Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

左サイド問題(13節川崎戦)

2019-05-26 22:40:36 | マッチレポート19'
悪くはなかったけど、今のうちが川崎を逆転出来るほどの力があるとは思えないから先制点を決められた時点でもう難しかったんだよね。それくらいに大事だった先制点をこの日初の被シュートでサイドバックに決められてしまったのは非常に痛かった。この点は最後に。ただ正直に言うと、シーズン前にイメージしてたJ1ってこういう世界だったよ。必死に食らいついてけっこうやれると思わせておいて力技でドーンと決められて、気が付いたら手元に勝ち点は1つも残ってないっていう。ただ13節までそんな試合がなかったわけで、ましてやまだ複数失点をしていない。十分によくやっていると思う。


今日の試合のポイントはまず庄司の左CB起用。ルヴァンカップのホーム神戸戦でウェリントン相手によく戦っていたし、その点を評価されて対レアンドロ・ダミアン対策での起用かなと思ってた。結果としてよくやってたと思うし、ノリさんと連携してレアンドロ・ダミアンには決定的な仕事はさせなかった。ルヴァン神戸戦でも思ったけど、やはり庄司はスタンダードなCBとしての基礎能力、例えば競るとか、寄せるとか、パスコースを読むとかそういう部分の能力は本当に高いと思う。大分の場合はそれにプラスしてパスを出す能力も求められるから難しい。今日も逆足ということもあって、組み立ての部分での貢献はないに等しかったけど、その部分はこれからで全く問題ない。庄司には改めて提案したい、「ACL狙えるクラブで勝負してみないか?」


試合自体は固い入りとなったけど、徐々に特定の人間のみがボールをロストすることが分かり始めた。それがジェジエウなわけだけど、中へのパスコースを切りながらプレッシャーをかけるとほぼ100%適当なフィードを前線に送り込みゴールラインを割っていた。ジェジエウはカバーリングのスピードとか、スペースを埋める動きとかは驚異的なものがあるけど、パスの能力に関しては多分並以下。選手たちもピッチ上で気付いてたと思うからもっと露骨に狙っていけばよかったと思うんだけど、奪いどころも何となくボンヤリしてた。先制点を奪われてからは川崎も少しゲームをコントロールしているようなところがあったからジェジエウも余裕が出来てたけど、スコアが動く前にもっと徹底したい部分だった。


この1ヶ月で突如として左サイドが混乱し始め、何だかずっとザワザワしてる印象だ。でもこの「左サイド問題」って紐解いていくと、全て片野坂さんが悪いんだよ。決して問題というほどでもなかった部分に勝手にメスを入れて混乱に陥れた片野坂さんの責任は重いよ。

1)フクへの不満の表明
そもそもは全てはここから始まる。4月の大阪2連戦でいずれもドローに終わったことでフクの攻撃への関与に物足りなさがあるといった主旨のコメントを残し、実際に次の鳥栖戦からは奎汰が起用されることとなった。しかし振り返ってみると、セレッソ戦が終わった9節終了時点で5勝2敗2分で失点はわずかに6だ。「18位からのスタートだ」と言っておきながらこの成績でケチをつけられたらDFはたまらない。そもそもフクの出来自体にも大きな問題はなかったはずだ。

2)奎汰のパフォーマンス
フクに代わって起用された奎汰自身のパフォーマンスは片野坂さんが攻撃力に期待して奎汰を起用したい気持ちも分かるレベルだった。ただそれもルーキーとして相手に情報がなく、ノビノビとやれている間まではだった。清水戦で狙い所としてロックオンされるとたちまち不安定さが露呈した。そして前節に引き続き起用(左CB→左WBに変更)された奎汰は「ぼーっとしてたのかな?」と思ってしまうくらいにマギーニョを見失い追いかけ始めた時にはもう4歩も5歩も先で、競ることすら許されずに決勝点を献上してしまった。高木が触れていただけに少しでも奎汰が競れていればかき出せたのではとどうしても思ってしまう。正直に言って清水戦があっての、この川崎戦なので、現時点ではまだJ1レベルではないかなと思っている。ただ高卒ルーキーだしそれでもやむを得ないとも同時に思ってる。

