Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

去りゆく選手たちに感謝を〜2023〜

2023-02-15 20:30:07 | トリニータ
先週まで家族のクソデカライフイベントがあったためここ数ヶ月つぶさにサッカーが追えてなかったんだけど、そのライフイベントも無事に終わったためやっと生活も平常運転に。今シーズンの大分トリニータについてはプレシーズンを全く把握しておらず、いま必死に遡って諸々をチェックしている。ざっくり言うと予想していたよりも遥かに良いメンバーが残ったねという感想。開幕までにもう一記事くらい書きたいところだけど、今日は毎年の恒例で書いている昨シーズンで退団した選手への惜別記事。2ヶ月くらい遅いけど、ずっと継続しているので何としてもこれは書いておきたい。


背番号の若い順で。

三竿雄斗
入団初年度の序盤を除くと在籍4シーズンほぼフル稼働。ケガ持ちという触れ込みで入団してきた選手がまさかこれほどタフに稼働し続けるとはその頃は想像も出来なかった。人を使うのがうまく、人に使われるのもうまい。個人的にも文句なしで昨シーズンのシーズンMVPに挙げた通り、もううちでキープしておける選手ではなかったことは明らか。残念だけど、降格したし昇格にも失敗したんだから仕方ない。三竿自身が抜けてしまうのはもちろん痛いけど、その三竿から同サイドでサポートを受けていた選手、特に藤本と奎汰が今シーズンどう変わるかは密かに注目しているポイントだ。藤本はもっと前目に位置するかもしれないので少し外れるけど、奎汰については三竿から直接の「薫陶を受けた」と言ってもいい間柄だと思うので頑張ってほしい。三竿さんはコロナ前の2019年シーズンにおそらくトリニータの選手としては10年ぶりくらいに直接サインをもらった選手で勝手に親近感を持たせてもらっていた選手。同じく2019年シーズンのパナスタでのアウェイガンバ戦の試合前には三竿さんのシュートに自分の太ももを直撃してもらったり(変態の観点)と特別な選手だったので、覚悟はしていたけど本当に残念。ただ残りのキャリアを考えたら移籍するのは当然。サンガスタジアムは近いからスケジュールがあえば今シーズンは三竿さんを観に行ってみようかな。



小林裕紀
退団、そして引退となったわけだけど発表のタイミングを見ても本当は現役を続けたかったんじゃないのかな。大分サポーターの中でもけっこう評価が高いと感じていたけど、個人的にはいつもボランチの4番手くらいとして見ていた。試合の記事でも何度か触れたことがあるけど、個人的な印象としてこの頃のサッカーにおいて「うまい」という要素の重要性が下がっていると感じる。「速い」「強い」「高い」という要素の方が重要視され、「ファンタジスタ冬の時代」に突入していると思う。もちろん小林裕がファンタジスタというプレースタイルだったわけではいけど、「うまい」が特徴だった小林裕をチームの中に組み入れるほどの余裕がここ2年ほどの大分トリニータにはなかったというのが正直な感想だ。指導者の道に入るということだけど、こんな印象を一蹴するくらいのスーパーファンタジスタを育成してほしいと思う。



下田北斗
北斗移籍の報を聞いて伊藤大介が岡山に移籍した時のことを思い出した。シーズン終盤にチームが大目標を掴むためにスタイルを強度に全振りした影響で重要な試合でメンバー外。それだけが要因ではないんだろうけど、そのまま移籍してしまったかつてのボランチの決断と今回の移籍の印象は重なるところが多い。なお、伊藤大介に見限られたクラブの翌シーズンの結果はと言えば。。。 北斗の出来とチームの調子が連動していると思うことが多かった。だから北斗を中心に据えたチーム作りをしてもいいんじゃないかくらいに北斗のことは評価していたんだけど、なかなかうまくいかない時期が必ず訪れてそしてその時期が長いなというのがいつも気になった。降格のシーズンと昇格失敗のシーズンにしか在籍していなかったので、これから先あまり良い思い出として残る選手ではないんだろうけど、個人的には好きな選手だったし、もっともっとやれる選手だったと思う。試合前のピッチ内アップで1人だけ先にユニフォームに着替えているのと、全員が引き揚げても最後までコーチ相手にトラップのフィーリングを確かめている姿が印象的だった。1シーズンで直接FKを3本も決める選手なんてしばらく出てこないだろうね。今シーズンは重要な局面で対戦することもあるかもしれないけど、絶対に負けないぞ。




