指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

「いい気分がぶちこわしになったよ・・・」

2016年05月04日 | 横浜

阿佐ヶ谷に行くため、バスを待っていると超満員で、地下鉄に変え、これも満員で、

「ああ、そうか仮装行列か」と気づく。

今は、横浜パレードと言っているが、この国際仮装行列では、行列の中で歩いたことがある。

議長秘書をやっていた時で、横浜市長、議長は行列の先頭で行進することになっていたからである。

秘書としては二人目の鈴木喜一先生の時で、この人は悪く言えば単純でまじめな方だったので、山下公園からきちんと歩かれた。

海岸通りを過ぎ、伊勢佐木町通りを歩いて、最後の蒔田公園まで行った。

今とは違うが、当時公園には野球の球場があり、仮設のスタンドもあった。

         

 

そこで上から次々とくるパレードを見たのである。

最後、創価学会のブラスバンドが来て、立派な演技を見せた。すると鈴木議長は言った、

「いい気分がぶちこわしになったよ・・・最後が嫌だった」

別に悪気はないのだが、この人は創価学会が大嫌いだった。それが当時の自民党議員の感覚だった。

もし、鈴木喜一さんがご存命だったら、今の自公体制をどう見るだろうか。


『怪談せむし男』

2016年05月04日 | 映画

今回の東映大泉撮影所特集で、見たかった作品の1本。

                    

 

美しい女性の楠侑子がベッドでの悪夢から目を覚ますと、夢のとおり、夫が急死したことを知らされる。

その葬儀場で、彼女は弁護士から、夫が別荘を持っていて、そこで死んだことを初めて知る。

その別荘は、大塚の古河庭園の屋敷だが、そこでせむし男の西村晃によって次から次へ異様な事件が起きるが、筋がややのんびりしていて、周囲には次第に鼾が聞こえ、私も少し眠ってしまう。

また、カットされたシーンもあるようで、筋の展開は少々わかりにくく、説明性がなく、イメージを展開されるやり方である。

目を覚ますと、毛利菊枝さんが霊媒師のようなことをやっていて、せむし男の西村晃と一緒になって、さらに楠を痛めつける。

その他、西村が愛玩する白痴的な女を裸にしようとするなど、エロ的なシーンも多発する。

ともかく日本映画史に残る、怪奇映画の名作だが、今見るとやや古臭いのと、楠が弱弱しい女性ではないので、恐怖感は薄い。

やはり、恐怖映画のヒロインは、山本廸夫監督映画の酒井和歌子のように、脆弱でないと恐怖が迫ってこないと思った。

楠は、新人会、俳優小劇場のヒロインとして、また『赤い殺意』で、西村晃の同僚で、妻の春川ますみの不倫を追及するまじめな女子職員として日活映画でも活躍された。

だが、1970年に別役実と結婚し、女優としては引退され、一人娘は作家として活躍されているとのこと。

水戸黄門様が、せむし男とは初めて知った。

ラピュタ阿佐ヶ谷