Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

随所に垣間見えた頼もしさ(35節水戸戦)

2018-09-30 01:55:48 | マッチレポート18’


きたぞ4連勝。暫定ながらも自動昇格圏再浮上。


自動昇格を目指すにあたり、この水戸戦と次の京都戦がポイントになるとずっと考えていた。ここまでの3試合とこの水戸戦は違う。相性の良くないアウェイ水戸を乗り越えられるかは本当に大事なポイントだと考えていた。ついでにこの週中に水戸へのJ1ライセンス交付というオマケまで付いてきた。ただ個人的にはこのJ1ライセンス交付は我々にとっては追い風になるんじゃないかなと思ってた。これから勝ち点3を積み続けなければいけない状況の中では、勝ち点3を取りに来ない戦い方をしてくるチームが戦術的にも精神的にもやりにくい。もちろんライセンスの有無でそこまで水戸の戦い方に差が出るとは思っていないけど、それでもずっと苦しんできたクラブにとってのこの上ない朗報はチームに勢いを与えるに違いない。そしてそれは我々にとってはより与し易い試合になると予想していた。しかし蓋を開けてみると、水戸の腰はこれ以上ないくらいに引けていて、拍子抜けをした。引けた腰で前半を守り切られると嫌だなと思ってたけど、願ってもない先制点。そして前がかりになった後半にカウンターから追加点。もうこれ以上平凡なシナリオは書けませんってくらいに普通に勝った。まあ、水戸ちゃんさんも「大人の階段」を上がるのはこれからだから。本当に勝ちたい、本当に勝たなければいけない試合で勝つ難しさをこれから知っていって徐々に大人になっていってください、と上からメッセージを残しておきますよ。


ということで最後の失点が余計だったように思えるけど、こういうことがあるからこそ追加点が大事なわけで、それをしっかりと取った上での失点だからやむなしと切り替えていい類いの失点でしょう。後半はもう少し押し返してほしかったなという印象がないわけじゃないけど、むしろこの後大宮戦やヴェルディ戦を残す水戸ちゃんさんに期待が持てると考えた方が前向きでしょう。


今日は伊佐が良かった。攻守両面で非常に「効いていた」。ゴリゴリに競って何とか収めてくれる、プレスバックしてボールホルダーにちょっかいを出す、スペースを狙い続け相手DFラインを押し下げてくれる、そして久々のゴール。スタジアムでは反対側だったからもっと泥臭く体ごと押し込んだゴールのように見えたんだけど、映像で観るとキレイにヘッドで叩きつけた「らしい」ゴール。ゴール以外の貢献度も大切なところだけど、やはりストライカーとしてはゴール数が気になるところ。そして再来週の大事な大事な町田戦に向けて「キラー伊佐耕平」が調子を上げていってくれることはこの上ない好材料。4試合連続ゴールとなった藤本の頼もしさもいよいよ「ホンモノ」だ。今日のゴールは半分以上伊佐のもんだけど、それでもきっちり決めることにストライカーとしての価値がある。チームとしての一つの形を作り出せてることは厳しい試合をモノにしていく上でとてつもなく大事なことだと思う。


ボランチには約1ヶ月ぶりに前田が復帰。前節久しぶりの出場となった宮阪はベンチにも入れず。マルちゃんの相方探しを「し烈」ととるか、「悩み」ととるかは非常に悩ましい。ただ今日の前田は良かった。ボール奪取の回数も多かったし、一度出場機会を失うきっかけとなってしまった福岡戦後の悔し涙をしっかりと取り返しにきてるなという印象で見ていた。欲を言えば、特に前半はもっと前に絡んでほしかった。ポジション的にその部分のさじ加減とか試合展開の読みって一番難しいところかもしれないけど、あれだけ押し込んでいればもっとリスクテイクして大丈夫だと思う。守備面だとアグレッシブさを感じさせてくれるのに、攻撃面だとやや慎重さが先行してる印象。どんどん良くなっていってると思うけど、さらに前田が一皮むけるとしたら積極的に前に出ていってミドルを突き刺した時なんじゃないかな。そんなシーンが見られることを期待してる。


2点目のゴールが決まった後、前線の選手はサブ組と一緒にゴールを喜んでいた一方で、高木、最終ライン3人、馬場、怜さんあたりはすぐに輪になって修正ポイントを話し合ってた。見事なカウンターからの追加点だったわけだけど、その前の押し込まれ続けた時間帯に主に後ろの選手たちは違和感を感じていて、お互いにコミュニケーションを取りたかったんだろうね。このシーンを見てて思ったのは、「余裕があるな」ということ。若干の語弊はあるかもしれないけど、ギリギリで水戸の攻勢を凌いでいるわけじゃないんだなということ。ギリギリで何とか凌いでいたのなら、「決められたら同点に追いつかれる」という状況からの解放は飛び上がるほど嬉しいはず。そこで冷静にいまの状況を打開するために意見を出し合えてるのは「余裕があるな」というある種の頼もしさのようなものを感じた。もちろん大事な大事な仕事をやってのけた前線の選手たちが喜びを爆発させることにも何の問題もないしね。


