hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

島本理生『イノセント』を読む

2020年03月31日 | 読書2

 

島本理生著『イノセント』(2016年4月30日集英社発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

イベント会社代表の真田幸弘は、数年前に函館で出会った若い女性・比紗也に東京で再会する。彼女は幼い息子を抱えるシングルマザーになっていた。真田は、美しく捉えどころのない比紗也に強く惹かれていく。一方、若き神父・如月歓は比紗也と知り合い、語り合ううち、様々な問題を抱える彼女を救おうと決意する。だが、彼女は男たちが容易に気づくことのできない深い絶望を抱えていて―。新・直木賞作家が描く、愛と救済の物語。魂に響く傑作長編小説。

 

過去があまりにも重いモテ女と、軽るさに自分でもいやになるモテ男と、暗い過去を秘めた堅物の神父の三角関係。

 

真田幸弘:東京で会社を経営。函館で比紗也と出会う。モテるが、実がないのでそれ以上に進まない。
徳永比紗也(ひさや)函館で真田と出会ったときは23歳で芳紀の子供がお腹にいた。数年後東京で再会時は、シングルマザーになっていて、美容室勤め。生まれた子供・紡(つむぐ)は保育園。魅惑的、奔放そうで家庭的。

如月歓:カソリック教会の神父。中学の時から、頭の中で「声」がして、悪いことをした。

猪瀬桐子(キリコ):真田と大学の時からの友人。成績優秀な営業職。口が悪い。

 

キリコは言う。

「真田君はねえ、優しすぎるのよ」……「褒めてないわよ。自分に関係ないと思えば、人間はどこまでも無限に優しくなれるの。真田君はね、究極、負う気がない‥‥じゃないね。負うっていうことがどういうことか本質的に分かってないんだと思う」

 

寮でと一緒だった聖は言う。

「‥神のやってることはさ、女性と一緒なんだよ。試す、疑われたら怒る、罰する、唐突に無償の愛を与えまくる。全面的に肯定するほど、つらい試練を与えてくる、あれはさ、究極、神様と恋愛してるんだ」

 

初出:「小説すばる」2014年10月号~2015年12月号

 

島本理生の略歴と既読本リスト

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

良く小説に登場する不幸な環境に育った男好きする美人。問題を起こし、抱え、助けたくなる男たちと複雑な関係になる。

喜寿になってしまった私は、どうにもこうにも比紗也に共感できない。相手が何を求めているかを知りながら身を任せるのは同類だということ。子供を預けっぱなしなのに。

 

モテ男の気持ちは私には想像もつかないが、真田の人となりと、最後の変化は理解できる。勧も最終的結果は荒れ以外に収まりようがないだろう。これは男たちの物語だと思いたい。

良く登場するキャラだがキリコがいいね。

 

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今日、3月29日は雪

2020年03月29日 | 日記

8時半、カーテンを開けると、外は雪

 

それにしても、東京は昔から3月に雪が降ることが多い。というか、雪が降るのは3月が多いような気がする。

犬や子供とはもっとも遠いおじいさんもワクワクして、階段を登る。

遠く見える山々はもちろん、すぐ先の光景も白いヴェールに包まれている。

白い屋根が連なる光景は東山魁夷の絵「年暮る」を思い出す、ほどではないが。

どうもビルの屋上が邪魔だ!

当然、東京タワーもスカイツリーも見えない。

 

写真にはシミのように雪が写っている。かなり大きなボタ雪だで積もらないだろう。

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散歩中に見かけた卒業式

2020年03月27日 | 散歩

 

今日はかなり遠方までお散歩。

 

学校の体育館らしきが建物があった。2階の窓が全部、開け放たれている。コロナ対策?

中から何か高校野球の選手宣誓のような声が響いている。

玄関に回ると、小学校の卒業式だ!

日の丸と看板が目立つだけに、人影なく寂しい限り。

 

遠出ついでにたまたま見かけた桜をパチリ。

 

かなり自由に枝を伸ばしていて、見事!