3)片野坂さんの胆力のなさ
今日はこの点に心の底からガッカリした。前節は確かに酷い内容ではあったものの、前半途中で交代させ、会見でもバッサリと斬った。プロの世界だし、それは仕方がないとは思う。それでもわずか1週間後のリーグ戦で他にも先発に値する選手たちを差し置いて先発させたわけだ。そこには大きな意味があるはずだ。にも関わらず、失点シーンと高木へ返したボールが直接ラインを割った時に見せた苦虫をかみつぶしたような表情には本当にガッカリした。そんな胆力のなさで今日奎汰を起用したのかと。もし奎汰のこのパフォーマンスが予見出来なかったのであればそれは指導者としてのレベルが低いし、奎汰の成長のために何があっても90分使い通すという胆力すら持たずに続けて先発で使ったのであればモチベーターとしての能力を疑う。

ちょっと片野坂さんには辛辣に書いたけど、結局こうやって見ると、全て片野坂さんの独り相撲なんだよ。本来であればフク、奎汰、高山、三竿、星と左サイドの人材は豊富なはずなのに片野坂さんの中途半端な起用のせいで、何もないところで勝手に火事が起きちゃっているようだよ。誰も悪くなかったはずなのに起用方針がブレまくってるからそれに引っ張られるように高山も三竿もいまいちキレが良くないように見えてしまう。そもそも攻撃力に問題を感じるくらいなら、今日は高山か三竿のどちらかをベンチから外してもう1枚アタッカーを入れた方がいいでしょうよ。左サイドの選手を2人入れている時点で奎汰のことを信用していないんだよ。この混乱を引き起こした責任は重いよ。まずは最初に戻すこと。左CBフク、左WB高山(or星)で何の問題があったのか。


片野坂さんは本当に素晴らしい仕事をしてくれてると思うけど、奎汰がミスをした直後のあの表情には本当にイラッときた。アレは自分の不甲斐なさに向けたものだと信じたい。とにかく一刻も早く「左サイド問題」の収束を図ってくださいよ。
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乗り越えられなかった壁(ルヴァンカップGS6節セレッソ戦)

2019-05-23 22:40:30 | マッチレポート19'
結論から言うとリーグ戦でソウザを使わずに勝ち点を落としたロティーナ監督はやっぱり大したことないってことなんじゃないかな。少なくともオレは知ってたよ、ソウザがすげーことくらい。





ということで今年度初の半休をぶちかまして平日大阪遠征行ってきましたよ。確かにソウザのゴールはどちらもすごかった。でも勝てない相手だったかと言えば、そうではなかったことは選手たちも感じていたはず。ここまでルヴァンカップでは見事なまでにホームとアウェイでの内容に差があった。だからこの最後のアウェイゲームで勝つことでプレーオフステージに進むべきチームなのかどうかが試されていると思っていたし、実際にそういうシチュエーションになった。現地で感じた感想はざっくり言うと「残念」の一言に尽きる。久しぶりに試合後に拍手をする気にならなかったし、実際にしなかった。


何よりも残念だったのは片野坂さんが「J2に落ちるよ」とまで言った直後の試合がこれかということ。特にリーグ戦で出場機会を掴めていない選手からすればここで負ければ今シーズンが終了しかねない状況で、危機感なんてこれ以上ないくらいに高まっていたはず。それでこれなのかという気持ちは90分通して拭い切れなかった。ほんの4日前に監督にあれだけのゲキを飛ばされて何でこんなにユルく試合に入っているのか全く理解出来なかった。藤本の試合後のtwitterでの発信内容も含めていまチームはそこまでいい状態ではないように感じる。この敗戦、およびカップ戦敗退がいいクスリになってくれればいいけど。



確かに運もなかったなとは思う。ごっちゃん、さんぺー、伊藤の前線の組合せは期待感があったけど、それがわずか10分でダメになってしまったわけだからね。さらに藤本のカップ戦帯同、そして途中投入は片野坂さんの何としても突破するという強い気持ちの表れだったと思うけど、投入して即2点差にされてしまった時点でスペースが欲しい藤本に輝ける場所は残っていなかった。そういったことが重なって勝つことは難しかったかなと試合が終わって振り返ればそう思うけど、大事なのはそうならないように試合を運ぶことだったんじゃないかとやはり思ってしまう。


