ID物語

書きなぐりSF小説

第32話。アクロニム。13. 擬装タンカー

2010-11-05 | Weblog
 (モグには志摩と鈴鹿が合流して、水中モードで半潜水艇を追いかける。上空にはクロとレイがいる。シリーズGは回収し、代りに六郎を接近させている。)

火本。本では知っていたけど、本当に機関砲で威嚇してから侵入するんだ。

水本。けが人も出た。志摩さんたちの表情がいつもと違う。

志摩。当然だよ。

鈴鹿。なのに、付いてくるって、いい根性している。

芦屋。そっちで寝ててもいいぜ。

水本。私、腰が抜けているみたい。ソファから立てそうもない。

火本。ぼくも同様。

エレキ。甘いミルクコーヒーを持ってきたぞ。飲め。落ち着く。

火本。ありがとう。救護ロボットの動作だ。こんなときにも落ち着いている。

鈴鹿。ヘリが飛び立った元は特定できたのかな。

志摩。レイが探知した。沖の小型タンカーらしい。擬装だ。

鈴鹿。ミサイル装備しているとか。

志摩。垂直発射式の。見る人が見たら、いっぺんにばれる。よくやる。

鈴鹿。発射されたら、厄介。

火本。どうするの?。早く海上保安庁に知らせようよ。

鈴鹿。動かぬ証拠を押さえてから。もう少しの我慢よ。

 (クロを超低空から接近させ、甲板に着陸させる。侵入開始。
 半潜水艇がタンカーに近づく。側面の扉が開く。小さなドックになっているようだ。)

鈴鹿。これが仕掛けか。

芦屋。ヘリの飛び立った場所はあるのか。

レイ(通信機)。蓋が開いたまま。クロがそこから入る。

クロ。入ったぞ。船内のヘリポートだ。他にもあるか、探ってみる。

 (半潜水艇といっしょに、六郎が入る。)

男11(スーツの男)。何者かの攻撃を受けた。こちらに異常はないか。

男21(船員)。お疲れさまです。異常はありません。

男11。うむ。本部の指令を仰ごう。

 (人がいなくなったので、六郎が船内の探索開始。男どもにはクロが付いて行く。船橋にて。スーツの男が連絡している。暗号通信だけど、クロは生音声を傍受。)

芦屋。ばっかなやつ。普通に通信してやがる。

火本。発信元が特定できるの?。

芦屋。当然。会話内容はスクランブルされているが、クロを通じて丸分かり。

鈴鹿。大変、証拠を隠滅しろとか会話している。

芦屋。何の証拠だ。

志摩。工場だよ。この船のどこかにある。

芦屋。侵攻開始だ。行くぞ。

 (まず前座。船橋が手薄になったので、クロがそこら中の器物を損壊する。船橋の全員で追いかける。レイが侵入。ミサイルの操作卓を探す。ここにはない。しかし、船内の地図があった。間抜けにも、ミサイル管制室とか書いてある。六郎を向かわす。ドアをノックする。)

当直。誰だ。あれ、おーい、どこへ行った。

 (六郎は当直が出た隙に侵入。ドアを閉めて、当直をロックアウト。)

志摩。六郎が侵入したぞ。操作は分かるか。

芦屋。任せろ。全弾使えなくしてやる。

 (六郎に指示して、次々に発射する。着弾場所は、自船だ。)

男11。何だ、あの音は。

男21。ミサイル発射だ。何事だ。

男11。次々に発射されているぞ。だれが管制室にいるんだ。

男21。当直。

男11。行くぞ。

 (虎之介と鈴鹿は船橋に五郎の蒸気ロケットを使って侵入。レイがいた。)

レイ。待ってた。

芦屋。ご苦労。工場に行くぞ。

レイ。クロが発見した。武器もある。

 (虎之介と鈴鹿が工場に行く。その間に、ミサイルが次々に着弾。対空用の武器なので、威力は小さいが、音はでかい。ミサイルサイロやら、もう一つのヘリポートを破壊して行く。)

男21。どうした。何があった。

男22(当直)。何か分からんが、ロックアウトされた。

男11。うわわわー、攻撃だ。

男21。どうするんですか。

男11。操舵室に集合するしかあるまい。

 (全員、船橋に集合。目の前に、破壊された甲板が無残に広がる。)

男21。誰かいる。

男11。当然だ。こんなことができるのは…。

男21。軍。特殊部隊。

男11。しかたあるまい。ここで待とう。くれぐれも自暴自棄にならぬことだ。分かったか。

男21。はっ。

 (虎之介と鈴鹿とレイは工場にやってきた。他にだれも居ない。)

鈴鹿。管理室はどこかな。

芦屋。あっちだ。

 (管理室に行く。証拠は保全されていた。)

鈴鹿。間に合った。永田さんに要請。

芦屋。撤退する。