Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

開幕連勝スタート(2節東京V戦)

2023-02-27 23:10:48 | マッチレポート23'
開幕連勝スタート。何と甘美な響き。苦しい展開ながらもまたもしぶとく勝ち点3をモノにした。


まずは対戦相手のヴェルディから。開幕節はホームで金沢に勝利。1-0ながらも昨シーズン終盤の好調を裏付けるような内容だった。千葉や京都の陰に隠れがちだけど、ヴェルディもJ2歴が本当に長くなった。「首都東京に本拠地を置く」「同エリアにライバルがFC東京しかいない(モタモタしてるから町田に抜かれちゃったけど)」「日本屈指のアカデミー組織」もうこれ並べるだけでなぜ強くならないのかがいつも疑問に思うクラブ。個人的にはまあまあ好きなクラブで、例えばチャントとかすごく好き(特にカモンヴェルディの中毒性がたまんない)。だけどなぜ強くならないのか?これはもうクラブに「野心」が足りない。これに尽きるんじゃないかなと思う。あれだけの才能を泉が湧くかのごとく輩出し続けるところだけは本当に尊敬する。




コロナ初年度でサッカー観戦がほとんど出来なかった2020年。そのわずか数試合の大学サッカー観戦の中で印象に残ったのが昨日の試合は右サイドで存在感を放っていた河村慶人だ。開幕節も1トップで先発、後半から右サイドに動くと見事なクロスで決勝点を演出。速さやキレよりは重厚な推進力が魅力だったので意外な起用法だとも思ったけど、サイドでもけっこうハマっていた。ヴェルディの大卒戦略もけっこういいなと思っていて、特Aクラスは狙わずも佐藤凌我(→福岡)や加藤蓮のような当たりを引いてきている。河村慶人にいたってはずっと2部だったしね。ケガで出遅れているけど、関西学院大から加入したルーキーの山田剛綺はかなりやると思っている。昨シーズンの関西大学リーグで一番強烈な存在感を放っていた。あと谷口栄斗もステップアップ移籍する可能性が高いと見ている。こうやって書いてるとホントに何でヴェルディって強くならないんだろうね....


対戦相手について書き過ぎたので試合本体に話を戻す。90点の前半、60点の後半。こんな感じの採点かな。大分もヴェルディもどちらも開幕節ほどは前からの圧力を出さなかった印象。ただこれは出せなかったのかもとも思っている。開幕節の記事でも触れたけど、徳島戦ではデルラン→司への良い縦パスが数本あった。そしてヴェルディ戦でもペレイラ→ノムの良い縦パスが同じく2〜3本通っていた。相手のプレッシャーラインをスパッと切り裂くように前線へと送られる縦パスは有効だった。ただゴールへ直結していたかというとそうでもないんだけど、少なくとも前プレ回避に対しては大きな効果があったと思う。そしてそれゆえの前半の優勢だったんじゃないかと考えている。


開幕節よりもさらに良かった茂平。徳島戦ではちょっと怪しいかなと思っていたクロスの精度もこの試合では抜群だった。特に11分の自陣でボール奪取→ドリブルで長い距離を上がって→ファーへ可能性のあるクロスを供給。このプレーは最高だった。今シーズンは藤本のサイドがストロングになるだろうと思っていたけど、これだけ茂平のサイドがやってくれたら対戦相手も藤本対策ばかりに労力を割いていられなくなるのでチームへの波及効果を考えても茂平の存在は大きい。ただ躍動した前半から一変、バテたところにエネルギッシュな加藤蓮をぶつけられてかなり苦労していた様子だったのでゲーム体力の向上もしくは分業制による90分を通しての質の向上はもう少し求めたい。


