溝口健二の『山椒太夫』は、名作でとても好きな作品だが、全体を流れる「共産主義思想」が今見ると大変滑稽である。
まず、タイトル前に、「この映画は、まだ人が人として目覚めのない時代の話」との字幕が出る。
丹後国の国司となった平正通(厨子王)が、山椒太夫の奴隷を解放するシーンの演説もすごい共産主義思想宣伝。
そして、解放された奴隷たちは屋敷で、飲めや歌えの大騒ぎ。
自由になった庶民というものは、こうしたものなのか。
セシル・B・デミルの『十戒』でも、解放されたユダヤ人は酒池肉林の大騒ぎを演じる。
無知蒙昧な庶民はそうしたものだという偏見は、洋の東西を問わず同じらしい。
思想は間違っているが、映画としては素晴らしい、というのはありえるのだ。
まず、タイトル前に、「この映画は、まだ人が人として目覚めのない時代の話」との字幕が出る。
丹後国の国司となった平正通(厨子王)が、山椒太夫の奴隷を解放するシーンの演説もすごい共産主義思想宣伝。
そして、解放された奴隷たちは屋敷で、飲めや歌えの大騒ぎ。
自由になった庶民というものは、こうしたものなのか。
セシル・B・デミルの『十戒』でも、解放されたユダヤ人は酒池肉林の大騒ぎを演じる。
無知蒙昧な庶民はそうしたものだという偏見は、洋の東西を問わず同じらしい。
思想は間違っているが、映画としては素晴らしい、というのはありえるのだ。