こちらは縦にのびのびと。 逆光で目には鮮やかなのだが。

こちらは区の保存樹木となっている。それにしても、電線が邪魔。

児童公園も桜で一杯。

長距離歩いた甲斐があった。

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宮部みゆき 概歴と既読本リスト

2020年03月25日 | 読書2

宮部みゆき(みやべ・みゆき)
1960年東京江東区生まれ
1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞
1989年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞
1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞
1993年『火車』で山本周五郎賞
1997年『蒲生邸事件』で日本SF大賞
1999年『理由』で直木賞
2001年『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、2002年司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)
2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞
などを受賞。

他に、『パーフェクト・ブルー』、『ソロモンの偽証』、『英雄の書』、『悲嘆の門』、『小暮写眞館』、『荒神』、『この世の春』、『楽園』、『ブレイブ・ストーリー』、『震える岩』、『あやし』、『ぼんくら』、『孤宿の人』、『日暮らし』、『昨日がなければ明日もない』『おそろし』、『誰か』、『希望荘』、『心とろかすような』など。

 

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宮部みゆき『パーフェクト・ブルー』を読む

2020年03月23日 | 読書2

 

宮部みゆき著『パーフェクト・ブルー』(創元推理文庫 2019年11月15日新装新版、東京創元社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが……。幅広いジャンルで活躍し、わが国の文壇を代表する作家の一人である宮部みゆきの記念すべき長編デビュー作。

 

巻末の宮部みゆきの著者リストがあり、最初の1が本作で、最後が71!。

 マサ:老ジャーマン・シェパード、元警察犬

蓮見加代子:探偵事務所調査員。進也の捜索を依頼されたことから克彦の殺人事件真相解明に乗り出す。
蓮見浩一郎:探偵事務所所長。加代子、糸子の父親。
諸岡克彦:高校野球界のスーパースター、恐喝事件から殺害される。
諸岡進也:克彦の弟。家出常習者。諸岡三郎は克彦、進也の父親で、母(妻)は久子
山瀬浩:克彦の元チームメート
椎名:スナック「ラ・シーナ」のマスター
木原和夫:大同製薬総務部課長補佐。交通事故で亡くなった妻は由美子。5歳の娘は美穂

幸田俊朗:大同製薬専務取締役。同族会社の社長の叔父だが、ライバルに実績ある網川取締役がいる。

植田涼子:専務の代理人

宗田淳一(そうだ)を名乗る強請り屋:30代、長髪、右眉毛の下に傷跡。
結城雅之:大同製薬のグランドの管理人
「ナンバー・エイト」:謎の新薬の仮称。目に染みるようなきれいなブルー。

 

本書は1989年2月東京創元推理文庫の新装新版。なお、2008年4月新潮社より単行本  (宮部みゆきアーリーコレクション) が刊行

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

謎も、登場人物のキャラクターも、環境描写も最後の一押しが足りない。後の宮部みゆきを知っているからだろうが、若書きに思えてしまう。

 

30年前の作品であっても、最後の謎解きには多少の無理やり感が残る。進也と加代子、糸子との軽妙なやりとりは面白いのだが、後の宮部みゆきとどうしても比べてしまい、どうしても……。

 

宮部みゆき 概歴と既読本リスト

 

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沢木耕太郎『貧乏だけど贅沢』を読む

2020年03月21日 | 読書2

 

沢木耕太郎『貧乏だけど贅沢』(文春文庫さ2-18、2012年1月10日文藝春秋発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

いきなり空港へ行ってから、そこで初めて目的地を選び、切符を買うと語る井上陽水。群ようこのアメリカ初体験は下着モニターだった。高倉健が理想とする死に場所とは……。人は何故旅をするのか。何故旅に惹かれるのか。常に考え続ける著者が、旅における「贅沢な時間」をめぐって十人と語り尽くした対談集成。解説・此経啓助

 

森の少女とカジノの男(井上陽水)
陽水がすごく好きだったり、ちょっと避けているものは大体セクシュアル。プリンス、ローリングストーンやジョン・レノンはセクシャルで、ポール、クランプトンはそうではない。セクシャルな人は、欠落しているところがあって、それを補おうとするとセクシャルになる。

