hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

ルスカス最後の姿

2021年07月28日 | リタイヤ生活

 

ルスカスという葉の表側、あるいは裏側の真ん中に虫のように見える小さな突起を見つけた。以後、葉だけを水につけて、その成長ぶりを何回か報告してきた。

約7か月経過した現在、成長も止まったかに見え、葉自体も枯れてきたので、これまでの経過も含めて最後の報告とする。結局、花芽は芽のままで花が咲くことはなかった。葉だけ切り取って水に挿したのでは花は咲かないようだ。

 

 

2020年10月(10月(2)の花)届いた中にルスカスという葉があった。葉の真ん中に虫のように見える小さな突起があった。

どうみても葉のように見える部分は、変化した枝(葉状枝)なので、枝から出てきた花なのだそうだ。

11日後、そこから小さな花芽が出てきた。

 

約4か月経過後(2月(1)の花)のルスカスの葉の花芽はまだ少しずつ成長していた。

 

約7か月後、なんとなくグロい形になってきた。

 

さらに現在、約9か月後、ほとんど大きな変化はみられず、葉の一部が変色してきて、観察はここまでとした。

 

裏側に花芽を持つ葉

 

拡大すると複雑で奇怪な形だ。

 

表側に花芽を持つ葉

 

拡大

 

ネットを検索すると小さいが見事な花が咲いたルスカスの写真があるのだが、残念。

 

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今村夏子『むらさきのスカートの女』を読む

2021年07月27日 | 読書2

 

今村夏子著『むらさきのスカートの女』(2019年6月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。(好書好日

近所に住む「むらさきのスカートの女」が気になる〈わたし〉。自分と同じ職場で働くよう彼女を誘導し、その生活を観察し続け…。狂気と紙一重の滑稽さ。〈わたし〉が望むものとは? …

 

2019年芥川賞受賞作品

「わたし」は、近所に住む<むらさきのスカートの女>と呼ばれる女性のことが気になって仕方のない。
語り手である「わたし」は<むらさきのスカートの女>と友だちになりたいので、ストーカーじみた執拗な視線で、<むらさきのスカートの女>の挙動を詳しく語る。
そのために「わたし」は<むらさきのスカートの女>を「わたし」と同じホテルの清掃員として働くように誘導したりする。

(文中でも、たとえば「女」と省略することなく、<むらさきのスカートの女>と邪魔になるほど繰り返し書いている。)

 

「わたし」のことは何も語らずに、もっぱら<むらさきのスカートの女>について語っているのに、語り手の「わたし」のことを語っているようなことになってしまっている。「わたし」も<むらさきのスカートの女>も、孤独で生活は厳しい。

 

 

むらさきのスカートの女:一週間に一度くらい商店街のパン屋でクリームパンを買って、公園の決まったベンチで食べる。商店街では目立ち、公園では子供たちのいたずら対象になる。日野まゆ子。

わたし:語り手。「黄色いカーディガンの女」。権藤チーフ(?)

所長:ホテル清掃会社の所長。マネージャーはホテル側の担当者。

塚田チーフ:ホテル清掃会社の清掃員で<むらさきのスカートの女>を指導する。

他のチーフ:浜本、橘、など

 

 

初出:「小説トリッパ―」2019年春季号

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

今村夏子ファンの私的には五つ星だが、独特の雰囲気になじめない人も多いと思うので四つ星に。

 

今村作品は、淡々と進む文章の中、フッと笑える記述も混じるのだが、相変わらず、なんとなく不穏で不安にさせる語り口だ。話の筋もただよってどこに行き着くのか分からない。しかも、その底にしっかり根付いているのは孤独なのだ。

 

 

今村夏子の略歴と既読本リスト

 

三島賞受賞のときに、これからの抱負を問われ、「そういうのはないです。今後なにが書きたいとか、全然思わないです」と答えた超寡作作家。 
2013年に結婚して娘さんもいるらしい。よかった、よかった。

 

 

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7月(2)の花

2021年07月26日 | リタイヤ生活

 

7月19日に届いた花。

お手入れ方法には、「グラジオラスの先端のつぼみは咲きにくいため、上10㎝くらいのところで折り、蕾の数を減らすことで花を一輪でも多く咲かせることができる」と書いてある。

 

 

グラジオラスが6本、スプレーカーネーションが2本、デンファレが1本、スモークグラス2本、アラカヤシ1本。

 

さっそく、泣く泣く、グラジオラスの先から10㎝くらいをカットして蕾の数を減らした。

翌日、淡いピンクのグラジオラスが上の方までかなり咲いた。

 

