Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

終戦(J1参入プレーオフ1回戦熊本戦)

2022-10-31 02:06:30 | マッチレポート22’
4月30日にフクアリでの勝利以降、結局1回も現地で勝利を見ることなかったな。





プレーオフ初戦で敗退。今シーズン終了となった。





ゲームプランは自分が考えていたものとほとんど同じだったように思う。自分が予想していたよりも思いっきりそっち方面に振り切ったのとあとはちょっと暑かったのも影響があったかなと思う。





ロングボール中心にするのにあたって長沢かサムエルの先発は必須と書いた。しかしふたを開けてみたら先発は何と伊佐。確かによく考えてみれば高さでも勝負出来るし裏抜けも狙えることを考えればこの戦い方において適任である。さらにもう一つのポイントに挙げた守備時のハイプレスも考えれば今となっては伊佐しかいなかったと思えるけど、それでも伊佐が最後にリーグ戦で先発したのはもう半年以上前の第16節。さすがにこのサプライズを予想することは出来なかった。でも伊佐は奮闘した。伊佐らしいゴールは言わずもがな、60分とキッチリと時間は決められていたと思うけど、大相撲のようなポストプレー、ハイボールの競り合い、隙あらば裏抜けと期待された役割を全うし続けた。大一番での雰囲気作りまで含めて下平監督のこの起用は見事だったと思う。


試合前のアップが終ってロッカールームに戻る際に伊佐のチャントとメインスタンドから大きな拍手が送られると伊佐は泣いているように見えた。太陽がまぶしかっただけかもしれないけど、自分には昂る気持ちを抑えきれずに泣いているように見えた。苦しんだ一年だったけど、最後に伊佐らしいプレーが見られて嬉しかった。





その伊佐を押しのけて個人的にこの試合のMOMに推薦したいのは中川。とにかく走った、とにかく引っかけまくった。前半の終盤に立て続けに2回引っかけたところで決めきれていればきっと勝っていただろうなと思う。寄せるだけでない奪うプレッシングには本当に迫力があった。チーム戦術を理解して、熱い気持ちで限界までやり切る本当に良いプレーヤーだということにシーズン終盤になってやっと気付いたような気がする。下平監督が今シーズンした仕事の中で一番良かったのって中川を連れてきたことじゃないかなと本気で思うよ。


勝負を分けたのは小出のミスで間違いないわけだけど、片野坂さんも言っていた通りミスやセットプレーが勝負を分けるのなんてサッカーにおいては常だから仕方ないとは思う。ただそのミスが出た時間帯とそのミスを致命的なものとしてしまった試合運びの部分には後悔が残るなという感想。こういう戦い方に振り切った以上はエネルギーダウンはチーム戦術にとって致命的になることは容易に分かる。中川も朝陽ももう少し早く交代して良かったし、ノムに至っては10分遅いと思う。後半も半ばを過ぎると前からのプレッシャーがかからずに防戦一方になった。単純なエネルギー注入を目的とした交代でいいわけだからもっと早くに動くべきだった。


それともう一つ誤算だったのがハイボールの競り合いでペレイラが高橋利樹に全然勝てなかったこと。前半は熊本から見て右奥(三竿の横や裏)に落とすボールを多用してきたけど、後半になるとビルドアップでの優位性を確保するために14竹本が少し下り気味になってその代わりに手薄になった前線の高橋にダイレクトに狙うボールが増えた。これをキッチリとはね返せてたらここまで押し込まれることはなかったと思うけど、高橋が予想以上に競り合いが強くて基点を作られてしまい苦しくなった。とは言え出るべくして出たミスでもないので小出には何とかしてほしかったのが素直な気持ちだけど、まあなくはないよなとは思う。その後の出入りの激しさは終盤に現象として起きたことなので見たまんまかなと。この試合だけでなくシーズン終盤に坂が負傷して以降は小出が奮闘してくれたからこそのプレーオフ進出みたいなところもあるからハッキリと言うのは酷だけど、あのミスがなければ勝ち抜けていた試合だった。



この試合の勝敗を分けたと思うもう一つのポイントは金崎夢生。長沢のベンチ入りは相手へプレッシャーをかける意味もあったと思うけど多分10分くらいが限界ということだったんだと思う。だから明らかに機能しないことが分かっていて伊佐との交代でワントップに夢生を入れざるを得なかったんだと思う。シンプルに言って夢生じゃなくてサムエルがベンチに入っていれば勝てたんじゃないかと思っている。伊佐とやり合う熊本の3バックの強度を見ていて多分サムエルだったら全部収めたと思う。そしたらもっと押し返せた。大事な時間帯での子供じみた振る舞いには心の底からガッカリしたけど、それよりも前に戦力として今日は夢生よりも使ってほしい選手がいた。これで加入後全試合出場なわけだけど、あんまり勘ぐりたくないけど出場契約みたいなの結んでないよね?









敗退後の悔しい気持ちをさらに後味の悪いものにさせたゴール裏とのやり取り。これって昔から思うけど選手たちにとって立ち止まって聞かなきゃいけないもんなの?今日も挨拶終った後に夢生、新太、三竿あたりはもうメインスタンドに向かって歩き始めてたし、あの局面で何か前向きだったり生産性のあることが生じるとはとても思えないんだけど。この日キャプテンマークを巻いた高木が前に出てサポーターに寄り添うような素振りを見せるからこんなことが起こるんじゃないの?やりたきゃ高木一人でやってくれよ。そもそも高い位置から拡声器で怒鳴りつけてる時点でまともなコミュニケーションじゃないだろ。うちだけじゃないとは思うけど、日本サッカー界の悪しき習慣を大分から変えられないもんかね。



大木さん、あと2試合厳しいとは思うけど頑張ってね。うちとの差はベストメンバーが揃えられたかどうかの差しかなかったと思うから本当に薄幸そうなあなたにも運が向いてきているからこのチャンスしかないと思いますよ。もう一つの山では今回も木山さんが敗退。これで4度目のプレーオフ敗退、唯一のJ1挑戦となった20年シーズンの仙台も実質降格とさすがにもう縁起が悪すぎて木山さんとやりたいと思うクラブなくなるんじゃない?