贅沢な旅(阿川弘之)
戦後、洋上原爆実験の標的にされて沈められた軍艦長門の墓場に行くとき、乗った400トンの船が漁船風で客室がなくてデッキで波しぶきに打たれ、毎晩リュックを枕に寝た。
百日のクルーズに50着のドレスを持ち込む女性がいる。同じ船会社の船に何回、何十回乗ったかという表彰があるが、老人ホームのように、ずっと乗りっぱなしの人がいる。
 
十年の後に(此経啓助)  此経啓助(これつね・けいすけ):1942年東京都生まれ。日本大学芸術学部教授。インドのブッダガヤに7年滞在。

死に場所を見つける(高倉健)
“健さん”が一番好きな場所はハワイ。人が温かいから。でも最近は人が多すぎて西海岸へ行く。今は気持ちが和むポルトガルへ行きたい。

旅を生き、旅を書く(高田宏)  高田宏1932年京都府生まれ。作家。
出発の年齢(山口文憲)  山口文憲法(ふみのり)1947年静岡県生まれ。エッセイイスト。べ平連の脱走兵事件で逮捕。初めて外国体験をするのは26歳がいい。

 

終わりなき旅の途上で(今福龍太)  1955年東京都生まれ。東京外国語大学院教授。文化人類学者。
だから旅はやめられない(群ようこ)  むれ・ようこ、1954年東京都生まれ。作家。年とったらマカオでボーッとしていたと思っていた。ばかにしていたハワイに行ったら、空と海がきれいなハワイがいいと思った。
20歳のときアメリカニュージャージーに3ヶ月行った。下着のモニターでほぼ監禁状態。条件は身体のサイズと、秘密を守るために英語が堪能ではないこと。

 

ラテンの悦楽(八木啓代)  1962年大阪府生まれ。シンガー、ブック・ライター。メキシコに家を持つ。
博奕的人生(田村光昭)  1944年生まれ。プロ雀士。

「勝てばツキで、負ければ実力」勝ち方は永遠に未知で、負け方ははっきりしている。

  

単行本は1999年文藝春秋より刊行。

  

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)


対談相手の人生が変わっていて面白い。沢木耕太郎の上を行く人たちで、沢木が必死こいて、あれもこれもと言い立てるのがオモロイ。

アメリカでは20代、30代で道を外れてからまた戻るルートがあって、優れた人も多いとの話もあったが、日本のように道を外れた人は戻るルートがないと、必死になって変わったルートを探すので、それもまたオモロイかなと、他人事ながら思ってしまう。

 

沢木耕太郎(さわき・こうたろう)

1947年東京大田区生まれ。横浜国大経済学部卒。ノンフィクション作家、エッセイスト、写真家。

卒業後、富士銀行の初出社日に退社。

1970年『防人のブルース』でデビュー。

1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞

1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞

1985年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞

2013年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞        を受賞。

スポーツや旅を題材とするノンフィクション、小説などが多く執筆。

 

 

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青山・フラワー・マーケットのTEA HOUSEでランチ

2020年03月19日 | 食べ物

アトレ吉祥寺の東館B1にある「AOYAMA・FOWER・MARKET・TEA HOUSE」でランチした。 HPを見ると、「料理屋ではなく、空間屋」とある。 こちらが入口。

 

 

中で繋がっているが、隣が花屋さん。

 

店内には、席が広々を配置されている。さすが、「空間屋」。

 

席と席の間には花が。

 

 

相方が「我家の3月中旬の花に似てる」と言う。 「でも、我家のはこんな葉じゃないぜ」と花音痴が言うと、「やだ、この葉はポトスじゃない」との返事。 ふと、下を見ると、

花は試験管ごと土に挿してあり、葉とは別だった。「アジャパア!」(古っ!)