そして藤本一輝。ゴールに関してはよく詰めてたね程度の評価だけど、一番良かったのはやはり31分の決定機に繋がった仕掛けだ。右SBの6宮原とCBの3谷口の2人を引き出して中を手薄にさせてからの精度の高いクロス。これが藤本のサイドがストロングになるという期待に対する100%回答だし、昨シーズンの健太越えも期待させてくれるものだ。ゴールにならなかったのはマテウスをほめるしかないけど、ああいうプレーを1試合に何回出せるかが藤本の評価バロメーターだと思う。もっともっとやってほしいし、やれるはず。ちなみにJ2のすごい外国人GKは徳島のスアレスという先入観だったんだけど、2週連続で対戦して思ったけどマテウスの方が遥かにすごいな。ビッグセーブもだけど9分の鋭いフィード、47分の遠くへ大きいフィードどちらも素晴らしかった。CKであんなにドフリーにさせちゃうDF陣にマテウスはぶち切れてもいいんじゃないかな。31分の2本のセーブは実質マテウスが1点決めたようなもの。


開幕節で上々の動きを見せた安藤だったけど、どうやら直前でのケガということでメンバー外。開幕節でベンチだった上夷がそのまま3バックの真ん中に入った。上夷はとても良かった。開幕節の安藤よりも良かったかもしれない。今シーズンはペレイラを真ん中から右に動かしている。これは昨シーズンからずっとやってほしかった配置。ペレイラの良くないところを隠し、良さを存分に活かすには真ん中のディフェンスリーダー的な役割から解放してあげて自由にプレーさせた方がいいと思っていたけど、その通りになっている。デルランとペレイラがしっかりとはね返せるので真ん中に求められるのはラインコントロールなどの読みのセンスや能力、そしてカバーリングあたりになるかな。この2人に坂、刀根を加えた4人が候補となると思うけど、ポジション争いはまだまだ分からない。今シーズンヴェルディの補強の目玉らしいマリオ・エンゲルスの抜け出しに完璧に対応した73分の上夷のプレーはしびれた。速い縦パスをまたいで抜け出そうとするエンゲルスに食い付きすぎず、初速でも振り切られず抑え込んだ一連のプレーには上夷の良さが凝縮されていた。ケガでチャンスが回ってきた選手がさらに上のパフォーマンスを見せることこそ好循環の切磋琢磨。


開幕連勝は喜びたいところだけど、楽観出来るほど良い内容ではないところから目をそらしてはいけないと思う。78分にペナルティエリア付近で野嶽が引っかけられてバスケス・バイロンにシュートを撃たれたシーンはJ1では絶対に許してくれない類いのプレー。悪いなりに守れていたとは思うけど、狙った完封とは言いづらい。徳島戦では先制とかPK取り消しとか同点とか流れが変わりそうな局面でも主導権を手放さなかったのが好印象だったわけだけど、この試合はなかなか主導権を再奪取することは出来なかった。5人交代が正式ルールとなってサッカーは変化した。今はそれにチームとしてうまくアジャスト出来ていると思う。加入以来ピークを思わせるキレを見せているノム。ノムがこれくらい出来ることは誰もが分かっていて、それよりも課題は通年稼働なわけで大事に使っていきたい。チームのエネルギーを落とさないという観点から考えてもノムの交代は10分遅い。まあ、改善点を認識しながら勝ち点全取りは理想のシーズンの進め方とも言えるけどね。


昨シーズンは初めてホームで1試合も観なかったのでもうかなり長いことホームスタジアムには足を踏み入れていないわけだけど、ホーム参戦のことを思い返すとやはり印象的なのはディアマンテスの勝利のうただ。もしかするとどんなチャントよりも印象的かもしれない。試合の余韻にひたりながらスタジアムから出る時、背中の方でかかっているのが勝利のうた。そんなシーンが浮かんでくる。もうそれこそ20年くらい使われているんじゃないだろうか。試合後の勝利のうた生演奏は本当に楽しそうだったし、ああいう誰もが分かる嬉しい歌、楽しい歌っていいよね。あの映像を見て久しぶりにホームスタジアムに行きたくなった。
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劇的決勝ゴールで新シーズン開幕(1節徳島戦)

2023-02-19 22:34:38 | マッチレポート23'

