かぶれの世界(新)

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崖っぷちの民主主義

2020-09-17 20:57:30 | 国際・政治
これは5日前に投稿した記事「俺の知っているアメリカはどこへ行った」の補足だ。今日の日本経済新聞の2つの囲み記事「米大統領選 民主主義に試練」(Iブレマー氏)と「ロシアに笑みは通じない 日本の融和路線にも厚い壁」(秋田論説委)が、私の不安の源を適切に説明してくれた。

トランプ氏は米大統領選の勝利以外の選択肢はなく、民主主義で欠かすことのできない投票に基づく選挙結果を認めないかもとブレマー氏は指摘した。今迄の報道を見る限り、トランプ氏はその種の発言を繰り返しており、極めて現実的な指摘である。両方の支持者が対立して暴動に至る深刻な事態に発展する懸念がある。

もう一つに記事はロシアでプーチン大統領に批判的な政治家やジャーナリストが暗殺され続けてきた伝統(!)を承知の上、最近関係修復を求める公開書簡が米国政治専門誌に掲載され物議を醸している。専門家は最近の危機がもたらした緊張の高まりを危惧して一旦リセットを提案したという。だが、筆者はロシアは融和姿勢を見せると相手が弱味を見せたとみなし更に強気に出るので、強硬姿勢を貫くべきと結んでいる。

私は悲しいかなこれら2つの論文に同意する。2つの説ともに私達にとって最も重要な民主主義の危機の現実を説いたものだが、残念ながら私には避けることの出来ない現実と感じた。予想じゃない、すでに起こっている現実だと思う。ロシアや中国はいかにも独裁国ならやりそうで驚かない。だが、ブレマー氏の予測する近未来のアメリカの現状は、そこで生まれ歴史を学んだ人達は意外に驚かないかも知れない。

だが私のように戦後パックスアメリカーナの下で教育を受け、経済繁栄を経験した者にとってみれば、民主主義の危機だと深刻に感じる。今迄トランプ大統領を選んだアメリカ人を非難する気持ちがあった。だが、少しピントがズレていたかもしれないと思うようになった。最近になってロシアや中国の非民主主義的案振る舞いに対して、遅ればせながらEUは反対の声を上げ始めた。

我々日本も遅きに失したたかもしれないが声を上げる時ではないだろうか。その結果中ロとの外交関係は悪化する恐れがあり、大きな経済的なインパクトを受けるかもしれない。政治的な配慮も必要だろう。だが、基本は我々の国是となる価値観を守ることであり、お金の為に価値観を捻じ曲げることはあってはならない。

難しいのはその為に我々は経済的に不利な扱いを受けた時に国民は政府を支持出来るかだ。出方によっては北方領土は返還されないとか、世界第2位の経済大国から制裁を受ける恐れがある。経済的不利益を受けた国民は判断を間違う可能性が高い。実は冒頭で紹介した記事でもそこまでの解決策は示してない。

菅さん、最優先事項はコロナと経済復興の前に民主主義を守ることです。先進国でもお金が欲しくて中ロに近寄る国は世界に沢山ある。追い詰められた時、問われるのはリーダーと国民の両方なのかも。残念ながら揚げ足取りしか能がないメディアに役割は期待できない。所で、私は結果を見ずしてあの世に行く予定だ。■
コメント
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