Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

最終節に自力でJFL残留を掴み取る

2021-12-05 20:21:46 | 東京武蔵野ユナイテッドFC



今日はJFL最終節の観戦に滋賀県は甲賀市水口スポーツの森へ出撃。近所の贔屓クラブであった武蔵野も自分の転勤により遠距離恋愛クラブとなってしまい今日は開幕戦以来今シーズン2度目の観戦だった。そしてその2度目の観戦がJFL残留をかける大事な一戦だったわけで、春に東京を離れてからずっと結果の出ないクラブを心配しつつもなかなか現地へは足を運べず、それでも何とか最終節に自力で残留出来るところまではこぎ着けてくれた。


結果は3−1の完勝で無事に来シーズンもJFLで戦うことが出来ることとなった。ずっと今シーズンのチームを見てきていなかったので、今日の試合だけで判断すると何でこんなに順位が低迷しているのか分からないくらいの完勝だった。絶対に残留するという強い気持ちから生み出される高いインテンシティでMIOに全くサッカーをさせずに主導権を握り続けた。MIOのファーストアタックでポロっと先制されてしまった時は少し焦ったけど、その後はプレッシャーをかければ必ずボールが奪えるという状態で同点、逆転は時間の問題だった。こんな内容がもっと早く出来ていればとも思うけど、それは今言っても詮なきことなんでしょう。







同点、逆転のゴールを決めた澤野。特に同点となったドリブルからのミドルシュートはちょっとJFLではお目にかかれないレベルのスーペルゴラッソだった。ハーフタイムには当然のことながらサブの選手から「ハットな、ハット」と声がかかっていましたが前線からよく走って後半途中でお役御免。





キャプテンマークを付けた鈴木裕也がものすごく頼もしい選手に成長していた。今日は前線からのプレッシングで何回ボール奪取をしたことだろうか。




ガラ空きのゴールへのロングシュートが惜しかった石原さん。










やっと見られた武蔵野のマッシモ・ミズト。









しかし本当に残留出来て良かった。今シーズンは合併初年度でクラブとしても色々と変化があった年だと思う。そのタイミングでいきなり地域リーグ落ちしちゃったら再浮上のきっかけを掴むのは至難の業だったと思う。半径150km以内に全くクラブのないJ2とは違って、三重、鈴鹿、MIO、枚方、FC大阪、奈良(刈谷、伊勢も近い)とご近所さんだらけなので来シーズンはもうちょっと観に行きたい。



試合前には選手権に出場する草津東の壮行会も行われた。早い時間にはサポーターよりも多いんじゃないかと思うくらいの父兄がズラッと並んで大会活動費の募金を強要(表現には注意しよう)してくるので、うっかり500円入れてしまった。まあ、これで草津東の選手権優勝は間違いないでしょう。


今日でJ2、J3の全日程も終了したわけだけど、J3ではテゲバジャーロ宮崎が最後の最後までかき回しまくった。ただよく思い返してみるとたったの1年前、その宮崎よりも強かったのがヴェルスパ大分。そして昨シーズンの躍進がフロックでないことを証明するかのように今シーズンもリーグ戦は3位でフィニッシュ、そしてアマチュア代表枠で出場した天皇杯もベスト16に進出とその強さは本物だ。去年の今頃も言ったけど、Jリーグに上がることが全てではない。優勝したヴェルスパよりも宮崎に光が当たることがおかしいと思うし、もっとヴェルスパは脚光を浴びていいチームだ。武蔵野を追いかけているだけでもJFLがどれほど厳しいリーグかということは本当によく分かる。それを力強く勝ち抜いているヴェルスパは本当に素晴らしいと思う。今後ヴェルスパがどこを目指していくのか、トリニータとのすみ分けはどうしていくのかとかよく分からないけど、ずっとサッカーが魅力的なクラブであってほしいと願っている。
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クラブを取り巻く空気は変わったか

2019-11-03 01:57:55 | 東京武蔵野ユナイテッドFC




先週の青森遠征に引き続き武蔵野のホーム戦に参戦。先週も書いた通り、残り1ヶ月で成績面と動員面と二兎を追うことを求められている武蔵野。ラグビーW杯の関係もあり3ヶ月半ぶりにホーム・ムサリクに戻ってきた。結果は果たしてどうだったのか。試合は1点のビハインドからATに金井洵樹の直接FKが決まり劇的にドローに持ち込んだ。対戦相手のホンダロックがラインを挟んだ真下のクラブであることを考えると悪くない結果。そして動員は3,828人でクラブ最多記録を更新と確実に変わりつつあるものの残り3試合で平均5,000人という目標からするとまた少し累積赤字を積み残してしまった。ただ子ども連れを中心に1試合5,000人はムサリクでもやれないことはなさそうだったし、何よりお客さんがたくさん入った方が圧倒的に雰囲気が良い。同点ゴールが決まる直前はスタンド全体から自然発生的に拍手がわき起こり、決まりそうな予感のする雰囲気だったことは間違いない。残り2試合何とか盛り上げていきたい。