今日の福岡−大宮が引き分けてくれれば最高の展開だったけど、もうこの時期に来ると勝って翌日のライバルチームたちの結果を待てるのは精神衛生上とても好ましい。さらに明日は台風による町田の試合の延期が決定。町田はただでさえもう一つ週中の試合を残しているわけでコンディション的にもどんどん難しくなっていくことが予想される。とりあえずあんまり贅沢は言わないので、明日は松本か横Cが1つでも勝ち点を落としてくれればそれでいいです。今日勝てたことで理想の展開は先に町田を蹴落としつつ、39節のホーム松本戦の時にはお互いに下と1ゲーム以上の勝ち点差をつけておいて「談合」出来ることだと思い始めてきた。


次節は京都。ひとまず降格圏からの脱出に成功して、アウェイで自動昇格圏のクラブとの対戦と考えたらまずもってまともには戦ってこないことが予想される。今季の京都の試合をほとんど観てないからハッキリとしたことは言えないけども、水戸戦よりも難しい試合になってもおかしくない。と、ここまで書いて明日の試合日程見たら、明日は自動降格ラインを挟んだ超ビッグマッチじゃないですか。この結果は次節に大きく影響してくるな。14時KOだけじゃなくて、この試合もちゃんと観よう。





今日は「浅田飴フィーバー」勃発後初めてのスタジアムでバックスタンドに座ってたんだけど、両軍の応援が途切れたタイミングで片野坂さんの地声がよく聞こえてきた。浅田飴偉大なり。
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本当の勝負はここから(34節山口戦)

2018-09-23 00:15:34 | マッチレポート18’
きっちり3連勝。お見事です。これで上にプレッシャーをかけられるポジションまで上げられた。ただ残す8試合はほぼ全て難しい試合。簡単じゃないけど、勝ち抜きたい。


いま長期出張で大阪に来ています。まだちょうど折り返したくらいで来週の木曜日まで大阪滞在。その間ずっと同じビジネスホテルの同じ部屋。別にビジネスホテル嫌いじゃないけど、1泊するのがちょうどいいくらいで9泊もしてるとマジで頭がおかしくなりそう。その反動で毎晩飲み歩いてる。一日も欠かさず毎晩。早く帰りたい。ちなみ世間は3連休ですが、休めるのは今日だけ。明日も明後日も仕事です。関西での1日だけの休みは前から一度行きたかった関西大学サッカーへ。今日開催されてたのが兵庫県の三木総合防災公園。大学サッカーだとよくやってる会場だなくらいの印象だったけど、実際に行ってみるとまぁ遠いこと。まさに「三木防遠すぎ」ですよ。大阪の中心部からジャスト2時間。関東でいうと「たつのこ」行かされるような感じかな。2試合観て、第1試合はフクの母校・関西学院が勝利、第2試合は川西と伊佐の母校・大阪体育大が勝利と流れが良く、夜も勝つだろうなと確信しちゃったよね。


話が逸れたので、試合に戻します。前半はうまくいかなかったけど、後半は山口が3ヶ月勝ってないチームそのものだったわけで、言葉は悪いけど、「順当に楽勝」だったという感想しか持てない。藤本のトラップは確かに素晴らしかったけど、それにしてもあの3点目の山口のDFラインのお粗末ぶりはちょっとヤバいでしょ。そりゃ三幸も「じゃあ、逆にどうすればいいんですか?」って言いたくなっちゃうよね。でもマジな話、来年三幸欲しいよね。いい選手。


この3連勝でより明確となったのが、相手の戦い方によって特に前線の選手は使い分けが分かりやすくなったということ。ごっちゃんと林が行方不明なのがちょっと気がかりだけど、さんぺー、伊佐、馬場、藤本、清本らが好調をキープ出来ているのは、戦い方に幅を持たせる意味でも大きい。スカウティングがハマって出来ればスタートから相手の戦い方に合わせたメンバー選考が出来れば最高だけど、これだけ選手層に幅があれば、例え相手が奇策に走ったとしても早め早めに手がうてる。今日の藤本のベンチスタートもそんな状態を象徴してたと思う。