花の説明が黒板に書かれていた。

帰宅して調べると、我家の花もまさに「ラナンキュラス」(「20年3月の花」で紹介予定)だった。

注文したメニューは、私が「ベーコンと焼き野菜」で、相方が「自家製フレンチトースト」で二つとも紅茶とスープが付く。

飲物は「ジベルニー」という本日の紅茶。

 

ナプキンの左は桜の花。わざわざ「食べられません」と注意された。

 

オニオンスープ(左)

 

 

私の「ベーコンと焼き野菜」

ベーコンの下にもフレンチトーストが3つ。サラダはレタスとケール。 いずれも美味。ケールといえば青汁のイメージだが、苦みもなく快適の食べられた。

 

相方の「自家製フレンチトースト」

左下の白いのはクリームチーズ。至極おいしいとのこと。

 

緑に囲まれたゆとりある空間で、料理もしゃれていて、イイじゃない。

 

アトレ東館地下には桜満開

ガチャも満開

 

「Gacha Avenue」 ガチャ専門店 CAPSULE TOY STOREなどと書かれている。 流行っているらしいが、それにしても沢山だこと

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今泉忠明『続 わけあって絶滅しました。』を読む

2020年03月17日 | 読書2

 

今泉忠明監修、丸山貴史著『続 わけあって絶滅しました。 ――世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』(2019年7月17日ダイヤモンド社発行)を読んだ。

 

 

大ヒットした『ざんねんないきもの事典』に引き続く、絶滅生物が自ら「絶滅理由」を語る人気シリーズ『わけあって絶滅しました。』の続編。

絶滅した一つの生き物の特徴、絶滅理由、概要を見開き1ページに解り易いイラスト付きで解説している。

 

地球が誕生してから46億年、生命誕生から40億年。生き物の99.9%が絶滅した。

この間、地球は、大陸が移動し、空気の成分が変わり、気温が激しく上下した。従来の環境にぴったり適応し繁栄した生き物は、強さが弱さになり、絶滅した。進化は偶然に起こるものであり、その進化の多くは失敗に終わる。

 

デカ眼で絶滅(ゴティカリス)

古生代カンブリア紀に眼が進化し他の生物を認識できるようになり、生物の種類が増えた。顔の9割を眼とし良くえさが見えるようになったゴティカリスは、残る口も足も小さくえものを捕獲する力に欠けて短期間で滅びた。ダメじゃん。

 

背中が無防備で絶滅(オドントケリス)

中世代三畳紀に最初の甲羅を持ったカメが登場。ただし、甲羅はおなかにあり、背中から襲われ、甲羅が邪魔で早く泳げずに絶滅した。ダメじゃん。

 

体がゆだって絶滅(アルゼンチノサウルス)

史上最大の恐竜は全長35m、推定体重73t。体が大きすぎて内部に熱がこもり、自らの体温でゆだった。

 

貝殻がぶ厚くなって絶滅(タカハシホタテ)

分厚い殻によって守りに特化したが、氷期と間氷期が繰り返し、たびたび水温が変化すると、移動できずに絶滅。

 

脳が小さくて生きのびた(ダチョウ)

脳を小さくしたので眼を大きく、首を長くでき、遠くまでよく見えるようになった。翼の筋肉は少なく足をムキムキにして短距離なら時速70km、長距離は時速55kmで1時間走れるようになった。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

「バッカじゃないの」と言いたくなるほど滅茶苦茶に無駄に変化(進化じゃなくて退化)した生き物がズラズラ。「そんな馬鹿な」と笑いながら、ほとんど絵なのでどんどんページをめくれる。

 

遺伝子の変化は突然変異というように偶然に起こるのだから、その大部分は生き残るのには適さない変化なのだろう。偶然に良い方向に変化した生き物だけが進化したのだろう。

 

現在存在する生物たちは奇跡の産物で、神によって作られたかとおもわれるほど見事であるが、この本を読むと、多くの失敗作が累々と屍をさらす中、偶然環境にマッチした極少数の生き物が絶滅を免れたということが分かる。

その生物も地球環境が大幅に変化すると、絶滅するだろう。そして、環境を大幅に変えてしまっている人間は‥‥。

 

 

今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
1944年東京都生まれ。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加する。トウホクノウサギやニホンカワウソの生態、富士山の動物相、トガリネズミをはじめとする小型哺乳類の生態、行動などを調査している。上野動物園の動物解説員を経て、東京動物園協会評議員。

主な著書に『野性ネコの百科』、『動物行動学入門』、『猫はふしぎ』、監修『ざんねんないきもの事典

 

