(政府からの使者として、関がやってきた。緊急対策会議を開く。といっても、事が事だけに、出席者は社長と秘書と総務部長と技術部長と亜有だけ。イチとマグネもいる。社長室にて。)
関。状況は分かりました。現場はあとで見るとして、今夜、監視のためにここに居させていだきたい。
社長。来賓用の宿泊施設はある。しかし、ここからは遠いな。
関。展望台があるとお聞きしました。
社長。行ってみるか。
(全員で展望台に行く。社長が関に敷地内を説明している。秘書が亜有に話しかけてきた。)
秘書。あなた、関さんを知っているの?。
清水。はい。永田さんのパートナー。
秘書。画策したわね。
清水。何のこと。
秘書。社長好みの美人。その手の実力もありそう。
清水。大変な実力と聞いています。
秘書。色仕掛け作戦。社長はあの手の女にイチコロなのよ。立案者は誰よ。
清水。もちろん、永田さんの上司でしょう。永田さんたちに決定権はないはず。
秘書。じゃあ、最初から政府が絡んでいる。
清水。そんな感じ。
秘書。あなた。ただ者ではない。
清水。そちらこそ。ただの秘書じゃないわ。少なくともボディーガードができる。
秘書。うふふ。あとで打ち合わせしておいた方が、安全なようね。
(で、社長が説明している目の前で、模型ビルに何やら運んでいるやつがいる。)
関。誰かが模型ビルに入る。
社長。え、どれだ。
関。あれですよ。
総務部長。社長、そこの観光用双眼鏡を使わないと見えません。
秘書。恐るべき視力。
清水。ええ。油断も隙もない。
社長。我が社の社員らしいな。技術系の感じだ。
技術部長。代わってください。あれは、第三技術課の課長ですよ。
社長。わざとやっているのか、知らずにやっているのか。
総務部長。あとで調査します。
関。怪しいです。鍵の開け方が分からないと、入れないんでしょう?。
総務部長。じゃあ、我々の動きは当分隠さないといけないな。
社長。やれやれ。監督責任は免れないか。
関。そうですけど、早い時点での通報、大助かりです。社長の決断力には敬服しました。悪いようにはしません。私のできる限りですけど。
社長。ああ、この際だ。心行くまで調査してくれ。
(関は展望台で夜を過ごすことにした。ブラインドを下ろし、さらにカーテンの代りに暗幕を垂れて、明かりが漏れないようにする。社長が食事を運ばせる。)
社長。監視はどうするんですか。
関。自動人形にさせます。
秘書。イチとマグネ。
関。ええ。彼らは危険の検出に長けている。
秘書。他に仲間は?。
関。いますけど、詳細は明かせません。ことがあれば、警察といっしょに踏み込むはず。
(マグネを、さっきの高性能建設機械に乗せ、微妙に離れた位置から模型ビルを観察させる。
関と秘書と亜有は、展望台の一角で警備の打ち合わせ。イチを立ち会わせる。)
秘書。あなた、武器は持ってるの?。
関。ええと、鈴木御影さん。悪いけど、調べさせていただきました。流しの警備員。特定の企業団体とのつながりはない。今も雇われているだけ。
秘書。お見知りおきを。
関。今持っているのは、この拳銃だけ。
秘書。小型の自動拳銃。護身用だ。
関。ええ。あと、政府専用通信機。でも、事が起こったら、仲間がいろいろ持ってくるはず。
秘書。それはそうか。
関。清水さん。あなたの装備を見せなさい。
清水。これです。
秘書。ID社製の通信機に懐中電灯に、これ何。
清水。分析機です。望遠鏡機能があって、さらに狙った対象の分析ができる。
秘書。ややこしいもの持ってるわね。さすが計測機のID社。
清水。マグネは自動小銃を持っていっちゃった。A国の制式のやつ。入手経路は不明。
関。うむむ、見てみぬふりはできぬ。作戦が終わったら、没収。
秘書。しかたないわね。私の武器はこれ。
関。妙な伸縮警棒。先が曲がる。
秘書。フレイルと呼んでいる。
関。見せていただけます?。
秘書。いいけど、危ないわよ。
関。何が。
秘書。スタンガンになっている。打撃時に使う。
関。もういいです。何て恐ろしい武器。よく、平気で携帯している。
秘書。ふん。拳銃持っている女に言われたくない。
清水。よく明かした。私たちを信用しているの?。
秘書。信用していなくても、見せている。
関。大した自信。
清水。強そう。
秘書。関さんも大変な実力と伺っています。
清水。国際的VIPの警護をすることがある。
関。ごくまれによ。
秘書。大変なこと。特殊部隊相当か。目の前で見るのは初めて。肩書きは?。
関。これが私の身分証。
秘書。財務省専門情報調査課。脱税調査か何か。
関。そうです。
秘書。時として、刃向かってくる。
清水。たいてい逆上して向かってくるはず。半端な額の調査ではない。
秘書。だから、こちらは軍の身分証か。海軍中尉。ご大層な。どっちが本物よ。
関。どちらも本物。いつも居るのは、財務省。
秘書。今現在は財務省の臨検。
関。そうです。ご協力を。
秘書。その分だと、今回の相手はご大層な組織。やれやれ、乗りかかった船。とことん見学させていただくわ。多分、こちらは社長を守るだけで手一杯。