この3試合のゴールラッシュで選手たちのフィーリングが上がってきたのならそれはいいことだと思うけど、個人的にはこの3連勝でチームの調子が上がってきているとは思っていない。本当の勝負はこれから。9月に入って上位チームから勝ち点をもぎ取り続けている水戸にアウェイで勝てたらホンモノという目線で見ている。明日サクッと新潟に勝つ(サクッと勝ちそうだけど)ようなら水戸もシーズン序盤のように再度上位争いに絡んでくることも十分可能だから、点を与えない戦い方よりも勝ちにくる戦い方を選択してくるんじゃないかなという思いもある。むしろその方がうちとしてはやりやすいと思うけど。町田や松本、横C戦は別にして、残りの試合で特に難しくなるのは何が何でも勝ちたいわけじゃない位置取りのクラブとの対戦が難しくなると思う。さらに強かに冷静に戦況を見られるような選手がそのチームにいたりすると、目の前に大目標をぶら下げられて勝ちたくてたまらない我々の心理状態をうまく使われて、いなされてしまうことなんて容易に想像が出来る。そこで一つ思うのがここからの試合は「様子見厳禁」というスタンスでいってほしいというもの。片野坂さんのチームがうまくいかない時は、もちろん駆け引きはあるんだろうけど、様子見で少し落とし気味で入った試合が多い印象だ。もちろん先に失点はしたくない。でも様子見で慎重に入ったからと言って点を決められるわけじゃないし、点を決められないわけでもない。もうここまで30試合以上観てきて、試合をコントロールして勝敗に結びつけられるほどの力がないことは十分に分かってる。ただ前がかりになった時の爆発力はリーグトップクラスだということも分かってる。それとこれはサポーターとしての勝手な思いだけど、大外から追い込んできたけど足を余して届かない戦い方よりは、大逃げを打ってゴール直前で捕まってしまう戦い方の方が、シーズンの最終局面としては受け入れやすいように思う。散ること前提で話すことが不謹慎で、無意味かもしれないけど。


ここから2ヶ月は自分たちの試合にヒリヒリし、ライバルチームの試合にヒヤヒヤし、落ち着かない日々が続くけど、それこそ昇格争いの醍醐味。究極の一喜一憂だ。まずはここまでこぎ着けてくれた監督や選手たちに感謝。そして残り8試合は最大限の後押しをしたい。昇格出来るなら、ここから8試合のどこかで必ずビッグゲームが来るはず。それを呼び込めるような最大限の後押しをしたい。


まず明日の試合でジェフェルソン・バイアーノがイエローもらうよう神様にお願いして今夜もビジネスホテルで寝るとします。
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順当な勝利(33節讃岐戦)

2018-09-16 23:43:37 | マッチレポート18’
また今節もリアルタイムで観ていません。これで3週連続です。リアルタイムで観てないと文章を書く意欲も削がれてしまうので良くない。しかし来週ももしかすると仕事でリアルタイムで観られないかもしれなそうで、やっつけ投稿が続きそうな予感。良くない。


前節の熊本戦から次節の山口戦までは勝ち点3はマストと書き続けてきているので、まあここまではやるべきことをやっているという評価。得失点差を大幅にプラスに出来たことは良かったと思う。讃岐の腰が引けてた時点で試合はもう戦術うんぬんでなくなった。オレが讃岐のサポーターだったら、試合後の北野監督のインタビューを聞いた後に「もう一度立ち上がろう」と自分を奮い立たせる自信はない。


讃岐の7試合ゴールなしとか、岐阜の10連敗とか関係者は本当に苦しいだろうなと思うけど、逆から見ればそういうところが相手なら「勝って当り前」なんだよ。昇格を目指すなら。落としたチームから脱落していくだけの話。


今節は予想以上に上位クラブが勝ち点を落としてくれたけど、混戦感が強まっただけでその中で大分が浮上したなという感覚はあまりない。上位クラブ相手に食らいつき続けてる水戸と補強しまくった京都が厄介だけど、ここを何とかいい形で切り抜けて、その後の勝負の4連戦で今季の全てが決まる。九州方面のどこかのクラブが「勝負の◯◯」と言い出してからボロボロと勝ち点落としてるから避けたい表現だけど、でもやっぱり「勝負の4連戦」なんだよな。ここでこの混戦レースからこぼれ落ちたら、去年と同じ。今年は勝ち抜きたい。
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勝ちました(32節熊本戦)