チームがこんな状態になってしまっているからこそ馬場ちゃんを使ってほしかった。少なくとも遠征メンバーには入れてほしかった。残念だけど、この敗退で馬場ちゃんと成豪の夏の移籍については覚悟を決めたよ。「J1で出場機会ないならうち来てよ」なんてクラブはいくらでもあるでしょ。


ただこれくらいの敗戦は本来であれば想定内だったのかもしれない。「だった」という過去形にしたのは開幕からの快進撃で今ではサポーターとしてのは目線はすっかり上がってしまったからね。せっかく上げてくれた目線をわざわざ下げる必要はないと思うから、なおさらに残念だという思いになる。






繰り返しになるけど、この試合から光明を見出すとすれば、これがチームにとっていいきっかけとなることくらいか。それくらいに感じるものの少ない試合だった。
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J2っぽかった(12節清水戦)

2019-05-18 19:01:48 | マッチレポート19'
緩く入った代償を最後まで取り返せなかった去年、一昨年とよく見た試合だった。J1でそれをやれてることを成長と見るか、相手が最下位だったことを考えると不甲斐ない試合だったと見るかの評価が分かれそうな試合。自分でもどっちなのか評価しづらい。


まずはこの試合の最大のポイントとなったのは奎汰。序盤から細かいミスを連発して全く試合に入れていなかった。清水の前線の選手の体の向きを見ると奎汰側に誘導しようという意図も見えたし、狙われていたかもしれない。交代の決定的なミスとなったパス自体はチーム全体がそういうリスク込みでやってるスタイルだから仕方がないと思う。でも片野坂さんにしては珍しく懲罰的に即交代となったのは、奎汰から改善しそうな雰囲気が感じ取れなかったからじゃないかと思ってる。何度も言ってるけど、ミスしてナンボ。ミスした?PK与えた?「だからどうした」くらいで構えていればいいんだ。今日の奎汰はキックオフからPK献上までその強さが微塵も見えなかった。だからあのパスミスも必然だと思うし、懲罰気味の交代も納得。少し過大評価されていたところもあったと思うから、奎汰に大事なのはこれからこれを取り返す力強さを見せていくことだ。フクも通ってきた道だ、強くなれ。ただ交代で入った三竿の出来も決して良くなかったし、水曜日にビッグマッチでスタメンで出場するであろうフクを含めて左CBのポジション争いが一気に混沌としてきた。個人的にはフクに一番期待してる。


名前がソン・フンミンっぽいヤン・ヨンソン監督を解任して篠田体制初戦となった清水。明確な大分対策を敷いてきたわけでもなく、解任ブーストをフル活用して突撃してくるでもなく、極めて普通のチームだった。ただそれでも終盤に「アウェイで勝ち点1ならOK」っぽい布陣に変えてきたと思わせておいて、最後までボールを取りに前に出てきたのは意外だった。大分と対戦してスコアを維持したいと考えたチームの大半は終盤は完全に引きこもることが多いのに、前に出てきてうちからしたら少しのやりにくさを感じさせてきたのはほんのわずかの解任ブーストだったのかな、くらいしか感想のない極めて普通のチームだった。


前半はなぜあんなにフンワリとしていたのかは考えても仕方がないので、いったん置いておく。後半キックオフからギアを上げた瞬間に同点に追いつけるのが今のこのチームの強さだからそれを見られたのはとても良かった。ビハインドになると何も出来ないという「型ハメチーム」かもしれないという疑念は心の片隅にずっと残っていたから、少しでもその疑念を払ってくれたのは良かった。フンワリ入ること自体がダメなんだけど、そこから最低限のところまで取り返せたのはチーム全体(監督、コーチ陣含む)としての成長と見ていいんじゃないだろうか。長いシーズン色んな試合があると思うから、柔軟に対応出来るようにしておきたい。でもフンワリはダメだ。それだけはダメ。


