月2度届く季節の花
4月中旬の花
4月下旬の花
急になぜか思い立って神代植物公園へ行った。多分、桜は終わり、チューリップぐらいしか咲いていないだろうとは思ったのだが。
ここはもともと東京の街路樹などを育てるための苗圃だったが、戦後、神代緑地として公開し、昭和36年に神代植物公園が誕生した。
タクシーを降りて矢印に従って歩く。右側が神代植物公園のようだ。
深大寺門を入る。
どうも公園の南端らしい。
青葉の風通しの良い林はさわやかだ。
桜は散ったと思っていたが、山桜が結構咲いている。
さんま似の友人が自分のあだ名を山桜と言っていたことを思い出した。
「花より先に葉が出る」「鼻より先に歯が出る」
ここには78種の桜があるという。
八重紅枝垂がさまになっている。
控え目なクリスマスローズ。
タンポポと一緒に。
チューリップはわずかだった。
ニュートンのリンゴの子孫。
芝生広場の真ん中にススキ?
和紙の原料になるミツマタ、枝はすべて三又に分かれている。
シャクヤク
途中の売店には、園内では咲いていなかった花も満開。
サクラソウ展が開催中。
各地の愛好会の競い合い。
江戸時代、明治時代、昭和などと変化してきているようだ。
ボタン園には見事な花がチラホラと。
バラ園は寂しい。
向いの去年大改修した大温室へ入る。
メティニラ・マグニフィカ。
パパイヤ
コエビソウ
どこかの温室で見た覚えのある青い花
ベコニア室へ
ハイビスカス
熱帯スイレン室
リンジー・ウッズ
乾燥地植物室でメロカウタス・オレアス(青乱雲)
外に出て、大木で、大きな花のキョウチクトウ、ネリアーブの花。
つつじ園は満開まじか。
植物会館のエビネ展をちらり。
最後まで、最後だけ、ご覧いただいた方、
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
小島慶子著『これからの家族の話をしよう わたしの場合』(2016年10月15日海竜社発行)を読んだ。
海竜社の宣伝文句は以下。
家族4人でオーストラリアに引っ越し、夫は子育てと家事に専念。1ヶ月ごとに日本に「出稼ぎ」に来て、一家を養う。
そんな生き方を選んだ小島慶子さんが、ご自身の生い立ちから夫婦関係、子育て、家族について本音で語り下ろした一冊。「正しい母親」「理想の家族」などのイメージにとらわれずに、自分らしい幸せを見つけようと励ましてくれます。オーストラリアと日本の暮らしの比較も面白く、こりかたまった考えがほぐされて、生きるのが少しラクになるでしょう。
女性が一家の稼ぎ頭となることへのためらい、夫への気遣い。
いまや多民族国家のオーストラリアでの生活で、多様性を認める生活を学ぶ。
夫や息子たちと真正面から向き合い、フランクに伸び伸びとした家族となった。
あなたを愛してくれる人があなたを自分の見たいようにしか見なくても、幸せならそれでいいのかも。むしろ、「本当の自分をわかってくれる人との間にしか、関係は築けない」と思っていたら、人生は砂漠です。本当の自分、なんて単なる自分の思い込みなのですから。
著者が一家の大黒柱になって、気づいたことがある。女性は「男は家族のために働いて当然」という決めつけで、彼らの自由を奪っているのだ。逆に、「この仕事は私を輝かせているだろうか」「この仕事に意味があるだろうか」といったことに、まったく興味がなくなった。生きるためには働くしかないのだから。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
女性が日本で稼ぎ、オーストラリアに住み、気の強い妻と大様な夫という特殊な家庭だが、家族に在り方について考える中で、家族の普遍的な問題、一つの望ましい形を描いている。
付き合い始めた頃、著者が携帯電話で仕事の通話中、何度も切れるので腹を立て、地面に電話機を叩きつけて壊した。一緒にいた彼は、ドン引きすることなく、壊れた電話を拾い集めて、普通に著者に話しかけたという。
止めない限りいつまでもしゃべり続け、婉曲表現が嫌いで悪いものは悪いとはっきりいう著者を、流さないで受け止めて応える旦那さんが偉い!