あけましておめでとうございます。

アウェイで先制して、追いつかれて、ATにコーナーキックから決勝ゴール。まんま2017年の開幕戦@レベスタでしたな。





開幕戦の楽しみと言えばまずはメンバーが読めないところ。いつもよりも20分以上発表が遅延したのも含めてドキドキ、ワクワク感は増した。まずは西川幸之介のリーグ戦初先発。高木がサブに入っているところを見ると、代役ではなくポジション争いに勝ったと考えてよさそう。1失点はしたものの初先発で初勝利。おめでとう!少しバタつくシーンもあったけど、今日も鳴門はピッチを斜めに横切る強い風が吹いていて難しいコンディションだったからそこは考慮してあげないといけない。絶え間なくコーチングの声を響かせていて新しいDFラインを後ろからサポートした。テイシェイラも気になるところだけど、しばらくは結果を出した選手が使われるべき。失点シーンはかき出すのではなく上に逃げたかった。



三竿が抜けた穴を埋めることが期待されるデルラン。決勝点のヒールパスはおまけとして、デビュー戦としては無難にこなしたんじゃないだろうか。前半に何度か相手のボランチ脇に入り込んだ司に良い縦パスを通していたけど、縦パスの質は横からじゃなくて縦位置で見ないと分からないからまた今度確認したい。高さはやはり武器で森海渡にほとんど何も仕事させなかった。イエローもらったシーンのように行っちゃうとキャンセル出来ない感じはペレイラに通ずるものがあるけど、まずは期待が持てるという印象だった。



DFラインの真ん中を任されたのは同じく新加入の安藤智哉。こちらも大きな穴は開けず無難にこなした印象。今日はボールが外を回るポゼッションがほとんどだったのでボランチを絡めた厚みのある攻撃はあまり出来なかった。もっとボールを持ちたいゲームプランを選択した時にどうなるかはもう少し見てみないと分からないかな。



開幕戦で先発した新戦力最後の1人は10年以上の放流期間を経て、遂に母なる川・大分トリニータにカムバックサーモンした茂平。ポジションは井上健太の抜けた右WB。後半は目の前で見ていたんだけど、対面の選手のファールを何度も誘発させてうまいなという印象だった。ただ長めのクロスの精度には課題が残りそうで、スピードでぶち抜くタイプでもないからもっとシャドーやボランチの選手と連携して狭いエリアを打開するのに長けてそうだと思った。これも良い補強。



新シーズン驚きのコンバート筆頭は野嶽でしょう。健太が抜けたこともありそこのポジション争いを期待されているのかと思いきやまさかのボランチ起用。良いところも悪いところも両方出た感じ。野嶽についてはディフェンスに不安が残るものの縦に行く時の迫力は面白いものがあると思っていたので、このコンバートが果たしてベストな選択なのか。個人的にはボランチは将輝、保田、羽田の3枚を軸に回していってほしかったが、どうなるだろうか。



結果も内容も全てを背負える選手に。そこそこじゃなく、圧倒的であってほしい。



「ノムゾーン」と化しつつあるアーク付近。他でもないノムに決められてガックリきてる徳島サポーターを見て、「分かるよ、その気持ち」と声をかけてあげたかった。





メンバー表を見て、攻撃のカードが手薄だなと感じていたことをここに正直に懺悔いたします。大変失礼いたしました。リーグ戦初ゴールおめでとう。長沢やサムエル不在の理由は分からないけど、結果を出し続ければ必ず起用され続ける。素晴らしいゴールを決めた後だからこそあえて言っておきたい。前プレの迫力では伊佐先輩に圧倒的に負けている。スタメンを勝ち取りたいならあの伊佐の気迫を盗んでほしい。





見よ、この気迫。これが伊佐耕平だ。少しおっかなびっくりだった昨シーズンの姿はもうない。大分10年目。今シーズンも伊佐と戦えることが幸せ。


試合に関してはあまりポジティブな印象はなく、チームの方向性も感じ取ることは出来なかった。どちらかと言うと徳島がより自分たちのやりたいことを出せず、シンプルに強度を意識したうちが少しだけ上回ったのかなというレベル。ただ流れの中からも、セットプレーからもゴールが生まれていることは好材料だし、何よりも決して良い内容でないにも関わらず勝ち点3をアウェイから持ち帰ってくることが出来たのがとてつもなく大きい。



