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ぽかぽか春庭「スケーエン・デンマークの芸術家村in西洋美術館」

2017-02-23 00:02:03 | エッセイ、コラム

スケーエン芸術家村展のポスターになっている絵。「バラ」(1893年)ペーダー・セヴェリン・クロヤー 

2017025
ぽかぽか春庭@アート散歩>光の春のアート散歩(3)スケーエン・デンマークの芸術家村in西洋美術館

 無料の一日、東京都美術館で楽しみ、午後は西洋美術館の「通常展示いつでも65歳以上は無料(通常展土曜日と日曜日は一般も無料)を見ました。
 通常展のなかに「スケーエンの芸術家村」という展示があり、59点のデンマーク絵画を楽しめました。

 美術に関心を持ってきたといっても、イタリアルネサンス美術、イギリス大英博物館、フランスルーブル美術館など、私の知るところはごく限られたた範囲なので、では、北欧の芸術について知るところを述べよ、などという課題が出たとして、え~デンマークが誇るアンデルセンは、日本の文学にも大きな影響を与えたところは皆様知るところでありますが、美術絵画となりますと、その、、、、、何も知りませんでした。

 日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念と銘打ったデンマークの芸術家村スケーエンの紹介。私は、デンマークの町といえばコペンハーゲンしか知らず、スケーエンという北欧屈指の風光明媚な町も知りませんでした。ヨーロッパの北のはしっこにつきだしたユトランド半島の一番北のはしっこにあるのがスケーエン。北海からの波とバルト海側からの波が、ゆったりとぶつかり合う海の景色がすばらしいそうです。
 日本では、Skagenデンマーク語発音でスケーエンを、英語発音にしたスカーゲンが時計のブランドとして知られているほかは、Skagenはなじみのない固有名詞でした。

 かってスケーエンは、小さな漁村でしたが、「海と空、静けさのほかには何もない」ようすにひかれた芸術家たちが、19世紀末から20世紀初めにかけて集まるようになりました。北欧の国々から画家や詩人、作曲家などが住んだり夏の保養地として滞在したり、国際的な芸術家村として知られるようになりました。
 
  スケーエンには数十人がゆかりの芸術家となっていますが、ほとんどはコペンハーゲンその他のデンマーク、また北欧ノルエィやスエーデンなどから移り住んだり旅行にきた人々です。なかで、唯一スケーエンで生まれ育った画家がアンナ・アンカー(1859-1935Anna Ancher)です。

 彼女は、女性が美術教育を受ける機会を与えられていなかった時代のデンマークで、最初に女性画家として名をなした人です。
 アンナの父は、乾物屋兼居酒屋兼宿屋を経営しており、この地にやってきた画家達の集まる店になっていました。画家達から影響を受けて、アンナは絵を描きたいと望みましたが、19世紀後半になっても、デンマークには女性が学ぶことの出来る美術学校はありませんでした。
 アンナの指導をしたのは、父の宿に集まる画家達、ことにミハエル・アンカーは彼女の才能を認めて熱心に指導し、ついには、アンナ21歳の時に結婚。

 結婚後、ミハエルはアンナを連れ、ドイツ、ウィーン、オランダに旅し、ことに1988年からのパリ滞在では、アンナはピュヴィス・ド・シャヴァンヌに師事し、才能を花開かせることができました。
 夫とともにスケーエンに帰ったアンナは、身近な人々や室内、スケーエンの風景などを描きました。
 ミハエルが1927年に亡くなり、アンナも1935年に75歳で没しました。

 西洋美術館で、いつもはモネの作品が飾られている部屋と、印象派の部屋がスケーエン美術の展示室になっていました。
 アンナ・アンカーの作品。印象派の影響が大きい作風ですが、室内の女性達も戸外の風景も、夫とともに絵筆を握り、子育ても画業もまっとうした女性の自然な描写だと思います。
 「国民が感じるしあわせ数」でいくと、いつもトップクラスの国になるデンマーク。
 静かなスケーエンの海辺は、バルト海と北海の海が出会う海岸でもあります。さまざまな国の芸術家たちが寄り集まってひとつの世界を作り上げていったのですね。

アンナ・アンカー「戸外の説教」


アンナ。アンカー「古い窓」


<おわり>
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
窓は家の目? (yokochann)
2017-02-23 05:56:21
私は、この窓の絵、好きだなあ。
戸外の光が綺麗だよね。
「古い窓」とあるけれど、どんな人が住んでいるのか、それとも空き家なのか、何を見てきたのか、どんな風景をうつしてきたのか、物語を語りそうな窓。
穏やかな絵 (すみとも)
2017-02-23 15:25:16
「バラ」・・・・穏やかな絵ですね^^ うっとりです^^
  
 春先生も お忙しく成られるな前のゆったりとした時間を満喫でしょうか。。
  
パソがやっと来ましたが慣れなくて・・・嫌になります!
 高齢者まっしぐら・・・・穏やかな日は来そうにありません(笑)


 
yokoちゃん (春庭)
2017-02-25 08:18:15
会場にたくさんの他の絵といっしょに見ているときには、ごく普通の窓と花と思って見たのですが、こうしてじっと見てみると、窓に咲く花は、窓の内側にあるんですね。
花が瞳のようになっていて、外を見つめている、というように見えてきます。窓は閉められていますが、窓から外を見るまなざしは、外に向かっているのかと思います。

デンマークでは著名な女性画家だったそうですが、この展覧会をみるまで、他のスケーエンの画家達も知りませんでした。
西洋美術館の通常展、ほぼ毎回「新規購入」の作品がありますから、季節ごとに見るようにしています。無料で通常展が見られるようになって、便利です。国立博物館の本館常設展まで、あとちょっと。
すみともさん (春庭)
2017-02-25 08:29:55
新しいパソとの格闘の日々、脳トレにぴったりですね。
日々新しいことに挑戦することが、すみともさんの若さとなっているようす、見習いたいです。

新しいパソを手なずけようと なでてみる

いいこいいこしてあげたら、つかいやすくなるのかも、という程度の知恵しか持ち合わせない私なので、なにをするにも遅くなってきた今のパソをなだめなだめ使おうと思っています。

スケーエンって、外国人も集まる保養地だったということです。薔薇が咲き乱れる庭の椅子に座って新聞(?)を読む女性と足下に丸まっている犬、見ているとこちらも気分が華やぎつつゆったりできます。

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