同点ゴールのシーンは位置的に誰も触れなくてもそのまま入ってしまう軌道の速いボールがほしいと思っていたけど、それをまさに完璧に表現した金井選手はパーフェクトだった。
















前半は我慢して後半から石原、田口を投入して勝負をかけるという試合運びが定着しつつある。そしてそれは確実に期待感を抱かせるもの。





お客さんがたくさん入っただけにこの同点ゴールの持つ意味合いは本当に大きい。









ホンダロックは安藤翼(大分県出身・セレッソの安藤瑞季の兄)と伊勢渉の駒大ルーキーコンビの存在感が抜群。ロックの先制点は何気ないロングボールからだったけど、安藤が素早くラインブレイクをしてパーフェクトなボールコントロールをされた時点で決まっていた。




伊勢渉は大学時代から気になる選手でロックに加入していたことを知らなかったので、今日メンバー表を見てびっくり。大学時代は星キョーワァン(来季横浜FC内定)とのCBコンビで駒大のゴールに鍵をかけていて、本当に存在感があった。今日も武蔵野の数少ない攻撃パターンであるロングスローをことごとくはね返してた。大学時代に見ていた選手たちをこういう舞台で見られることは嬉しい。


来週はホーム2連戦の2試合目・テゲバジャーロ宮崎戦。当面のライバル的存在だったけど、ここ数試合で失速。明日のソニー仙台戦で勝ち点を落としてくれれば実質脱落するのでそれほど心配する相手ではない。それよりもやはり大事になってくるのは動員。天気が崩れてしまえば致命的なダメージを食らうだろうし、本当に最後まで心配。残り1ヶ月どんな結末を迎えることやら。
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Jリーグ史上最も盛り上がらないJ3参入を追いかけて

2019-10-29 23:48:02 | 東京武蔵野ユナイテッドFC
最近平日がとても忙しくスパーズのCLもPLも観ていなければ、天皇杯神戸戦もまだ観ていない。にも関わらず日曜日は青森まで遠征に行ってきた。



目的は東京武蔵野シティFCのアウェイゲーム・ラインメール青森戦。


ブログ名にトリニータの名前まで入れている自分がなぜそんな試合を観に行ったかということを少し整理。

大分トリニータ → 心のクラブ

トッテナム・ホットスパー → 海の向こうのクラブ

東京武蔵野シティFC → 体のクラブ

大分トリニータがこれまでもこれからも心のクラブであることはずっと変わらないんだけど、一方でそのクラブが1,000kmも離れた場所にあることも動かしがたい事実。アウェイゲーム中心に参戦してても先日の浦和戦のようにたまにとんでもなく素晴らしい試合に出会えることがあるけど、毎試合ホームゲームに通える喜びと比較したら小さなもんだ。贔屓のクラブを追いかける楽しみってやっぱり日常にあってほしいし、現在の自分の生活からそれを大分トリニータに求めることは出来ない。そんなことを感じるようになった2年ほど前に引っ越しをした。引っ越した先にはJFLを主戦場とするフットボールクラブがあり、それに飛びつかない手はなかった。自宅を出て左に曲がれば練習グラウンドがあり、毎週のようにアカデミーの試合が観られる。U−18は東京都1部、U−15は関東2部とレベルも高いため面白い試合ばかり。自宅を出て右に曲がればホームスタジアムがあり行ける時は必ず足を運んでいる。息子はクラブのスクールに通い、「フットボールクラブが日常にある生活」を心の底から満喫させてもらっている。


大分トリニータを追いかけた約20年でクラブの浮き沈みは嫌というほど味わってきたので、武蔵野にはJ参入を目指さないJFLの門番クラブであり続けてくれていいと思っていた。しかしクラブはJ参入を目指しチーム名も変更。ただ現在のホームスタジアムであるムサリクをご存知の方であればよく分かると思うけど、Jを目指せるクラブの施設ではないし、J参入は現実的な目標ではないよなと勝手に思っていた。しかし先月何と条件付きではあるものの武蔵野にJ3ライセンスが交付された。


武蔵野への交付があるまで自分も知らなかったんだけど、今年から施設基準の例外規定というものが作られていて、J参入してからでいいからスタジアムを何とかしなさいよという猶予規定があり記念すべきその適用第1号が武蔵野だったというわけだ。歴は浅いもののあえて「当事者」と言わせてもらうけど、これには「当事者」でもかなり驚いた。







さてどうするよということでまずは初めてのアウェイゲームに参戦してきたという経緯。実は武蔵野のアウェイゲーム初参戦は6月のヴェルスパ戦とトリニータの浦和戦のハシゴで予定していたんだけど、浦和の日程変更により流れていた。さらに今月の3連休の初日にHonda戦を予定するも台風襲来による日程変更でこれまたお流れ。そしてやっとやっと先週無事に参戦することが出来たというわけだ。