徳島のラバイン新監督。35歳で初めての日本、初めての監督業。クラブとしてのスペイン路線継続の強い気持ちが伝わってくるような人事だけど、少々ギャンブル感が強いような。今日は右サイドのオリオラ・サンデーが完全に穴だったわけだけど、あれを90分引っ張った新監督の意図はどこにあったのか。うちとしては整理されてくる前に勝ち点3をいただけてラッキーだったと言えると思う。





柿谷の徳島帰還初戦。やはり随所にうまいなというプレーを見せるものの、スペシャルなピースになるほどではないかなと感じた。


阿波踊りと柿谷曜一朗。



現地では当然のことながらハンドかどうかは分からないわけだけど、NHKの映像を見たら完全にハンドだった。これ相当まずいと思うよ。いったん自分で判断したジャッジを抗議されたことで覆した。VARのない試合なんだから見えたものでジャッジすればいい。抗議されたことで見えてない事象をジャッジしてしまったことは相当まずいと思うよ。抗議すれば何とかなるかもしれないという悪しき前例を作ってしまった罪は重いよ。勝ったからいいようなものの、レフリーのレベルの低さをまざまざと痛感した一件だった。主審を全員で取り囲んで抗議した徳島に対して、キャプテンのみが冷静に抗議した大分に「しつけーよ!」とメインスタンドから叫んだ徳島サポにはさすがに苦笑を禁じ得なかった。





後ろ姿しか撮れなかったけど、懐かしい面々と再会したハセです。


ということで開幕戦にして自宅から一番近い試合が終ってしまった。残り41試合全て自宅から200km以上離れたところで開催されるという絶望感。今日のような結果で少しでもこの絶望感を和らげてもらえると幸いです。今年も長いシーズンが始まった。
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去りゆく選手たちに感謝を〜2023〜

2023-02-15 20:30:07 | トリニータ
先週まで家族のクソデカライフイベントがあったためここ数ヶ月つぶさにサッカーが追えてなかったんだけど、そのライフイベントも無事に終わったためやっと生活も平常運転に。今シーズンの大分トリニータについてはプレシーズンを全く把握しておらず、いま必死に遡って諸々をチェックしている。ざっくり言うと予想していたよりも遥かに良いメンバーが残ったねという感想。開幕までにもう一記事くらい書きたいところだけど、今日は毎年の恒例で書いている昨シーズンで退団した選手への惜別記事。2ヶ月くらい遅いけど、ずっと継続しているので何としてもこれは書いておきたい。


背番号の若い順で。

三竿雄斗
入団初年度の序盤を除くと在籍4シーズンほぼフル稼働。ケガ持ちという触れ込みで入団してきた選手がまさかこれほどタフに稼働し続けるとはその頃は想像も出来なかった。人を使うのがうまく、人に使われるのもうまい。個人的にも文句なしで昨シーズンのシーズンMVPに挙げた通り、もううちでキープしておける選手ではなかったことは明らか。残念だけど、降格したし昇格にも失敗したんだから仕方ない。三竿自身が抜けてしまうのはもちろん痛いけど、その三竿から同サイドでサポートを受けていた選手、特に藤本と奎汰が今シーズンどう変わるかは密かに注目しているポイントだ。藤本はもっと前目に位置するかもしれないので少し外れるけど、奎汰については三竿から直接の「薫陶を受けた」と言ってもいい間柄だと思うので頑張ってほしい。三竿さんはコロナ前の2019年シーズンにおそらくトリニータの選手としては10年ぶりくらいに直接サインをもらった選手で勝手に親近感を持たせてもらっていた選手。同じく2019年シーズンのパナスタでのアウェイガンバ戦の試合前には三竿さんのシュートに自分の太ももを直撃してもらったり(変態の観点)と特別な選手だったので、覚悟はしていたけど本当に残念。ただ残りのキャリアを考えたら移籍するのは当然。サンガスタジアムは近いからスケジュールがあえば今シーズンは三竿さんを観に行ってみようかな。



