最近、感想書きたいのに書けていない『ONE PIECE(ワンピース)』。
その58巻は頂上決戦で盛り上がりまくっております。
なので、いくつか書きたい事を、とりとめもなくつれづれ・・・思いつきで書いてます。
そいえば、『海賊キャプテン・ドレーク』(杉浦昭典 先生)を、こないだ読了しました。
中公新書で絶版だったものが、講談社学術文庫で刊行されたものです。
ドレークは、マゼランにつづいて2番目に世界一周を果たした人物であり、
かのスペイン“無敵艦隊”との戦いでも活躍した、イギリスの私掠船船長。
その生涯が当時の情勢とともにわかりやすく語られていて、とても楽しめます。
ヘタな小説よりも、かなり面白い読み物になっていると思いますね。
『ワンピース』にもドレークという海賊が登場しますけど、私が彼に注目している理由は、
このフランシス・ドレークと同じ名をもっているという点も大きいです。
以下、58巻のネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
【クロコダイルの言動】
『ワンピース』58巻の話。
以前も語りましたが、私にとってクロコダイルは好きキャラクターなのです。
その「魅力」についてあれこれ語りつくしたいところですけども、
とりあえず今回は、58巻での彼の言動についていろいろ書いてみたいと思います。
58巻での彼は、3つほど「らしくない」行動をとっています。
1.“白ひげ”の危機に対して「そんな“弱ェ男”に敗けたつもりはねェぞ!!!」と叫んだ。
2.エース処刑を邪魔した。
3.Mr.1 ことダズ・ボーネスの危機を救った。
【クロコダイルの“白ひげ”に対する信頼感】
●発言の意外性
まず「1」の発言については、Mr.1 をはじめ、イワさんやジンベエが驚いていることからも
わかるように、「クロコダイルらしくない」というか、意外な叫びだったことが察せられます。
“白ひげ”に旧怨があり、彼を倒そうとしていたクロコダイルにしては、“白ひげ”寄りというか、
“白ひげ”という男を認め、つよい敬意すら抱いているような雰囲気でしたから。
ここで私が感じたのは、クロコダイルがもつ「かつて自分を敗まかした男への信頼感」。
この発言は、クロコダイルのそうした感覚から発せられたものではないか?
ゆえに、クロコダイルを知る者たちにとって、それは意外だったのではないだろうか?
●クロコダイルという人間
アラバスタでルフィたちと戦ったころのクロコは、「信頼なんて不要」みたいな言動で、
残酷に他人をつきはなした“一匹狼”的姿勢を見せていました。
実際、部下も何もかも「使い捨て」のような扱いでしたし、ちょっと冷めた熟年夫婦のごとき
パートナーだったニコ・ロビンに対しても、あっさりと切り捨てにかかっています。
現在の彼も、「おれは誰とも組みはしねェよ・・・」とドフラミンゴに語っていることから、
その基本姿勢に変わりはないようです。
このあたりからわかるのは、クロコダイルは他人を信頼しない人間であるということ。
かつては、「誰ひとり、信用しちゃいねェ・・・」とも語っていましたね。
ここらへん、元からなのか何かつらい過去でもあったのか、それはわからないけれど、
とにかく彼はそうした人間であったわけです。
(当時、野望に邁進していたため、必要以上にドライだったのかもしれませんが)
●クロコダイルが“白ひげ”に寄せる感情
そんな彼が、“白ひげ”に叫んだ言葉
「そんな“弱ェ男”に敗けたつもりはねェぞ!!!」は、私には
「“白ひげ”ってのは強ェ男のはずだろう!強くなきゃいけねェんだよッ!!!」
といったニュアンスで響いてきたのです。
・・・これって、“白ひげ”のことを、ものすごく信頼していなきゃ出てこない言葉だと思う。
もちろんこの信頼は、たとえば“白ひげ”海賊団のメンバーが船長に寄せる親愛の情とは
まったく異なるもの。 いわば、かつて自分を敗かした“白ひげ”の圧倒的な「強さ」に対して
向けられたものではあるのですが、「強さ」意外にも何かしらの要素はある気がします。
クロコダイルは“白ひげ”に旧怨がある、とセンゴク元帥は言っています。
インペルダウンでの言動を聞いても、クロコダイルは“白ひげ”にかつて敗れたであろうとこと
は推察できていましたし、そのためか彼は、今回の戦いで“白ひげ”打倒をめざしています。
が、クロコダイルの“白ひげ”に対する感情は、憎悪や怨恨というよりは「越えるべき壁」を
にらみつけるような感覚。
「あんな瀕死のジジイ 後で消すさ」なんて言って、“白ひげ”のピンチに便乗していないところ
を見ても、単純に抹殺したいという感覚とは別の感情を抱いている印象です。
敵意と同時に、どこか敬意を抱いている。
言ってみれば「子の親に対するそれ」に似ている部分があるんじゃないかな~
・・・なんて考えてしまいます。
古臭い父子観かもしれませんが、「父は越えるべき壁」みたいな感じで。
そしてその他に、自分とは違った内面的な「強さ」に向けたものもありそう。
ここらへんは、「クロコダイルのルフィに対する信頼感」のところで語りたいです。