
同点に追いつかれた時のベンチ。失点する前から優成は準備をしていたけど、その前に失点してしまったというタイミング。
ガッツリとミラーゲームの配置となった前半は局面勝負の多いバチバチのしばき合いという様相。フィフティの展開だったと思うしその中でセットプレーから先制出来たことは狙い通りだったと言っていいと思う。しかし後半に入る(前半の終盤からそうだったかもしれない)と、試合の表情は一変。圧倒的に押し込まれ苦しい局面の連続。返す刀で差し込みたかったカウンターも精度を欠き有効打にはならなかった。こういう展開の時に監督が考えることと言えば、選手交代で盤面をひっくり返すか、選手交代によるエネルギー注入かのどちらかだと思う。ただ後半の片野坂さんは痛んだ中川に代えてレギュラークラスの彗悟を入れた以降はずっと躊躇していたと思う。それが何に起因するかはもはや言わずもがなだが... もう課題は明確。チームの変化を期待したいところだったけど、もうそのフェーズは終った。クラブがどうしたいかに注目していく。
ノムの不在がどう影響したのかはこの試合の大きなポイントだったと思う。ノムがいればもう少し時間は作れて連続した局面勝負にはならなかったのか、後半のカウンターの精度は上がったのか。この辺はもう1試合くらい見てみないと分からないかな。もちろん1試合の不在で戻ってきてくれるのがベストだけど。

伊佐の膝がどこまでもってくれるか。この光景を見せられてしまうと残された時間は長くないと感じてしまう。

今治の試合はほとんど観たことがなかったので現地でいきなりもなんだからちょっと予習しておこうと前節の徳島戦を遠征前に観た。J2の今治を初めて観た印象としてはすごくアグレッシブに戦う反面、肝心なところが抜けているというもの。例えばダニーロはどう考えても退場が妥当だったし、クロスに対する中の対応は明らかに拙かった。でも大分はそこを突けなかった。そもそもクロスを送る局面を多く作れなかった。「戦術・吉田真那斗の頭」じゃあまりにもさみしいよ。

前も書いた気がするけど、大分はやたらと審判の交換プログラムに当たるという印象。ドイツ出身のマルティン・ペーターセン。最初にスーツでインスペクションに出てきた時から「おぉ、でけぇ」と思わされたけど、試合中も結局ピッチ上で一番身長が高かったのはこの人だったんじゃないだろうか。軽微なコンタクトは流すという基本路線はすぐに理解出来たけど、少し曖昧なところもあるように感じたし、まあそこそこという印象。

今治の7山田貴文は大阪体育大で伊佐の1学年下。伊佐はずっと大分、宮崎出身の山田はホンダロック→今治。


修さん。
5年くらい前にJFLで初めて今治の試合を観た時、修さんはまだ現役だった。それから現役を引退してそのままGKコーチ就任と今治生活が長くなったね。

それとフク。残念ながら出場機会はなかったけど、元気にやってそう。



今シーズン一番楽しみにしていた今治遠征。20年以上も遠征生活を送っているともう新しい遠征先なんてなかなかないからこうやって初遠征を敢行出来たのは嬉しかった。ホームスタジアムのアシックス里山スタジアムは仮設感を強く残す専用スタジアム。チケット完売で5,000人の収容ではJ1には上がれないだろうからその時は拡張するんだろうね。臨場感は素晴らしく、あと数メートル高さのあるスタンドだったら最高なんだけどね。

現地で最も強く感じたのは今のところ「クラブ主導」という雰囲気。この試合はバックスタンドのいわゆるミックスエリアに陣取って周りはどちらかと言うと今治側の人の方が多かったけど、ハッキリ言って熱心に応援している人は少なかった。チケットもらったから、近くでやってるからレベルの人が多いんだろうなという雰囲気。個人的にこのクラブのスポンサー一覧をくまなくチェックするのが好きなんだけど、いわゆる五大商社のうち三菱商事と三井物産をスポンサーに持ち、さらにLDHによしもと、デロイトトーマツとそうそうたる企業名が並ぶ。考えるまでもなく岡田さんの影響なんだと思う。あっさりとJ3をクリアしてJ2でも善戦。外国籍選手もバンバン獲得してとにかくクラブの格を上げることを急いでいるように見えた。地元の関心の薄さは強くなれば後からどうとでもなる、そんな戦略なんじゃないかなと勝手に考えていた。

その名の通り里山をバックにうっすらと聞こえてくる日本代表の試合でよく聞くチャントは牧歌的ですらあった。

これまで色々な街へ遠征をしてきたわけだけど、今回今治に行って改めて気付かされたのは、Jクラブの遠征って何だかんだ県庁所在地クラスの街が多く地方でもそれなりに栄えているところが多いわけで知らずにそれに慣れてしまっていたことだ。これはもうそのまんま言っちゃうけど、そんな感覚で訪れた今治はもうマジで田舎だった。愛媛県第二の都市とはいえ、人口15万人で交通の便も良いとは言えない立地。それはもうやっぱり田舎だよ。駅前にマジで何もない。引き分けだったから大人しくホテル引き上げたけど、勝ってコンビニ飯で祝勝会は虚しかっただろうなと思うよ。今治は詳しく知らない人でも造船、タオルとすぐに思いつく産業があって、さらにしまなみ海道とサイクリングという全国に誇れる観光資源もありながらも駅前の閑散っぷり。でもこれが日本の地方の現実だよなと改めて思ったよ。

試合前には今治名物・焼豚玉子飯を食べて、すきま時間でお遍路巡って今治&松山を満喫。



翌日はニンジニアスタジアムでインターハイ愛媛県予選決勝を観戦。3月の愛媛戦は来れなかったので、まさか10年ぶりのニンスタにこのタイミングで来れるとは思っていなかった。



カードは今治東−松山北。いま愛媛県の高体連というとこのカードというイメージ。試合は3ゴールで松山北が完勝。松山北の左WG11矢野泰聖はアジリティに優れ、ゴールの嗅覚もある良い選手だった。
対戦相手によって内容がバラつくのか、ノムがいなかったことによるバラつきなのか。試行錯誤は続くわけだけどPO圏から勝ち点3差の10位は決して悲観的になる立ち位置ではないし、期待は十分に出来ると思う。そしていよいよ次節秋田戦でシーズンもハーフターン。ここで勝ち点を積むことが出来たなら前半戦は合格点を出せる水準だと思うよ。