(亜有は模型の建物の最上階、3階に駆け上がる。うまく擬装してある。社長らが追いついた。)
社長。はあはあ。どこまで行くのかと思った。
技術部長。中身は空っぽだったはずだ。なぜパーティションがあるんだ。
秘書。入り口はと。
(外側は回廊みたいになっている。建物表面の窓は本物だけど、ホコリがかぶっていて中がほとんど見えない。それをいい事に、中に区画を作ったようだ。でも、入り口らしきものがない。)
秘書。何かを隠している。
イチ。あそこ、怪しい。ホコリが薄い。
秘書。隠し扉だな。
マグネ。用心した方がいい。仕掛けを警戒すべきだ。
イチ。ええと、何も観測されない。大丈夫だよ。
社長。このロボットは何だ。分析しているのか。
清水。2機とも救護ロボットです。危険の探知に優れている。
秘書。なるほど。どいていて、ぶち破る。
(秘書は壁を探り、ちょっと後退してから構えて、思いっ切り蹴る。鍵が壊れて、ドアが開いた。)
社長。確かに隠し扉だ。
秘書。中は暗い。
イチ。入るよ。
秘書。こいつら、懐中電灯を持っている。
社長。調べるのが先だ。
(保存用の食料が置いてあった。飲料水も。鍵の仕掛けが分かったので、他の扉は簡単に開けられる。今度は、部品だの、専用工具だのが置いてある。2階も部品倉庫だった。)
社長。技術部長。内容が分かるか。
技術部長。最新の建設機械の部品だ。ここにある部品を組み立てれば、完成品ができる。
秘書。さっきみたいなの。
技術部長。その通り。エンジンからボディから、こまかな保守用部品まで、ざっと20セット分ほど。
社長。倉庫はここじゃない。誰かが持ち込んだのだ。
技術部長。何パーセントかは不良品が出るから、それと偽って運んだんでしょう。ここにあるのは不良品ではなさそうだ。
社長。横流しだな。
秘書。密輸か。
社長。横流しだけでも犯罪だ。
秘書。密輸だと国際問題。
社長。許さん。どうするか。
清水。とりあえず、永田さんに知らせます。
社長。政府だな。
清水。ええ、調査部門の。指示があるはず。
社長。早期に知らせた方がいい。指示を受けよう。
(亜有は通信機で永田に連絡。鍵を元に戻して、待機しろ、政府で対応するからと。突然、調査に踏み込むことがあるので了承して欲しいと。)
社長。つまり、誰が来るのかを調査するって事か。
清水。一人、政府からよこすそうです。
秘書。あなた、調査部門の人間。
清水。ええ、そう言ったはずですけど。
社長。1階に行こう。まだ何かあるかも。
(1階にもパーティションがある。隠し扉から入る。部品を集めるためのカートと、かなり大きなコンテナがある。)
社長。台車付きのコンテナだ。これで運び出すんだな。どこへ。
(全員外に出る。工場の建物からは、少し離れている。)
清水。あれは何?。
社長。深層水を取るための設備だ。この沖は、少し進むと急に深くなるのだ。
清水。深層水って、ビール作りとか。
社長。はは。そういうのもあったな。ここでは機械洗浄に使っている。
清水。海水を。
社長。ミネラル分は取り除く。それが副産物として売れるのだ。
清水。見学できます?。
社長。どうぞ。
(回廊が入っている建物に入る。たしかに、2階に海水から真水を分離する装置がある。1階には、水のタンクとミネラル分を回収する装置が置いてある。そして、軽油のタンクも。重機にここで給油するらしい。回廊に向かうパイプも発見した。しかし、コンテナを運べそうなものは無い。)
社長。もういいかな。
清水。ええ。充分。
(モグ内にて。)
火本。屋根に何かある。覆われていて中身が分からないけど。
芦屋。あとで六郎に探らせよう。
(それはクレーンだった。コンテナを運んで、回廊上の簡単なレールで運ぶようだ。地上側の設備は明らかになった。
