(展示会の3日前。ジャズとロックの楽団がやってきた。同時に、A国ID社に発注していたカワセミ3号の1番機がトカマク基地にやってきた。3座になった分、2号よりも多少大きいが、それでも小型だ。関係者全員で、クレーター地下の駐機場に行く。)
鈴鹿。うん。これで、用途がぐっと増える。
エド。いいだろう。これが究極のカワセミ号と言っていいくらいだ。
鈴鹿。他の設計もあるの?。
エド。ああ。A国に帰ってから注文するつもり。4座のカワセミ号。ずっと大型になる。
鈴鹿。それも見たい。
エド。いつか、ここに表敬訪問に来るよ。
鈴鹿。約束。
エド。うん、約束。
ジーン。私が使っていいのかな。ジョーを使って。
エド。もちろん。これで試して、もう一機を作る。欠点があるのなら、早く見つけた方がいい。
鈴鹿。飛ばそうよ。
エド。用意してくれ。
(クレーターのエレベータを下げ、カワセミ2号と3号と関係者全員を乗せて地上へ。なぜか、ジョージと楽団まで付いて来ている。)
ジョージ。クレーターの地下から出現。E国のスパイ映画かSF人形劇みたいだ。
伊勢。驚くのはこれからよ。
(万一のため、イチとレイを飛ばして、空中に待機させる。ジョージも楽団も、前に見ていたはずだが、それでも歓声が沸く。
2号にはバロンとエドが乗り、3号にはジョーとジーンとジロが乗る。ほぼ同時に発進。蒸気ロケットの轟音と光。そして、霧が晴れたかと思うと、軽いゴーっとした音で急速に上空へ向かう。)
全員。おおおおーっ。
ジョージ。夢でも見ているようだ。
鈴鹿。最近、こんなのばかり。役立つのかな。
伊勢。実績を積まないと。予算が続かない。
ジョージ。任せてください。何とかします。
伊勢。いやあの、そういう意味の実績では…。
(小型とは言え、まともにジェット機だ。セスナ機程度の300km/hほどで、2機がトカマク基地の上空をすり抜けるのだが、かなりの迫力。)
ジョージ。すごい迫力。
鈴鹿。小さいから、速く見えるのよ。
ジョージ。同時に敵機50機を相手にできるとか。
鈴鹿。計測性能なら、そう。高級な観測機。
芦屋。ぜんぜん強くない。軍に来られたら、即座にひねりつぶされる。
ジョージ。我が軍なら何とかしてしまいそうだ。
芦屋。そんな感じだな。
(旋回性能を試した後、東京湾のはるか沖、高空に出て、スーパークルーズを試す。戻ってきた。ジーンは、ふらふら。)
ジーン。うぷっ、しばらく御免。
清水。無理するからよ。ジロ、ジーンを抱えて、部屋に連れていってちょうだい。
ジロ。了解。
清水。エドは大丈夫?。
エド。少々きつい。
清水。こっちも無謀。
エド。モグを用意してくれ。確かめたいことがある。
清水。まだやるの?、止めないけど。誰がいいかな。ベル、付いてあげて。
ベル。がってん。エド、行こう。私がいるから、大丈夫。
清水。パイロットはいいとして、乗員は…。
鈴鹿。乗ってみたい。
芦屋。右に同じ。
清水。アン、行け。
アン。承知。
(パイロットは交代無し。つまり、ジョーとバロンが乗っている。エドが次々に指示を出す。期待通りの性能が安全に出るかどうかを探っているのだ。水中動作も試してみる。)
芦屋。異常はないようだ。乗り心地もよい。
エド。よかった。
鈴鹿。大したもの。
(カワセミ号2機とイチとレイで編隊を組む。トカマク基地上空を何度も飛ぶ。)
海原。夢を見ているような光景だ。
大江山。エドワード・ベイツ。あんなのをあっと言う間に作るなんて。
海原。良い人材。ロボットに接点があるのなら、獲得したいところ。
大江山。エドくんは、あと1カ月の滞在だな。
海原。そのとおり。カワセミ号とバロンたちを引き連れて、帰る。
大江山。ジーンはずっといるんですか?。
海原。さあて、秘書は楽しんでおる。ずっといてくれると、何かと面白いことが起こりそうなので、いいんだが。
大江山。性格が丸くなった。
海原。性格は変わらん。自分がサイボーグでも、不安がなくなったのだ。ジョーのおかげで。
大江山。A国軍、途方もない得点を稼いだわけだ。
海原。現時点でのサイボーグ技術のすべてがID社に知られた引き換えにな。
大江山。ジーンを送り込んで来た時点で、ID社の検出能力は知っているはず。
海原。そう。取引。エドは今や、自動人形を自由自在に操っている。日本ID社が現有するすべてのノウハウが知られてしまった。
大江山。そのお土産が、カワセミ号の改良。
海原。オトヒメのプログラムも、大幅に改良されたそうだ。
大江山。何かが起こる。
海原。近々。1カ月後か、1年後か、5年後か。
(カワセミ号に乗せてくれてのリクエストが殺到したので、交代で乗ってもらう。そのあたりをふわりと一周するだけの、遊園地みたいな飛行だ。それでも、面白い経験だったらしい。もともと、計測用の飛行機で、後席の乗り心地はよい。後席の視界は悪いが、モニタは良くできている。
