hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

EPEEで休憩

2021年01月16日 | 食べ物

 

2017年の初詣の帰り道、ドン・キホーテ裏通りをぶらぶらし、初めて「ブーランジェリー・ビストロ・エペ Boulangerie Bistro EPEE」に入った。EPEEエペとはフェンシングの剣のことで、ベーカリーEPEEでもある。

その後、2018年1月に再びEPEEでランチした。

今回も1月13日、なぜか1月にEPEEに入る。

 

今回は長引いた散歩の一休みでコーヒーと、

カフェラテのみ

 

緊急事態宣言直後だが、店内はそこそこ混んでいた。我々も、ほとんどのお客もマスクしたまま歓談。

食パンは予約しなかったので売り切れで、伊予柑1/2(¥464)、セーグル30 1/2(¥356)を買って帰り道へ。

 

コーヒーは二人で1200円でまあまあだが、小さなパン2つで820円は美味しいが高い。

 

井の頭通りの丸井吉祥寺にできたライフ系のBIO-RALに立ち寄り、自然派食品なるものをいろいろ物色。

「店内撮影OK」の掲示があったので、パチリ。Instagramへの投稿を促しているつもりらしい。でも、投稿してあげないのだ!

 

普通のスーパーには置いていないものもちらほら。通路が狭く、落ち着かない。空いている時間に、また時間つぶしに行こう。

 

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六人部昭典『もっと知りたい ゴーギャン 生涯と作品』を読む

2021年01月15日 | 読書2

 

六人部昭典著『もっと知りたい ゴーギャン 生涯と作品』(アート・ビギナーズ・コレクション、2009年5月10日初版、本書は2020年11月15日東京美術発行)を読む。

(手元の本は「ゴーガン」となっているが、東京美術のホームページでは「ゴーギャン」となっている。近年の美術展覧会などではフランス語の発音に近い「ゴーガン」と表記される例も多い。ここでは、慣れ親しんでいる「ゴーギャン」とする)

 

東京美術の内容紹介は以下。

南太平洋の島に果てた伝説の画家の素顔と、
神話的題材や楽園の情景に込められた深い哲学的メッセージをよみとく!
■力強く大胆な描線と鮮やかな色彩、そして南海の島々の風物や女性を描いたエキゾチックな画風で知られるゴーギャンだが、本書は、一風変わったこれらの絵の多くに実は、深い神話的な意味や宗教的メッセージが込められていることを明らかにしていく。
■「われわれは何者か。われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか」──彼が残したこのあまりにも有名な、根源的な問いかけからもうかがえるように、100年前を生きたゴーギャンは現代にこそ強い訴求力をもつ画家である。傲岸なまでの自負が支えた波瀾の生涯をたどりながら、その新たな魅力を掘り起こす。

 

本書はB5版ではあるが、ゴーギャン(本書ではゴーガン)の23歳から55歳で死ぬまでの人生の変遷と共に、各時期での代表的作品が掲載され、要点が解説されている。


ゴーギャンは、パリに生れ、幼年期の6年をペルーのリマで過ごし、成長後も船員として南米へ、海軍を志願して世界に目を向けていた。


パリで株式仲買人として裕福な家庭を築き、アマチュア画家として絵を描き、第4回~7回の印象派展に出品する。34歳の時に金融恐慌を機に画家となるが、経済的に破綻する。


当初のモネなど主要メンバーは参加しなかった最後の印象派展(第8回)に出品する。ブルターニュ地方へ行き、独自の絵画を模索し始める(38~42歳)。
この時代の《海辺に立つブルターニュの少女》」(国立西洋美術館蔵)は代表作。


43歳でタヒチへ行く目的を彼は語った。

文明の影響から解放されて、心静かに暮らすために行くのです。私は単純な、きわめて単純な芸術しか作ろうとは思いません。そのためには、汚れない自然の中で自分を鍛えなおし、野蛮人(野生の人)にしか会わず、彼らと同じように生きる必要があります。

《浜辺の二人の女》(オルセー美術館蔵)


1893年(45歳)、2年間滞在したタヒチからフランスへ戻るが、個展の反響も思わしくなく、47歳で家族とも離別して永住する決心で再びタヒチへ行く。


49歳で代表作《我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか》(141*376㎝の大作、ボストン美術館)を描き、ヒ素で自殺を図るが未遂となる。


53歳でタヒチを離れ、東のマルキーズ諸島のヴァ=オア島へ移り、1903年54歳、心臓発作で死ぬ。



六人部昭典(むとべ・あきのり)
1953年、京都府生まれ。大阪大学文学部(西洋美術史専攻)卒業、同大学院修了。関西の大学で教鞭をとったのち、2006年より実践女子大学(美学美術史学科)教授。

主な著書は、『モネー《睡蓮》への歩み』、訳書『二十世紀美術におけるプリミティヴェイズム』など。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