伊東幸敏
小林裕と同様に退団、引退となった模様でまだまだ全然出来そうだと思っていたけど何かやりたいこともあるみたいだね。伊東退団についてシーズン中にチームが4バックから3バックに変更したことの最大の被害者みたいな意見を多く見かけて同情的な雰囲気を感じたけど、それはちょっと待ってくれと言いたい。シーズン中はおろか試合中ですら「可変」が当たり前の現代のサッカー界においてスタートの布陣が変わったからポジションを失ってしまうような選手はハッキリ言ってそれまでの選手だよ。昨シーズン伊東がうまくいかなかったのはやはり何度もケガしてしまったことだと思うし、前述の意見って同情しているように見せかけて選手の能力を全く信頼していないと思うよ。入団前に千葉サポの兄にどんな選手か聞いたところ「(千葉在籍中は)ケガばっかだったからよく分からない」という答えだった。結局大分在籍中も似たような印象で、そういう意味では引退を早く決断したのも良い選択だったかもしれないね。



小出悠太
J1参入プレーオフ敗退からわずか2週間半での移籍発表。昇格出来なかったら移籍という前提でもう試合の時点では移籍交渉は始まってたんだろうなと思う。不器用ながらも力強い推進力を全面に押し出すプレースタイルは中毒性があった。大学時代に何度も見ていた選手だったので加入が決まった時は嬉しかったし、そして期待通りのプレーぶりだった。ただレギュラー張れるだけの力がありながら出場機会が十分じゃなかったのは不満だったかもしれないね。特に昨シーズンは必要以上に選手層が厚かったからね。プレー選択に迷いがなく、答えは早く出してダメなら何度でもやるというスタイルは見ていて分かりやすかった。最終ラインから何度も最前線まで顔を出したし、サイドからのアーリークロスの数も多かった。ボールを大事にしたい監督からすると少し使い勝手は悪かったのかもしれないけど、本当に良い選手だったと思う。千葉のジュニアユースから市船、明治大、そして移籍初年度から仙台のキャプテン就任とフットボールの経歴はスーパーエリート。今シーズンは間違いなく嫌な相手になりそうだ。



井上健太
智輝に続いて諸手を挙げて「いってらっしゃい!」と送り出せる気持ちの良い移籍。もどかしい時期があったことは間違いないけど、自らの努力でそこを乗り越えたのが手に取るように分かったからこの決断は心の底から応援したい。まだ特別指定の発表もなかった時期に突然さんぺーのインスタに登場した時は何事かと思ったけど、あれからあっという間だったね。大分も狙っていたと言われている藤井智也と井上健太の2人が21年入団注目の爆速サイドアタッカーだった。その2人がまた同じタイミングでステップアップ移籍(広島→鹿島がステップアップ移籍なのかという議論はいったん置いておいて)したのは現代のサッカー界がこのタイプの選手をより重宝するようになってきている何よりの証だと思う。ソン・フンミンや三笘薫がシンプルにスピードでプレミアリーグのDFたちを切り裂いていて、アジア人のスピードスターが注目されている昨今。健太にもまだその先があるぞと期待してしまう。勝てはしなかったけど、西部緑地で見た圧巻のパフォーマンスはずっと記憶に残り続けると思う。健太、そこで終るなよ!



エドゥアルド・ネット
大活躍することはないだろうけど、そこそこはやってくれるんだろうなというシーズン前の期待感そのままだったなという印象。仙台戦の直接FKがピークだろうなという予想もその通りすぎて少しつまらなくもあり、哲平さんの焦りも感じられるような移籍だったなと思う。入団時からあまりポジティブな印象が持てなかったのは「J経験が豊富なベテラン外国籍選手」って多分これからの大分トリニータには最も適していないカテゴリーの選手だと思うからなんだよな。確かに仙台戦の直接FKも町田戦や金沢戦の縦パスもすごかったんだけど、それを得るために犠牲にしている部分が多くて「そうじゃないでしょ」感が強かった。年齢を選手選考の基準にするとカズに怒られてしまうけど、ネットを使うなら弓場将輝だし保田堅心だ。奨励金が支給される今シーズンはなおのこと。昇格に本気だった哲平さんの気持ちも分からなくはないけど、今後はこの類いの移籍は控えめにしてほしいと思う。



小林成豪
19年シーズンの2ゴールがあまりにも鮮烈で、あまりにも印象的だったからいつまでもずっとその影を負ってしまったような感じかな。そして22年シーズン序盤はあの時の成豪の輝きを思い出させてくれるような躍動感だったんだけど。。。だからこそ何度も何度も成豪に立ちはだかったケガという壁が憎くて仕方ない。生粋のコミュニケーション下手というキャラクターがまた愛すべきポイントだったと思う。三竿さんと離ればなれになってしまって大丈夫なんだろうかと心配になってしまう。山口移籍は成豪の選手としての価値を考えたら当然だとは思うけど、また1人嫌な選手を同カテゴリーに放ってしまった感が強すぎるんだよ。