清水も含めてここが降格枠を埋めてくれそうだというところがまだ見えてこないことが不安なわけだけど、さすがにここからの川崎−東京−名古屋の3連戦で3分けもしくは1勝2敗以上の勝ち点が取れれば「目標は残留」の看板は下ろしていいと思う。清水はサポーターの応援が全てのクラブの中で一番好きなクラブ。だから6年ぶりに日本平に行くのが今から楽しみだけど、その時にはお互いがどうなっているか。今は積めるだけ勝ち点を積んでいこう。
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「自力」を残した意味(ルヴァンカップGS5節神戸戦)

2019-05-14 23:31:23 | マッチレポート19'
リーグ戦の湘南戦と順番が逆になってしまったけど、一応当日中に録画で観たので記録として記事を残しておこうと思う。


リーグ戦から大きくメンバーが変わってもホームではここまでいい試合を続けてきたので、この結果は想定内なんだけど、個人的にカップ戦が大好きで、かつチームの好調を維持していくためにはグループステージの突破が絶対に必要だと思っていたので、この勝ち点3はとてもつもなくデカい。神戸の状況がどうとかそんなこと知ったこっちゃない。


高松先生も絶賛してたけど、この試合では庄司が良かったと思う。ここまでもスケール感を感じさせてくれるプレーをちょこちょこと見せてはいたけど、どちらかと言うと大分のサッカーに対して考えすぎて自分の良さを自らしまいこんでいるような印象を受けていた。ウェリントンという問答無用の「個」が相手だっただけに小難しいこと考えてる場合じゃなかったっていうことがあったかもしれないけど、思い切りの良さが感じられて、改めて良いCBに育つ素養を感じた試合だった。岡野にも言えることだけど、パス回しがぎこちないとか、冷静に周りを見渡せないとか、そういう部分はぶっちゃけ今の段階ではどうでもいいと思ってる。ノリさんだって、フクだって、智輝だって、高木だってみんな最初は下手くそだったし、どこかで自信が付けば「ミスをしなくなる」んじゃなくて、「ミスが恐くなくなる」んだと思う。その境地に達するまでチャレンジを続けていけばいいだけだ。庄司も岡野も正統派CBとして素晴らしい素材であることは疑いようがない。このまま片野坂さんの下で研鑽を積めば間違いなくワンランク上のCBになれるはずだ。大分トリニータはJ1で3位のACL圏内のクラブだ。庄司の保有権を持っているクラブも、岡野の保有権を持っているクラブも、どっちもずっと順位が下のクラブだ。だからこれから我々がやろうとしていることは「借りパク」ではなく、「ステップアップ」なんだ。(←これが言いたかった!) 庄司、岡野、どうよ?


冗談はさておきその素晴らしかった庄司がグループステージ突破がかかった死ぬほど重要な最終節に出られないのはチームにとっても、庄司にとっても痛い。アウェイに乗り込んでいって勝たなきゃならない試合を経験出来ることって選手にとっても本当に大事なことだから、グループステージ突破は庄司と一緒に勝ち取りたかった。


この試合でデビュー以来最も高い質のパフォーマンスを見せた長谷川が何と中3日でリーグ戦フル出場デビュー。今までで最もいいプレーだったとは思ったけど、この時点ではまさかたったの中3日でリーグ戦デビューするなんて夢にも思わなかったよね。ここ最近出場機会が得られていない馬場と成豪がちょっと心配なんだけど、何が起こるか分からないから信じてトレーニングを頑張ってほしい。あと奎汰のクロスバー直撃のランニングボレーは決まっていればゴールオブザシーズン確定だったかもしれないね。


あと1週間で運命のグループステージ最終節。ここまでホームとアウェイでのパフォーマンスに明確に差が出ているから、このアウェイでの最終節にグループステージ突破がかかるのは、それに見合うだけのチームなのかどうかを試されているようで絶好の機会となったと思うんだよ。ここで引き分けて「他力」待ちなんて結果じゃ相応しいチームではない、そう思う。神戸戦を逆転で勝ち切った最大の意味は最終節に「自力」を残したことだ。川崎−東京−名古屋の3連戦がヤマ場と思われているかもしれないけど、その前にも大きなヤマ場がやってくる。最終節がマジで楽しみだ。
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我が軍の圧勝(11節湘南戦)