ゴーギャンの波乱の多い生涯をたどるとともに、各時期での代表的作品が示され、絵の背景、変遷が理解しやすい。端的で要領の良い解説は読みやすい。

 

もっと大判の絵や、美術館で本物を観たくなった。とりあえず、ゴーギャンをモデルとしたサマセット・モームが1919年に著した『月と6ペンス』を読んでみようか。

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ロウバイを求めて散歩

2021年01月14日 | 散歩

 

1月13日(水)の朝日新聞朝刊に「人々つなく1本のロウバイ」という記事が載った。
織物工房の城さんは移転先を探していて、玉川上水脇の遊歩道に面して、5メートルを超すロウバイだけが前の家主に要望で切られずに残っている更地を見つけた。散歩で通る人々が楽しみにしているのだと聞いて、城さんはもちろん残そうと思ったという。

グーグルマップで場所を探して、散歩の足をのばして見にいくことにした。まずは井の頭公園の弁財天へ。

南側の急な階段を登ると、駐車場に弁財天に移されたの宇賀神像の跡がある。「井之頭弁財天石鳥居講中」「明和四年?」とある。」

そのまま南へ進むと、黒門がある。江戸時代にはこの道が井の頭弁財天への参詣道だったと聞いた。

傍らには道しるべがある。1745年に、弁財天に参詣する人が多くなり、江戸から甲州街道、高井戸、久我山を通る道沿いの各所に石の道標が建てられたと看板に書いてあった。

 

玉川上水に至り、付近をウロウロして、グーグルマップのナビに救われてようやく瀟洒な建物の織物工房と、

その脇のロウバイの大きな木を見つけた。

 

小さいが目立つ黄色い花、確かに切らないでいただいて、ありがたいことだ。

蠟梅と書き、花を見ると梅の一種かと思ったが、バラ科で梅とは遠いという。

 

帰りは井の頭公園の西薗をのんびり歩く。武蔵野という感じがしてさわやかな気分だ。

いろいろ寄り道して帰宅したら1万歩を超えていた。3日分のノルマ達成。明日からゴロゴロできる??

 

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郡司芽久『キリン解剖記』を読む

2021年01月13日 | 読書2

郡司芽久著『キリン解剖記』(2019年8月1日ナツメ社発行)を読んだ。

ナツメ社の内容紹介は以下。

長い首を器用に操るキリンの不思議に、解剖学で迫る! 「キリンの首の骨や筋肉ってどうなっているの?」「他の動物との違いや共通点は?」「そもそも、解剖ってどうやるの?」「何のために研究を続けるの?」etc. 10年で約30頭のキリンを解剖してきた研究者による、出会い、学び、発見の物語。

・著者が発見した「キリンの8番目の〝首の骨〟」とは!?
・幼少期からキリンが好きで、キリン博士に!?
・研究者の出会い、学び、発見の物語

なお、ナツメ社の内容紹介では、感心なことに正誤表のダウンロードができる。5個所訂正があったが、いずれも私は気がつかなかった。残念!

この本は、物心つく前からキリンが大好きだった私が、18歳でキリンの研究者になることを決意し、恩師と出会い、解剖を学び、たくさんのキリンを解剖して、「キリンの8番目の“首の骨”」を発見し、キリンの研究で博士号を取得するまでの、約9年間の物語だ。(はじめにより)

 

第1章 キリン解剖講座/ 第2章 キリン研究者への道/ 第3章 キリンの「解剖」

ここからは、キリンの首の構造に関する研究の話

第4章 キリンの「何」を研究するか?/ 第5章 第一胸椎を動かす筋肉を探して/ 第6章 胸椎なのに動くのか?/ 第7章 キリンの8番目の「首の骨」
第8章 キリンから広がる世界


郡司芽久(ぐんじめぐ)

1989年生まれ。2017年3月に東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了(農学博士)。
2017年4月より、日本学術振興会特別研究員PDとして国立科学博物館に勤務。
幼少期からキリンが好きで、大学院修士課程・博士課程にてキリンの研究を行い、27歳で念願のキリン博士となる。解剖学・形態学が専門。哺乳類・鳥類を対象として、「首」の構造や機能の進化について研究している。世界一キリンを解剖している人間(かもしれない)。第七回日本学術振興会育志賞を受賞。

「好書好日」に本書について郡司さんへのインタビュー記事がある。

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

ユニークな研究に一目散の女性の話なので、キリンの解剖研究に至る道筋、解剖のあらまし(3章まで)は興味深く読める。

4章以降はキリンの首の骨の話だが、分かりやすく解説されるのでついていくことはできる。

各章の終りにあるコラムは特異なキリンに関する話が多く、フムフムと楽しく読める。


雑学

高い位置にある脳まで血液を届けるために、キリンは地球上で最も高血圧な動物だ。最高300mmHgという報告もある。

アインシュタインの言葉「私の成功の秘訣が1つだけあるとすれば、ずっと子供の心のままでいたことです」

 