楽団の総合練習は、整備場で行う。大きめのスクリーンを用意し、作製されたCGを撮影しながら、1シーンずつ確定して行く。会場での練習の機会は、一度きりだ。ジョージも加藤氏もプロなので、結構、注文がきつい。ジーンと鈴鹿は、必死で付いて行く。)
鈴鹿。うん。これで、用途がぐっと増える。
エド。いいだろう。これが究極のカワセミ号と言っていいくらいだ。
鈴鹿。他の設計もあるの?。
エド。ああ。A国に帰ってから注文するつもり。4座のカワセミ号。ずっと大型になる。
鈴鹿。それも見たい。
エド。いつか、ここに表敬訪問に来るよ。
鈴鹿。約束。
エド。うん、約束。
ジーン。私が使っていいのかな。ジョーを使って。
エド。もちろん。これで試して、もう一機を作る。欠点があるのなら、早く見つけた方がいい。
鈴鹿。飛ばそうよ。
エド。用意してくれ。
(クレーターのエレベータを下げ、カワセミ2号と3号と関係者全員を乗せて地上へ。なぜか、ジョージと楽団まで付いて来ている。)
ジョージ。クレーターの地下から出現。E国のスパイ映画かSF人形劇みたいだ。
伊勢。驚くのはこれからよ。
(万一のため、イチとレイを飛ばして、空中に待機させる。ジョージも楽団も、前に見ていたはずだが、それでも歓声が沸く。
2号にはバロンとエドが乗り、3号にはジョーとジーンとジロが乗る。ほぼ同時に発進。蒸気ロケットの轟音と光。そして、霧が晴れたかと思うと、軽いゴーっとした音で急速に上空へ向かう。)
全員。おおおおーっ。
ジョージ。夢でも見ているようだ。
鈴鹿。最近、こんなのばかり。役立つのかな。
伊勢。実績を積まないと。予算が続かない。
ジョージ。任せてください。何とかします。
伊勢。いやあの、そういう意味の実績では…。
(小型とは言え、まともにジェット機だ。セスナ機程度の300km/hほどで、2機がトカマク基地の上空をすり抜けるのだが、かなりの迫力。)
ジョージ。すごい迫力。
鈴鹿。小さいから、速く見えるのよ。
ジョージ。同時に敵機50機を相手にできるとか。
鈴鹿。計測性能なら、そう。高級な観測機。
芦屋。ぜんぜん強くない。軍に来られたら、即座にひねりつぶされる。
ジョージ。我が軍なら何とかしてしまいそうだ。
芦屋。そんな感じだな。
(旋回性能を試した後、東京湾のはるか沖、高空に出て、スーパークルーズを試す。戻ってきた。ジーンは、ふらふら。)
ジーン。うぷっ、しばらく御免。
清水。無理するからよ。ジロ、ジーンを抱えて、部屋に連れていってちょうだい。
ジロ。了解。
清水。エドは大丈夫?。
エド。少々きつい。
清水。こっちも無謀。
エド。モグを用意してくれ。確かめたいことがある。
清水。まだやるの?、止めないけど。誰がいいかな。ベル、付いてあげて。
ベル。がってん。エド、行こう。私がいるから、大丈夫。
清水。パイロットはいいとして、乗員は…。
鈴鹿。乗ってみたい。
芦屋。右に同じ。
清水。アン、行け。
アン。承知。
(パイロットは交代無し。つまり、ジョーとバロンが乗っている。エドが次々に指示を出す。期待通りの性能が安全に出るかどうかを探っているのだ。水中動作も試してみる。)
芦屋。異常はないようだ。乗り心地もよい。
エド。よかった。
鈴鹿。大したもの。
(カワセミ号2機とイチとレイで編隊を組む。トカマク基地上空を何度も飛ぶ。)
海原。夢を見ているような光景だ。
大江山。エドワード・ベイツ。あんなのをあっと言う間に作るなんて。
海原。良い人材。ロボットに接点があるのなら、獲得したいところ。
大江山。エドくんは、あと1カ月の滞在だな。
海原。そのとおり。カワセミ号とバロンたちを引き連れて、帰る。
大江山。ジーンはずっといるんですか?。
海原。さあて、秘書は楽しんでおる。ずっといてくれると、何かと面白いことが起こりそうなので、いいんだが。
大江山。性格が丸くなった。
海原。性格は変わらん。自分がサイボーグでも、不安がなくなったのだ。ジョーのおかげで。
大江山。A国軍、途方もない得点を稼いだわけだ。
海原。現時点でのサイボーグ技術のすべてがID社に知られた引き換えにな。
大江山。ジーンを送り込んで来た時点で、ID社の検出能力は知っているはず。
海原。そう。取引。エドは今や、自動人形を自由自在に操っている。日本ID社が現有するすべてのノウハウが知られてしまった。
大江山。そのお土産が、カワセミ号の改良。
海原。オトヒメのプログラムも、大幅に改良されたそうだ。
大江山。何かが起こる。
海原。近々。1カ月後か、1年後か、5年後か。
(カワセミ号に乗せてくれてのリクエストが殺到したので、交代で乗ってもらう。そのあたりをふわりと一周するだけの、遊園地みたいな飛行だ。それでも、面白い経験だったらしい。もともと、計測用の飛行機で、後席の乗り心地はよい。後席の視界は悪いが、モニタは良くできている。
楽団の総合練習は、整備場で行う。大きめのスクリーンを用意し、作製されたCGを撮影しながら、1シーンずつ確定して行く。会場での練習の機会は、一度きりだ。ジョージも加藤氏もプロなので、結構、注文がきつい。ジーンと鈴鹿は、必死で付いて行く。)