かぶれの世界(新)

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偽装する「失望の民主主義」

2018-10-20 11:59:31 | ニュース
14日に投稿した記事「失望の民主主義」で、国民がアホな決断を下して何が起こっているか、トランプ大統領を選んだ米国民とEU離脱を決めた英国民の世界をリードするはずの2つの民主主義先進国の印象的な出来事を皮肉を込めて論じた。アホな判断で自国の混乱は自業自得だが、世界を混乱に巻き込むのは如何なものかと。困ったものだと。

この記事から数日内にアホな判断に見合った出来事がメディアを賑わした。中間選挙の応援に全力投入してきたトランプ大統領が形勢不利だとみて、選挙に負けても自分のせいじゃないと結果が出る前から開き直った。EU離脱を来年3月に控えて未だにEUと国内強硬派との接点を見いだせないメイ首相は、交渉継続のため移行期間延長に追い込まれている。

両国のリーダーが共通してやっていることはゴールを動かして自らの責任を回避する動きだ。その判断に良し悪しはある。だが、私から見るとアホな国民の判断で選ばれたリーダーは、元々アホな約束をして選ばれたのだから、その実現に四苦八苦するのは当然のことだ。結果として彼等は目標を変える(私に言わせると「偽装する」)のは当然の成り行きだと思う。

ところでアホな判断を許してしまう「進歩的な人々」にも問題がある。今日の日本経済新聞の半歩遅れの読書術で浅田彰氏は「オバマやクリントンが社会文化面でマイノリティーの承認を強調しながら政治経済面ではウォール街べったりに見えるとき、彼らの姿勢は「偽善」と映り、対するトランプの「露悪」が逆に多文化主義の波に乗り遅れた大衆を惹きつけてしまう」と卓見を述べている。

つまり救いがないと感じている大衆は「アホな判断」を強いられている。だから「トランプが醜く愚かであればあるほど支持者たちが彼の下に結集するという困った状況」が作り出されているのだという。私から見れば、それ自体が恥知らずな行為だ。当初はトランプ支持を恥と感じて「トランプ支持隠し」をした人達は、現在では恥ずかしいとも思ってないようだ。

今でも恥ずかしいと思っている人達の発信も沢山あるようだが、今後の進展は楽観できない。この状況を言い換えるとリーマンショックの救済がウォール街とシティに集中した後遺症がトランプ大統領とEU離脱を生んだ。その流れを変えるのはアホな判断のツケが自らに降りかかり痛みを感じた時だろう。最悪ケースは全世界がツケを払わされる。■
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