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正月の花(2021年)

2021年01月12日 | リタイヤ生活

 

12月29日に届いた正月用の花

2本のシンビジュウム、4本のセンリョウ、6輪の蕾を持つ1本のユリ、松と金色に塗った枝

 

31日にはマンリョウがうなだれてしまった。

ちなみに葉の上に赤い実がなるのがセンリョウで、葉に隠れるように下になるのがマンリョウ。

 

正月のお飾りを外した翌日、1月8日。
白地が黄色くなったシンビジュウムと、咲かずに閉じた蕾のままのユリ3輪を切り捨てて寂しくなった。


しかし、2輪のシラユリが大きく咲いて、どうにか。

そこで、さらに松と金の枝を捨て、花瓶を小さいのに取り換え、霧を吹いて、あと一つのユリの蕾にも頑張れとエールを送る。

 

そして、高齢者を大切にと、大幅に実の落ちたセンリョウも一輪挿しにして、お大事に!。

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アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』を読む

2021年01月11日 | 読書2

 

アガサ・クリスティー著、中村妙子訳『春にして君を離れ』(クリスティー文庫81、2004年4月10日早川書房発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……女の愛の迷いを冷たく見すえ、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。    解説:栗本薫

 

殺人事件はないアガサ・クリスティーの小説。メアリ・ウェストマコット名義で1944年に発表。原題は “ABSENT IN THE SPRING” 

ジョーン・スカダモア48歳は、地方ながら弁護士事務所を繁栄させている夫・ロドニーとの間に1男2女がいて、よき妻・よき母であると自負している。結婚してバクダッドに住んでいて、急病となった次女・バーバラの手伝いをした帰り道での話である。

ジョーンは途中で偶然聖アン女学院の同級生・ブランチと出会う。女学院時代生徒たちの憧れの的だったブランチは、その後さまざまな恋愛事件を引き起こしながら、平然と過去を語る。ジョーンはすっかり老け込んでしまった彼女の零落を憐れんだ。ブランチは、次女・バーバラに関する社交界の噂をジョーンに暗示し、ジョーンに自分の考えを見つめ直すきっかけを与える。

荒天により列車は砂漠の中のトルコ国境の駅に留まり、彼女は鉄道宿泊所に何日も泊まることになる。何もすることがなくなった彼女は、これまでの家族や人生について、確固としていた自分の考えに疑念を抱き、自信がぐらつくようになる。

長女のエイヴラルは理知的な性格だが、かつて妻ある年上の男性と激しい恋愛に身を焦がした。夫・ロドニーは相手の家庭と男性の社会的活躍の場が破壊されることを冷静にエイヴラルにさとして、恨まれたが諦めさせた。一方、ジョーンはたんなる気まぐれだったと考えている。

クレイミンスターの銀行家チャールズ・エドワード・シャーストンの妻。1930年に病死し、物語の現在時点では故人。ジョーンは「悲惨で気の毒な一生」と考えている。

銀行家のシャーストンは横領事件を起こし、服役した。ロドニーが弁護に当たり、2人の幼子を抱えた妻レスリーの相談相手となった。レスリーは親族からの子供を引き取りを拒み、「現実に存在するものから逃避することが、人生の公正なスタートといえるでしょうか?」と、前科者の子のそしりを恐れず一人で育てた。ジョーンは信じがたい対応であった。また、夫ロドニーとレスリーを賞賛するのにも落ち着かない。

やがて、ジョーンは知らないことにするのはやめにしようと思い、……。そして、……。

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:お勧め)(最大は五つ星)

人の気持ちのわかっていないのに、自分では分かっていると思い込んでいる人。自分の価値観は絶対正しいを思っていて、それ以外は認めない人。大なり小なり、そんな人は確かにいる。
母と娘の間での確執はそんなことで生じることが多いのではないだろうか。
本人に悪気がないだけに、とくに身近に、一緒に生活している人には悲劇だろう。

よく書けてはいるが一つのテーマだけでここまで引っ張るのはどうかとも思ったのだが、結局一気に読んでしまった。

 

原題 “ABSENT IN THE SPRING” も何やら思いを致すタイトルだが、日本語訳の「春にして君を離れ」は原題と少しずれているように思うが、ロマンチックなタイトルだ。

 

アガサ・クリスティーの略歴と既読本リスト 

 

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アガサ・クリスティーの略歴と既読本リスト

2021年01月10日 | 読書2

アガサ・クリスティー “Agatha Christie” の略歴と既読本リスト

 

アガサ・クリスティーはこう語った。「どんな女性にとっても最良の夫というのは、考古学者に決まっています。妻が年をとればとるほど、夫が興味を持ってくれるでしょうから。」

彼女は夫に愛人ができた為に離婚し、40歳の時、26歳のマックス・マローワンと再婚した。考古学者だった。

 

