(秋もたけなわのID社東京の情報収集部オフィスにて。)
伊勢。ふうっ。自動人形が増えて、どうなることやらと思ったけど、結局残ったのは、モグとA31。イチとレイとリュウグウはトカマク基地だし、深海幽霊船もあちら。ああ、ほっとした。
奈良。ええと、実は…。
伊勢。いやっ。聞きたくなーい。また自動人形が増える話ね。
奈良。それもありそうな話だが、違う。
伊勢。人の配属。
奈良。そのとおり。さすがだな。どこから来るのか分かるか。
伊勢。その言い方だと、外国からのお客様。
奈良。A国の国立研究所からだ。あの有名な。
伊勢。って、軍関係じゃない。
奈良。ああ。意図ありあり。
伊勢。あからさまにスパイをよこすってか。度胸のあること。
奈良。A国らしいやり方だ。強引にねじ込んで来る。
伊勢。ふん。どんなやつなのかな。
奈良。受け入れOK、ってことだな。
伊勢。断ると、リアクションがあるんでしょう?。
奈良。もちろん。どんな手を打たれるか分かったものではない。こちらも同様だが。
伊勢。奈良さん。正直な物言い。なんか、にわかに緊張してきた。
奈良。名目はコントローラの研修だ。3カ月の予定。先方に自動人形が納入されたことは覚えているな。
伊勢。当然。エレキとマグネ。また来るの?。
奈良。来ない。
伊勢。だから、新造するってかー。
奈良。勘が冴えてきたな。
伊勢。勘も何も、いつものパターンじゃないの。トカマク基地に配属だからあまり変わらないと言いたいんでしょうけど、結局振り回されるんだから。
奈良。そうなるだろうな。
伊勢。でもって、今度はナマコ型とかウニ型とか。
奈良。なんでそうなる。ナマコが救護するのか。
伊勢。そうか。人間を救護できないといけないんだ。
奈良。思い出してくれたか。少し様子を見てから、形態を決める。
(数日後、そのA国からの研修員が来た。名前は、エドワード・ベイツ。情報収集部の全員、つまり4人で出迎え。オフィスにて。)
エド。はじめまして。エドワード・ベイツ。A国から研修に来ました。よろしく。普段はエドって呼んでください。
奈良。私が日本ID社東京、情報収集部部長の奈良治だ。よろしく。こちらは、伊勢陽子。直属の部下。
伊勢。よろしく。
奈良。こちらが、鈴鹿恵と志摩弘。実働部隊。
鈴鹿、志摩。よろしく。
伊勢。日本語がお上手。
エド。な訳ないデーす。
伊勢。どこの言葉よ。
エド。にわか覚え。
伊勢。今度は慣れた日本語。要するに、初心者と言いたい。
エド。そうです。難しいところは英語になる。
伊勢。構わない。
奈良。何か要望はあるか。
エド。芦屋さんと清水さんはいますか?。
奈良。どこからその名前を。
エド。ばればれです。
伊勢。いいじゃない。彼らの配属は秘密ではない。荷物は片付いたの?。
エド。ばっちり。
伊勢。じゃあ、午後からトカマク基地に出かけましょう。でもまず、ここにいる自動人形の紹介をする。
エド。ぜひお願いします。
(A31を呼んで、紹介する。普通のジャケットを着た、若い機械技術者。イギリス系のようだ。背丈は175cmほどで、やや筋肉質。経歴は隠さずしゃべってくれた。短いが、軍歴あり。)
鈴鹿。じゃあ、宇宙飛行士を目指しているんだ。かっこいい。さすがA国。あこがれる。
エド。鈴鹿さんは元気そうだ。ぜひ遊びに来てください。
鈴鹿。うん。機会があったら。
(志摩とタロが、社内を案内する。)
エド。よくできたロボット。生きているみたいだ。
志摩。操縦者がよければ、こんな感じになる。普通は、単に指令をこなすロボットらしい。
エド。操り方によっては、魂が宿ったようになる。
志摩。不気味と感じる人が出てくるくらい。
エド。そんなことはない。普通にロボット。日本やヨーロッパには人形の伝統芸がある。それといっしょ。
志摩。A国の人形は有名だよ。テレビで。
エド。あはは。子供向け番組の。
志摩。うん。
(そのまま、屋上に近い社員食堂で、昼食を摂る。)
エド。都会の眺めだ。
志摩。お江戸だよ。建物は変わっても、昔からこんな感じの大都会。
エド。ぼくといっしょの名前だ。
志摩。江戸のエド。はっぴかなんか、用意しよう。似合いそうだ。
エド。はっぴ。上着のことかな。
志摩。うん。日本風の。
エド。新選組。
志摩。よく知ってる。でも、あれは警察みたいな武装集団だから、ちょっと恐く見える。しかも、場所は江戸ではなく京都。
エド。デザインを推薦してよ。
志摩。お江戸なら、かっこよく祭だな。にぎやかそうで、いい。
エド。楽しみ。
(明るくて、まじめな性格のようだ。はっぴの典型的な柄を見せたら、風神がお好み。ちょっと派手すぎるので、次に気に入った波浪の模様と2着作ることにした。夕方にはできる。歓迎会で引き渡す予定とした。)