赤は下から4輪ほど。

 

一本の茎から数個の花が咲くスプレーカーネーション

 

デンファレ

 

ススキのようなスモークグラス

 

アレカヤシ

 

2日後の21日には、はや最盛期か。

 

 

カットしたグラジオラスの先端の蕾と、デンファレの下の方の花をカットして、未練たらしく一輪挿しに。

 

なお、8月は花もちが悪いため、お休み。

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旭鮨・吉祥寺東急店でランチ

2021年07月24日 | 食べ物

 

吉祥寺東急9Fの「下高井戸旭鮨総本店」でランチした。

 

祝日の12時ごろ、東急の9階のレストランはどこも長い待ち行列。行列が無いのはこの寿司屋さんだけ。

 

このお寿司屋さん「下高井戸 旭鮨総本店」は前から東急にあったのだが、下高井戸のローカルな店のように思っていた。ホームページを見ると東京西部に13店舗ある大きなグループなのだ。いずれもが総本店とはこれいかにと思ったら、社名が「旭鮨総本店株式会社」なのだった。

 

 

店内のテーブルは4人掛けが斜めに向かい合う2人掛けになっていて、かき入れ時がこれでは辛いものがある。

 

私は、7月・8月期間限定メニュー「粋香(すいか)」¥2,750円。

まずは、もずく酢と茶わん蒸しが登場。

 

次が、あぶり握り2種を含む8個と、2つのかんぴょう巻とお椀。

ただし、下は右上にあったかんぴょう巻一つを摘んだ後で、さらに大好きな相方へエビをプレゼントした後の写真(大好きはエビに係る)。

 

白身魚が多くて、全体にさっぱりして、美味、美味!

 

デザートはお饅頭。味は普通??

 

相方は、「美味しいにぎりを少しだけ召し上がりたい方へ」というまさにぴったりの「入江」¥1,980。

まずは小鉢。

 

にぎり5個に小鉢、お椀。こちらも、既に一貫、左上から姿を消した後で、私からのプレゼントエビが追加されている。穴子はお返しにいただいた。

 

私は量的には物足りないと感じたが、鮨は後からじ~んと腹にもたれてくるので、ちょうどよい。相方も至極ご満足で、お供の私も幸せ。

 

それにしても、吉祥寺は人が一杯だった。

 

 

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樋口恵子『老いの福袋』を読む

2021年07月21日 | 読書2

 

樋口恵子著『老いの福袋 ――あっぱれ! ころばぬ先の知恵88』(2021年4月25日中央公論新社発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

老年よ、大志とサイフを抱け! 88歳のヒグチさんの日常は初めてづくしの大冒険。トイレ閉じ込め事件から介護、終活問題まで、人生100年時代を照らす「知恵とユーモア」がつまったエッセイ

 

著者の樋口恵子さんは、評論家としてTVにも良く出演していて、50代にはNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」を結成し、介護保険実現に大いに貢献した。本書は平均寿命の88歳になった著者が「老い」の先達として「ころばぬ先の杖」となる88の知恵を紹介したエッセー。

 

「まえがき」

高齢化率(全人口に対する65歳以上の割合)は、2020年9月、日本が世界一で28.7%、2位のイタリアが23.3%。

(現在、最も多く死亡する年齢は、男性88歳、女性92歳とか。(p124))
(団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年には、認知症の人が700万人に達するだろう(p182))

(65歳以上は女6に対して男4,85歳以上で女2に男1,100歳で9対1。(p135)(100歳になってモテモテになろう!)

 

「ヨタヘロ期」がやってきた!

フレイル:加齢とともに心身の活力が低下し、健康や生活に障害を起こしやすくなった状態

サルコペニア:高齢になるに伴い筋肉量が減少していく現象

樋口さんは、両者合わせて「ヨタヘロ期」と呼ぶ。

 

第1章 ローバは一日にしてならず

「朝起きるだけでも一仕事」、「ひといい300メートル、座れる場所を求む」、「一人だと食事がいい加減になり、栄養バランスを崩しやすい」、「予定を入れて「老(お)っ苦う」の連鎖を断ち切る」

 

第2章 老いの暮らし、どうしたものか

第3章 「金持ち」より「人持ち」でハッピーに

第4章 「老いの大冒険」を乗りきろう

第5章 あなたも私も介護する人される人

第6章 力を合わせて「五つ星の高齢社会」を

あとがきにかえて

 略

 

