Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

第97回全国高校サッカー選手権大会

2019-01-15 00:05:45 | トリニータ


今大会は青森山田の2年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。今大会もかなり楽しみにしてたけど、年末年始の入院の影響で結局準決勝の2試合しか現地で観ることが出来なかったけど、その尚志−青森山田が今大会のベストゲーム級に面白いゲームだったので、まあ良かったです。







現地に行けなかった分、日テレ、テレ玉、TVK、BS日テレをフル活用して映像ではそこそこの試合を観ることが出来た。そんな中で今大会のベストチームは尚志だったと思う。実際に決勝進出目前まで迫っていたし、決勝に行っていたら多分そのまま優勝してたと思う。あそこを見逃さない青森山田の勝負強さも素晴らしいけど、それでも今大会最もエキサイティングなサッカーを展開していたのは間違いなく尚志。優勝させてあげたかった。9番・染野唯月、10番・伊藤綾汰、11番・加瀬直輝のアタッカートリオで真っ向から青森山田のDF陣に挑んでいき、完璧に崩し切った準決勝の2点目、3点目は鳥肌が立った。価値観は様々だけど、こういうサッカーをするチームに勝ってほしいとどうしても思ってしまう。



最終ラインのフォファナ・マリックも身体能力だけに頼るわけでなく、ディフェンダーとしての完成度が高かったと思う。



今大会を語る上で外せないのがロングスロー。写真は青森山田だけど、その青森山田よりも間違いなく多くのロングスローを放っていたのは流経柏。やってる当人たちは真剣にやってるから余計なお世話だろうけど、さすがに1試合で軽く2桁いくくらいの数を放っていると試合がつまらなくなる。流経柏の本田監督の勝負にこだわる気持ちももちろんよく分かるんだけど、正直つまらない。それは準々決勝の段階からマンマーク戦術を使うことにも共通する。だから正直に言って流経柏に負けてほしいと思っていた。これは完全にサッカーに対する価値観の問題だから、本田監督が何をやってこようが全く問題はない。ただこれがトレンドになってほしくないから、これからも尚志のようなサッカーをする学校に頑張ってほしいし、同じ観点からいくと大分高校なんかもけっこう面白いと思う。





その流経柏は関川郁万はさすがの存在感だった。準決勝は瀬戸内が完全に浮き足立っていたので参考外としても今日のゴールは見事だった。誰もが感じるところだとは思うけど、植田直通の系譜を受け継いでいると思うから鹿島を選んだのはとてもいい選択のように思う。


関川郁万で思い出すのは2年半前。当時まだ1年生だった関川をプレミアリーグの柏U−18との柏ダービーで初めて見た。1プレー目ですぐに光るものを見せつけていて、こりゃすごいルーキーが出てきたなと思って、それをツイッターでつぶやいたところ試合後に本人とお父さんから「いいね」をいただいた。いま思い出しても懐かしいし、本当に順調に成長した高校時代だったんだよね。1ヶ月後のカシマスタジアムで大分の対面に立っていてくれたら本当に嬉しいし、期待したい。





高卒でJ入りするのが難しくなってる昨今、GKでJ2琉球入りを決めながらチームではレギュラーを1年生に明け渡しているというなかなかないシチュエーションに身を置いている流経柏の猪瀬康介。準決勝の瀬戸内戦では早々に勝負が決したので、出場機会が回ってきた。流経柏のベンチが目の前の席だったので、猪瀬が本田監督に呼ばれるところから出ていくところまで全て会話まで聞こえた。彼がユニフォームに着替えると流経柏スタンドは大いに盛り上がったし、彼が苦しい立場にいたってことなんだろうね。逆に言えば、J入りする先輩GKを押しのけて1年でレギュラー張ってる松原颯汰は今後が本当に楽しみなGKだ。



青森山田がすごいなと思うのは強いことももちろんだけど、その人の集まり方が尋常じゃないこと。付属の中学での強化を図りつつ全国のJクラブのジュニアユースのエース級が続々と入学してくるところが完全に成功のスパイラルに入ってるなと感じる。