2019-05-13 00:11:32 | マッチレポート19'
非の打ち所のない圧勝だったわけで、ついでに3位キープなわけだけど、目標は残留。どうも大分です。



冗談はさておき外務大臣殿は早くこのスタジアム何とかしてちょーだいよ。見てよ、この遠さと低さ。目の前のゴールですら遠いんだから、向こうのゴール前で起きてることなんてももはや隣のピッチの試合を観てる感覚だよ。今週の水曜日に秩父宮ラグビー場にルヴァンカップ観に行ったんだけど、その時お隣の神宮球場から聞こえてきたヤクルトの応援の大きさと今日の湘南サポーターの応援の大きさ同じくらいだったよ。それくらい遠いよ。それでもって吹田のチケット代より高いとかもうギャグとしか思えないよ。

向こうの方で何か起こる。でもよく分からないから「ポカーン」。
   ↓
振り返ってヴィジョンでリプレイを観る。高木のビッグセーブだと分かり「おぉぉ!!」
   ↓
何これ、パブリックビューイング?


そんな臨場感のないスタジアムで観ていたので、正直細かい戦術とかその辺りは分からなかったけど、湘南がいつも通りだったなという印象くらいは残った。つまり大分対策を練ってこなかったチームからはきっちりと勝ち点3が取れるという今季のうちのパターンそのまんまだったという試合。でもそれでやり方を変えるチョウさんではないと思うので、9月にやる時もどうぞそのままで。大分対策を立ててきたチームは藤本のことはきっちりと抑え込むけど、かなりの確率で勝ち点2を犠牲にする。段々と今季のJ1のアウトラインが見えてきたような気がする。それでも残留が目標であることに変わりはないけど。





あれだけ裏にスペースをくれたら今の藤本なら必ず仕留める。しばらくゴールがなかったけど、上にも書いたとおりそれはもうチーム戦術みたいなもんだからこういう展開になった時にきっちり決めてくれればそれでいいと思ってる。本当に頼もしいエースストライカー。

その藤本を上回る存在感を見せたのが阿道。前半から高さ、球際で圧倒してあの強烈ヘッダーが決まっていれば阿道にとってパーフェクトなゲームだったと思う。とにかく足が止まらない様子にコンディションの良さを感じるし、ゴール数も増えてきてストライカーとして好循環に入ってきているから今後がますます楽しみ。後ろから飛び込んできてDFの上から強く叩くああいうヘッダー本当に好きだからもっともっと見たいぞ。





待機列でスタメンを見た時には正直に言ってネガティブな印象しか持てなかった。前田不帯同がまず驚きだったし、マルちゃん、コテ、ティティパンを抑えて長谷川のスタメンについては「片野坂さん、調子に乗り過ぎだろー」とまで思ってた。奎汰で成功したルーキーの起用に味をしめてちょっと調子乗り過ぎだろと。個人的にはルヴァンカップでの長谷川にもそこまでいい評価をしていなくて、確かにキックの精度は高いもののそれ以上が見えてこないなという印象でまだリーグ戦のスタメンは早いと思っていた。でも今日の90分はよくやれてた。リーグ屈指と言ってもいい早い寄せの湘南相手でも慌てることなくしっかりとさばけてたし、何本か鋭い縦方向のパスもあった。これを自信にして激戦のボランチ定位置争いに加わってきてほしい。しかしどんどん戦力の底上げがされていって恐いくらいだよ。







結果的には成功した長谷川の起用。それといつもより裏への長いパスを多用した戦術について最後の最後まで片野坂さんは迷っていたと思う。試合前のピッチ内アップの時に珍しく姿を見せて、引き上げる時も難しい表情で最後までピッチに視線を送っていた。その迷いはキックオフの笛が鳴ってからも続いていたと思われ、前半20分になる前にサブメンバー全員にアップの指示を出していたし、迷った上での決断だったんだろうね。





今日はあまり上がっていく場面はなかったけど(もはやゴールキーパーに対して書く文章ではない)、ハイボールやセーブでチームを救ってくれた。正直に告白すると、ワタクシ高木さんが大好きです、試合中も試合後も。







司のポスト直撃FKを見られた上で完封勝利を手にするという大分サポーター的にはもしかすると最高の結果だったかもしれないね、今日の試合は。負けたし、試合後に挨拶に来るのは無理かなと思いつつも司なら何となく来てくれるんじゃという気がしてしばらく待ってたら、試合後のクールダウンの流れで来てくれた。試合前日に正直な気持ちを表明してくれるのが嬉しいし、だからこそ負けたくなかった。司、頑張れ!