1890年、イギリスのデヴォン州トーキー生まれ。
1914年、24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚
1920年、長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。
1926年、謎の失踪。10日後に発見。
1928年、離婚。1930年にマックス・マローワンと出会い、嵐のようなロマンスののち結婚。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。大英帝国勲章が授与。

他、『終わりなき夜に生まれつく』、『ミス・マープルの名推理  パディントン発4時50分』『春にして君を離れ』 

 

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アガサ・クリスティー『ミス・マープルの名推理  パディントン発4時50分』を読む

2021年01月09日 | 読書2

 

アガサ・クリスティー著、小尾美佐訳『ミス・マープルの名推理  パディントン発4時50分』(<ハヤカワ・ジュニア・ミステリ> 2020年4月25日早川書房発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

走る列車の窓から見えた殺人現場! でも死体はどこにも見つからない

マギリカディ夫人は列車の窓から見た風景に、あっと驚いた。並んで走る列車のなかで男が女を絞め殺すところだったのだ。すぐに通報したが、死体は車内のどこにも見つからない。その話を聞いたミス・マープルは、ある作戦を思いつく。果たして死体の行方は?

 

原題は“4.50 FROM PADDINGTON” で、1957年刊。マープルシリーズ第7作目。」

 

本書はジュニア向けで、表紙も、巻頭の見開きも、続く人物紹介にも漫画が並ぶ。しかし、マープルさんなどお年寄りも一見若い女性のように書かれていて、パット見た時には混乱してしまう。(イラストは藤森カンナ)

 

パディントン駅発4時50分の列車に乗ったミス・マープルの友人のマギリカディ夫人は、隣の線路を並走する列車の車窓に男が女の首を絞めて殺している瞬間を目撃した。マギリカディ夫人とミス・マープルは警察に話したが、警察の捜査では車内外に死体は発見されなかった。

殺人犯は列車内で絞殺した死体を線路が大きくカーブする地点のクラッケンソープ家の土地に投げ落としたとミス・マープルは考えた。そこで、極めて有能な家政婦のルーシー・アイルズバロウにクラッケンソープ家の家政婦になってもらう。ルーシーは、数日後、納屋の中の石棺に死体を発見した。

被害者が誰かが不明で、捜査は一向に進まない。クラッケンソープ家の膨大な遺産を巡り、当主ルーサーの子供たち4人などが集まる中、第2、第3の殺人が起こる。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お勧め)(最大は五つ星)

ああなのかな、こうなのかなといろいろ迷わせてくれるのは良いのだが、最後の謎解きは強引すぎると思う。

60年以上前の作品なのでやむを得ないのだが、持って回った表現で時代を感じる。ジュニア向けのせいなのかもしれない。

 

登場人物

ミス・マープル:村に住む探偵好きな独身の老婦人。

マギリカディ婦人:ミス・マープルの友人。殺人の目撃者。

ルーシー・アイルズバロウ:凄腕の家事代行業者。オックスフォード大学数学科首席卒業。32歳。マープルに雇われて死体を捜索する。もちろん美人。

ルーサー・クラッケンソープ:クラッケンソープ家の当主。妻を亡くし、館ラザフォード・ホールで娘のエマと暮らす。偏屈者。

エドマンド・クラッケンソープ:ルーサーの長男。フランスで戦死。

マルティーヌ:エドマンドと結婚したらしいフランス人。クラッケンソープ家の誰も彼女に会ったことがない。

セドリック・クラッケンソープ:ルーサーの次男。画家。未婚。

ハロルド・クラッケンソープ:ルーサーの三男。会社重役。銀行家。伯爵令嬢の妻はアリス。

アルフレッド・クラッケンソープ:ルーサーの四男。裏社会の何らかの仕事をしている。

エマ・クラッケンソープ:ルーサーの長女。父の世話をしている。主治医に恋心を寄せる。40歳前。

イーディス・イーストリー:ルーサーの次女。4年前に死去。

ブライアン・イーストリー:イーディスの夫。元・戦闘機パイロット。30歳位。アレグザンダーは息子。

ジェイムズ・ストッダード=ウエスト:アレグザンダーの友だち。母はストッダード=ウエスト夫人

クインパー:クラッケンソープ家の主治医。エマに好意を寄せる。

クラドック:スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)の警部。

アンナ・ストラビンスカ:バレエダンサー。マリツキバレエ団の団員。

 

 

アガサ・クリスティー “Agatha Christie”

アガサ・クリスティーはこう語った。

どんな女性にとっても最良の夫というのは、考古学者に決まっています。妻が年をとればとるほど、夫が興味を持ってくれるでしょうから。

彼女は夫に愛人ができた為に離婚し、40歳の時、26歳のマックス・マローワンと再婚した。考古学者だった。

1890年、イギリスのデヴォン州トーキー生まれ。
1914年、24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚
1920年、長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。
1926年、謎の失踪。10日後に発見。
1928年、離婚。1930年にマックス・マローワンと出会い、嵐のようなロマンスののち結婚。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。大英帝国勲章が授与。