亜有たちは、いったん引き上げる。)
社長。はあはあ。どこまで行くのかと思った。
技術部長。中身は空っぽだったはずだ。なぜパーティションがあるんだ。
秘書。入り口はと。
(外側は回廊みたいになっている。建物表面の窓は本物だけど、ホコリがかぶっていて中がほとんど見えない。それをいい事に、中に区画を作ったようだ。でも、入り口らしきものがない。)
秘書。何かを隠している。
イチ。あそこ、怪しい。ホコリが薄い。
秘書。隠し扉だな。
マグネ。用心した方がいい。仕掛けを警戒すべきだ。
イチ。ええと、何も観測されない。大丈夫だよ。
社長。このロボットは何だ。分析しているのか。
清水。2機とも救護ロボットです。危険の探知に優れている。
秘書。なるほど。どいていて、ぶち破る。
(秘書は壁を探り、ちょっと後退してから構えて、思いっ切り蹴る。鍵が壊れて、ドアが開いた。)
社長。確かに隠し扉だ。
秘書。中は暗い。
イチ。入るよ。
秘書。こいつら、懐中電灯を持っている。
社長。調べるのが先だ。
(保存用の食料が置いてあった。飲料水も。鍵の仕掛けが分かったので、他の扉は簡単に開けられる。今度は、部品だの、専用工具だのが置いてある。2階も部品倉庫だった。)
社長。技術部長。内容が分かるか。
技術部長。最新の建設機械の部品だ。ここにある部品を組み立てれば、完成品ができる。
秘書。さっきみたいなの。
技術部長。その通り。エンジンからボディから、こまかな保守用部品まで、ざっと20セット分ほど。
社長。倉庫はここじゃない。誰かが持ち込んだのだ。
技術部長。何パーセントかは不良品が出るから、それと偽って運んだんでしょう。ここにあるのは不良品ではなさそうだ。
社長。横流しだな。
秘書。密輸か。
社長。横流しだけでも犯罪だ。
秘書。密輸だと国際問題。
社長。許さん。どうするか。
清水。とりあえず、永田さんに知らせます。
社長。政府だな。
清水。ええ、調査部門の。指示があるはず。
社長。早期に知らせた方がいい。指示を受けよう。
(亜有は通信機で永田に連絡。鍵を元に戻して、待機しろ、政府で対応するからと。突然、調査に踏み込むことがあるので了承して欲しいと。)
社長。つまり、誰が来るのかを調査するって事か。
清水。一人、政府からよこすそうです。
秘書。あなた、調査部門の人間。
清水。ええ、そう言ったはずですけど。
社長。1階に行こう。まだ何かあるかも。
(1階にもパーティションがある。隠し扉から入る。部品を集めるためのカートと、かなり大きなコンテナがある。)
社長。台車付きのコンテナだ。これで運び出すんだな。どこへ。
(全員外に出る。工場の建物からは、少し離れている。)
清水。あれは何?。
社長。深層水を取るための設備だ。この沖は、少し進むと急に深くなるのだ。
清水。深層水って、ビール作りとか。
社長。はは。そういうのもあったな。ここでは機械洗浄に使っている。
清水。海水を。
社長。ミネラル分は取り除く。それが副産物として売れるのだ。
清水。見学できます?。
社長。どうぞ。
(回廊が入っている建物に入る。たしかに、2階に海水から真水を分離する装置がある。1階には、水のタンクとミネラル分を回収する装置が置いてある。そして、軽油のタンクも。重機にここで給油するらしい。回廊に向かうパイプも発見した。しかし、コンテナを運べそうなものは無い。)
社長。もういいかな。
清水。ええ。充分。
(モグ内にて。)
火本。屋根に何かある。覆われていて中身が分からないけど。
芦屋。あとで六郎に探らせよう。
(それはクレーンだった。コンテナを運んで、回廊上の簡単なレールで運ぶようだ。地上側の設備は明らかになった。
亜有たちは、いったん引き上げる。)