五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のアルペジオ

2017年09月02日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年10月号より
 
 

  

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●蒼き鋼のアルペジオ (Ark Performance 先生)

 

 11月発売のコミックス15巻の特装版は、完全受注限定生産!(9月末日締切)

 また、webラジオも始まっているようで、Ark Performance(壱号・弐号)先生も
 ゲスト登場しておられて興味深い・・・私はまだ聴けていませんが。

 そんな今回、悩むハルナとキリシマ。
 タカオさんとの接触により見せられた「記憶」を、共有化できないらしく、
 蒔絵さんやマヤさんもいる中、じっと考え込んでいます。

 “霧”であれば、情報の共有化など簡単なもので、そうして経験値を獲得し、
 並列化してきたはずなのに、この件に関してはそれができないとは、いかにも不可解。

 そうした「記憶」が共有化できないという話から、人間について考えさせられる話まで、
 今回、興味深い内容となっていました。

 

 

 

 人間と同じ。

 情報(体験)の共有化ができない。
 ゆえに「口で説明しなければ相手に伝えることが出来ない」という状態。

 ハルナさんたちは戸惑っていますが、それを「人間と同じ」と述べるマヤさん。
 キリシマさんなどは、その状態を「かなりもどかしい」と言っています。

 また「相手に何かを理解してもらう事がこんなに困難を生じるとは」とも語っていて、
 人間であれば普通のことなのですが、“霧”の面々にとっては未知の体験であるのが面白い。

 「他人を理解するにはイヤになるほど相手を知らないといけない」
 とは蒔絵さんの言葉ですが、これが難しいことなのですよね。

 だからこそ、コミュニケーションの重要性が実感できるわけですし、
 相互理解のためのカギになるとわかるわけで、人間と接する“霧”にとっては
 必要な認識なのではないかと思われます。

 

 

 

 総旗艦の思惑は・・・

 では、そのコミュニケーションの重要性を知らしめようとした者は、何が目的なのか。
 当事者である総旗艦は、第4施設焼失事件の被害者慰霊塔を訪れていますが・・・

 そこへ戻ってきたタカオさん・・・と思いきや、実は彼女、アタゴさんだったようで、
 ああ、なるほど、タカオさんが彼女らしくなかったのはそのためかと、納得でしたね。
 アタゴさんが姉の姿で、ハルナ&キリシマに接触したと。

 そして、アタゴさんが総旗艦に、何をしようとしているのか質問していますけど、
 これに対する答えが非常に興味深く、かつ人間について考えさせられる内容でした。

 まず、戦っている相手、人類を知ってほしかったという点。
 それ自体はなるほどといった印象ですが、アタゴさんの言うように、人類と交流を持てば
 済む事のはずなのに、だいぶ回りくどいことをしているように思えます。

 それについて総旗艦は、「相手の立場にならなければ見えて来ない事は多い」と述べ、
 「他人を知る力」について語っていたのが、大事なことだと感じられました。

 これ、人間自身も忘れがちな難しい事柄ですよね。
 個人が何を考え、思っているのか、その内心の共有はできない。
 だからこそ、なるべく相手を知って、理解を深めることが大事であるということ。

 ハルナやキリシマが情報の共有化をできないようにさせられていたのも、
 その実感を抱けるように、という措置なのかもしれません。

 さらに、個性とは個人が独自の経験を経て獲得してゆくもので、同じ体験をしてきた者達は
 同じ価値観を持ちやすく、別の価値観を持つ者を排撃しがちであるなんて話は、耳が痛い所。
 それが人間社会の現実にも思えますからね。

 「他人を知る力の喪失」が、争いを生む。
 総旗艦は、“霧”にそうなってほしくないと言っていて、このことは大きな課題になりそうです。

 それにしても、天羽琴乃の名前が刻まれた慰霊塔の前で、総旗艦は何を思っていたのか・・・
 珍しくシリアスな雰囲気の彼女に、切なさを覚えてしまいましたよ。

 

 

 

 一方、レキシントンは・・・イセと対峙中!?

 何やら向かい合っている両者ですが、イセの表情はぷんぷんモード。
 どうも、イセはレキシントンがこれ以上進むのを阻止したがっている様子。

 これは、“霧”のナワバリ的な問題なのですかね?
 それとも、レキシントンが進む方向に、何か問題でもあるのか?
 たとえばハシラジマ・・・千早群像とか?

 そのあたりはわかりませんが、同じ“霧”でもフリーパスというわけでもないようで、
 なかなか興味深い所でした。

 

 

 

 ゾルダンとレキシントン・・・

 にらみ合いの続く中、待たされ続ける2501のクルーたち。
 それはつまり、食料の備蓄が減ってゆくということでもあり、
 人間と“霧”の根本的な違いを感じさせられますね。

 そして、レキシントンからの入電とその内容に、クルーたちは動揺。
 食糧不足を何とかしてあげられると言われ、決断を迫られますが・・・

 なんて感じでしたけど、要するにイセを出し抜きたいレキシントンが、
 ゾルダンたちに力を貸せと言っているわけで、一応敵対関係にある間柄にしては
 ずいぶんとあっさりしたものだと、拍子抜けさせられます。

 が、レキシントンの要請は、ゾルダンたちにとって危機を招きかねない内容で、
 そのことについて、2501のコアが安全を保障する言葉を述べていたのは、頼もしかった。

 はたして、レキシントンとゾルダンの接近は、何をもたらすのか・・・
 第4施設の秘密に迫るハルナ組、それを阻止したいタカオ・総旗艦組もきになりつつ、
 今後も楽しみです!

 それと今月号、アルペジオが2度“終わっていた”のですが、これって印刷ミスですかね。
 次のページも続いていたので、何か得した気分になれましたけど(^^;
 でも、アド探はなかった~!

  

◆ ヤングキングアワーズ 感想