Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

謎解きを楽しむようなシーズン(3節藤枝戦)

2024-03-11 21:35:19 | マッチレポート24'



とにかくひとまず片野坂さんが笑顔で試合が終われて本当に良かった。前節の記事の1枚目の写真との表情の違いに勝負の世界の厳しさを知る。勝って良かった。


試合から受ける印象はこれまでの2試合と大きくは変わらず。狙いや意図が掴みづらく、いま目の前で繰り広げられている状況はうまくいっているのかどうかすらもよく分からない。片野坂さんの真後ろあたりの席だったので注意深く様子を見ていたけど、悲観的なリアクションや表情はなく、とりあえずこのままで大丈夫そうだなと思いながら試合を観ていた。ただ試合が終ったいまも本当の狙いはどこなんだろうというのは分からないまま。もしかすると片野坂さんが仕掛けてくる謎解きを楽しみながら一喜一憂するのが今シーズンの過ごし方としての醍醐味なのかもしれないと思ったり。



まずは藤枝が昨シーズンまでと少しニュアンスが違ったかなと。もっと保持に全振りしているようなスタイルだったけど、この試合ではどちらかと言うと早く(速く)て強い寄せにポイントが置かれていたように感じた。だから藤枝の寄せが元気だったうちはかなり手こずっていたし得点どころかシュートの香りすら漂っていなかった。我慢強く進めて前半の終盤には攻め込める時間帯も出来てきた。ただ狙い通りかと言うと被決定機もあったし、何とかスコアレスでハーフタイムにたどり着けたというのが感想として正しそうだ。藤枝の須藤監督は主力を抜かれても抜かれてもちゃんとしたチームを作ってきて本当に優秀だと思う。選手名鑑のアンケートで注目クラブにジローナとレバークーゼンという今シーズンのリーガとブンデスを席巻する2クラブを挙げていておそらく研究熱心でもあるんだろうなと感じる。今も甲府から藤枝に毎日通っているらしいので、藤枝のクラブ規模が今のままなら甲府の監督にステップアップするのも時間の問題ではないかと思う。



得点シーンはトリテンでも取り上げられている通りに伊佐のスローインと中川のポジショニングが全てだったと思う。藤枝の選手はおそらく伊佐が投げると思っていなかったと思うし、オフサイドポジションからスッと出てきた中川の動きの絶妙さが藤枝守備陣を混乱させていたと思う。ねじ込んだ堅心もナイス。この試合では特に中盤でのボール奪取で堅心以上の存在感を示した将輝。ボランチの前とか後ろとか関係なく2人にはBOX to BOXでの全ての仕事で目立ってほしい。アカデミー出身4年目と2年目で組むダブルボランチなんて夢がありすぎて心の底からワクワクするわけだけど、だからこそもっと強くもっと結果を掴みたい。


この試合でうまく進めたと思うのはリードした後に攻勢を緩めなかったこと。相手の圧がさらに強まる状況で逃げずに押し返したこと。3試合通じてとにかく蹴るなという印象は間違いなくあるわけだけど、この攻勢を続けた時間帯に確実に相手のプレッシャーラインは高くなった。たった1本だけど、そこでハマタローが蹴らずに踏みとどまり相手の前線2枚の間を通して堅心にパスをつけたシーンがあった。これで完全に盤面はひっくり返り藤枝の選手は背走せざるを得なくなり、さらにそこに堅心から香川へ素晴らしい裏のパスが出され最終的にCKを獲得した。その直後に将輝がハマタローに向けて大きなアクションで拍手を送っていた。この一連の流れを見て、チームとして決して蹴りたいわけじゃないんだなというのは感じた。ただおそらくそこを徹底する、そこに固執するようなサッカーがしたいわけでもないんだろうなというのも感じるわけで、本当に謎解きのようだ。謎は解けなきゃイライラするかもしれないけど、勝ち点を積み重ねながらの難解な謎解きなら大歓迎だ。



新太の離脱が長期化しなくて本当に良かった。新太も1トップが適性ポジションではないと思うけど、そんなことは意にも介さず献身的に動いてくれた。投入早々わずか1分くらいで2本シュートを放ってしまうところこそ新太の魅力。新太が引っ張るこのチームをもっともっと押し上げたい。





