白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

本日の問題

2016年05月14日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロンでの指導碁でした。
到着すると席亭の武田君が「今日のトークショーのこと永代から聞いてる?」
「・・・えっ?」
まあ、よくあることですね
永代同様武田君も入段試験でのライバルであり、2人でトークショーをやる事になるとは・・・
人生色々な縁がありますね。

ところで、本日のトークショーではちらっと趙善津九段の話が出ました。
それで問題に使える碁があった事を思い出しました。
しかも2回分です。
碁に負けても、せめて問題に活用しなければ・・・




趙善津九段との対局で、黒番です。
白△と打たれて隅は白地になりましたが、左辺の白がまだ生きていません。
黒からどんな手があるでしょうか?
こちらで実際に石を置いて研究できます。




黒1と切るのは、白2、4で生きています。
渡りを見られているので手が出せません。




黒1には白2で生きています。
AとBが見合いになっています。
さて、この2つの失敗図を眺めていると答えが見えて来ませんか?




黒1が正解です。
2つの失敗図ではどちらも2手目にこの地点に打たれていました。
この形ではここが急所という事なので、先回りします。
「敵の急所は我が急所」です。
この格言は非常に役に立ちます。
さて、白の応手はA~Cが考えられます。
下の方から見ていきましょう。




白2には黒3と繋ぎます。
白4に黒5となり、3目中手で死にです。




白1には黒2で欠け目、簡単に死にます。




白は1が最善です。
対して黒2と全部取りに行くと、白5まで生きられてしまいます。




よって黒2と繋ぎ、白3の渡りまでとなります。
一部を助けられたものの白△はこのままで取れており、大戦果です。
実戦も後にこの図になり、勝勢になりましたがヨセが酷く勝ち切れなかったのは残念でした。

しかしこの話はここで終わりません。
今まで解説した図は趙九段も当然読んでおり、対策を用意していたはずです。
ただ、恐らくその変化に誤算がありました。
その変化とは・・・




実戦は白△と打ちましたが、本来は白1と生きる予定だったと思います。
実はこの白に生きられると、黒の大石は白Aと打たれた時に眼がありません。
しかし黒Aと生きているようでは白△に回られてしまいます。

という事で、白1への黒の対策を宿題にしてみようと思います。
腕に自信のある方は挑戦してみてください。
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