小島慶子(こじま・けいこ)
1972年、オーストラリアのパースで出生。学習院女子中・高等科。15歳のとき摂食障害。学習院大学法学部政治学科卒業。
1995年、TBSにアナウンサーとして入社。身長は172cm。
30歳で長男、33歳で次男出産。
2010年TBS退社。
2014年テレビ制作会社勤務の夫が退職したのを機に、オーストラリアのパースに移住し、日本に出稼ぎ。
主な著書、『解縛(げばく)』、『女たちの和平交渉』
綿矢りさ著『手のひらの京(みやこ)』(2016年9月30日新潮社発行)を読んだ。
宣伝文句は以下。
おっとりした長女・綾香は31歳、次第に結婚への焦りをつのらせる一方、恋愛体質の次女・羽依は職場で人気の上司と恋仲になり、大学院で研究に没頭する三女・凜はいずれ京都を出ようとひとり心に決めていた。生まれ育った土地、家族への尽きせぬ思い。奥沢家三姉妹の日常に彩られた、京都の春夏秋冬があざやかに息づく、綿矢版『細雪』。
はるか昔の恋愛に懲りて引っ込み思案になっている長女・綾香は31歳で、結婚にあせりはじめている。
子供の頃からモテて、恋愛に生きる次女・羽依は入社早々、職場で人気の上司と恋仲になり、次々と人間(恋愛)関係で問題を起こす。
大学院で研究に没頭するリケジョの三女・凜は自ら人生を切り拓くべく、いずれ京都を出ようとひとり心に決めていたが、京都で生まれ育った両親にはなかなか口に出せない。
小さな京(みやこ)の京都への愛、家族の温かい愛。まっすぐ生きる三姉妹の物語。
著者の愛する京都が、住民の立場で色々描かれる。
京都は商売が上手くなった。・・・綾香が高校生くらいの頃は、京都のお土産といえば八つ橋などの伝統菓子か漬物、着物柄の和紙を貼り付けた手鏡やつまようじ入れ、新選組のはっぴくらいしか無かった。しかし今では新しい和小物の雑貨店が通り沿いに建ち並び、・・・和の伝統と今っぽさを織り交ぜた京の雑貨が増えた。
聞こえてないようで間違いなく聞こえるくらいの近い距離で、ターゲットの背中に向って、簡潔ながら激烈な嫌味を浴びせる「聞こえよがしのいけず」の技術は、熟練者ともなると芸術的なほどターゲットを傷つける。
初出:「新潮」2016年1月号
私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)
京都に長らく住んでいた著者が、良い点も悪い点も、愛を持って京都を描いている。祇園祭の宵山の描写は、是非行って見てみたいと思わせる。
三姉妹に訪れる変化は良く書けているのだが、5年後、10年後が知りたい。完結していない。是非、その後を書いて欲しい。
綿矢さんも大学の時にストーカー被害で苦しんだと語っていた。その成果が活かされている??
登場人物
綾香(あやか):奥沢家の長女。図書館勤務。31歳で結婚を焦っている。
羽依(うい):奥沢家の次女。美人で学生時代から男性に人気があり、恋愛遍歴を繰り返す。キレがち。
凛(りん):奥沢家の三女。大学院で研究に没頭。理系女子。東京へ行きたいと願う。
母:父の定年後、主婦としても定年として食事を作らなくなった。
父:奥沢蛍(ほたる)。
前原智也:羽依の会社の上司で一時期付き合う。モテ男。
梅川:羽依の会社の先輩で、一時期付き合う。
宮尾俊樹:羽依の会社の勤め人。39歳、独身。綾香と交際する。
未来(みき):凛の大学院の友人。広島出身。
綿矢りさ(わたや・りさ)
1984年、京都市生まれ。
2001年、高校生のとき『インストール』で文芸賞受賞、を受けて作家デビュー。
2004年、『蹴りたい背中』で、芥川賞を史上最年少で受賞。
2006年、早稲田大教育学部国語国文学科卒業。
2007年、『夢を与える』
2010年、『 勝手にふるえてろ』
2011年『かわいそうだね?』 で大江健三郎賞受賞
2012年、『しょうがの味は熱い』、『ひらいて』