SBSカップの時も書いたけど、三國ケネディエブスは本当にどこが最適ポジションなんだろうか。個人的にはCBではないように思うけど、福岡にはしっかりと育ててほしいと思う。



今日2ゴールの壇崎竜孔。同時期の郷家友太と比較するとまだ物足りないので、いきなりのJ1クラブは厳しいかもしれないね。


映像でしか見てないけど、今大会で印象に残ったのは矢板中央の後藤裕二。試合は負けてしまったけど、マッチアップした壇崎竜孔をガッチリと抑えていて1対1の強さは見事なものがあった。1度決定機にも絡んだ(決めていれば勝っていたかもだけど)し、次のステージでも楽しみな選手。矢板中央も優勝してもおかしくないいいチームだった。



ということで日本のサッカーカレンダー的にはこれで2018年度が終了。この後は続々と新チームが動き出し、次のステージに進む選手たちの所属先も決まってきて、それもまた楽しい。オフは本当にわずかですな。
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人事総括 去りゆく選手たちに感謝を〜2019〜

2019-01-13 21:47:08 | トリニータ
J1に挑む新体制が始動しました。開幕戦もアウェイ鹿島戦に決定し、いよいよJ1で戦うんだという気持ちが高まってきた。そして新シーズンを語る前に昨シーズンで大分トリニータを去ることとなった選手たちに感謝の言葉を送りたいと思う。


修行智仁
「いい話のあるところに修行智仁あり」と言ってもいいくらいにoff the pitchでの存在感がずば抜けていた修さん。チームの調子が良く片野坂さんも選手起用が非常に難しかったであろう今シーズン。スタジアム外で修さんがチームに対して貢献してくれた価値は計り知れないものがあったと思う。一方で片野坂さん就任以降チームがリベロ型のGKを主軸に据えていく中で、生粋のゴールライン型GKの修さんの出場機会は限られていった。キャリアが長い選手ほど自分がこれまで培ってきたこととチームが求めることの間に乖離があることにジレンマを強く感じてたと思うから、寂しいけど移籍はやむを得なかったと思う。修さんの思い出が深い試合はいずれも2016シーズンの天皇杯甲府戦とアウェイ秋田戦。











特に秋田戦は伊佐が退場した直後にピッチ上で若いメンバーに鼓舞するように指示を出してた姿が忘れられない。新しい選手が多く入ってきた今シーズン。そしてJ1という難しいステージで戦うことを考えると、きっと修さんのような存在が必要な時が来ると思うし、寂しいのと同時に少し恐くもあるわけだけど、修さん自身がプレーヤーとしての今後を考えた時には移籍は必然だったわけで、今治での修さんの活躍を祈りたい。本当に個人的なものだけど、自分は下の名前が「智行」なので修さんが入団した時から勝手に猛烈な親近感を持たせていただいていたこともあって、そういう意味でも少し寂しい。



清本拓己
何の疑問もなく更新するものと思っていた。J3の時に移籍してきてからのキヨの成長曲線とここ数年の大分トリニータの成長曲線はピッタリと一致していたように思う。だからこそJ3を経験した選手が成長してJ1に挑戦してどうなるのかを見たい筆頭のような選手だった。直接FKやドリブル突破など明確な武器も持ち合わせていてチームとして持っておきたい選手だとどうしても思っちゃうんだけど、決まってしまったものは仕方ない。キヨのベストゴールは2017シーズン最終節のライダーキックと言う方が多いと思うけど、忘れちゃいけないのは2016シーズンのアウェイ藤枝戦の強烈なミドルシュート。「外れたかな」という軌道から少しブレて枠内に突き刺さったゴールはここ数年の大分トリニータの中でも3本の指に入るくらいの見事なミドルシュートだった。移籍先がKリーグというのも何となくキヨっぽい。まだまだ年齢も若い。日本海を渡った岐阜生まれ大分育ちのイキのいい鮭が再び大分にカムバックしてくることを期待してる。