他、『終わりなき夜に生まれつく』、『ミス・マープルの名推理  パディントン発4時50分』『春にして君を離れ

 

小尾芙佐(おび・ふさ)
1955年津田塾大学英文科卒。英米文学翻訳家
訳書、クリスティー『第三の女』、ル・グィン『闇の左手』、アシモフ『われはロボット〔決定版〕』、キイス『アルジャーノンに花束を』(以上早川書房刊)他多数

 

 

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島本理生『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』を読む

2021年01月07日 | 読書2

 

島本理生著『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』(幻冬舎文庫し33-3、2020年4月10日幻冬舎発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

残業も休日出勤もいとわない仕事熱心なOLの知世。そんな彼女の楽しみは、仕事で出会った年上のエンジニア・椎名さんとの月二のデート。江の島の生しらす、雨の日の焼き鳥、御堂筋のホルモン、自宅での蟹鍋……。美味しいものを一緒に食べるだけの関係だったが、ある日、彼が抱える秘密を打ち明けられる。行方のわからない大人の恋を描いた恋愛小説。      解説・玉城ティア

 

食事と旅行での恋、女友だち間の付き合いのシーンが重ねられて、アラサー(30歳ほど)の未婚の3人の女性の恋愛模様が描かれる。

主に知世が語り手だが、いくつかの章で、茉奈や飯田がお相手を求めて語る。最終章の前だけ既婚の知世が夫婦の生活を、そして最後は知世の幸せな旅行。

 

主な登場人物

(石井)知世:仕事人間。独立心が強い。抑圧されたいい子どもだった。椎名と気心が知れて……。
知夏:知世の妹。自分勝手で主張が強い。
藤島茉奈(まな):知世の10年来の友人。同棲している女性がいる会社の先輩・三宅とデートしている。
飯田:フリーのライター。
椎名:知世のかなり年上の恋人。WEB制作の技術屋。バツイチだが、身軽な雰囲気で身なりも清潔。エイズ。

 

この作品は2017年6月幻冬舎より刊行。

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

分類すれば、どこにでもころがっている難病恋愛物ということになるので、私の評価は低い。しかし、重い事実を深刻でなく、綺麗ごとにとどまらずに、少々の切なさを伴って爽やかに描いている点は評価できる。
また、30歳ほどの3人の個性ある女性間のやりとりが秀悦で、島本さんの才能を十分感じられる。

 

かなり年上でしかもエイズにかかっている椎名を何故選んだかを、知世は「なに一つ特別じゃない私の話をいつまでも飽きずに聞いてくれて、……、旅行すれば、楽しくて、なにを食べても二人一緒なら美味しい。初めてだったよ。そんな人」と語る。(p152)
しかし、私が思うに、おじさんというのは、普通の女性であっても若くさえあれば、鼻の下を伸ばして話を真剣に聞いてしまう種族なので(私だけ??)、知世の椎名でなければならない上の理由に説得力はない。


料理がよく出てくるのだが、興味ない私にはダルイ。椎名の手が大きく、男性であることを意識するという場面が、何回も出てくる。島本さんの個人的指向?


15歳で早くも賞を受賞した島本さんは恋愛話には十分才能があるのはよくわかった。早く恋愛ものから羽ばたいてもっと違うテーマに取り組んで欲しい。

 

島本理生(しまもと・りお)の略歴と既読本リスト

 

 

気になったお言葉

「大人になるって、この人を好きになるとは思わなかったっている恋愛が始まることかもしれない。」(p30)

「私の定時あがりのイメージって、合コンよりも先にお通夜なの?」(p34)

 

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『東野圭吾公式ガイド』を読む

2021年01月06日 | 読書2

 

東野圭吾作家生活35周年実行委員会編『東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年Ver.』(2020年7月15日講談社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

著作100冊目前、全世界一億部を突破!

日本で、世界でその人気を誇る東野圭吾。ミステリーもファンタジーも、シリアスもコメディも、すべてをベストセラーにしてきた大人気作家の35年間は挑戦の連続だった。

25周年版公式ガイドに新作の自作解説を加え、貴重なロングインタビューを収録した決定版!