2013年、『大地のゲーム』、『憤死』
2014年、結婚
2015年、『ウォーク・イン・クローゼット』、長男出産
2016年、本書『手のひらの京』
山下澄人著『しんせかい』(2016年10月30日新潮社発行)を読んだ。
新潮社の宣伝文句は以下。
19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いた先の【谷】では、俳優や脚本家志望の若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、【先生】との軋轢、地元の女性と同期の間で揺れ動く感情――。思い出すことの痛みと見向きあい書かれた表題作のほか、入塾試験前夜の不穏な内面を映し出す短篇を収録。
2017年、第156回芥川賞受賞作。倉本聰さんが本の題字を書いている。
語り手の山下スミトは、高校を卒業後、アルバイトしていた19歳の若者だ。自宅に誤配された新聞に「2期生募集」という、2年制の演劇学校の生徒募集記事を見つけて、とくに俳優になりたいわけではなかったが、入学金・授業料無料に惹かれ、北海道の学校に入ることにする。
【谷】と呼ばれる北国の地で、丸太作りの稽古場、食堂棟などが並び、まき割りをし、建物を建て、家畜の世話をしながら演劇を学ぶ。この地の気候は過酷で、労働はきつかった。一方では、脚本家の【先生】の演劇理論は理解できず、生まれて初めてセリフは【先生】にほめられて喜ぶ。
1年が過ぎ、1期生たちが塾を去り、夜の空の満月を見上げる。
どちらでも良い。すべては作り話だ。遠くて薄いそのときのほんとうが、ぼくによって作り話に置き換えられた、置きかえてしまった。
それから一年【谷】で暮らした、一年後を【谷】出た。
こんな風に、唐突に小説は終わる。
この他、30ページの短編「率直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺をしたのかどうか」が続く。
私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)
ただ淡々と演劇学校での毎日が語られる。パラパラと登場する生徒たちも、深く語られることがないので、どんな人物かわからず、距離を置いて眺めるだけだ。盛り上がりも全くない。
小説での学校に入る経緯が、著者自身が語っているものと全く同じであることから少なくとも一部は私小説であると思われるが、鋭敏な感受性が感じられる箇所はない。
文章もはっきり言って下手だ。ただ、著者は、野間文芸新人賞の受賞記者会見の際に、
「書けば書くほどうまくなってゆくから、それでは面白くない」
と語っているから、ウマ下手なのだろう。
山下澄人(やました・すみと)
1966年、兵庫県生まれ。富良野塾二期生。1996年より劇団FICTIONを主宰、作・演出・出演を兼ねる。
2012年『緑のさる』で第34回野間文芸新人賞を受賞。
他の著書に『ギッちょん』『砂漠ダンス』『コルバトントリ』『ルンタ』『鳥の会議』『壁抜けの谷』がある。
最近は年一度がようやくとなっている墓参りに行った。
年々きつくなるこの坂。
本堂の景観をだいなしにする建物も相変わらず。
鍋島の歴代の殿様の墓が並ぶ。
墓参を終えて、いつものコース、豆源でお買い物。
昼飯はおなじみの永坂更科へ。
寛政元年(1789年)布屋太兵衛が麻布永坂町に創業という。
故郷の信州更科郡の「更」と高遠藩領主・保科家の「科」と、開業地の「永坂」をとって「永坂更科」を屋号としたという。
従来と異なる細く白い麺が評判となったという。
(以上、店内の表示より)
私の記憶によれば、昔は「元祖更科」と称していて、近くの蕎麦屋(多分、「総本家 更科堀井」)と裁判になって、「元祖」の名を引っ込めたのではなかっただろうか。
相方は、そばの実の芯の部分を使った白い御前そば¥945.