2018-09-10 23:49:32 | マッチレポート18’
すいません、やっつけです。寝る前に真剣に文章書くと眠れなくなるので、やっつけです。


先週末は家族行事で伊豆に旅行に行ってました。宿で後半だけ観て、日曜日に帰宅してから前半を追っかけ観戦しました。そのままの勢いで書いてしまえば良かったんだけど、近所で観たい試合をやってたのでフラフラ出かけた結果、2日も空いてしまいました。もう継続のためだけの記事です。継続は力なり。


さんぺーのが60%PKだとすると、熊本のは15%くらいしかPK要素なかったと思う。かつては苦手とした熊本だけど、今はチームとしての力量に歴然とした差があったと思う。ここ数試合の流れからいくとコテの決定機を止められた時点で今のうちなら勝ち点を落としてたと思う。でもそこからまた点が取れるし、失点した後にバタバタと連続失点する感じにチームとしてのうまくいってなさがにじみ出てる。J3の状況次第だけど、2チーム降格なら熊本は危なそう。


ということでいきなり熊本の感想から入ったとおりこの勝ち点3は相手チームの状況によってもたらされたもんだという印象が強い。でも前節の記事でも書いたとおり、それでいいと思ってる。弱いチームからきっちりと勝ち点を積み上げていく。話はそこからだ。讃岐、山口まで勝ち点3はマスト。その間にチームの調子を上げていって終盤のビッグマッチシリーズに繋げられればベストだ。


何人か取り上げたいところだけど、あんまり深く書くと月曜日から眠れなくなってしまうので、1人だけ。PKを与えた直前のスローインのミスに代表されるように、簡単なミスが多くてこの日はあまり良くはなかった怜さん。それでも3点目のアーリークロスと言うべきか、スルーパスと言うべきかの素晴らしいパス1本で決定的な仕事に絡んでしまう今季の怜さん。もうこのブログでも何度も書いてきたけど、今季は間違いなく「史上最高の怜さん」が見られてる。在籍6年目、三十路に足を突っ込んだ年に「史上最高の怜さん」だ。残り10試合で全試合出場も見えてきた。6年前の入団時におっさんはこんなことを言ってました。6年経った今でもどんなに怜さんが素晴らしくても「レイチェル」と呼ぶ気はさらさらないんだけど、来季もし怜さんが在籍「7」年目に突入したら、「7」番のユニを買う心の準備は出来ている。それくらいに今季の怜さんには魅せられている。そしてもし「7」年目の「7」番ユニが躍動するのがJ1の舞台だったとしたら最高だ。
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ここが分岐点(31節福岡戦)

2018-09-02 12:59:39 | マッチレポート18’
気になったのは試合中に紹介されてた選手のコメントで徳島戦を「いい試合だった」と捉えてること。さんぺーにいたっては「自分が決めていればパーフェクトだった」とまで言い切っている。それは違うよ。フィニッシュの部分までは全て準備されていただけ。試合前から「決め切るところ」だけにフォーカスされた試合だったわけで、それが出来なかった時点で評価は「0」、むしろそこから負けてるわけでシーズンの中でも最低の部類に入る試合を選手たちがそう評価をしていることに非常に問題を感じる。同様に試合後に片野坂さんが話した「狙いどおり決定機を作っているので、(試合中の監督の)仕事として出来る余地はもう少ない。」というコメントにも大いに問題を感じる。


何が言いたいかと言うと、この敗戦で3月21日の第5節以来約半年ぶりにPO圏内からも滑り落ちたわけで、そんな「やれることはやってる」的なスタンスではJ1には上がれないと思うよということ。ましてや我々よりも試合の消化数が少ないにも関わらず順位表で上に位置してるクラブがいくつもあるわけで、もう既に何節も前からこういう状況だったことは分かっているはずなのに。もうシーズン終了までのカウントダウンが始まる局面に差し掛かった状況で、「追われる立場」から「追わざるを得ない立場」に明確に落ちた。よく「追われる立場」より「追う立場」の方がやりやすいなんて聞くけど、んなわけない。それは算数の出来ない人の寝言。残り試合と勝ち点差を考えたら我々は「追う立場」ではなく、「追わざるを得ない立場」。チャレンジャーとしての貪欲さと覚悟をどれだけ見せていけるかに残りシーズンはかかっている。昨日の試合後に泣いていた選手がいたらしいけど、その涙の真意を次節以降で見せてほしい。