那須川将大
わずか1年の在籍、出場試合数も8試合と少なかったにもかかわらず出た試合ではきっちりとインパクトを残したナスさん。ホームでもアウェイでも新潟戦が印象に残ってる。ホームの新潟戦は唯一のゴールとなった「シュータリング」があったけど、より素晴らしかったのはアウェイゲーム。この試合は連戦の最後でナスさん、ソンス、伸太郎とそれまで出場機会が十分ではなかった選手たちが複数先発することとなったものの見事に勝ち切ったゲーム。この試合で左から好クロスを連発してその存在価値を見せつけた。シーズン終盤も出場はないものの必ずベンチ入りはして、片野坂さんからの信頼感も高かったと思う。レンタルではなかったにも関わらず松本からやって来て、松本に戻っていくというのは意外だったけど、その質の高さを知るクラブから改めて声がかかるところにナスさんのプレーヤーとしての価値が示されていると思う。今シーズンも同じディビジョン。お手柔らかにお願いします。



岸田翔平
昨シーズンの出場時間の少なさから移籍はやむを得ないんだろうと思ってたけど、移籍先が水戸で何となくホッとしている。個人的に水戸はとても好感度の高いクラブなので、翔平の受け入れ先としては最高に近いと思ってる。翔平のプレー水準自体は何の問題もなかったと思うけど、昨シーズンについてはどうしてもそのポジションが空かなかったというのが率直な印象。だからこそ移籍先では光り輝けると信じてる。U−18卒団時に大分を離れ、大学→他クラブを経由して戻ってくるという新たな「カムバックサーモンルート」の先駆者となった翔平。また大分を離れることとなったけど、この先もっともっと輝いてくれることが後輩たちの道しるべにもなると思う。水戸では田向泰輝の抜けた右サイドでの活躍を期待されていると思う。田向は個人的にとても高く評価していたので、その後に翔平を獲得してくるところなんかに水戸の好感度の高さが表れている。歌詞に「日出」が入っている翔平のチャントは過去最高クラスにお気に入りのチャントだった。もっともっと歌いたかったけど、水戸でもっともっと輝いてくれと素直に思える。突き進め、日出の漢!



ソンス
サイドバック、センターバック、ボランチと守備のユーティリティとして片野坂さんから重宝されていたソンス。この3年間でレギュラーと呼ばれる時期はなかったものの常に重要な選手であり続けた。そのピッチ上で頑張るスタイルには常に共感出来たし、修さんのところでも書いた秋田戦ではソンスも本当に頼もしかった。今シーズンから一線を退くというのは意外だったけど、サッカー選手のキャリアも様々。大分が一番苦しい時期にキャリアピークのソンスが来てくれたことはどんなに嬉しかったことか。3年間ありがとう、これからのソンスの人生が豊かなものでありますように。



宮阪政樹
シーズン半ばまではガッチリとレギュラーを掴んでいたものの、夏になりチームの調子が下降気味になるのと時を同じくして宮阪の出場機会もなくなっていき、結局それはシーズン終了まで続いた。開幕戦のグリスタで左右にバンバンミドルパスを通すのを見て、惇の抜けた穴を心配することはなくなったし、讃岐戦のようなスーパーゴールも魅せてくれて、シーズンを通してみれば昇格に欠かせない選手だったと思う。宮阪がレギュラーに定着していればもっとセットプレーからのゴールも増えたのかなとも思うけど、まあそこまで何でもかんでもうまくいくわけではない。シーズンが始まってみないと分からない部分もあるけど、宮阪はプレッシャーの厳しいJ2よりはJ1向きじゃないかなと考えていたので、退団は残念だった上に、残留のライバルとなるであろう松本に戻っていってしまったのは痛い。冷静に考えれば、レンタルであり当り前なんだけど。その素晴らしいプレースキックを早々に第2節で見せるのとかだけは勘弁してね。



