まんがタイム 2013年7月号より
コミックス8巻は7月4日発売ですが、8月発売の8.5巻についての情報も載っています。
前半ファンブック仕様、後半アンソロジー仕様とのこと。
しかし、名前が出ているアンソロ執筆の作家先生のうち、
甘詰留太先生はともかく、谷川史子先生や石黒正数先生は画報社つながりですかね?
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●恋愛ラボ・特別編 (宮原るり 先生)
今回の主役は・・・ 小学生時代のリコ!
ショートカットでヤンチャな雰囲気のリコが可愛らしい。
そして描かれるのは、彼女がなぜ藤女を目指したのか? というお話でした。
リコの藤女入学に、とても大切な人が関わっていたことがわかる
感動の物語でもありましたね。
「眼福眼福」と語るのは、リコのお祖父さま。
「ガンプク」って何なのか? と問いかける孫娘に、
藤女のお嬢様たちを眺めることができて幸せだと、“正直”に答えるおじいちゃん、まじ現役。
このように、孫たちの前でも「エロじじい」っぷりを隠さない粋なお方。
その楽しい人柄はもちろんのこと、孫たちを可愛がりつつ、
同時に好かれるおじいちゃんとしての姿が、とても良かったですね。
「眼福」についての解説だけでなく、「悪童」、「狐の嫁入り」、「ストックホルム症候群」など、
孫たちから何かを尋ねられるや、それについて面倒くさがらずにきちんと答える姿勢は、
かなり好感をもてました。 子供に対する大人として、とても適切な態度だと感じますよ。
だからこそ、リコもレンもじーちゃんが大好きで、
いつも家へ遊びに行っていたのだと思いますし、
まるで友達であるかのように、砕けた会話のできる関係でいられたのでしょうね。
そんな祖父と孫たちの様子が微笑ましかった。
藤女をめぐるリコの想い。
リコ自身も、藤女への興味を持ってはいるようですが、
自分には似合わない・成績が届かないという理由で、二の足を踏んでいるよう。
似合わないに関しては否定するじーちゃんでしたが、
成績に関しては、失敗への恐れを指摘していたことが印象深かったですね。
失敗そのものよりも、失敗を恐れることの方がカッコ悪い。
この「カッコ悪い」の一言に、じーちゃんのリコへの期待というか、愛情をみた気がします。
その後、藤女受験を決意するリコ。
絶望的な成績で合格を目指すには、勉強を教えてもらうしかない。
そこで選んだ相手が、ヤン! ・・・いや、当時はまだ「池澤くん」ですか(^^;
たしかに、ヤンから教わったことで藤女受かった、みたいな話はしていましたね。
はじめ「無駄」と断っていたヤンでしたが、
リコが受験を決意した理由を述べるや、態度を一転させていたのは興味深い。
それは、リコが祖父のために受験するのではなく、リコ自身が何をしたいかを知ったため。
この姿勢の違いがヤンの心に響いたというのは、彼の考え方を知るうえで重要かもですね。
その後、リコによる、じーちゃんへの成績報告で、
「池澤」から「ヤン」まで、呼び方の変遷をうかかがえたのには笑った゜(*゜´∀`゜)゜
成績が上がってゆくことを報せるリコは本当に嬉しそうで、
じーちゃんのことが大好きなんだな~と感じさせてくれて、しみじみしましたよ。
そして、受験。
雪とともに、大きな悲しみが降りしきる中、リコは挑みます。
気負いはなく、しかし、どこか寂しげな彼女が切ない。
もちろん、結果は合格。
念願の制服を着て、鏡の前で喜びもしますが、いつもの元気はなく、やがて沈みゆく心。
一番に報告したかった人に、もう会えなくなってしまったから・・・
そんな心情が伝わってくる後ろ姿が(;;)
でも、そこへじーちゃんからの手紙が届き、
リコ母はリコを元気づけてくれる内容を期待しますが・・・?
これには1本とられましたね! そこに書かれた、まさかの言葉に泣き笑い!
だけどその言葉が、リコの凍りついていた心を一気に溶かします。
溶けた心は涙となって流れ落ち、彼女を悲しみのくびきから解放したわけですね。
さすが、じーちゃん。
笑顔が戻ったリコ。
じーちゃんにミニスカ姿を披露して、ピースサインでポーズを決める彼女に、迷いはなし。
元気なリコが大好きだったじーちゃんに対する、最高の手向けとなったでしょう。
そして最後に、じーちゃんの「眼福」を示す本当の視線が描かれることで、
祖父の孫たちに対する愛情がじわっと感じられて、うるっときちゃいましたよ(ノД`)
あーもー、このシーンは不意打ちだったわ。 最初につながってゆくカタチなのが・・・
といった感じに、リコの藤女入学の背景が描かれた今回。
感慨無量。 じーちゃんが最高でありました!
そして、7月4日発売のコミックス8巻ともども、今後も楽しみです!