を探し出したいと思っております。
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黄鉄鉱型三角二十面体

2019-07-01 13:30:53 | 日記・エッセイ・コラム
数日前、積み木インテリアギャラリー(「多面体木工」の著者でもある中川宏さん)から郵便物が送られてきました。突然、何だろうと思って、箱の中を見ると、黄鉄鉱型三角二十面体の木製模型でした。ヒノキの良い香りを嗅ぎながら、その木製模型を手に取って見ると、実に美しい形だと思いました。









上の写真がそれです。写真では伝わりにくいのですが、直に立体視すると、丸シールを付けた正三角形の面が8面と二等辺三角形が12面とで規則正しく正20面体のように構成されております。それが黄鉄鉱の三角二十面体結晶の完全体模型だと思って見ると、非常にうれしくなってしまいました。

そして、お手紙も入っており、それを読んでみました。

すると、非常に驚くべき事が書かれておりました。

その内容とは、「黄鉄鉱型三角二十面体と小さな楔形四面体との二種類で空間充填することがわかりました。また、Al5型とよばれる超電導物質の構造(重みをつけた)ボロノイモデルでもあるようです。」と書いてありました。

空間充填とは空間内を図形で隙間なく埋め尽くす操作のことで、わかりやすい一種類の空間充填立体としては立方体があります。正二十面体は空間充填立体ではありませんが、黄鉄鉱型三角二十面体は二種類で空間充填することができる立体であったことが初めてわかったらしいのです。

その詳細は、

ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu.htm


黄鉄鉱型三角二十面体の木工製作(その1 19/06/22)から黄鉄鉱型三角二十面体の木工製作(その16 19/06/25)を参照。

Al5型とよばれる超電導物質はWeb検索でいくつかの論文が見つかりましたが、私は理解できていません。また、ボロノイに関しても理解できていませんが、何となく岩石の薄片の顕微鏡画像に似ているような気がしました。何か?関係があるかもしれません。

いずれにせよ、身近な黄鉄鉱にそんな性質があった事に驚いております。黄鉄鉱は「愚者の金」とも揶揄される存在でしたが、ある意味、金に勝る性質を持っていたわけです。

最後に、今回の三角二十面体の木製模型と尾小屋鉱山産の黄鉄鉱の結晶を並べた写真を出します。




コメント (4)
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