 

目次

  • 東野圭吾年表(4頁)
  • 全著作目録 本人の自作解説コメント付き(96タイトル、約200頁)
  • 加賀シリーズ特集  加賀恭一郎とは何者なのか。(18頁)
  • ガリレオシリーズ特集  倶楽部ガリレオへようこそ(16頁)
  • マスカレードシリーズ特集  プロフェッショナルが集う場所、マスカレードホテル(18頁)
  • ロングインタビュー 東野圭吾 最強小説家の秘密(40頁)
  • 読者1万人が選んだ! 東野作品人気ランキング発表(28頁)
  • 全部読んだか? 東野圭吾 さくいん兼チェックリスト(4頁)
  • 特別付録 受賞スピーチ2件(3頁)
  • 東野圭吾プロフィール(1頁)

 

「本人の自作解説コメント付きの全著作目録」
著者自身が各作品を作り出した時の背景、作品に込めた想いを率直に語っている。年代順なので著者の成長や小説に対する考え方の推移がわかる。

 

「ロングインタビュー」
半分は小説を書くという仕事の話だが、残り半分は私財を投じて大会を創設したスノーボードについて。

小説に優劣をつけられないので最高の作家は決められないが、もっとも売れた作家が最強で、それは東野圭吾だという。
ナミヤ雑貨店の奇蹟』の世界で1200万部(2019年4月)は、村上春樹の『ノルウェイの森』とほぼ並ぶ。ちなみに、インフィクションだが黒柳徹子の『窓際のトットちゃん』は世界累計2100万部。

 

「東野作品人気ランキング」
第1位『容疑者Xの献身』、第2位『白夜行』、第3位『流星の絆』、第4位『新参者』、第5位『マスカレード・ホテル』、第6位『手紙』、第7位『秘密』、第8位『赤い指』、第9位『時生(トキオ)』、第10位『真夏の方程式』(すべてが私の既読本だった)

 

本書は2012年に刊行された『東野圭吾公式ガイド 読者1万人がえらんだ 東野作品人気ランキング発表』の情報を更新、新たな内容を加え、再編集したもの。

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:お勧め)(最大は五つ星)

全96タイトル中、66%を読んでいる東野ファンとしては、良くまとめてくれましたと言いたい。私のリストと比べても遜色ないできばえだ。ただ、初版から途中でタイトルが変わっている場合に初期のタイトル名が書いてない欠陥はあるが。

 

なにより素晴らしいのは、著者自身が各作品を作り出した時の狙い、事情を率直に話している部分だ。著作を生み出す前に、実にいろいろ考えて、狙って、書いているのが分かる。全著作について語っているので、あの作品ではこうだったので、今度はこうと、作品の流れ、著者の思いの変遷、成長が分かるのが嬉しい。

 

ロングインタビューでも、売れない時代を経てピットメーカーになったこその東野節が語られる。

もう一つは自分が納得できない作品は絶対に出さないということ。……これは僕が30代、書いても、書いてもなかなか本が売れなかったときから心がけてきたことなんですよ。本というのは、同じレベルだとどんどん売れ行きが落ちていくんですよ。

確かに東野作品は読んでいて嫌になるような失敗作はない。そして、売れているのにいろいろ新しいことにチャレンジしている。常勝、ヒットの秘密は、売れない時にじっくりどうしたらよいか考えたことにあったのだ。
また、東野さんは、女性を描くのは苦手だとか、ラブストーリーは書けないとか自分を十分知り、自覚した上で書いている。

しかし、それでも絶対売れると思った本が思ったほど売れないことが多いと嘆いている。

 

 

2019年12月の「野間出版文化賞」での東野さんの受賞スピーチが気に入った。
「百歳になったときに80歳だった自分を思い出して『ああ、80歳、若かったな、あのときやれることいっぱいあったな』ときっと思います」「明日からの未来を含めた人生の中で、一番若いのは今日です。今日が一番、これからの人生の中で可能性があるんだから」

 

東野圭吾の略歴と既読本リスト

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東野圭吾『11文字の殺人』を読む

2021年01月05日 | 読書2

 

東野圭吾著『11文字の殺人  新装版』(光文社文庫ひ6-19、1990年12月20日初版発行)

 

裏表紙にはこうある。

交際を始めて二カ月が経ったある日、彼が海で亡くなった。彼は生前、「誰かが命を狙っている」と漏らしていた。女流推理作家のあたしは、彼の自宅から大切な資料が盗まれたと気付き、彼が参加したクルーズ旅行のメンバーを調べる。しかし次々と人が殺されてしまう事態に! 『無人島より殺意をこめて』――真犯人から届いたメッセージの意味とは? 昭和だから起きた怪事件!