本書は書き下ろし

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

80歳間近の私には、おっしゃることはいちいちごもっとも。日々体の弱りを実感する日々だし、夫婦二人暮らしでも食事はどんどん簡単になっていくし、おっくうで何でもパスしがちだし、……。しかし、50~70代の方々は本当に老いがどんななものか、読んでみることをお勧めする。親の老いを外から見ていたのとも、やはり違うのだ。

 

私が樋口さんと異なる意見なのは、「子供に多くの荷物を残さない」(p62)ことと、「あなたの世話にならないようにしたいと言う」(p73)こと、「財産を早めに渡す」(p76)ことだ。私は、子どもの負担を少しでも軽くしたいし、金が本当に要る時に渡したいと考えるからだ。

 

樋口さんといえばネーミングの名手。本書でも、「老いるショック」「ヨタヘロ期」「老年よ、財布を抱け」「『じじばば食堂』がほしい」「すべての道はローバへ通ず」など衰えない見事な腕前を示している。ちょっとやり過ぎではあるが。

 

樋口さんは「自分はわきまえつつ蛮勇をふるう女」だという。公的機関などと交渉するためには、「これは素人考えですが」などと「わきまえ」の枕詞が必要だと言う。実績を上げてきたひとの言葉だが、これからの女性にも必要なのだろうか?

 

樋口恵子(ひぐち・けいこ)
1932年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て、評論活動に入る。1986年から東京家政大学名誉教授、現在名誉教授。2014年から同大学女性未来研究所所長。日本社会事業大学名誉博士。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。

読売新聞の「人生案内」のほか、雑誌連載も担当。内閣府「高齢社会フォーラム・イン東京」などの講演やコーディネートにもかかわる。

著書に『人生100年時代の船出』『その介護離職、お待ちなさい』『老~い、どん! あななにも「ヨタヘロ期」がやってくる』などがある。

医者の一人娘と同居している。(p33)

 

お勉強の時間

親子が同居していれば、私が亡くなった際、細かい条件はありますが、娘は相続税が8割減額さえます。(p60)

和気藹々:わきあいあい(p209)

 

 

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7月(1)の散歩花

2021年07月20日 | 散歩

 

道路際の花壇を常に花一杯にして、道行く人の心を楽しませてくれる管理人の方に感謝!(6月30日)

 

今、花盛りの鉢を道路際まで運んでくれてありがとうございます。(6月30日)

Googleの画像検索ではキョウチクトウ科のマンデビラ属と出たが?

 

ケイトウらしき花(Googleの画像検索)。写真を斜めに切り取ってみたが、効果は今一つ。それにしても柱が邪魔。(6月30日)

 

ヒメヒオウギズイセン(?)(6月30日)

 

何だっけ? まつ毛じゃなくて、胸毛でもなく、ムダ毛? 違う違う。そうそうムクゲ。ムクゲです!(6月30日)

 

ツリフネソウ? わからん。(6月30日)

 

こいつは明らかにオニユリだ!(7月9日)

 

オレンジリリーとのGoogle様の御判定です。(7月9日)

 

アメリカノリノキとの御(誤?)判定だが?? 要するにアジサイの一種らしい。確かに柏葉アジサイのカシワのような葉ではない。(7月14日)

 

?(7月14日)

葉だけ拡大して御判定を願うと、梓(アズサ)と出たが??

 

?(7月14日)

葉を拡大すると、御判定は「アジサイ属」。そうかもね。でも、この時期、何でもアジサイ属と言っとけばいいと思ってるんじゃないでしょうね。まあ、福山雅治のポスターを見て、一瞬、鏡があると思った人より良いか。

 

Googleの画像判定は一応使えそう。私よりは。

 

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東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』を読む

2021年07月17日 | 読書2

 

東野圭吾著『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(2020年11月30日光文社発行)を読んだ。

 

光文社特設サイトの紹介

名もなき町。 ほとんどの人が訪れたこともなく、 訪れようともしない町。 けれど、 この町は寂れてはいても観光地で、 ふたたび客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。 しかし、 多くの住民の期待を集めていた計画は、 世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。 町は望みを絶たれてしまう。 そんなタイミングで殺人事件が発生。 犯人はもちろん、 犯行の流れも謎だらけ。 当然だが、 警察は被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。 いったい、 何が起こったのか。 「俺は自分の手で、 警察より先に真相を突き止めたいと思っている」──。 颯爽とあらわれた“黒い魔術師”が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、 犯人と警察に挑む!

