白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

6子局

2016年05月13日 19時22分15秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
明日は永代塾囲碁サロンで指導碁です。
お時間のある方は、ぜひご来場ください。
さて、本日は指導碁を題材にします。



6子局です。
白△と入ってきましたが、黒はどう対応しますか?




隅が気になるからと、黒1と打つのは失敗です。
白2となって黒△の石が弱くなってしまいました。
置碁で弱い石を作るのは禁物です。




実戦は黒1でした。
下辺の隙間を気にしたものでしょうが、「2立3析」の形なので心配ありません。
それよりも白2で、黒△の石が孤立しました。
1間トビに悪手なしとは言いますが、それは形が良いという意味です。
急場を逃した黒1はやはり問題でした。




そして白に飛ばれてまた下辺が気になったのか、さらに黒1と守ってしまいました。
白2と詰められてますます黒△が弱くなっています。




結果このようになり、白は繋がって黒は繋がっていない、一方的に攻められる形になってしまいました。




黒1のボウシが正解です。
石を守るのは大事ですが、優先順位があります。
一番弱い左辺の黒石を第一に考えなければいけません。
この手によって黒△間の線を繋ぎます。
そしてこの手は単独で入ってきた白石の中央進出を妨げてもいます。
正に一石二鳥の好手と言えるでしょう。



ただし、大ゲイマなので隙間には要注意です。
白1に黒2などと調子に乗って攻めていると自分の石が切れてしまいます。
挙句逆に取られたなどと言うことになっては元も子もありません。




無理をせず黒2、4と伸びておいて十分です。
3線を這われても地は2目ずつしか増えませんから、気にすることはありません。




その後自然な流れで黒8となって巨大な勢力が出来上がり、これは黒の必勝形です。
この後白はどこへ入って行っても防戦一方になるでしょう。


置碁の勝敗は序盤で半分以上決まってしまいます。
急場を逃さないように、アンテナを張り巡らせておきましょう!
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