 

1,3,5,7章の前に、犯人の独白風の4つのモノローグおかれている。

“あたし”の恋人・川津の葬式の2日後彼の妹から連絡があり、フリーライターである川津の取材資料を譲り受けるために彼の自宅を訪れる。そこには、取材資料を見せて欲しいと、川津と一緒に仕事をしたことがある女性カメラマンの新里美由紀が居た。資料は既にあたしの自宅へ郵送済だったが、留守している間に資料は空けられていて、資料は盗まれてしまった。そして、新里も殺害された。


あたしは友人の冬子は、川津と新里が共に参加したクルージング・ツアーの参加者を調べ始める。参加者の一人・竹本が亡くなったツアー中の転覆事故の詳細を聞きだそうとする中、同じ参加者の役者の坂上豊が殺害される。

クルージング・ツアーの主催者の山森は、今年のクルージング・ツアーに参加することを二人に提案し、危険をッ感じながらあたしは友人の冬子とツアーに参加する。そして、ツアー中にも……。

 

1987年2月カッパ・ノベルス、1990年12月光文社文庫


私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

ツアー参加者を一人一人探し出していく過程もなかなか読ませるのは東野さんの腕によるのだろう。

主な登場人物は“あたし”、冬子と、ほぼツアー参加者11人だけで、事件の場所もに限られ、テーマは謎解きに集中される。

結果は予想外だが、動機には納得しがたい点がある。犯人を知ってからモノローグを読み返しても、やはりあまりにも激しい怒りには納得できない。だって、おぼれた人を助けに行って、結局二人とも亡くなるケースは多いじゃない。

 

東野圭吾の略歴&既読本リスト

 

(参加)はクルージング・ツアーの参加者。

あたし:女性の推理小説家。前夫は新聞記者。

川津雅之:(参加)あたしの恋人。フリーライター。34歳。出会いから2か月で殺された。妹は幸代。

荻尾冬子:あたしの友人で出版社の担当編集者。あたしと共に犯人を捜す。

田村:川津の担当編集者。

新里美由紀:(参加)カメラマン。川津と紀行文を作成。20代半ば。

山森卓也:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザ。グループの長は秀孝。

山森正枝:(参加)卓也の妻。

山森由美:(参加)卓也の娘。目が不自由。

石倉:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザのチーフ・インストラクター。卓也の弟。

村山則子:(参加)卓也の秘書。母は山森正枝の姉。

金井三郎:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザの器具の保守担当。春村志津子の恋人。

古沢靖子:(参加)24歳。OL.

竹本幸裕(ゆきひろ):(参加)昨年の海難事故で死亡。相馬幸彦の名でルポライター。32歳。弟は正彦。

坂上豊:(参加)役者。

春村志津子:ヤマモリ・スポーツプラザの事務員。

田宮:警視庁捜査一課の刑事。

 

 

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初詣は近くで

2021年01月04日 | 散歩

散歩の途中で見かけた「久我山稲荷神社」のポスターに「間隔をあけてお詣りください」とあった。

行ったことある神社だが、それほど大きくないし、その時は誰もお詣りしてなかった。「間隔あけて」は大げさじゃない」と思った。

我々も遠出を避けて、近場で済ますかと、足を延すことにした。道に迷ってウロウロしてようやく辿り着いた神社には、なんと行列が! 時節柄、地元で済ます人が多いのだろう。

 

「久我山稲荷神社は古来から久我山村の鎮守で、祭神は保食命(うけもちのみこと)。7月24日の夏祭りに「湯の花神楽が「額堂付神楽殿」で行われる」との教育委員会の看板があった。

 

お焚き上げを頼む納札所には沢山の破魔矢などが。1月15日にどんと焼きが行われる。

ご本殿には長蛇(中蛇?)の列。我々の前の二人は、藁の丸の中を左右に3回くぐっていた。不信心者の我々はきまり悪いし、面倒だし、またいだだけ。

本殿には「新型コロナウイルス退散祈願」ののぼり。

型どおり2礼2拍手してから隣の社務所でおみくじを引くと、「大吉」。今年は春から縁起が良いぞ! 

 

 

 

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東野圭吾『さいえんす?』を読む

2021年01月03日 | 読書2

東野圭吾著『さいえんす?』(角川文庫ひ16-3、2005年12月25日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

「こいつ、俺に気があるんじゃないか」――女性が隣に座っただけで、男はなぜこんな誤解をしてしまうのか?  男女の恋愛問題から、ダイエットブームへの提言、野球人気を復活させるための画期的な改革案、さらには図書館利用者へのお願いまで……。元エンジニアの理系作家が独自の視点で綴った、科学に関するあれこれ。思わず納得してしまう痛快エッセイ集。

                 (文庫オリジナル)

 

よく考えてみたら、デビュー以来十七年、文学性なんてものを意識したことは殆どないのだ。それらしき言葉を口にしたことはあるが、じつはその本当の意味がよくわかっていない、というのが実情である。



私の執筆方法は、まず頭の中で映画のようにシーンを思い浮かべた後、それを小説の形にするというものだ。しかし、……書きあがったものを読み直すと、頭の中のシーンとはまるで似ても似つかないということがしょっちゅうだ。女性の容姿など、特にそれが顕著である。



(書店)一店当たりの(万引きの)年間被害額は平均210万円にのぼり、これは粗利益の5~10%程度にも相当するらしい。(以下、ICタグ利用の話)



貸与権とは、著作物の貸し借りが行われようとする場合に、作者に生じる権利のことをいう。…現在それが認められているのは音楽や映像に対してのみであり、出版物については「当面適用しない」となっている。