特設サイトには、「7言語同時期販売」 「早くも世界累計78万部突破」 「騙されないようにお読みください」
「このヒーローを生みだせたことで作家生命が延びたかもしれません(東野圭吾)」
などの言葉が躍る。 

 

本作品は書き下ろし。英語タイトルは“Black Showman and the Murder in an Obscure Town”。

 

神尾真世:不動産会社に勤める30歳。婚約者は同じ会社の中條健太37歳。

神尾英一:真世の父親。元中学教師。一人暮らしの自宅で殺害された。妻・和美は病死。

神尾武史:探偵役。英一の弟。恵比寿でバー『トラップハンド』経営。米国でマジシャンとして活躍。

 

真世の同級生で、英一の教え子

池永桃子:旧姓本間。真世の親友。夫は池永良輔。息子は2歳の

釘宮克樹:今人気の漫画『幻ラビ』の作者。

津久見直也:釘宮の親友。リーダー格だったが病死。母親は絹恵

九重梨々香:ココリカ。広告代理店勤務。釘宮のマネージャー役。勝気で美人。

柏木広大:柏木建設副社長。クラス、そして地域のリーダー格。

杉下快斗:エリート杉下。IT会社社長。妻子とともに地元でリモート勤務。

その他同級生、原口浩平:酒の卸販売、沼川:飲食店経営、牧原悟:地方銀行勤務。

 

森脇敦美:真世の4期下で英一の教え子。資産家の父親を亡くした。

柿谷:刑事課係長 、上司は木暮警部前田は県警本部からの応援。

野木:葬儀社の担当者。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

犯人だと思ってしまう筋道がいくつかあって、最後に至るまでわからない。多くのミステリーと同様に、著者は最後の直前まで、誰でも犯人にすることができる状況なので、私が犯人を当てられなくても無理ないと、負け惜しみで思うのだが。

 

探偵役の武史が他人の心にズカズカ平気で入り込んで平然としていて、応答がひねくれていて、好いキャラしている。しかもマジシャンというのが話を面白くしている。刑事のスマホ内の情報を盗んだり、話している相手の秘密を、本人に語らせてしまう心理テクニックなどが冴えている。

 

 

東野圭吾の略歴と既読本リスト

 

 

お勉強

徐に筵を広げると(p4):おもむろにむしろをひろげると

 

 

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図書館の福袋

2021年07月16日 | 読書2

 

図書館に福袋があった。

館員の方が推薦する本が2,3冊入っているのだ。どんな本かはお楽しみ!

 

長く本を読んでいると、著者も、自分の好みの分野もどんどん限定されてきて、限りなくドツボにはまり込んでいっているような気がする。たまに本に詳しい人のお勧めの複数の本を、何が入っているか分からずに手に取って読んでみるのも「いいかも!」。

 

 

隣りに置いてあったかわゆいサボテン。「緋牡丹」らしい。

 

サボテンで思い出すのはチューリップ。

 

「えっ、チューリップの財津和夫の歌に「サボテンの花」っていうのがあるでしょう。

「ほんの小さな出来事で……」で始まる哀しい恋の歌ですよ。いい歌ですよね。

 

 

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7月(1)の花

2021年07月14日 | リタイヤ生活

 

7月5日に届いた花

 

8本のヒマワリと、3本のリアトリス

 

 

6月(2)に届いたLAリリーのうち、蕾のままで終ると思っていた一輪が、他の花が萎れた後に、最後に咲いた。

 

7月7日が最盛期

 

ヒマワリの中心は、こげ茶と黄色の2種類がある

 

ヒマワリの陰で目立たなかったが、良く見るとリアトリスの紫もなかなか鮮やか。

 

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真山仁『プライド』を読む

2021年07月13日 | 読書2

 

真山仁著『プライド』(2010年3月25日新潮社発行)を読んだ。

 

新潮社の宣伝文句は以下。

確信犯的に期限切れ食材を使った菓子職人の胸中に迫る表題作、変人官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。逆境を支えるのがなら、人を狂わせるのもまたプライド。現代を生き抜くために、絶対に譲れないものは何か。社会問題の深層に潜む、現場の人々の一筋縄ではいかない思いに光を当て、深層心理まで描きこんだ極上フィクション六編。(文庫版には掌編「歴史的瞬間」を収録)。

 

「一俵の重み」

食料戦略室の通称コメ博士と呼ばれる米野太郎は事業仕分け作業の場で巧みにパフォーマンスして事業を宣伝したが、必殺仕分け人と呼ばれる美人議員・早乙女麗子は一方的に厳しい決めつけを行った。米野の部下秋田一恵は早乙女に強い反感を持った。
鮫島和代農水大臣はライバルの早乙女議員以上にエキセントリックだった。