冒頭に書いたことと同じ観点で評価すると、昨日の試合は徳島戦と同じ0−1というスコアだけど、評価としては遥かに高い。前回対戦の反省を活かし井原監督はキックオフから積極的に前に出てきた。危ない場面もあったけど、何とかスコアレスで耐えて、案の定後半に福岡の動きは重くなって大分ペースとなった。特に終盤はゴールになりそうな攻撃もいくつかあった。しかし最後は相手の外国籍選手のシュート精度の高さに屈した。DAZNの解説の山形さんはその直前のマルちゃんのラストパスを引っかけられたところがこの決勝ゴールの要因となったと解説してたけど、流れから言えばそうなのかもしれないが、ここはそうは言いたくないなと思ってる。引っかけられないようにゴールから離れていってしまうようなパスでもいいから安全にという狙いのパスであれば、ごっちゃんの足元に入り過ぎて多分シュートは打てなかったと思う。そのギリギリの部分を狙ったパスだったわけでアレはやむを得ないミス。そこから食らったカウンターも最後のシュートの局面ではこちらの人数は揃えられてたし、それを上回るシュート精度だったわけだからやっぱりアレはやむを得ない。これこそ勝ち切りにいったからこその敗戦。2試合ゴールがない状況での敗戦なので捉え方としては難しいけど、徳島戦とは比べようもないくらいに受け入れられる敗戦だ。


ただ結果としてこの試合もノーゴールだったことは重く受け止めなければならない。前節あれだけお粗末な試合を展開した後での試合で片野坂さんは同じフォーメーション、ほぼ同じメンバーで臨んできた。1失点だし敗戦は仕方がないとしても、またしてもノーゴールだったことについては片野坂さんに大きな責任がある。徳島戦後にも書いたけど、3センターにして前線の枚数を削ってからバランスがよくなり失点は減ったものの、確実に点は取れなくなってきてる。その現象が明確なわけで指揮官としては配置を変えるのか、人を変えるのかは最低でも実行してくるべきであって、それをせずに臨んだからにはそれなりの狙いがあったと思われるわけで、それでなおノーゴールだった結果に対して片野坂さんの責任は大きい。個人的には3センターのフォーメーションが悪いとは思ってないし、中盤を2枚に戻してもいいと思ってる。ただ3センターのままなら今のチョイスよりももう少し攻撃に絡んでいける選手の起用がいいのではと考えていた。そのどちらも実行されない中で、結果としてノーゴール。片野坂さんに対するかすかな不信感が心の片隅で芽生え始めた感覚を無視できなくなってきてる。


そもそもこの3センターのフォーメーション自体がそんなに良くないんじゃないかという視点は忘れちゃいけないと思う。岐阜、新潟はもうハッキリ言ってボーナスステージだっただけで評価の対象外。そう考えると、岡山戦の先制点と2点目くらいしかちゃんと決められてるゴールがないわけで、果たして本当に機能してるフォーメーションなのかという疑問は確実にある。相手陣内に侵入していくまでは数的有利な状況を活かしてスムーズに進むものの、やはりアタッキングサードでの迫力不足は否めない。町田まで勝ち点11差、横Cまで勝ち点7差という置かれた状況を考えると、もう引き分けでいいという選択が出来る試合はあって1つか2つ。全ての試合で勝っていかなければならない中でもうバランスを重視して試合を落ち着かせてる余裕はない。攻撃にシフトしていくしかないわけで、片野坂さんのその決断を待ってる。残り試合が少ないとは言え、勢いに乗れればまだまだ巻き返せるだけの時間はある。勢いに乗るというチームの雰囲気を作り出す意味からもここが分岐点。


次節の熊本(21位)が8連敗中の岐阜以外で勝ったのは5月21日の水戸戦まで遡らなければならない。その間16試合で何と12敗。その次の讃岐(22位)は5連敗中。その5試合全てでノーゴール。直近でゴール出来たのはご多分に漏れず岐阜戦(7月25日)。つまり8月は勝ち点なしどころかゴールなし。さらにその次の山口はちょっと前まで首位争いしていたような薄い記憶があるけど、11試合勝ちなし。最後に勝ったのは6月16日の徳島戦。ということでここからの3試合で勝ち点9は約束されたようなもんなので、34節終了時に勝ち点60で順位表上のどこにいるかで今季の目指すべき着地点が見えてくるんじゃないだろうか。こういうことを書くと「簡単な試合なんて1つとしてない」とかいう「空は青い」くらいに当たり前の反論が返ってきそうだけど、J1昇格というとてつもなく難しい目標を達成しようとしたら、「海も青い」くらいに当たり前に他のクラブが出来てることが出来なければ、到底達成することなんて出来ないわけですよ。町田とも松本とも横Cとも対戦を残してるので、本当の勝負はその「当たり前」の先にあるんだよ。それくらいにもう勝ち点を落としてきたってことだ。


そしてそれは同時に、早ければ来週にでも(昇格という観点からの)今シーズンが終了することにもなり得るということ。
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