レンタルコミック店や図書館だ。電子出版も、スキャナーによるテキストデータ化も大きな問題になる。



ダイエット食品を扱っているサイトにアクセスし、身長と体重を入力したら、次のような文章が表示された。
「標準体重ですが、もっと細いシルエットになりたいと思いませんか。2Kg減量コースをおすすめします。」
そこで実際の体重より2Kg減らして入力をやり直してみた。すると驚いたことに、さっきとまるで同じ文章が出てきた。何度か繰り返すうちに、こんな文章が出た。
「痩せすぎです。体力向上コースをおすすめします」
何のことはない。このプログラムには理想体重という概念は存在しなかった。痩せすぎエリアに入るまで痩せろ痩せろといい続けるのだ。

公共のスポーツ施設には優秀なダイエット・カウンセラーを配置すべきだ。



世界展開しているレコード販売店グループであるHMVの名前は “His Master’s Voice” (彼の主人の声)だ。

彼とはニッパー (Nipper)という犬で、亡くなった主人の声がする蓄音機に耳を傾けているところを描いた絵画『His Master's Voice』のモデルだ。この絵は、日本ビクター(現・JVCケンウッド)やHMVなどの企業のトレードマークになった。

 

 

本書は「ダイヤモンドLOOP」「本の旅人」に掲載された連載を収録した文庫オリジナル。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

多くのエッセイは科学、技術の知識をもとにしたもので、趣旨には納得できる。しかし、15年以上前のものなので、現在の技術とは若干ずれがあり、多くのエッセイが迫力不足の主張になってしまっている。

 

また、東野さんは、本のコピーや図書館利用など著作者にお金が入らないような形に読書に疑問を持っていて、以下のような主張をしている。

最後のエッセイ「本は誰が作っているのか」で以下のように主張する。

小説にかぎれば、利益と呼べるほどの黒字を生み出すものはほんの一握りだ。出版社は多くの本を赤字覚悟で出している。売れないとわかっている作家にも仕事を依頼し、原稿料や印税を支払う。なぜか。それは未来への投資なのだ。……私はたしかに赤川次郎さんや西村京太郎さんに食わせてもらっていた。あの方々がもたらす利益があるから、出版社は私のような売れない作家にも仕事をくれたのだ。

そして、最後の最後で東野さんは主張する。

せめていっておきたい。図書館やブックオフを利用することを、まかり間違っても、「賢い生活術だ」と思ってもらいたくない。そう考えることは、出版業界を支えている購買読者たちへの、とんでもない侮蔑である。

 

以上に対する私の見解は以下。
作詞作曲者へ一銭も支払わなくても、YouTubeで聞いた歌を一人で歌って楽しむことは認められている。同じように、図書館の本を読んで楽しむことは文化普及の一貫ということなのだろう、合法的で認められている。自分で読む目的なら、図書館でコピーすることさえ合法だ。ただし、東野さんの言うように、私も、貸与権を、歌と同様に本にも認めて、図書館も本の価格だけでなく、相当の金を著者に支払うべきだとは思う。


もっぱら本は図書館を利用する者としてひと言。
我が図書館では新刊本は発行後1か月ほど購入しないし、人気本は多くとも数冊しか購入しないので実質的に1年以上待たされる。それでも私が本を買わないのは2,3日で読んでしまって、取っておいて荷物になるのも、捨てるのも嫌だからだ。時期を逃すとメルカリでも売れないし、ブックオフで、数十円で売りに行くのもかったるいし、ましてや、それでは著者に金が回らないという問題の解決にはならない。

本屋さんに山と積まれた本の大部分は数週間でゴミと化すのはいかがなものか。本を書くことや、まとめて本にするのにも多くの才能、努力を必要とすることは理解しているが、もう少し絞り込んでから出版すべきだと思う。出版社は何が何でも新刊を発行しないと生き残れないという仕組みは問題だ。
エコの観点からは電子本はこの問題の一つの解決策だが、残念ながら、私には当てはまらない。電子本は紙と同等な読みやすさにはならないだろうし、紙の本の見た目、手触りにあまりにも慣らされ過ぎている。外で本を読むことのない私には電子本のメリットは少ない。アマゾンにこれ以上(?)儲けさせるのも業腹だ。

 

東野圭吾の略歴と既読本リスト

 

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初日の出?

2021年01月02日 | 日記

我がマンションのすぐ東側に建物があって、初日の出は拝めない。1月1日朝7時、もうよかろうとビル越しの初日の出をパチリ。

振り返り見れば富士の高嶺は見えず、高くにほぼ満月。

東の彼方を眺むれば、左にスカイツリー、右に都庁舎?

高い所から民のかまどの煙を見下ろすと、小物らしく、すっかり偉くなったような好い気分。

 

 

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Happy Holidays !

2021年01月01日 | 日記

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