丸山貴史 (まるやま・たかし)
動物ライター、図鑑制作者。ネイチャー・プロ編集室勤務を経て、ネゲブ砂漠にてハイラックスの調査に従事。
ざんねんないきもの事典』、『続ざんねんないきもの事典』の執筆や、『せつない動物図鑑』の編集、『生まれたときからせつない動物図鑑』の監訳などを手がける。

 

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3月11日の井の頭公園

2020年03月15日 | 散歩

 

今年は例年になく桜の開花が早いという。

井の頭公園へ偵察へ出かけた。

 

崖の途中に馬酔木(アセビ)らしき花が。

 

 

井の頭公園駅近くには大株のユキヤナギ。

 

  

野外ステージの前で大きな音がすると思ったら、おじさんが演奏中。

 

 

七井橋から眺めると、結構ボートが一杯だ。子供が多く、自粛ストレス解消への親心だろう。

 

 

肝心の桜は、まだ蕾が固く、緑色だ。

 

 

 

右上を拡大すると、

 

 

この調子では、井の頭公園の桜は都内より遅れて、来週に硬い蕾がほころび、再来週には蕾の先端がほんのり桜色になり、場所により数輪が開花するかも。

 

満開は4月に入ってからではないだろうか。といっても、武蔵野市の桜まつりは開催中止だが。

そして、やがて姥桜となり、哀れハラハラと散っていくのだ。

 

そういえば私も若い頃はお酒を飲んで、皆から「ほんのり桜色だ」と騒がれたものだった。

桜の幹の色だと。

 

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マイヤーの鍋を購入

2020年03月13日 | その他

 

東急吉祥寺店の武蔵野マルシェに出店している「MEYER」に鍋、フライパンが並んでいた。

9月から出店していて、この3月で閉めるので安売りしていた。デザインはどれもすっきりしている。

ちょうど、片手鍋を探していたので、焦げ付きにくく、比較的軽いものを買うことにした。

 

 MEYER(マイヤー)のCIRCULON ULTIMUM 片手鍋16㎝で、HI・ガス対応だ。

重さも1.49㎏とまあまあ軽い。取っ手を持つときはたいていガラスの蓋を取るので、はるかに軽くなる。

 底には溝があって焦げ付きにくいという。

 

さっそく家で煮物に使ったが、ステンレスに比べ厚いからだろうか、煮立つまで時間がかかるような気がした。まあその分、余熱が長く続くだろうから気にしないことにした。中味を温めなおすときは別容器に移し電子レンジにかける方が良い。

困るのは、蓋の取っ手までが熱くなり、布巾などを介さないと摘めなくなることだ。

 

ネットで探すと、MEYERには既にこの商品は売っていないようだった。

amazon」を見ると、5,200円から売っている。まあ、いいけど。

 

 

 

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マイクル・Z・リューイン『眼を開く』を読む

2020年03月11日 | 読書2

 

マイクル・Z・リューイン著、石田善彦訳『眼を開く』(A HAYAAWA  POCKET  MYSTERY  BOOKS  No.1792、2006年10月10日早川書房発行)を読む

 

裏表紙にはこうある。

とうとう私立探偵免許が戻ってきた。長く辛かった失意の時代とはおさらばだ。また私立探偵アルバート・サムスンとしての日々が始まる――営業再開にあたって、家族や友人たちも祝福してくれた。ただひとり、幼なじみの親友ミラー警部をのぞいて。確かに免許を失ったいきさつから彼とは疎遠になっていたのだが……やがて復帰後初の大仕事が舞い込んだ。依頼は大手の弁護士事務所から。だがその仕事とは、ミラーの身辺調査だった! 彼の身にいったい何が起きているんだ? 心やさしき私立探偵アルバート・サムスン復活。待望のシリーズ最新作!

