五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月の『恋愛ラボ』 特別編

2013年06月07日 | ◆4コマ誌② まんがタイム

まんがタイム 2013年7月号より

 コミックス8巻は7月4日発売ですが、8月発売の8.5巻についての情報も載っています。

 前半ファンブック仕様、後半アンソロジー仕様とのこと。

 しかし、名前が出ているアンソロ執筆の作家先生のうち、

 甘詰留太先生はともかく、谷川史子先生や石黒正数先生は画報社つながりですかね?

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●恋愛ラボ・特別編 (宮原るり 先生)

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 今回の主役は・・・ 小学生時代のリコ!

 ショートカットでヤンチャな雰囲気のリコが可愛らしい。

 そして描かれるのは、彼女がなぜ藤女を目指したのか? というお話でした。

 リコの藤女入学に、とても大切な人が関わっていたことがわかる

 感動の物語でもありましたね。

 

 

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 「眼福眼福」と語るのは、リコのお祖父さま。

 「ガンプク」って何なのか? と問いかける孫娘に、

 藤女のお嬢様たちを眺めることができて幸せだと、“正直”に答えるおじいちゃん、まじ現役。

 

 このように、孫たちの前でも「エロじじい」っぷりを隠さない粋なお方。

 その楽しい人柄はもちろんのこと、孫たちを可愛がりつつ、

 同時に好かれるおじいちゃんとしての姿が、とても良かったですね。

 「眼福」についての解説だけでなく、「悪童」、「狐の嫁入り」、「ストックホルム症候群」など、

 孫たちから何かを尋ねられるや、それについて面倒くさがらずにきちんと答える姿勢は、

 かなり好感をもてました。 子供に対する大人として、とても適切な態度だと感じますよ。

 

 だからこそ、リコもレンもじーちゃんが大好きで、

 いつも家へ遊びに行っていたのだと思いますし、

 まるで友達であるかのように、砕けた会話のできる関係でいられたのでしょうね。

 そんな祖父と孫たちの様子が微笑ましかった。

 

 

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 藤女をめぐるリコの想い。

 リコ自身も、藤女への興味を持ってはいるようですが、

 自分には似合わない・成績が届かないという理由で、二の足を踏んでいるよう。

 似合わないに関しては否定するじーちゃんでしたが、

 成績に関しては、失敗への恐れを指摘していたことが印象深かったですね。

 失敗そのものよりも、失敗を恐れることの方がカッコ悪い。

 この「カッコ悪い」の一言に、じーちゃんのリコへの期待というか、愛情をみた気がします。

 

 

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 その後、藤女受験を決意するリコ。

 絶望的な成績で合格を目指すには、勉強を教えてもらうしかない。

 そこで選んだ相手が、ヤン! ・・・いや、当時はまだ「池澤くん」ですか(^^;

 たしかに、ヤンから教わったことで藤女受かった、みたいな話はしていましたね。

 

 はじめ「無駄」と断っていたヤンでしたが、

 リコが受験を決意した理由を述べるや、態度を一転させていたのは興味深い。

 それは、リコが祖父のために受験するのではなく、リコ自身が何をしたいかを知ったため。

 この姿勢の違いがヤンの心に響いたというのは、彼の考え方を知るうえで重要かもですね。

 

 その後、リコによる、じーちゃんへの成績報告で、

 「池澤」から「ヤン」まで、呼び方の変遷をうかかがえたのには笑った゜(*゜´∀`゜)゜

 成績が上がってゆくことを報せるリコは本当に嬉しそうで、

 じーちゃんのことが大好きなんだな~と感じさせてくれて、しみじみしましたよ。

 

 

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 そして、受験。

 雪とともに、大きな悲しみが降りしきる中、リコは挑みます。

 気負いはなく、しかし、どこか寂しげな彼女が切ない。

 

 もちろん、結果は合格。

 念願の制服を着て、鏡の前で喜びもしますが、いつもの元気はなく、やがて沈みゆく心。

 一番に報告したかった人に、もう会えなくなってしまったから・・・

 そんな心情が伝わってくる後ろ姿が(;;)

 

 でも、そこへじーちゃんからの手紙が届き、

 リコ母はリコを元気づけてくれる内容を期待しますが・・・?

 これには1本とられましたね! そこに書かれた、まさかの言葉に泣き笑い!

 だけどその言葉が、リコの凍りついていた心を一気に溶かします。

 溶けた心は涙となって流れ落ち、彼女を悲しみのくびきから解放したわけですね。

 さすが、じーちゃん。

 

 

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 笑顔が戻ったリコ。

 じーちゃんにミニスカ姿を披露して、ピースサインでポーズを決める彼女に、迷いはなし。

 元気なリコが大好きだったじーちゃんに対する、最高の手向けとなったでしょう。

 そして最後に、じーちゃんの「眼福」を示す本当の視線が描かれることで、

 祖父の孫たちに対する愛情がじわっと感じられて、うるっときちゃいましたよ(ノД`)

 あーもー、このシーンは不意打ちだったわ。 最初につながってゆくカタチなのが・・・

 

 といった感じに、リコの藤女入学の背景が描かれた今回。

 感慨無量。 じーちゃんが最高でありました!

 そして、7月4日発売のコミックス8巻ともども、今後も楽しみです!

 

 

◆ まんがタイム 感想①