小林裕紀
退団、そして引退となったわけだけど発表のタイミングを見ても本当は現役を続けたかったんじゃないのかな。大分サポーターの中でもけっこう評価が高いと感じていたけど、個人的にはいつもボランチの4番手くらいとして見ていた。試合の記事でも何度か触れたことがあるけど、個人的な印象としてこの頃のサッカーにおいて「うまい」という要素の重要性が下がっていると感じる。「速い」「強い」「高い」という要素の方が重要視され、「ファンタジスタ冬の時代」に突入していると思う。もちろん小林裕がファンタジスタというプレースタイルだったわけではいけど、「うまい」が特徴だった小林裕をチームの中に組み入れるほどの余裕がここ2年ほどの大分トリニータにはなかったというのが正直な感想だ。指導者の道に入るということだけど、こんな印象を一蹴するくらいのスーパーファンタジスタを育成してほしいと思う。



下田北斗
北斗移籍の報を聞いて伊藤大介が岡山に移籍した時のことを思い出した。シーズン終盤にチームが大目標を掴むためにスタイルを強度に全振りした影響で重要な試合でメンバー外。それだけが要因ではないんだろうけど、そのまま移籍してしまったかつてのボランチの決断と今回の移籍の印象は重なるところが多い。なお、伊藤大介に見限られたクラブの翌シーズンの結果はと言えば。。。 北斗の出来とチームの調子が連動していると思うことが多かった。だから北斗を中心に据えたチーム作りをしてもいいんじゃないかくらいに北斗のことは評価していたんだけど、なかなかうまくいかない時期が必ず訪れてそしてその時期が長いなというのがいつも気になった。降格のシーズンと昇格失敗のシーズンにしか在籍していなかったので、これから先あまり良い思い出として残る選手ではないんだろうけど、個人的には好きな選手だったし、もっともっとやれる選手だったと思う。試合前のピッチ内アップで1人だけ先にユニフォームに着替えているのと、全員が引き揚げても最後までコーチ相手にトラップのフィーリングを確かめている姿が印象的だった。1シーズンで直接FKを3本も決める選手なんてしばらく出てこないだろうね。今シーズンは重要な局面で対戦することもあるかもしれないけど、絶対に負けないぞ。




伊東幸敏
小林裕と同様に退団、引退となった模様でまだまだ全然出来そうだと思っていたけど何かやりたいこともあるみたいだね。伊東退団についてシーズン中にチームが4バックから3バックに変更したことの最大の被害者みたいな意見を多く見かけて同情的な雰囲気を感じたけど、それはちょっと待ってくれと言いたい。シーズン中はおろか試合中ですら「可変」が当たり前の現代のサッカー界においてスタートの布陣が変わったからポジションを失ってしまうような選手はハッキリ言ってそれまでの選手だよ。昨シーズン伊東がうまくいかなかったのはやはり何度もケガしてしまったことだと思うし、前述の意見って同情しているように見せかけて選手の能力を全く信頼していないと思うよ。入団前に千葉サポの兄にどんな選手か聞いたところ「(千葉在籍中は)ケガばっかだったからよく分からない」という答えだった。結局大分在籍中も似たような印象で、そういう意味では引退を早く決断したのも良い選択だったかもしれないね。



