戦いは勇気なり。

タイトル----戦いは勇気なり。第2033号　26.07.21(月)

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　戦いは勇気なり。『春秋左氏伝』

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　戦争をやりとおすためには勇気が必要である。(曹劌のことば)

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【コメント】

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　『左伝』がいう「戦争」とは、刀、槍を持って一対一で勝負する時代のことでしょう。

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　私がここで書きたいのは長い一生、人生を意義あらしめるべく自分との闘いを継続し続ける勇気のことを言いたいのです。それは蛮勇であってはならないと思います。

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　７０億の人が棲息する地球ですのでいろいろなことがあっていいと思いますが、聞いた後で、読んだ後で、心から感動の念を禁じえない、得も言えぬ喜びが湧き上がってくる歴史的事実等々を噛みしめることが出来ればいいのではないでしょうか。『南洲翁遺訓』の刊行といい、『臥牛菅実秀』、『名君忠徳公』は代表的作品だと思います。

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　現在ブログに認めている『天保おすわり事件』(第8８回)で紹介した末尾を読んで心打たれない人はないでありましょう。『南洲翁遺訓』とのご縁で荘内南洲会の先生方を存じ上げ、そして荘内にある多くの文献を拝読し、荘内人士の士魂を拝見し、連日唸っています。これこそが学問の意義だと。

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　先日、直木賞の発表がありましたので『破門』を買いに行き読んでいます。1949年生まれ、私より１０歳下ですが、現代用語、ヤクザ用語に精通し、ところどころニタッとして読んでいます。６５歳の高齢者が書くということは自らに大いなる気概を持って挑戦することでもありましょう。

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　私は歳を重ねたと自分からとしよりになるよりか、自分に挑戦する気概を持ちたいものです。甘えてはならないと思っています。

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　『天保おすわり事件』　(第８8回)

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　それだけでは、もとより足りる筈はないから、あとはいづれも手弁当だ。旅費の才覚のために、先祖伝来の田地や畑を売り飛ばしたものも尠くなかった。

　上江地村に、権次郎といふ極貧の水呑百姓があった。川北から近々江戸登りがあるときいて、どうかして自分もそれに参加したいと思ったが、路銀才覚の道がない。日夜煩悶してゐる様子を見るに見かねて、十五歳になる娘が、われから進んで、

「お父さん、どうぞ私を酒田のお女郎屋に奉公に出してその前借金とやらで江戸に上ってください。」と申出た。

　権次郎は、思はず胸が一ぱいになった。娘の志は涙の出るほど嬉しいが、さりとて、可愛い娘を遊女にする事は、何としても忍びない。いろいろに言ひ諭したが、娘がどうしても翻意しないので、それまでいふならと決心して、酒田の遊女屋よしやの主人に、その話をすると、義侠心に富んだよし屋の主人は、

「よろしい、承知しました。」と二つ返事で、入用だけの金子を快く出してくれた。

　権次郎は大喜びで、その金子を路銀に、一行のあとを追ひ、首尾よく目的を果たしたが、帰郷の後ち、お禮かたがた、よしやに挨拶にゆくと、主人は非常に喜んで、

「それはそれは御苦労様でした。御無事御帰郷のお祝ひに、粗品ではあるが----。」といって、曩に召し抱えた権次郎の娘を、無傷のままで帰してくれたといふ美談もある。

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　短歌の紹介

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二度となきこの世に土産何をする

　　　　　人世の範の美談なればと　6871　『天保おすわり事件』