「医は……」

東都大学を追放された宇澤は、アメリカへ渡って千例以上の心臓外科手術を手掛け、帰国して北関東医大胸部外科教授になっていた。東都大学での同級生で、現在東都大学医学部心臓血管外科教授・楠木真二郎が、今度新設される高度先端医療センター・CIAMのセンター長に指名され、ついては宇澤を心臓血管外科教授に迎えたいを言った。信じられない話だった。楠木の魂胆は?
(アメリカでは、一流外科医のほとんどがフリーランスで、単身病院に乗り込み執刀するのが一般的だった。)

「絹の道」

プロ野球期待のルーキーだったがケガで挫折した細川秀和は、人口わずか3500人の桑田村の役場勤めだった。草野球で久々にホームランを打ったその先に、美しい絹糸を作るため、桑の木(真桑)の持主を知りたいという女性・小手川つかさがいた。秀和は、大地主で京都府議会の大物の父・英彦に働きかけ、養蚕復興プロジェクトを立ち上げた。彼女は「養蚕・絹業は、産業じゃない。“道”なの」と言う。

「プライド」

看板商品プディングを持つ老舗洋菓子メーカーの販売促進部・課長補佐の柳澤良平は次の100年に向けての建白書の中心メンバーだった。主唱者の創業者一族の御曹司・梁野光治社長は問題が多すぎて、建白書を認めなかった。建白書と一部一致する内部告発が明らかになったため、柳澤はマスコミへのリークを疑われて役員会議室で問い詰められた。今日の午後5時の記者会見前の4時までに文書がでたらめだということを証明しろと命じられ、柳澤は八王子工場へ急いだ。

「暴言大臣」

厚労大臣に就任したばかりの和歌森敏蔵の妻は中国問題担当補佐官を長く務める慶子で、中村明穂は両者の私設秘書だった。敏蔵が記者たちの前で「誤解を招くのは承知で言うがね、この国を滅ぼす最大の元凶は、団塊の世代だよ。…」止めようとする周囲を押し切って敏蔵はさらにエキサイトして暴言を続けた。敏蔵の暴言は妻の慶子にも飛び火し、‥‥。

「ミツバチが消えた夏」

世界を飛びまわるフリージャーナリストだった代田悠介は35歳にして東北で養蜂家となった。地元の養蜂家・殿村正一が夜更けに電話してきた。「実は、この二日ほどで、ミツバチが次々といなくなってるんだ」

かっての戦友・露木は言った。「資本主義とは、ニューヨークや東京だけで完結されているわけではない。アフリカや南米こそ、資本主義の素顔がある。投資銀行マンが、日々コンピュータ上でやりとりしている億単位のカネには、大勢の人々の血と汗と涙が混じっていることを、我々は忘れてはならない」

 

初出:小説新潮2008年11月号~2010年1月号

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

一つ一つの話は面白く読める。すべての短編は、矜持を持ち、正義感に燃える主人公が世故にたけた体制に刃向かっていくというテーマだ。しかし、短編なのでしかたないのだが、敵を馬鹿にしたような単純すぎる構成には乗り切れないものがある。例えば、「一俵の重み」では、「必殺仕分け人と呼ばれる美人議員・早乙女麗子」(蓮舫議員)をからかうような記述がある。誰にでもわかる実在の人物を一方的に笑いものにするのはいかがなものか。

 

 

 

真山仁(まやま・じん)

1962(昭和37)年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、

2004(平成16)年に企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』で衝撃的なデビューを飾る。同作をはじめとした「ハゲタカ」シリーズはテレビドラマとしてたびたび映像化され、大きな話題を呼んだ。

他の作品に『虚像(メディア)の砦』『マグマ』『ベイジン』『プライド』『コラプティオ』『黙示』『そして、星の輝く夜がくる』『売国』『ダブルギアリング 連鎖破綻』『雨に泣いてる』『当確師』『バラ色の未来』『海は見えるか』『標的』『オペレーションZ』『シンドローム』『トリガー』など多数。

 

お勉強

蟠(わだかま)って

 

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果実園リーベルでランチ

2021年07月10日 | 食べ物

 

東急吉祥寺3階の「武蔵野マルシェ」にあるフルーツパーラー「果実園リーベル」でランチした。以前にも何回か入っているはずだ。

 

11時半までモーニングサービスに間に合うと急いで入り、席についたが、店員さんいわく、「3分過ぎているので、モーニング以外でお願いします」。

モーニングが安くて、量が少なくてちょうどよいのだが、やむを得ず、ランチメニューにした。

 