スタジアムは嫌いだけど、湘南ベルマーレというクラブ自体には非常に好感を抱いていて、特に補強方針にはチーム哲学がしっかりと反映されていて新加入選手が発表される度に「湘南らしいな」という感想を持つ。中でも台北組の松田天馬と坂圭祐には特に思い入れが強い。坂圭祐は関東大学リーグの中でも一番好きなCBだったし、高校時代も含めるともう何試合彼の試合を観たか分からないくらいだ。だからしっかりとレギュラーで頑張ってる姿を見ると嬉しくなる。失点シーンは裏を取られて、フィジカルでなぎ倒されて、完膚なきまでに藤本にやられたゴールだったから悔しかったと思うが、相手はJ1得点王だ。学ぶところはあったはず。



高山さんがいかに湘南で愛されていたのかが今日よく分かった。



何かいいなこの2人。島川さん、決勝アシストはタイミング、スピード、コースと全てがスーペルでした。



スタンドにいたユースOBたちと話をする吉坂コーチ。









平塚駅構内の時計。一応サッカーの街アピール。







スタジアムは嫌いだけど(しつこくて申し訳ないけど、嫌いなんだから仕方ない)、スタグルは素晴らしい湘南。サンクトガーレンのゴールデンエールはお店で飲んでも鉄板でうまいからね、これをホームゲームの度にスタジアムで飲める湘南サポーターはうらやましい。しらすと生のりのピザも美味しかった。


リーグ戦も3分の1を消化したわけだけど、まさかまさかの勝ち点23。いやマジで未だに信じられん。
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九州の誇り(10節鳥栖戦)

2019-05-05 10:01:07 | マッチレポート19'
24千人以上が入り大盛況となったゴールデンウィークの鳥栖との一戦(鳥栖サポーターさん、本当にありがとうございます!)に勝利し、再び我々が「九州の誇り」となった記念すべき日。栄枯盛衰、盛者必衰、紆余曲折、群雄割拠、ずっといい状態でいることが難しいことをJの中で最もよく知っているのは我々かもしれないけど、それでもまた再び「九州の誇り」となることが出来たことに本当に嬉しい思いがある。短期的な観点で見ても、残留争いのライバルからの勝利、大入りゲームでの勝利、藤本以外の得点パターンとこれをビッグゲームと言わずして何をビッグゲームと言うというくらいの大きな勝利だと思う。


阿道が完全にノって来た感がある。ゴール自体はややラッキーな面もあったかと思うけど、運動量の多さに調子の良さがうかがえる。前半から飛ばしすぎかなと思うくらいに相手のボールを追ってたけど、そのスプリントはアディショナルタイムまで衰えることはなかった。「調子の良い者のところにボールはこぼれる」を地でいく好調さだ。藤本が札幌戦で最後のゴールを決めてからこれで1ヶ月。ポッと出だと思っていた(思いたかった)他サポからすれば「藤本さえ抑えれば、大分なんて楽勝」が本音だったと思われる。その後の4試合でシャドーの阿道が3ゴール、小塚が1ゴールで2勝2分の負けなし。それぞれのゴールで藤本が黒子的なポジションで効いていることを考えると、対戦相手が本気で頭を悩ませるのはこれからだよ。


その小塚は大分移籍後初ゴール、自身のJ1初ゴールをまさかの頭で決めた。昨日は家族で新潟に出かけていてそのついでに小塚の母校である帝京長岡高校でプリンスリーグ北信越(帝京長岡−星稜)を観戦してきた。プリンスリーグ北信越は個人的に初観戦。プログラムは500円で関東の半額、ハーフタイムにはお菓子とお茶が配られる等至れり尽くせりの素晴らしい観戦環境だった。その小塚の母校を訪れた日に移籍後初ゴール、J1初ゴールを決めてくれたのは運命的なものを感じずにはいられない。