藤枝で一番見たかった浅倉廉。静岡学園時代に選手権で見てからずっと注目していた。コロナがあったりで結局拓殖大時代は一度も見られなかったけど、やはりちゃんとプロになった。当り前かもしれないけど、静学の頃よりドリブラー色は薄まっていたけど、狭い局面でも何とか仕事をしようとするその姿勢は相手としてはとても嫌だった。



1週間で2度目の元チームメートとの再会となった小酒井新大。藤枝の24永田貫太とは中京大の同期。昨シーズンの中京大の9番が永田貫太で10番が小酒井新大(ちなみに11番は有働夢叶)だった。昨年の5月に小酒井&有働が見たくて初めて東海学生リーグを観に愛知県まで足を運んだ。残念ながら2人とも不在だったんだけど、その試合で眩いばかりの光を放っていたのが永田。縦突破から鋭い切り返しで相手DFを振り切ると右足一閃。ものすごい勢いでサイドネットに突き刺さると隣で見ていた興國の高校生たちも感嘆の声をもらしていたくらい。昨日の試合でも縦突破で危ないシーンを作られて本当に肝を冷やした。ヒョンウはもちろん、熊本が獲得した古長谷千博(常葉大)、藤井皓也(中京大)、富山の碓井聖生(中京大)と東海学生リーグからのプロ入りが急増していて目が離せない。



野嶽が挨拶しているのは梶川かな。ちょっと接点が見つけられなかったけど。



香川が挨拶しているのは養父コーチかな。ここは長崎繋がりだろうね。



ハーフタイムのトークショーに出てきた鈴木惇。たった1年の在籍だったけど惇もインパクトを残した選手だったよね。昨シーズンで引退したみたいだけど、惇こそ賢そうだし第二の人生は何をやっても成功しそうだ。



大分の試合で藤枝に来るのはJ3だった2016年以来だけど、ここはSBSカップで何度も来ている大好きなスタジアム。遂にバックスタンドも完成してさらに素晴らしいスタジアムになった。入場者数が26百人と発表されて耳を疑ったけど、もっと入ってたと思うんだよな。どこかのゲートから入場した分のカウント忘れたりしてないかな。藤枝が「蹴球都市」たる所以は今のところはMYFCではなく、藤枝東であったり、藤枝明誠であったり、藤枝純心であったり、全国自治体サッカー選手権7連覇中の藤枝市役所サッカー部だったりだと思うんだよ。スタジアムの改修を機にスタグルも充実したし、クラブとしてはここをきっかけとして奪われるだけの立ち位置から脱したいと思っているはず。ポテンシャルはきっとあると思う。



大分ゴール裏側の山。いかにも杉っぽいし天気も良かったしかなりの花粉を覚悟していったけど、この日は結局ほぼ症状は出ず。快適な観戦だった。来週の清水も天気良さそうだし、今度こそやられるかもな。





試合後は西川幸之介が宣伝していた助宗食堂へ行ってみた。名物のミラカン(あんかけスパゲッティのこと)をいただいたけどめちゃくちゃ美味くて一瞬で平らげてしまった。藤枝東のすぐ近くで西川くんを始め多くの藤枝東サッカー部員のフィジカルを作ってくれたのはここの一皿なんだろうなと有難くいただきました。お会計を済ませて西川くんがサインを書いたグローブの写真を撮っていたらお店の人から「大分の方ですか?」と聞かれて話をしていると、何と大分サポーターからはお代をもらわないように西川くんから言われていると支払った代金を戻されてしまった。そんなつもりで行ったわけじゃないので何か申し訳なかったけど、この払えなかったお代は西川グッズを買うしかないので今シーズンはGKユニの発売を強く希望したい。この代金は西川幸之介のために使いたい!!

お店の方とすごく良い関係だなと思ったんだけど、グローブに書いたサインの食堂の「堂」の字が間違ってるらしくお店の方にいじられてて西川くんにすごく親近感がわいてしまった。あんなに賢そうなのに!
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 深刻な得点力不足(ルヴァン... | トップ | 完敗(4節清水戦) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マッチレポート24'」カテゴリの最新記事