私は「フルーツサンド」(フリードリンク付)¥1,298

美味しいのだが、サンドイッチが6個だと量が多い。

 

相方は「○○パンケーキ」(フリードリンク付)¥1,716。

パンケーキも2枚あり、結局半分はそすそわけ。満腹でサンドイッチ1個ナプキンにくるんでお持ち帰り。

 

両方とも美味しかったが我々には量が多すぎる。次回はパンケーキ1つをシェアーして、もう一人はドリンクのみにしたい。

 

同じ階のクリスベーカリーに寄って、

 

本当に美味しいパンを買って帰宅。

 

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青山潤『アフリカにょろり旅』を読む

2021年07月07日 | 読書2

 

青山潤著『アフリカにょろり旅』(講談社文庫あ108-1、2009年1月9日講談社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

世界で初めてニホンウナギの産卵場所を特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。今回の目標は、全18種類のウナギのうち、唯一まだ採集されていない「ラビアータ」を見つけることだった。過酷な状況下、幻のウナギを求めて、二人の研究者が繰り広げる爆笑アフリカ冒険記。第23回講談社エッセイ賞受賞作。

 

東京大学海洋研究所は様々な学問分野の80名近い研究者が大学院生とともに「海」を研究している。その中の海洋生命科学部門の我らが先生・塚本勝巳教授率いる「行動生態研究室」別名「ウナギグループ」はウナギの産卵場調査や生態研究で知られる。

なぜウナギなの?と聞かれると、先生は答える。「だって面白いでしょ。数千キロも広大な海の中を回遊するんだよ」

 

地球上に生息するウナギは全18種、著者の青山と相棒の渡邊俊は内17種を集めて遺伝子解析、形態解析した。残る一種「ラビアータ」を求めてオープンチケット(帰りの月日不定の航空券)を握りしめてアフリカ・マラウィ共和国へ旅立った。若いころ無謀な貧乏旅行を繰り返し、日本社会に適応できなくなった伝説のバックパッカー(先生)、一番弟子の私と二番弟子の渡邊俊(俊)の3名だった。
そして、先生が帰国後の二人旅はハチャメチャだった。

 

高野秀行さんの解説は語る。

少ない予算をできるだけ有効に使うため、旅は極度に切り詰められる。汚いザックを抱え、三名はTシャツにサンダルで現地のバスやトラックを乗り継ぎ、トイレにウンコが山盛りになっているような安宿に泊まり、肉に正体不明の毛がからみついているような現地食堂の飯を食ってよたよたと移動を重ねる。まるっきりバックパッカーの旅なのだ。

 

 

この作品は、2007年2月に講談社より刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

私的には五つ星だが、危険であまりにも汚い旅の話についていけない普通の人のために四つ星にした。

 

やっていることはアホなのに、当人たちは一心不乱、真剣そのものの学術調査なのだからよけい笑える。
本当にやりたい研究のためなら、どんなに汚い宿でも、どんな危険があっても、‥‥‥、いや、私には無理。読んで笑うだけにしたい。

 

 

青山潤(あおやま・じゅん)

1967年、横浜市生まれ。東京大学農学生命科学研究科、博士課程修了。

その後、東京大学海洋研究所行動生態研究室に所属し、塚本勝巳教授の下で、助手としてウナギの研究に携わる。2006年には同研究室の手によって、ニホンウナギの産卵場所がほぼ特定され、世界的な注目を集めた。

本書『アフリカにょろり旅』で第23回講談社エッセイ賞を受賞。

現在、東京大学教授、同国際沿岸海洋研究センター長として研究、エッセイなどの執筆活動中

 

なお、本書での相棒・渡邊俊氏は現在近畿大学農学部 水産学科農学研究科准教授。

 

 

南米のマーケットでは赤ん坊が売られていた。冗談のつもりで値段を聞いたら、「700ドル」だと真顔で答えられた。(p24)

 

ボルネオのジャングルで岩の隙間に顔を突っ込んで、溜まった水を飲む子供の姿を見た時、
「彼は立派に淘汰を生き残ったんだなぁ」
と感心した。体力のない子供は生き残れない。それは一種の自然淘汰であり、……。偉そうな顔をしてウナギなんか探している自分が、実は淘汰されるべき弱者であり、…。(p66)

 

おそらく、今このアフリカで、私達の消費しているエネルギーのほとんどは「生きるため」のものであり、「研究」に振り向けているのはわずかな余剰分でしかないだろう。(p159)

 