 

アルバートが依頼されたのは、法廷でミラーの人格を攻撃するために使える事実を集めることだった。(p132)

 

 

アルバート・サムスン:主人公の私立探偵
サム:アルバートの娘

ポジ―:アルバートの母。<バッドのダッグアウト>を経営。

メアリー・コントラリー:ネオンサイン業者。アルバートの恋人。

ジェリー・ミラー:警部。アルバートの昔からの友人。インディアナポリス市警で最も地位の高いアフリカ系アメリカ人

ジェイニー:ジェリーの妻

ヘレン:ジェリーとジェイニーの娘

マーセラ:ジェリーの恋人

ホーマー・プロフィット:警部補。アルバートの元ガールフレンドのアデルの夫。

リーロイ・パウダー:警部補。アルバートの友人。

 

ロニー・ウィリガ―:連続殺人事件容疑者

カーロ・サドラ―:情報提供者。仇名は“チップ”。バー<ミルウォーキー・タヴァ―ン>で働く。

 

クリストファー・ホロウェイ:パーキンズ・ベイカー・ピンカス&スターヴィック法律事務所弁護士

カール・ベントン:同・共同経営者。ロニー・ウィリガ―の主任弁護人。

トム・トーマス:エイムズ・ケント・ハーディック法律事務所弁護士

 

ボリス、フォンテーン、ローシェル:ポジ―の友人

ジミー・ウィルソン、ジョー・エリスン:近所の住人。ジミーはネオンサインにこだわる。ジョーはバスケ。

ノーマン・タブス:ポジ―の店のコック。片腕。

ティモシー・バトル:司祭

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

話は一本道でなく、左右に揺れ、サイドストーリーも多く、厚みのある物語になっている。しかし、本筋となる謎は深みのあるものでもなく、驚きもない。手慣れたベテランの力作と言ったところか。

 

互いに意地はりながら、気持ちを伝えあうアルバートとメアリーの会話が楽しい。

 

 

マイクル・Z・リューイン Michael Z. Lewin

1942年、 アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールド生れ。5歳でインディアナポリスに移住。

ハーバード大学を卒業後、高校教師。

妻に薦められたチャンドラーの小説を読んで作家を志し、1971年渡英し、アルバート・サムスン主人公の『A型の女』でデビュー。

他に、アルバート・サムスン・シリーズの『A型の女』、『死の演出者』、『内なる敵』、『沈黙のセールスマン』、『消えた女』、『季節の終り』、『豹の呼ぶ声』、本書『眼を開く』や、リーロイ・パウダー警部補シリーズの『夜勤刑事』、『刑事の誇り』など。

 

 

石田義彦(いしだ・よしひこ)

1943年北海道生まれ。2006年没。ライターとしてミュージシャンに取材。翻訳家。

1970年早稲田大学法学部卒。

主な訳書、リューイン『A型の女』『内なる敵』、ライアル『黄金を紡ぐ女』など多数。

 

 

気の利いたセリフ

役に立つ証人を見つける可能性は、宝クジに当たるよりも低かった。だが、ホロウェイはこういった。「やってくれ」ポケットのなかの小切手がこたえた。「はい、もちろんです、ボス」(p85)

 

メアリーとアルバート、二人ともケガをしてようやっと自宅にたどり着き、アルバートはベッドに倒れこみ、気がついたら朝だった。

どこか近くから、メアリーの声が聞こえた。「はじめて朝まで一緒にすごした夜ね。なんてロマンチックなんでしょう」

 

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マイクル・Z・リューイン『内なる敵』を読む

2020年03月09日 | 読書2

 

マイクル・Z・リューイン著、島田三蔵訳『内なる敵』(HAYAAWA POCKET MYSTERY BOOKS No.1345、1980年2月15日早川書房発行)を読む

 

宣伝文句は以下。

あの男にこれ以上追い回されたくないの――メラニーと名乗る女性は訴えた。偏執的な夫との生活に耐えかねて逃げだしたものの、夫は執拗に追ってくるというのだ。いまは夫の影に怯えながら、昔の恋人とともに息をひそめて暮らしているという。悲痛な訴えに心を動かされ、わたしは協力を約束した。が、やがて、彼女に殺人容疑がかかっていることが判明し……。知性派探偵サムスンの人情味溢れる活躍を描く人気シリーズ第三弾。

 