試合は後半開始早々に奪った先制ゴールを最後まで守り抜きアウェイで貴重な勝ち点3を掴んだ。将来的に武蔵野がどんなクラブになっていくかということはいったん置いておき、2020シーズンにJ3に参入するために武蔵野がクリアするべきハードルは2つある。その1つ目が「リーグ戦4位以内」という成績面でのハードル。9月下旬にライセンス交付が発表される直前にソニー仙台、今治と続く上位連戦にいずれも完敗し順位を6位まで落としていて実力的にはまだまだかなという感じがあった。しかしライセンス交付が発表されるとそこからアウェイ3連戦で3連勝と見違えるように強くなった。その中にはJFLの絶対王者HondaFCとのアウェイゲームも含まれていてこの勢いはホンモノかもしれない。武蔵野と同じ百年構想クラブでJ参入を目指す今治が逆にライセンス交付と時期を同じくして急降下を始めているので、成績面ではもしかするといけるかもしれないという雰囲気はあったし、青森の現場でもその感触は確かに感じた。

一方でもう一つのハードルである「1試合平均2,000人」という動員面での数値がこれまでの累積赤字もありもう絶望的なくらいに追い込まれている。武蔵野の平均動員はいいとこ1,000人程度だ。それを残り3試合で15,000人動員しなければならず、非常に厳しい。そもそもいつものマッチデーのオペレーションでは5,000人も来場したら混乱するのは目に見えていて、クラブがどう考えているのかは知りたいところだ。ちなみに小学校やスクールには動員のビラが配られていてやれることはやっているようだけども。。


ちなみにこの日の対戦相手だったラインメール青森も武蔵野と同様に百年構想クラブとしてJ参入を目指している。青森は来年から新スタジアムのメドが付いているため勝負は来年という構想が明白だ。この日の試合も含めて2試合で24,000人は武蔵野の比にならないくらい不可能な数字だ。ただこれからJに参入しようというクラブにとって最大のハードルはスタジアムだと思うからそこがクリアされている青森の未来はなかなか明るいのではないかと思う。そういう意味では今季大型補強した割には成績がついてこず中途半端な順位で終わろうとしているのは戦略的に甘いと言わざるを得ない。




ラインメール青森といえば昂洋。もう完全な主力。CBは30歳からがピーク。いつの日か昂洋が大分に戻ってくる日を心待ちにしている。



ということで今週末早速ホームゲームがやってくる。クラブがどうしてくるのか楽しみにしつつ、スタジアムに足を運ぼうと思う。


武蔵野市のポテンシャルを調べてみた。人口14万人、面積11㎢と自治体としては小さい部類に入る。ただ近隣自治体の人口は多いため人気さえ出ればポテンシャルは十分にあると思うが、とにかく土地がない。もし新しいスタジアムを作るとしてそんな土地が果たしてあるのかという問題が一番大きいように思う。武蔵野市の地図を見ると大きな土地は武蔵境駅の近くにある境浄水場くらいなもの。浄水場も都の持ち物らしいためそこを使えるのかもよく分からない。そんな難しい状況ではあるものの最もやってほしくないことは武蔵野市の外のスタジアムをホームスタジアムとすること。それなら小平や稲城のクラブと変わらないし、そんなダサいことはしてほしくない。難しいことは百も承知だけど、クラブ名に「武蔵野」を入れていることにこだわりを持ってほしい。

人口も少ない、土地も狭い一方で都心とは言えない場所でありながら著名企業は多数ある。武蔵野市に本社を構える上場企業はけっこうあって武蔵野の親会社である横河電機、すかいらーく、松屋フーズ、大戸屋、さらに上場企業ではないもののモンテローザの本社も武蔵野市にある。何だか外食産業ばかりだけど、これだけあればつまりは法人税収入はけっこうあるんじゃないかと推測出来る。これもポテンシャルの一つだと思う。ま、あくまでも全て可能性の話ではあるけどもね。


大分トリニータで武蔵野にゆかりがある人といえば筆頭は三竿雄斗。ジュニアユースまで武蔵野に所属し出身の小学校も近所だ。それと安田コーチも短期間ではあるものの武蔵野で指導経験があり、さらに近所の成蹊大学のご出身であるということも最近ひょんなことから知った。


ということで取り留めなくなってきたのでこの辺で締めようと思う。これまで長くJリーグを見てきたけれどもこんなにも盛り上がりを見せないJ参入はなかったんじゃないかというくらいにひっそりと物事が進んでいる。もちろん今週末のホームゲームでずっこけたくなるような動員数であっさりとJ参入を諦めざるを得ない状況になるかもしれないし、応援はするけどもその辺りは客観的に見守っていこうと思う。一方で自分はこれまで贔屓のクラブに親会社というものがなかったので、そういう面での力を肌で感じてくることはなかった。そんな面を見てみたいという思いも少なからずあるし、実際にその片鱗はちょこちょこと見てきた。


それと最後に現在JFLを主戦場とするクラブを応援する身として「J3昇格」という言葉は使わないようにしようと思っている。そもそもJFLを頂点として地域リーグへと繋がっていくピラミッドはJリーグとは別のピラミッドであり、JFLからJ3へは「昇格」ではなく横スライドつまり「参入」だ。このJリーグ史上最も盛り上がらないJ3参入の物語がこの後どうなっていくのかをそばで見守りたいと思う。どんな方向に進もうと「そばで」見守っていくことが重要だと思っている。
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