市民講座で先生のウナギの講演後、

決して豊かとは言えない身なりをした老人と、孫なのだろう、連れてきた子供が目をキラキラ輝かせ、話す声が耳に残った。
「面白かったね。ウナギはすごい所まで泳いで行くんだね。不思議だね」
……

思えば、アンデスの友人たちも夜空を見上げて、星の不思議について語り合っていた。たとえ貧しくとも、人が人である限り、知的好奇心は心の栄養になっていることを知った。

この話に強く共感した高野秀行さんは、本書の解説で、今度こそ俺も謎の怪魚ウモッカ探索に行こうと決心するのだが、私は「それとは、違ってますよ、高野さん!」と突っ込みたかった。

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真保裕一『追伸』を読む

2021年07月05日 | 読書2

 

真保裕一著『追伸』(文春文庫し35-8、2010年文藝春秋発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

山上悟はギリシャに赴任するが、妻の奈美子は日本に留まり一方的に離婚を切り出した。真意を問いただす悟に、奈美子は自分の祖父母の間で交わされた手紙のコピーを送る。50年前、祖母は殺人の容疑で逮捕され、手紙には夫婦のみが知る真実が語られていた——。人間が隠し持つ秘密を手紙が暴き出すミステリー。解説・村上貴史

 

すべてが、ギリシャに単身赴任した山下悟と妻・奈美子との間の往復書簡。

 

最初は、渡航を望む悟と、離婚を望む奈美子のやりとり。

奈美子は事故で松葉杖となりギリシャへ同行の約束を破棄した。追伸には同封の書類(離婚届)に捺印して返送くださいとある。奈美子は車をぶつけられて骨折し、相手は19歳の女性で逃走し逮捕された。助手席には若い大塚孝次郎がいた。

 

離婚の真意を問いただす悟に、奈美子は自分の祖父の遺品から発見された祖父母の間で交わされた手紙の束のコピーを送る。手紙は、50年前、拘置所にいた祖母と祖父の間で交わされた手紙だった。奈美子に似ていたという美人の祖母・春子の秘密が徐々に明らかにされ、そして最後に再び悟と奈美子の話に戻る。

 

 

山下奈美子:悟の後妻。旧姓は堀。34歳。駆け出しのライター。母は須美子。兄は邦彰。

山下悟:ギリシャへ単身赴任。明日香と離婚して奈美子と結婚した。44歳。

大塚孝次郎:奈美子が在籍していた編集プロダクションの社長・大塚の息子で出版社社員。

広瀬誠治:奈美子の祖父、須美子の父。お坊ちゃんで善人。足が悪かった。弟は直道、妹は良子。

広瀬春子:誠治の妻。目立つほどの美人。謎の醜聞があるらしい。39歳で啓介須美子を残しで死亡。

新橋清:誠治の知り合い。春子が殺したと疑われている。弟は

 

 

初出:「週刊文春」2006年11月16日号~2007年6月7日号。2007年9月文藝春秋より単行本刊行。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

奈美子が何故離婚したいのか、不明のままで中断し、直接関係ない奈美子の祖父と祖母の話に移っていく。さんざん50年前の話ばかりが続いて、最後に奈美子の話にようやく戻る。ようするに奈美子は祖母と同じで嘘ばかりついていたということ。

 

 

真保裕一(しんぽ・ゆういち)

1961年、東京都生まれ。アニメーション制作に携わった後、
1991年『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
1996年『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞
1997年『奪取』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞
2006年『灰色の北壁』で新田次郎文学賞を受賞。

著書に、『連鎖』『震源』『黄金の島』『繋がれた明日』『アマルフィ』『正義をふりかざす君へ』『アンダーカバー 秘密調査』『ダブル・フォールト』『レオナルドの扉』『赤毛のアンナ』『遊園地に行こう!』『脇坂副署長の長い一日』『暗闇のアリア』『追伸』など。

 

 

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6月(2)の花

2021年07月04日 | リタイヤ生活

 

6月7日に届いた花は、

 

15輪の蕾を持つ4本のLAリリー、2本の紫の丸い玉のギンガジューム、青と紫の花の2本のデルフィニウムと、2本のアワ。

 

4日後には、5,6本のユリが咲いた。

 

以前から、ユリの花粉は、周辺に散らばって拭いてもなかなか落ちない、花びらの上に散って汚く見える、などで始末に悪く、困っていた。切り取ろうとする相方に、私は「花は花粉を飛ばすために花を咲かせいるのに、花粉を取ってしまうなんて残酷すぎる」と言って、止めていたのだ。

 

しかし、改めて届けられた「お手入れ方法」を良く見ると、「(LAリリーは)受粉すると花が役目を終えて急速に萎れてしまいますので蕾が開いてきたら早めに花粉を取り除きましょう」とあった。権威には素直で、臨機応変な私は、早速、雌しべを切り取った。

 

カット前の凛々しいLAりりー。

 

眉毛をそり落としたように間が抜けたLAリリー。まあ、ボケてでも長生きしてください。

 

そり落とされた眉毛??