私は、「石臼挽きのそば粉を使用し、細打でのどごしが良い」と書いてある太兵衛ざる¥945. 腰があるともいうが、ちょっと固め。
長沼睦雄著『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』(2016年5月10日青春出版社発行)を読んだ。
表紙裏にはこうある。
他人の気分に左右されやすかったり、人混みにいると疲れやすかったり、ちょっとしたことに、すぐびっくりしてしまったり・・・。
まわりの環境や出来事に、自分でも「やりすぎだな」と思うぐらい過敏に反応してしまうことはありませんか。実は、その「敏感さ」や「繊細さ」は、生まれ持った気質の可能性があるのです。
本書ではHSP(とても敏感な人)の臨床医としての経験をもとに、HSP気質とどう付き合っていけばよいのかを、お伝えします。
HSPとは、Highly Sensitive Person の略で、日本語に訳すと「とても敏感な人」。
愛着障害 P85
幼少期に虐待や育児放棄などで愛着形成が十分できないと、自分のことを大事に思えなかったり、他人との関係や絆をつくったり、自分の感情や行動をコントロールしたりできなくなります。
・・・
・・・「弟ばかりかわいがられた」とか、「母親に無視された」といった、一見さほど深刻ではなさそうなことでも愛着形成が十分になされない可能性はあり、現に一説では、日本では、安定した愛着を形成できている親子は3割しかいないといわれたいます。
対応策 p110
「自分の抱えるHSP」を理解する
自分自身の心と体の状態を、日々「ふりかえる」クセをつける。HSPに関する本、情報を得る。
心理的逆転 p116
「治りたい」と口で言っていても、心の中では「治りたくなんかない」「治る必要はない」「治ってはいけないんだ」「どうせダメなんだよね」「考えたくない」と言葉とは裏腹のことを意識下で考えている状態。
自分の中の「いい子」をやめる p119
幼い頃からやってきたように、本心や本音をブロックして、自分を抑え込むたびにストレスが溜まったくる。
自分を責める気持ちを捨てる p121
弱い自分に出会ってしまったときは、自分を責めるのではなっく、その弱さをまず認めましょう。(自己肯定)
頑張りすぎない、抱え込まない p126
疲れたら休む。「疲れに鈍い頑張り屋」にならない。
プラス思考ではなく、「プラスの感情」を大事にする p128
落ち込んだ状態でプラス思考を実践するのはむずかしいことが多く、まずは、うれしいといった「プラスの感情」をつくることに重きをおいたほうが、うまくいくことが多々あるのです。
顕在意識の下の、広大は潜在意識や無意識の世界をプラスの感情・感覚をさんざん刺激した後で、プラス思考を取り入れる方がうまく行く。
「ライオンの吐き出し」 p156
マイナス感情を受けてしまったときには、一人になれる場所で、目の前に架空のゴミ箱があるとイメージし、前かがみになり、思い切り舌を前に突き出し、マイナス感情を一気に腹の底からウエ―と声を出して吐き出す。
「タイムアウト法」 p160
突発的な怒りの噴出を抑えたり、動揺でパニック状態になりそうなときに、深呼吸したり、トイレに行ったり、とにかく6秒間、興奮や動揺を抑えると、次第に落ち着いてくる。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
気にしすぎる人は一度読んでみると良いかも知らない。気にしなさ過ぎる人と誰かから言われている私は、「へ~」と思っただけだった。
HSP自体を理解している医者がまだ少ないという。本当に定説になっているのだろうかという疑問も湧く。
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
北海道立緑ヶ丘病院精神科医長。日本では数少ないHSPの臨床医。
平成12年よりHSPに注目し研究。
北海道大学医学部卒業。北大大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。
道立札幌療育センターにて14年間小児精神科医として勤務。
平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行っている。
発達障害、発達性トラウマ、愛着障害などの診断治療に専念し、脳と心(魂)と体の統合的医療を目指している。
吉祥寺駅からJRの北側に沿って西荻方面に伸びる道を数分、第Ⅱ大栄ビルの2階に「吉祥 吉祥寺」がある。
ビルの前は始終通るのに、1階にテナントが入っていないので、2階の店には気がつかなかった。
昨年11月には開店していたという。
「和食 伝統~創作」をうたっている。
3月中旬に初めて店に行った。
薄暗く広々とした部屋にパラパラと席が並ぶ。いかにも高級そう。
中央の大きなテーブルには大きな桜の花がいけてある。
テーブルセッテングも気のせいか品があるように見えてしまう。
この日の注文は一番安い「おばんざいBoxランチ」¥1620.
デザート
料理もおいしく、雰囲気も良かったので、幼馴染を4月4日に花見に誘い、この店でランチした。
この日は予約して個室を取り、「みゆき会席」とした。
美味しく、満腹でした。
早くに予約したので個室がとれ、ゆっくりおしゃべりも楽しめました。
3月30日花見偵察に続き、31日(土)夕方の井之頭公園で花見した。
結果は悲惨。
花は 2,3分咲きで、冷たい雨が降っていて、人もほとんどいなくて、そのまま通り抜けた。
さらに、4月4日(火)の昼、平日なのに花見客がいっぱい。
七井橋からの眺めは、ほぼ満開に近い。
池の西側に行くと、おじいさんたちがカメラを構えている。
カタクリの花だ。
シャガの花も、
ダイコンの花も。
気がつくと桜の花の写真がなかったので、帰り道の道路脇の桜をパチリ。