呉屋大翔
選手の順番は恣意的なものではなく背番号順なんだけど、ここでも成豪と呉屋の両雄並び立つ感なんなんだよ。呉屋の加入が決まってすぐに元徳島ヴォルティスの井筒さんによって明かされた流血喧嘩事件。もう笑って流せるだけの時間が経ったんだろうけど、その頃のことを考えたらこうやって成豪と呉屋が一緒にプレーするところを大分で見ることが出来て何だか得してしまったように感じるね。1年半の在籍で随所にそのポテンシャルの高さを見せてくれたけど、昨シーズンの使われ方なら移籍するだろうなと覚悟はしていたので驚きはない。エースストライカーとして辛抱も交えて使い続ければ絶対に結果は残すだろうなと確信しているので、シンプルに大分トリニータの呉屋の使い方が下手だったと思う。移籍先の千葉ではそういうような迎え方で9番を託され、早速ちばぎんカップでMOMを獲得した姿を見るにつけその思いは強くなるばかり。ルヴァンを見据えて2チーム編成にしなければならなかったという事情もあるのだろうけど。悔しさで唇を振るわせながら、「はいはい呉屋呉屋」と言わなければならないシチュエーションにならないように大分のDF、GK陣には頑張ってほしい。



増山朝陽
健太とは全く違うタイプながらも期待感のあるサイドアタッカーでこの先も一緒に戦いたい選手だっただけに残念。決してキレがあるわけではないので対峙するDFとボールを巡ってガチャガチャっとなることが多いけど、なぜかボールを持って前に出ているのは朝陽というシーンを何度も見た。ああいうのってDFからしたら本当に嫌だろうし、どんどん仕掛けるべきとずっと思ってた。朝陽の移籍が残念だと思う一方で何となく納得感があるのも事実。言葉にするのは難しいんだけど、一つの場所に留まらなそうというか、気の向くままに仕事場所を決めそうだなという印象を持っていたから今回だけでなく今後も転々と職場を変えそうだなとも思ってる。



金崎夢生
夢生の復帰の報を聞いた時は最初は信じられなかった。これまで数多くの復帰移籍があったけどそういうことを一番しなそうなタイプだと思っていたから。だから本当に嬉しかったし、これが昇格へ向けての最後のエンジンになるかもしれないと本気で思った。もう10年以上もブランクがあるはずなのに「そうそう、夢生ってこういうプレーするなー」と懐かしくなるようなことも多々あった。ただ冷静になるとなかなかチーム戦術にフィットしないなと感じることが多くなってきて、特に1トップで起用される時は明らかにハマっていなかった。長沢もサムエルもいない時にやむなく1トップで起用されるのであればまだ理解も出来たけど、そうでない場面でも1トップで起用され続ける状況を見て疑問に感じざるを得なくなってきた。個人的には移籍交渉の中に出場契約が盛り込まれていたんじゃないのかなと思ってる。実際に加入以降リーグ戦、参入プレーオフ全ての試合に出場した。期待にあふれた移籍だったはずだけど、参入プレーオフ熊本戦最終盤の乱闘騒ぎには心の底からガッカリしたし、こんな形になるのなら哲平さんも復帰にこだわることはないんじゃないかなと思う。直近なら周作とキヨ、少し先なら智輝と期待したい復帰はたくさんあるけど、「カムバックサーモン」ばかりがいいことではないと思い直すいいきっかけだったかもしれない。



吉田舜
クマガヤ→前橋育英→法政大と小出悠太に勝るとも劣らないくらいのフットボールエリート街道を歩んできた吉田舜がついに地元のビッククラブからオファーを受けるまでに成長した。育成年代でもずっと主力としてやってきてプロデビューの群馬でもルーキーイヤーに全試合出場。初めての挫折が大分だったんじゃないだろうか。大分加入3年目の昨シーズンついに出場機会を掴み、そしてチームを連勝街道に乗せた。ただそうは言っても結局出場したのは11試合のみ。J1のクラブが声をかけるだけの数字ではないわけで浦和が以前から注目していたであろうことは容易に想像がつく。立ちはだかるであろう壁が大きく高いことは分かりきった上での決断だろうし、その心意気やよし。改めてJ1でのレギュラー獲り、頑張れ!




怜さんはどうしようかな。レジェンド枠だし別記事でもいいけど、完全にクラブから離れるわけでもないし。まあ引退の時に10年分の思いを書こうかね。さあ、開幕まであと4日。今日は開幕直前恒例のお楽しみ・選手名鑑の読み込みでもするかね。
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