 

巨大化したギガンジューム(4日後)

 

青と紫のデルフィニウム

 

アワ

 

このあたりが最盛期か(5日後)

 

ピークを過ぎた?(6日後) ユリの花びらに小じわが。「失礼ね! まじまじ見ないで!」

 

ぽっきりと折ってしまった咲きかけのユリを、このまま咲かずに捨ててはかわいそうと一輪挿しに。

 

一日経ったら咲いていた。一人離れていても、ともかく咲いて良かったじゃん。

 

 

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高野秀行『辺境の旅はゾウにかぎる』を読む

2021年07月03日 | 読書2

 

高野秀行著『辺境の旅はゾウにかぎる』(2008年6月25日本の雑誌社発行)を読んだ。

 

WEB本の雑誌の宣伝文句は以下。

辺境作家・高野秀行、初のバラエティブック誕生。
アヘン王国脱出話から、角田光代、井原美紀、内澤旬子、船戸与一、大槻ケンヂとの対談、辺境の視線で読む書評と、辺境作家・高野秀行の魅力をすべて詰め込んだ1冊です!!

 

旅エッセイ <ケシの花ひらくアジアの丘>

『アヘン王国潜入記』の始末記である『アヘン王国脱出記』やバンコクで出会った詐欺の話『六十年の詐欺』など、面白短編を写真とともに多数収録。


対談 <対談◎(辺境+越境)5>
流石取材のプロ!角田光代との旅の話で盛り上がり、井原美紀とは、とんでも食べもので腹を抱え、内澤旬子とは旅の7つ道具を語り合い、早稲田大学探検部の先輩・船戸与一には、書くと言うことを真剣に伺う。トリの大槻ケンヂとは雑誌「ムー」について熱く笑っております。


書評 <辺境読書>
旅の間も帰宅後も欠かせないのが本である。その辺境作家的視点で読み解くブックガイドも収録。

 

 

「アヘン王国脱出記」

中国と国境を接するミャンマーのワ州は「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれる反政府ゲリラが支配するアヘン王国だ。著者は7か月ここに滞在し、アヘンの栽培、収穫を手伝い、アヘン中毒にもなってしまった。この顛末は「アヘン王国潜入記」に書いた。この章は、ゲリラ地帯からの奇蹟の脱出と帰国の冒険譚だ。

 

「テレビの理不尽 「ビルマロード」世界初完全踏破の裏側」 略

「ミャンマーのゾウに乗って」 略

 

「対談(辺境+越境)5」

UMA(ユーマ):Unidentified Mysterious Animal 謎の未確認動物

高野さんと同い年の同窓生で旅行好きだがビビりの角田さんと、大人になる機会を逸し、UMAを求めてどこまでもの高野さんの対談。

 

88か国を訪れたツアーコンで旅行ライターの井原美紀さんとのゲテモノ食いの対談。井原さんは「犬を食った女なんかとキスができるか!」と彼氏から突き飛ばされた。

 

高野さんの早稲田探検部の大先輩の作家・船戸与一さんとの、俺の方がもっと凄い対談。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

私は高野さんが大好物なので、ただただアハハと笑い楽しく読んだ。しかし、書いてあることは事実なのだが、内容については桁外れぶりに読む人によってはトンデモ本となってしまうだろう。

 

高野さん本人に自覚はあるのだが、真面目に桁外れの非常識に邁進する。何と言っても高野さんは偉い! と言っても、無茶を許している高野さんの奥さんのことですが。

とはいっても、高野さんは日常会話なら数か国語を操り、どんな辺境でも地元の人の中に入り込んで、暮らしてしまう。実際に講演を聞くと、おとなしそうな常識ある普通の人なのだが。

 

 

高野秀行 略歴と既読本リスト

 

 

東大海洋研による二ホンウナギの産卵場の特定方法:大雑把な予想を立てて、適当に網を引く、網にウナギがかかったら、その日齢を調べ、少しでも若いウナギが見つかった方向に移動し、また網を引きまくる。その繰り返しを30年続けた。(青山潤『アフリカにょろり旅』)(男の本能がバリバリかき立てられるという280頁の教授の名言を知りたい)

 

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