かぶれの世界(新)

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重要法案の核心を議論せよ

2015-06-12 16:14:51 | ニュース
今、国会は国の在り方を変える重要な法案を審議している。それは安全保障とマイナンバーに関わる法案だ。重要問題に直面した時に組織が情報を共有して一致して最適解を求める、そういうことが出来るシステムと人材を持っている国や企業は強い。歴史を振り返ると一時的に最適解を到達しても持続することは容易ではない。そういう視点からこのところの国会審議の停滞を見るとがっかりする、何でこうなるのだろうか。

長く世界のリーダーであり続けた英国と現代の米国は、間違いをしても最適解に向かう仕組みと人材があった。日本も何とか最適解に到達して欲しいと願う。だが、一度は政権を担当して国政を担う責任を経験した民主党が、何でも反対の社会党に先祖返りしたかのようで心配だ。重要法案の核心となる争点について徹底的に議論して最適解に近づこうという責任を放棄したかのようだ。

1)安全保障
安全保障についての核心の論議とは、「日本が直面している脅威は何で、それに対し自衛隊にどういう活動をさせるか」だ。政府与党は中国や北朝鮮を念頭に安全保障環境が変わった、厳しくなったという。識者は米国の相対的低下で頼れなくなる事態への長期的な対応が背景にあるという。その点について野党はどう認識しているか、その認識を前提にして具体的なケースについてどう対応すべきか議論すべきだ。

今迄の国会の議論では共産党はともかく責任野党であるべき民主党が安全保障環境をどう認識しているのか全く分からない。というか、何ら発信してない。民主党は自らの考えを開陳する責任がある。議論の順番として、安全保障環境の変化をどう認識しそれに対し国民をどう守るのか党の考えを明確にし、その後「戦争に行く国になるのか」だとか「自衛隊員が安全かどうか」を問うべきだ。そうでなければ国会議員の責任を果たしてない。

2)マイナンバー
日本年金機構の情報漏洩を理由に、マイナンバーの導入に関連する法案の審議が遅れているのは筋違いだ。私が95年に米国に仕事で赴任した時、直ちに現地の人事スタッフに連れられ社会保障事務所に行き「社会保障番号(SSN)」を付与された。これがマイナンバーだ。SSNが無ければ免許証や銀行口座もとれず、確定申告も出来ないからだ。今でもこの番号で連邦政府から年金(米国では短期間でも払った分だけ年金を受け取る資格が出来る)を受け取っている。この仕掛けで米国社会は無駄な手続きが不要となり効率よく回っている。

ところが、日本ではいまだに市役所に行くと住民票を求める人達で溢れ長々と待たされる。何をやるにも住民票・戸籍謄本だとか住基ネットなどが必要になる。マイナンバーがあれば全く不要になる。何故、先進国の中で日本だけこんなに遅れていたのか、誰が何の理由で反対していたか。日本人全員が長年非効率な事をやってきた。マイナンバーの導入を遅らせた時被る莫大な損失にもっと目を向けるべきだ。

確かに日本年金機構の対応は最悪だし、厚生省に監督責任があると思う。だが、それとマイナンバーとは関係のないことなのは専門家に聞けばすぐわかる話だ。この手のウィルス付きのファイル添付メールの攻撃は世界的な問題であり、言語の壁で日本は2,3年遅れてやってきた共通の問題だ。日本年金機構以外の組織も攻撃された。敵はウィルスを送り付けた攻撃者であり、どう反撃しシステムを守るかが最優先ではないのか。

最後に今日の日本経済新聞の記事を引用すると、日本年金機構の情報漏洩問題は「積極的に情報共有し、対策を議論するのが世界標準。・・・被害を教訓にし、日本が一丸になって攻撃者と対峙すべき時だ」と報じた。だが、民主党などがやっていることは内輪もめして攻撃者の思う壺になっていると思う。この悪循環から抜け出さなければならない。■
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