かぶれの世界(新)

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米国の危機と日本

2017-05-28 19:09:06 | ニュース
今回も例によって私の「当たるも八卦当たらぬも八卦」の大胆仮説です。仮説のポイントはトランプ大統領下の米国政府が機能不全になり国政が機能しなくなる危機が迫っている。一方、日本はトップが‘アホ’でも政府がある程度機能し続けるアホ耐力があるという珍妙な説です。アメリカ政治システムの弱みを指摘したものです。

トランプに揺れたG7、そして米国
イタリアで開催されたG7では外交・安保分野では大筋合意されたが、貿易・温暖化対応では米国と他の6ヶ国間で厳しく対立、「民主主義」と「人権」等の価値観を共有するG7の結束が揺らいでいると報じられた。今回のG7首脳会議は「米国第一」を掲げるトランプ大統領に翻弄されたという。個人的には経済的メリット云々よりも民主主義の価値観の危機に陥れているのが私には問題だった。

一方米国内では米国式民主主義システムの危機管理システムが発動された。初の海外訪問で注目され成果をアピールすべく多忙だったはずだが、トランプ大統領はロシアとの不適切な関係を指摘された所謂「ロシアゲート」への対応でそれどころではなかったと推測する。中東から欧州に向かう間も毎日新たな疑惑が報じられ、海外にいても国内問題を聞かれて不機嫌な顔が報じられた。

泥船化するトランプ政権
日本と異なり多くの政府高官が政治任命されるが、その半数以上がいまだに決まっていない。加えてロシアゲート疑惑が重なり内政が停滞、将来のキャリアに瑕がつくと泥船トランプ丸から降りるスタッフが増える兆しがあるという。これでは公約をきちんとした政策にして議会を通し実行するのは容易でなく時間もかかる。私の目にはこのままでは米国の中枢機能の効率が著しく劣化する恐れがある様に見える。

トランプ大統領は娘婿のクシュナー首席顧問とバノン首席戦略補佐官を中心にロシアゲートに対応すべく危機対応チームを作り立て直す計画という。だが、その間にも肝心のクシュナー氏が疑惑の捜査対象になっていると大々的に報じられ依然支持率は最低レベルにある。

ウォーターゲートより深刻なロシアゲート
記憶に残るところではニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件だ。この時は二期目の大統領選で苦戦を恐れて民主党大会を盗聴したのが発端で、寧ろその後の司法妨害などの悪あがきで傷を深くした。これに比べればトランプ大統領と彼のスタッフのやったとされる疑惑が事実なら遥かに深刻な問題だ。しかも事情を知るFBIやCIAや司法省からの内部告発が続いている。楽観できない状況だ。

大統領が弾劾されペンス副大統領に期待する声もあるが、現実には弾劾のプロセスには1年も2年もかかるという。このまま混乱が続けば米国の政治機能が働かなくなる、それが私が恐れる「米国の危機」である。特に将来のキャリアに傷がつくのを恐れ官僚が泥船から逃げ出し、優秀なスタッフがいなくなり二流三流の怪しい連中が実行部隊の主力になることだ。勿論これは最悪ケースだ。

危機に強い日本
極めて逆説的だがこの手の危機に対して日本の政治行政システムは概して耐力があると思う。米国の大統領制に比べ日本では政治任用される官僚が限られるため、結果的に事務処理能力に長けた官僚が多い。今話題になっている前文科省事務次官の様な官僚トップは例外だが概ね有能だ。日本の政治システムで官僚の優れた実務能力は政治の一時的な混乱を吸収するショックアブソーバーの役割になっている。

日本でも機能しなかった政権は何度もあった。最近では第一次安倍政権とその後の短命自民党政権、その後の民主党政権がそうだった。中でも政策とその決定プロセスを変えようとした民主党政権は力不足で苦労した。官僚機能をうまく動かすことが出来れば、鳩山政権を除けばもっとやりようがあった様に感じる。トランプのやり方に近いのは鳩山政権だった。次々と根拠のあやふやな政策を打ち出し頓挫したのはそっくりだ。

泥船化しない日本
言い換えれば日本の政治行政システムは中々泥船化しない。国民が間違えて変な政治家を選び、更に間違えて変な首相を選んでも、短期間なら官僚が支えてくれる。もし鳩山氏が首相の座に長く居座ったたら何が起こったか何が起こったか、辞任しなければ選挙に負ける恐れがあると民主党自身がトップを交代させたろう。いずれにしても総選挙で負けて政権交代が起こった。

だが、米国では4年後の次の大統領選まで待てなければ、大統領を弾劾するしかない。弾劾のプロセスは長い。韓国みたいに簡単にはいかない。アメリカかぶれの私が予想もしなかった米国の酷い例を目の当たりにして、日本の政治システムも悪くないと思うようになった。■
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