林容平
宮阪と同様よりJ1向きと思っていたのが林。2014シーズンに在籍していた時から林のプレースタイルが大好きだった自分としては2年前に林が復帰すると決まってどんなに嬉しかったことか。しかし復帰後はケガもあり、なかなか片野坂戦術にフィットせずに苦しんでいる林の姿ばかりが印象に残っている。アウォーズのベストゴール部門にもノミネートしたとおり林のFWとしてのテクニカルな部分に疑いはなく、ただ単にフィットしなかっただけのことだと思ってる。移籍が決まると「取説」なる親切なのか押し売りなのかよく分からないようなシステムをちょこちょこ見かけるけど、「ポセッションサッカー」よりは「縦ポンサッカー」向きという説明には断じて違うと言い切っておく。テクニカルな部分はもちろん、林の魅力はその気持ちの熱さにあると思ってる。時に熱すぎるかなと思うこともあるくらいで、でもそれがなかなか出場機会がない中でも最後の最後で出番が回ってきたことに繋がったんじゃないかな。退団メッセージは「らしくない」と思うくらいにウェットなもので林がそんな風に思っていてくれたことに嬉しくなったし、これからの林もずっと応援したいと改めて思った。秋田では絶対に主軸として2年連続で昇格してほしい。そして得点王も取ってほしい。頑張れ、林容平!



竹内彬
ずっと発表がなくどうなってるのかなと思っていたらどうやら讃岐側の事情に合わせていたようで。大分でもそうだったようにわずか半年で讃岐でも欠かせない選手となっていることに竹内の人間としての価値が表れている。昨シーズンはまずノリとのポジションチェンジに始まり、竹内には逆風続きだったと思う。そんな中で出場機会を求めて出ていってしまったことは仕方がなかったし、年齢的なものを考えても今回の退団は受け入れざるを得ない。わずか1年半しか在籍していなかったとは思えないくらいに選手やサポから信頼を得ていたと思うし、修さんと同様ベテランの重要性を身をもって体現してくれていた。ぐっさんの退団の時もそうだったけど、ノリやフクに後を託していく感じがたまらなくかっこいい。何でしょう、CBとはそういう伝承されていくポジションなんでしょうか。讃岐でも頑張れ、アキラさん!



佐藤昂洋
昂洋の退団メッセージには比喩ではなくリアルに泣いた。あんな素敵なメッセージなかなかないよ。夏に昂洋の試合を観られて、そして勝って喜んでいる姿を見られて本当に嬉しかった。ケガが多いということは他の誰でもなく本人が一番つらいと思う。それでも退団メッセージにもあるとおり本人は1mmも諦めちゃいない。自分は常々言ってるけど、「CBのピークは30歳から」だから昂洋もまだまだこれから。全て大分トリニータで育ってきた昂洋が離れていってしまうのは寂しいけど、成長して昂洋が再び大分に戻ってくる姿を思い浮かべながら陰ながらずっと見守ってるよ。デカくなれ、昂洋!ずっと待ってるぞ!



川西、ヒメ、伸太郎は期限付き移籍できっと戻ってくるので今回は特に何も書きません。みんな移籍先で主軸になれる力を持った選手たちなので、期待しかない。それと何名かの出場機会のなかった選手はここでは割愛してしまったけど、大分を選んでくれた感謝の気持ちだけは忘れません。ありがとうございました。


J3のクラブ数が徐々に増えていき、JFLにも上を目指すクラブがまだいくつもある状況となって国内の移籍市場はより活発になっている印象がある。年が明けてから入団が発表される大卒選手の数も今年は特に多く感じる。こうやって選手が変わりながらチームやクラブは歴史を積み重ねていくわけで、受け入れざるを得ないと頭で分かっているけど、毎年毎年寂しいものがある。一度でも大分のユニに袖を通してくれた選手たちの未来が幸多からんことを願ってやまない。
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