小出悠太
J1参入プレーオフ敗退からわずか2週間半での移籍発表。昇格出来なかったら移籍という前提でもう試合の時点では移籍交渉は始まってたんだろうなと思う。不器用ながらも力強い推進力を全面に押し出すプレースタイルは中毒性があった。大学時代に何度も見ていた選手だったので加入が決まった時は嬉しかったし、そして期待通りのプレーぶりだった。ただレギュラー張れるだけの力がありながら出場機会が十分じゃなかったのは不満だったかもしれないね。特に昨シーズンは必要以上に選手層が厚かったからね。プレー選択に迷いがなく、答えは早く出してダメなら何度でもやるというスタイルは見ていて分かりやすかった。最終ラインから何度も最前線まで顔を出したし、サイドからのアーリークロスの数も多かった。ボールを大事にしたい監督からすると少し使い勝手は悪かったのかもしれないけど、本当に良い選手だったと思う。千葉のジュニアユースから市船、明治大、そして移籍初年度から仙台のキャプテン就任とフットボールの経歴はスーパーエリート。今シーズンは間違いなく嫌な相手になりそうだ。



井上健太
智輝に続いて諸手を挙げて「いってらっしゃい!」と送り出せる気持ちの良い移籍。もどかしい時期があったことは間違いないけど、自らの努力でそこを乗り越えたのが手に取るように分かったからこの決断は心の底から応援したい。まだ特別指定の発表もなかった時期に突然さんぺーのインスタに登場した時は何事かと思ったけど、あれからあっという間だったね。大分も狙っていたと言われている藤井智也と井上健太の2人が21年入団注目の爆速サイドアタッカーだった。その2人がまた同じタイミングでステップアップ移籍(広島→鹿島がステップアップ移籍なのかという議論はいったん置いておいて)したのは現代のサッカー界がこのタイプの選手をより重宝するようになってきている何よりの証だと思う。ソン・フンミンや三笘薫がシンプルにスピードでプレミアリーグのDFたちを切り裂いていて、アジア人のスピードスターが注目されている昨今。健太にもまだその先があるぞと期待してしまう。勝てはしなかったけど、西部緑地で見た圧巻のパフォーマンスはずっと記憶に残り続けると思う。健太、そこで終るなよ!



エドゥアルド・ネット
大活躍することはないだろうけど、そこそこはやってくれるんだろうなというシーズン前の期待感そのままだったなという印象。仙台戦の直接FKがピークだろうなという予想もその通りすぎて少しつまらなくもあり、哲平さんの焦りも感じられるような移籍だったなと思う。入団時からあまりポジティブな印象が持てなかったのは「J経験が豊富なベテラン外国籍選手」って多分これからの大分トリニータには最も適していないカテゴリーの選手だと思うからなんだよな。確かに仙台戦の直接FKも町田戦や金沢戦の縦パスもすごかったんだけど、それを得るために犠牲にしている部分が多くて「そうじゃないでしょ」感が強かった。年齢を選手選考の基準にするとカズに怒られてしまうけど、ネットを使うなら弓場将輝だし保田堅心だ。奨励金が支給される今シーズンはなおのこと。昇格に本気だった哲平さんの気持ちも分からなくはないけど、今後はこの類いの移籍は控えめにしてほしいと思う。



小林成豪
19年シーズンの2ゴールがあまりにも鮮烈で、あまりにも印象的だったからいつまでもずっとその影を負ってしまったような感じかな。そして22年シーズン序盤はあの時の成豪の輝きを思い出させてくれるような躍動感だったんだけど。。。だからこそ何度も何度も成豪に立ちはだかったケガという壁が憎くて仕方ない。生粋のコミュニケーション下手というキャラクターがまた愛すべきポイントだったと思う。三竿さんと離ればなれになってしまって大丈夫なんだろうかと心配になってしまう。山口移籍は成豪の選手としての価値を考えたら当然だとは思うけど、また1人嫌な選手を同カテゴリーに放ってしまった感が強すぎるんだよ。