伊勢。ふうっ。自動人形が増えて、どうなることやらと思ったけど、結局残ったのは、モグとA31。イチとレイとリュウグウはトカマク基地だし、深海幽霊船もあちら。ああ、ほっとした。
奈良。ええと、実は…。
伊勢。いやっ。聞きたくなーい。また自動人形が増える話ね。
奈良。それもありそうな話だが、違う。
伊勢。人の配属。
奈良。そのとおり。さすがだな。どこから来るのか分かるか。
伊勢。その言い方だと、外国からのお客様。
奈良。A国の国立研究所からだ。あの有名な。
伊勢。って、軍関係じゃない。
奈良。ああ。意図ありあり。
伊勢。あからさまにスパイをよこすってか。度胸のあること。
奈良。A国らしいやり方だ。強引にねじ込んで来る。
伊勢。ふん。どんなやつなのかな。
奈良。受け入れOK、ってことだな。
伊勢。断ると、リアクションがあるんでしょう?。
奈良。もちろん。どんな手を打たれるか分かったものではない。こちらも同様だが。
伊勢。奈良さん。正直な物言い。なんか、にわかに緊張してきた。
奈良。名目はコントローラの研修だ。3カ月の予定。先方に自動人形が納入されたことは覚えているな。
伊勢。当然。エレキとマグネ。また来るの?。
奈良。来ない。
伊勢。だから、新造するってかー。
奈良。勘が冴えてきたな。
伊勢。勘も何も、いつものパターンじゃないの。トカマク基地に配属だからあまり変わらないと言いたいんでしょうけど、結局振り回されるんだから。
奈良。そうなるだろうな。
伊勢。でもって、今度はナマコ型とかウニ型とか。
奈良。なんでそうなる。ナマコが救護するのか。
伊勢。そうか。人間を救護できないといけないんだ。
奈良。思い出してくれたか。少し様子を見てから、形態を決める。
(数日後、そのA国からの研修員が来た。名前は、エドワード・ベイツ。情報収集部の全員、つまり4人で出迎え。オフィスにて。)
エド。はじめまして。エドワード・ベイツ。A国から研修に来ました。よろしく。普段はエドって呼んでください。
奈良。私が日本ID社東京、情報収集部部長の奈良治だ。よろしく。こちらは、伊勢陽子。直属の部下。
伊勢。よろしく。
奈良。こちらが、鈴鹿恵と志摩弘。実働部隊。
鈴鹿、志摩。よろしく。
伊勢。日本語がお上手。
エド。な訳ないデーす。
伊勢。どこの言葉よ。
エド。にわか覚え。
伊勢。今度は慣れた日本語。要するに、初心者と言いたい。
エド。そうです。難しいところは英語になる。
伊勢。構わない。
奈良。何か要望はあるか。
エド。芦屋さんと清水さんはいますか?。
奈良。どこからその名前を。
エド。ばればれです。
伊勢。いいじゃない。彼らの配属は秘密ではない。荷物は片付いたの?。
エド。ばっちり。
伊勢。じゃあ、午後からトカマク基地に出かけましょう。でもまず、ここにいる自動人形の紹介をする。
エド。ぜひお願いします。
(A31を呼んで、紹介する。普通のジャケットを着た、若い機械技術者。イギリス系のようだ。背丈は175cmほどで、やや筋肉質。経歴は隠さずしゃべってくれた。短いが、軍歴あり。)
鈴鹿。じゃあ、宇宙飛行士を目指しているんだ。かっこいい。さすがA国。あこがれる。
エド。鈴鹿さんは元気そうだ。ぜひ遊びに来てください。
鈴鹿。うん。機会があったら。
(志摩とタロが、社内を案内する。)
エド。よくできたロボット。生きているみたいだ。
志摩。操縦者がよければ、こんな感じになる。普通は、単に指令をこなすロボットらしい。
エド。操り方によっては、魂が宿ったようになる。
志摩。不気味と感じる人が出てくるくらい。
エド。そんなことはない。普通にロボット。日本やヨーロッパには人形の伝統芸がある。それといっしょ。
志摩。A国の人形は有名だよ。テレビで。
エド。あはは。子供向け番組の。
志摩。うん。
(そのまま、屋上に近い社員食堂で、昼食を摂る。)
エド。都会の眺めだ。
志摩。お江戸だよ。建物は変わっても、昔からこんな感じの大都会。
エド。ぼくといっしょの名前だ。
志摩。江戸のエド。はっぴかなんか、用意しよう。似合いそうだ。
エド。はっぴ。上着のことかな。
志摩。うん。日本風の。
エド。新選組。
志摩。よく知ってる。でも、あれは警察みたいな武装集団だから、ちょっと恐く見える。しかも、場所は江戸ではなく京都。
エド。デザインを推薦してよ。
志摩。お江戸なら、かっこよく祭だな。にぎやかそうで、いい。
エド。楽しみ。
(明るくて、まじめな性格のようだ。はっぴの典型的な柄を見せたら、風神がお好み。ちょっと派手すぎるので、次に気に入った波浪の模様と2着作ることにした。夕方にはできる。歓迎会で引き渡す予定とした。)