帝京長岡の試合を生で観たのは初めてだったけど、うまい選手が多いのに驚いた。もともとそういうチームだとは思っていたけど、その想像を遥かに超えていた。上から晴山岬、田中克幸、谷内田哲平の3人を筆頭に、最終ラインからテクニカルなドリブルで効果的に上がってくる4番、前線への飛び出し鋭い11番等本当にタレント揃い。ちょっとこれからも動向を追っていきたいチーム。


大観衆に選手たちの気持ちも昂ったのかいつもより少し前のめりだった印象を受けた。もどかしいくらいに前へパスを付けない前田も69分、76分といつもなら横にはたいてそうなシーンで前に付ける強気な姿勢を見せていた。それでいいと思ってるし、もうかれこれ1ヶ月以上ないビハインドのシチュエーションになった時でも存在感が発揮出来ると思ってる。さらにイサスタで発覚することとなった島川の「無駄なロングパスやめなさい問題」。そうだなと思うシーンがいくつかあるけど、間違いなくこれだと思うのは、小塚が村上主審とぶつかる直前のパスのことじゃないかな。高木の2枚引きつけパスが通って島川が前を向いて動き出せたところはチームとして「ハマった感」があったと思う。そこからいつも通りミドルパスを繋げていけば良かったと思うんだけど、島川は長めのパスを選択してミスとなった。まぁプレー自体はそんなに深刻なミスじゃないし、よくあることだと思うけど、コーチ陣と選手間でのやり取りを知れたことで、サポーター的には違った観点で試合を観られる、試合の評価、分析に深みを与えてくれるイサスタの存在って本当にデカいなと再認識した。たまに流れてくる練習の写真でもずっとスパイクを履いてないし、まだかかるんだろうなと思ってはいたけど、改めて正式に発表されるとつらいものがある。本人はもっとつらいだろうから生涯の伴侶とともにここを乗り越えてほしい。チーム状態がいい今だからこそ、J3からずっと引っ張ってきてくれたさんぺーと伊佐にJ1初ゴールを決めてほしいと願うサポーターは多いはず。人生は常に今から、待ってるぞ、伊佐耕平!


鳥栖は対戦してみてそこまでヤバそうな感じは受けなかったけど、数字だけを見ると危機的な状況。藤本の100倍の給料を受け取ってる選手が未だにたった1つのゴールですら取れていない上に、後半早々に交代。監督交代もまともに発表出来ないクラブの内情。まぁヤバいんだろうね。今までいい思いをしてきただろうし、いつ立場が逆転するか分からないわけだし同情する気持ちなんて微塵もないし、残留を争うライバルになるわけで叩けるうちに叩いておこう以外の気持ちは一切ない。ただ鳥栖のCROに就任したきっかけでその存在を知ったDOTAMAさんの試合後の動画はとても好きなので、彼のためにもたまには勝って違うパターンが見たい思いはある。


嬉しい思いがある反面、このままこのいい状態が続くわけはないという冷静な思いもある。リーグ戦のレギュラークラス以外の選手たちの台頭が絶対に必要な局面はやってくるはず。今では絶対的な選手になりつつある智輝も前田も去年の今頃は全く試合に絡めていなかったわけで、チャンスは必ず来ると信じて日々のトレーニングを頑張ってほしい。昇格の功労者の一人でもある馬場の移籍を示唆しているともとれるブログに象徴される通り、全員が報われるわけではないことは厳しくもあり、悲しくもあり。だからこそルヴァンのGS突破こそこのチームの状態を維持していくためにいま最も必要なことだと思ってる。それもリーグ戦のレギュラークラスの選手をポイントに配置するのではなく、ずっとルヴァンを戦ってきた選手たちで摑み取ることに大きな意味があると思ってる。8日の神戸戦はお客さんの数は鳥栖戦と比べて大幅に減るかもしれない。でもその一戦が持つ意味はチームにとって何ら変わりはない。一戦必勝。
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