アルバート・サムスン:私立探偵。依頼人はウィレットスン。非力で拳銃を持たないが、見かけほど悪くない頭脳だけが武器。

マーチン・ウィレットスン(マーズ):骨董商ベネット・ウィルスン。アルバートへの依頼者。

メラニー・ベア(メルズ):マーチンの恋人。

エドモンド・キー:メラニーの夫。

アーティ・バーソロミュー:シカゴの私立探偵。キーが依頼人。

ロバート・ゴーガー:弁護士

ジャック:メラニーの友人

ジェフリー・ミラー:警部補。サムスンの友人。

 

骨董商ウィルソンが書いた芝居の脚本をシカゴのバーソロミューが返してくれない。“ガッン”と言って返すように交渉して欲しいとアルバート・サムスンは、もっとも不得意な依頼だが、依頼を受けた。タフをよそおってバーソロミューに当たったが、はるかにうわての大男で、失敗に終わり、脚本の話はでたらめだとわかる。彼は私立探偵で、依頼を受けて探しているメラニー・ベアという女性をウィルソンが知っているに違いないと語る。

アルバート・サムスンに語る依頼人などすべての人の話は信用できず、信用できるのは敵と思った私立探偵だけだと思ってしまう。

 

原題は ” The Enemies Within ”

マーズとメルズは明らかに罪の意識から、公共の敵という意識から、ぴったりとよりそって生きてきたのだ。そしていま、罪の源が消滅すると――彼らにとって、事態は変わらざるをえなかった。いまや敵は内部にあったのだ。(p267)

 

 

マイクル・Z・リューイン Michael Z. Lewin

1942年、 アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールド生れ。5歳でインディアナポリスに移住。

ハーバード大学を卒業後、高校教師。

妻に薦められたチャンドラーの小説を読んで作家を志し、1971年渡英し、アルバート・サムスン主人公の『A型の女』でデビュー。

他に、アルバート・サムスン・シリーズの本書『内なる敵』、『沈黙のセールスマン』、リーロイ・パウダー警部補シリーズの『夜勤刑事』など。

 

島田三蔵

1938年~2007年。東京教育大学文学部卒。編集者を経て、英米文学翻訳家。

主な訳書に、ジェイムズ・リー『サバイバル・ゲーム』、B.M.ギル『十二人目の陪審員』

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

非力でカツカツの貧乏な、タフとは無縁な普通人の私立探偵は親しみやすく読みやすい。主人公の自虐的なジョークも面白く、楽しめる。

 

主人公の周辺の人間がすべて本当のことをなかなか言わないので、読者はやたら電話や訪問で情報を得ようとする主人公と一緒に右往左往する。

 

インディアナポリス周辺の街の雰囲気が、街の描写や人々の会話から立ち上がってくる。ちなみに、Indianapolis のアクセントは二番目の a にある。インディアポリス なのだ。私は一度行ったことがあるのだが、アクセントしか覚えてない。

 

しかし、メラニーの子供がどうなったのかという謎は、話を引っ張っていくほどの謎でもなく、迫力不足。

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2月の花(2020年)

2020年03月07日 | リタイヤ生活

 

2月14日に届いた花

 

キンセンカは左上にかすかに黄色がみえるだけ。

 

 

キンセンカは茎を手で折る方が良いとは、今の今まで知らなかった。

添付されている紙は機械的に写真を撮りブログに掲載するだけで、中味を読んでいないことがわかった。

 

 

2月19日にキンセンカ一輪が咲いた。

 

 

2月28日に届いた花。

 

 ゼンマイは茎が木のように固くて、食用にはなりそうもない。

ユキヤナギというと白く長い筒のイメージだが、花がまばらで哀れを誘う。

 


3月2日になって、チューリップは開き切り、ゼンマイはほどけ始めた。

 

 

赤いチューリップの中はちょっと不気味。

 

そして1週間後、ご注意いただいたとおりに「あらあらあら」と

見事に「水が下がると先端の巻がほどけてしまう」ことになったゼンマイ。


 

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7-11でランチ

2020年03月05日 | 読書2

 今日のランチは一人飯。思いっきり贅沢にと、吉祥寺の街をブラブラ。

どこにも決められず、一人では入る気になれず、情けないことに流れ着いた先は、面倒がないセブンイレブンのイートイン。

 

それでもあれこれ迷って、結局、麻婆丼とコーヒー。

 

 

贅沢三昧のはずが、ほぼワンコイン¥540なり。トホホ!

