かぶれの世界(新)

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小さな民主主義の小さなコスト

2019-01-01 18:15:35 | うんちく・小ネタ
新年明けましておめでとうございます。

午前中お雑煮の腹ごなしを兼ねて新年最初の散歩に出掛けた。年寄にはお餅二つでも腹に溜まる感じだ。路地道を京王府中駅に向かって歩くと、突き当りのケヤキ並木前の伊勢丹まで伸びた参拝列の最後尾が見えた。例年より多い気がして警備員に聞くと、久し振りなので分からないという。

大国魂神社の横を抜けて東京競馬場に向かうと、参拝客の車で駐車場が満杯だった。レース当日より多い。多摩や八王子に加えて杉並、練馬、川崎、埼玉等近辺からの車で、駐車場入口から長い車列が出来ていた。だが、レース日と違って自転車駐車場に1台も自転車がなかった。

南武線下のトンネルを抜けると府中本町駅横の小さな商店街は殆どシャッターが閉まっていた。サラリーマン相手の商売のせいか、正月の間は商売を休む店が多いのだろう。1か月前頃から始まった工事で、途中の遊歩道沿いなどの街路樹や公園が綺麗に手入れされていた。

昨年12月の初めに近くの遊歩道を散歩していると、並行して走る一般道の間にある小さな公園とその横の小道の工事を見かけた。いわゆる道路工事というより園芸工事という感じだった。気になって警備員に聞くと「小道の拡張で公園の周りの樹を移植してる、多分自転車で通り抜けるには狭いとクレームがついたのでは、でなければこんな工事はない。」とやや皮肉っぽい返事が返って来た。

私は最近この手のどうでもいいクレームをよく聞くようになったという印象(偏見?)があったので分かった気持ちになった。別の日に同じ遊歩道にのしかかる様に大きく育った樹を伐採する工事を見かけた。又別の日には隣町の公園でジャングルジムが撤去され、ブランコの吊り鎖が無くなっていた。

少しでも危険なものは事故で訴えられるのを恐れ撤去してしまうのかと、私は想像した。家内に話すと、自分の思い込みでしょうと取り合ってくれなかった。私は納得できず近くの市役所の支所で聞くと、単純に吊り鎖がさびて危険になったので交換するだけのことだという。

私はまだ納得できず、先月の中頃に府中本町駅周辺のケヤキの枝落とし工事中の担当者に聞いてみた。けやきは30-40mに成長し大きなクレーン車を使った本格的な工事だった。親方風の関係者に最後の枝落としは何時だったか聞くと、彼の記憶では「初めてのこと、やっと予算がついた」との返事。

それを聞いて私はやっと納得出来た気になった。1)年末になって予算が余りそうになり、2)最近多い市民の小さなクレームに対応する、3)そうすれば事故が起こった時の言い訳にもなる。この三つの理由で12月に優先順位の低い工事が集中した。これが私の解釈だ。

これが「小さな民主主義の小さなコスト」と、例によって私の天邪鬼で皮肉で無責任な想像が完結した。ところで、夕方外出から帰って来た家内によると5時頃から参拝客が減り始め、旧甲州街道超えて伸びていた参拝の列が石畳の参道内に収まっていたそうだ。■
コメント
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