呉屋大翔
選手の順番は恣意的なものではなく背番号順なんだけど、ここでも成豪と呉屋の両雄並び立つ感なんなんだよ。呉屋の加入が決まってすぐに元徳島ヴォルティスの井筒さんによって明かされた流血喧嘩事件。もう笑って流せるだけの時間が経ったんだろうけど、その頃のことを考えたらこうやって成豪と呉屋が一緒にプレーするところを大分で見ることが出来て何だか得してしまったように感じるね。1年半の在籍で随所にそのポテンシャルの高さを見せてくれたけど、昨シーズンの使われ方なら移籍するだろうなと覚悟はしていたので驚きはない。エースストライカーとして辛抱も交えて使い続ければ絶対に結果は残すだろうなと確信しているので、シンプルに大分トリニータの呉屋の使い方が下手だったと思う。移籍先の千葉ではそういうような迎え方で9番を託され、早速ちばぎんカップでMOMを獲得した姿を見るにつけその思いは強くなるばかり。ルヴァンを見据えて2チーム編成にしなければならなかったという事情もあるのだろうけど。悔しさで唇を振るわせながら、「はいはい呉屋呉屋」と言わなければならないシチュエーションにならないように大分のDF、GK陣には頑張ってほしい。



増山朝陽
健太とは全く違うタイプながらも期待感のあるサイドアタッカーでこの先も一緒に戦いたい選手だっただけに残念。決してキレがあるわけではないので対峙するDFとボールを巡ってガチャガチャっとなることが多いけど、なぜかボールを持って前に出ているのは朝陽というシーンを何度も見た。ああいうのってDFからしたら本当に嫌だろうし、どんどん仕掛けるべきとずっと思ってた。朝陽の移籍が残念だと思う一方で何となく納得感があるのも事実。言葉にするのは難しいんだけど、一つの場所に留まらなそうというか、気の向くままに仕事場所を決めそうだなという印象を持っていたから今回だけでなく今後も転々と職場を変えそうだなとも思ってる。



金崎夢生
夢生の復帰の報を聞いた時は最初は信じられなかった。これまで数多くの復帰移籍があったけどそういうことを一番しなそうなタイプだと思っていたから。だから本当に嬉しかったし、これが昇格へ向けての最後のエンジンになるかもしれないと本気で思った。もう10年以上もブランクがあるはずなのに「そうそう、夢生ってこういうプレーするなー」と懐かしくなるようなことも多々あった。ただ冷静になるとなかなかチーム戦術にフィットしないなと感じることが多くなってきて、特に1トップで起用される時は明らかにハマっていなかった。長沢もサムエルもいない時にやむなく1トップで起用されるのであればまだ理解も出来たけど、そうでない場面でも1トップで起用され続ける状況を見て疑問に感じざるを得なくなってきた。個人的には移籍交渉の中に出場契約が盛り込まれていたんじゃないのかなと思ってる。実際に加入以降リーグ戦、参入プレーオフ全ての試合に出場した。期待にあふれた移籍だったはずだけど、参入プレーオフ熊本戦最終盤の乱闘騒ぎには心の底からガッカリしたし、こんな形になるのなら哲平さんも復帰にこだわることはないんじゃないかなと思う。直近なら周作とキヨ、少し先なら智輝と期待したい復帰はたくさんあるけど、「カムバックサーモン」ばかりがいいことではないと思い直すいいきっかけだったかもしれない。



吉田舜
クマガヤ→前橋育英→法政大と小出悠太に勝るとも劣らないくらいのフットボールエリート街道を歩んできた吉田舜がついに地元のビッククラブからオファーを受けるまでに成長した。育成年代でもずっと主力としてやってきてプロデビューの群馬でもルーキーイヤーに全試合出場。初めての挫折が大分だったんじゃないだろうか。大分加入3年目の昨シーズンついに出場機会を掴み、そしてチームを連勝街道に乗せた。ただそうは言っても結局出場したのは11試合のみ。J1のクラブが声をかけるだけの数字ではないわけで浦和が以前から注目していたであろうことは容易に想像がつく。立ちはだかるであろう壁が大きく高いことは分かりきった上での決断だろうし、その心意気やよし。改めてJ1でのレギュラー獲り、頑張れ!




怜さんはどうしようかな。レジェンド枠だし別記事でもいいけど、完全にクラブから離れるわけでもないし。まあ引退の時に10年分の思いを書こうかね。さあ、開幕まであと4日。今日は開幕直前恒例のお楽しみ・選手名鑑の読み込みでもするかね。
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