 

 

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マイクル・リューイン『沈黙のセールスマン』を読む

2020年03月03日 | 読書2

 

マイクル・Z・リューイン著、石田義彦訳『沈黙のセールスマン』(HMり-2、ハヤカワ・ミステリ文庫1994年5月10日早川書房発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

半年も入院したまま、面会謝絶で安否もわからない弟の様子を調べて。依頼人の女性は憔悴しきっていた。製薬会社でセールスマンとして働く弟が、会社の研究所で爆発事故にあい、以来、社の管理下にあるという。なぜセールス部門の者が研究所内の事故に? 不審に思ったわたしは、ガードの堅い会社側に揺さぶりをかける――十数年ぶりに再会した実の娘とともに謎を追う知性派探偵サムスン。シリーズの人気を決定づけた傑作。

 

アルバート・サムスン・シリーズの第4作

インディアナ州の州都でありながら人口流出に悩む地方都市インディアナポリスに住む主人公サムスンは、暴力嫌い、拳銃不所持、酒はそこそこという極めて普通人の私立探偵。しかし、お約束通りの偏屈で、へそ曲がりだ。ハメットなどのクラシック・ハードボイルドに次ぐ、ネオ・ハードボイルドと呼ばれるらしい。

 

アルバート・サムスン:私立探偵。41歳。収入が少なく、危機的。

マリアンヌ(サム):アルバートの娘。17歳。12年前に会ったのが最後。

 

ジョン・ピッギー:ロフタス製薬のセールスマン。研究所内の事故で所内の病院内に長期間入院。

リン・ピッギー:ジョンの妻。17歳で結婚、現在28歳。5年前に双子の娘を亡くす。

ドロシー・トーマス:ジョンの姉。最初の依頼人。

ウォルター・ウェストン:ジョンの弁護士

 

ジェイ・ダンドリ―:ロフタス製薬の研究員。博士。病院管理の責任者。

マーシャ・メローム:ロフタス製薬の研究員。女性。文学博士。

リー・シーフィールド:ロフタス製薬の研究員

レイ・マクゴニグル:ロフタス製薬の研究員。サムと付き合う。

P・ヘンリー・ラッシュ:ロフタス製薬の取締役

 

ジェリー・ミラー:警部補、アルバートの友人

ガートランド:ミラーの上司

 

 

マイクル・Z・リューイン Michael Z. Lewin

1942年、 アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールド生れ。5歳でインディアナポリスに移住。

ハーバード大学を卒業後、高校教師。

妻・マリアンヌ(本書での娘と同じ名前)に薦められたチャンドラーの小説を読んで作家を志し、1971年渡英し、アルバート・サムスン主人公の『A型の女』でデビュー。

他に、アルバート・サムスン・シリーズの本書『沈黙のセールスマン』、リーロイ・パウダー警部補シリーズの『夜勤刑事』など。

 

石田義彦(いしだ・よしひこ)

1943年北海道生まれ。2006年没。ライターとしてミュージシャンに取材。翻訳家。

1970年早稲田大学法学部卒。

主な訳書、リューイン『A型の女』『内なる敵』、ライアル『黄金を紡ぐ女』など多数。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

主人公サムスンのの独り言のぼやき、皮肉などウィットに富んだ会話が面白い。テンポ良く進み、飽きることなく読める。
後半に取っ組み合いが若干登場するが、全体に地味で渋すぎる。

サムスンの娘が、探偵業に興味深々で、そして父親と働きたくて、一生懸命に一緒に捜査にあたるのが、作品を明るくしている。

ジョンが病院に何か月も留め置かれて、面会もできないという謎を引っ張りすぎ。
サムスンが警察の制止、ライセンスはく奪をものともせず強引に敵陣に突っ込んでいくことに説得力がない。

 

 

メモ

「人間は年をとればとるほど眠りが浅くなる。そしてそのかわりに、あとに深い永遠の眠りが待っているということかもしれん」(p281)

 

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