関。そうしてください。よろしく。
(関は亜有に連れられて、主要箇所を巡る。)
関。状況は分かりました。現場はあとで見るとして、今夜、監視のためにここに居させていだきたい。
社長。来賓用の宿泊施設はある。しかし、ここからは遠いな。
関。展望台があるとお聞きしました。
社長。行ってみるか。
(全員で展望台に行く。社長が関に敷地内を説明している。秘書が亜有に話しかけてきた。)
秘書。あなた、関さんを知っているの?。
清水。はい。永田さんのパートナー。
秘書。画策したわね。
清水。何のこと。
秘書。社長好みの美人。その手の実力もありそう。
清水。大変な実力と聞いています。
秘書。色仕掛け作戦。社長はあの手の女にイチコロなのよ。立案者は誰よ。
清水。もちろん、永田さんの上司でしょう。永田さんたちに決定権はないはず。
秘書。じゃあ、最初から政府が絡んでいる。
清水。そんな感じ。
秘書。あなた。ただ者ではない。
清水。そちらこそ。ただの秘書じゃないわ。少なくともボディーガードができる。
秘書。うふふ。あとで打ち合わせしておいた方が、安全なようね。
(で、社長が説明している目の前で、模型ビルに何やら運んでいるやつがいる。)
関。誰かが模型ビルに入る。
社長。え、どれだ。
関。あれですよ。
総務部長。社長、そこの観光用双眼鏡を使わないと見えません。
秘書。恐るべき視力。
清水。ええ。油断も隙もない。
社長。我が社の社員らしいな。技術系の感じだ。
技術部長。代わってください。あれは、第三技術課の課長ですよ。
社長。わざとやっているのか、知らずにやっているのか。
総務部長。あとで調査します。
関。怪しいです。鍵の開け方が分からないと、入れないんでしょう?。
総務部長。じゃあ、我々の動きは当分隠さないといけないな。
社長。やれやれ。監督責任は免れないか。
関。そうですけど、早い時点での通報、大助かりです。社長の決断力には敬服しました。悪いようにはしません。私のできる限りですけど。
社長。ああ、この際だ。心行くまで調査してくれ。
(関は展望台で夜を過ごすことにした。ブラインドを下ろし、さらにカーテンの代りに暗幕を垂れて、明かりが漏れないようにする。社長が食事を運ばせる。)
社長。監視はどうするんですか。
関。自動人形にさせます。
秘書。イチとマグネ。
関。ええ。彼らは危険の検出に長けている。
秘書。他に仲間は?。
関。いますけど、詳細は明かせません。ことがあれば、警察といっしょに踏み込むはず。
(マグネを、さっきの高性能建設機械に乗せ、微妙に離れた位置から模型ビルを観察させる。
関と秘書と亜有は、展望台の一角で警備の打ち合わせ。イチを立ち会わせる。)
秘書。あなた、武器は持ってるの?。
関。ええと、鈴木御影さん。悪いけど、調べさせていただきました。流しの警備員。特定の企業団体とのつながりはない。今も雇われているだけ。
秘書。お見知りおきを。
関。今持っているのは、この拳銃だけ。
秘書。小型の自動拳銃。護身用だ。
関。ええ。あと、政府専用通信機。でも、事が起こったら、仲間がいろいろ持ってくるはず。
秘書。それはそうか。
関。清水さん。あなたの装備を見せなさい。
清水。これです。
秘書。ID社製の通信機に懐中電灯に、これ何。
清水。分析機です。望遠鏡機能があって、さらに狙った対象の分析ができる。
秘書。ややこしいもの持ってるわね。さすが計測機のID社。
清水。マグネは自動小銃を持っていっちゃった。A国の制式のやつ。入手経路は不明。
関。うむむ、見てみぬふりはできぬ。作戦が終わったら、没収。
秘書。しかたないわね。私の武器はこれ。
関。妙な伸縮警棒。先が曲がる。
秘書。フレイルと呼んでいる。
関。見せていただけます?。
秘書。いいけど、危ないわよ。
関。何が。
秘書。スタンガンになっている。打撃時に使う。
関。もういいです。何て恐ろしい武器。よく、平気で携帯している。
秘書。ふん。拳銃持っている女に言われたくない。
清水。よく明かした。私たちを信用しているの?。
秘書。信用していなくても、見せている。
関。大した自信。
清水。強そう。
秘書。関さんも大変な実力と伺っています。
清水。国際的VIPの警護をすることがある。
関。ごくまれによ。
秘書。大変なこと。特殊部隊相当か。目の前で見るのは初めて。肩書きは?。
関。これが私の身分証。
秘書。財務省専門情報調査課。脱税調査か何か。
関。そうです。
秘書。時として、刃向かってくる。
清水。たいてい逆上して向かってくるはず。半端な額の調査ではない。
秘書。だから、こちらは軍の身分証か。海軍中尉。ご大層な。どっちが本物よ。
関。どちらも本物。いつも居るのは、財務省。
秘書。今現在は財務省の臨検。
関。そうです。ご協力を。
秘書。その分だと、今回の相手はご大層な組織。やれやれ、乗りかかった船。とことん見学させていただくわ。多分、こちらは社長を守るだけで手一杯。
関。そうしてください。よろしく。
(関は亜有に連れられて、主要箇所を巡る。)