サウルコス福井がかつて男女で分けるチャントをやってたのを地域決勝で見たことあるけど、男女でパートを分ける意味って何?デカいスタジアムで成立するの?



もし昇格出来たのならホームゲーム運用はもう少し頑張らないとJ1の大挙して訪れるサポーターをさばき切れないと思うぞ。スタジアムから最寄り駅までの臨時バスが全然臨時バスの働きをしてなかったよ。











シーズン総括については昇格出来ないことを前提にもう3割くらい書き始めているので今週中には早々に仕上げたい。昨シーズンよりも50日以上長いオフが始まる。
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拝啓 大木武様

2022-10-26 19:55:41 | トリニータ
「プレーオフなんてなけりゃオレは今ごろ代表監督やってたっておかしくないんだぞ」くらい言っても誰からも非難されないくらいにJ1昇格プレーオフに人生を狂わされた男。それが大木武。


2012年のプレーオフ制度創設から10年。これまでたくさんの監督がこの難しいレギュレーションに泣き笑いそしてドラマを創ってきた。これまでにプレーオフで複数回敗退を喫している監督はわずかに4人。大木武、ロティーナ、高木琢也、そして木山隆之だ。高木さんと木山さんは何と3度も敗退。来週岡山と対戦することになったら木山さんについても書きたい。大木さんはプレーオフ創設元年から2年連続でプレーオフ敗退。2度目のプレーオフ敗退と同時に京都の監督を退任。その後はプレーオフへの参戦を避けるかのようにJ2下位が定位置の岐阜やJ3の熊本の監督を務めた。ただその手腕に陰りはなく引き寄せられるようにまたもやJ1参入プレーオフの舞台へと引きずり出されてしまったことに運命めいたものを感じてしまう。それも10年前にこれ以上ない辛酸をなめさせられた大分トリニータが対戦相手だということに少なからず嫌な予感を覚えているのではないだろうか。


大木さんは今シーズンの熊本を見るまでもなく優秀な指揮官であることは疑いようがない。冒頭でも触れたけど代表監督の声がかかってもおかしくないくらいだとも思っている。ただその能力のわりにキャリアが今ひとつ光り輝いていないのには何か原因があるんじゃないかと思っている。もう大木さん時代の甲府がどんなチームだったかは忘れてしまったんだけど、京都、岐阜、熊本どこのクラブでも魅力的なチームを作り上げた。ただ個人的にどのチームでも大木さんに持つイメージは共通していて「流動的だけど柔軟性のないチーム」という印象。パスを多用して理詰めで崩す戦術を丁寧にチームに落とし込む手腕は見事だと思う。でもプレーオフ2年連続敗退が象徴するように一発勝負に勝てないのは、目の前の一戦に何をしてでも勝つというこだわりや柔軟性を極力排除しているからではないかと思っている。柔軟性を持ち合わせていないのではなく、自らのサッカー哲学として自分の信じたサッカーで勝ちたいという思いが強い人なんじゃないかと思っている。まあかといってそんな大それたもんがうちの指揮官にあるのかと問われたならば、口ごもってしまうくらいにはうちの指揮官のことを信頼しているわけじゃないんだけど。いずれにしてもそういう真っすぐでずっと過小評価されたままの人であってほしいという他サポの勝手な願いでしかないんだけどね。


大木さんのことをこんな風に考えているので戦術もそんなに難しく考える必要はないと思っている。ポイントと考えるのは2つ。①守備時はハイプレス②攻撃時はロングボール。まさに今シーズンのアウェイゲームそのまんまのサッカーをやれば勝てるんじゃないかな。そこで裏の裏を読んでくるようなことは大木さんには出来ないような気がする。いい意味で「自分たちのサッカー」をぶつけるだけ、マジでそれしか考えていないような気がする。ボールを握ってリズムを作り出したい熊本に主導権まで握らせないためにハイプレスでパスワークを寸断する。攻守が入れ替わると熊本も迷いなくハイプレスを敢行してくる。ここで後手を踏んだのがホームゲーム(1-2で敗戦)で、ロングボールではぐらかしたのがアウェイゲーム(2-1で勝利)。その再現を狙うだけ。そんな狙うゲーム展開にとても参考になるのが第41節仙台−熊本。そこまでロングボールを使っていたわけじゃないけど、ハイプレスでタフなゲームに持ち込み最後の最後にセットプレーで決勝点を奪って勝ち切った仙台。こんなゲーム展開にしたい。そして仙台になくうちにあるのが長沢の圧倒的な高さとサムエルの圧倒的な強さ。最低でもどちらかの先発は絶対条件だ。何が何でもハイプレスをかいくぐってやるなんて思わなくていい、ある程度前に食い付かせたらロングボールではぐらかしてやればいい。そのうち何本かでも収まればいい程度の割り切りが必要。幸いにも熊本の最終ライン3人に強さは見受けられない。どちらかと言うとサムエルの方がハマるんじゃないかと思っているから琉球戦で元気な姿を見せてくれたのはこれ以上ない朗報だ。



今シーズン2度の対戦を経て注意したい選手を何人かピックアップ。熊本の攻撃で一番恐いのはボールを握られて何となくボールサイドに寄せられてしまってからのサイドチェンジで逆サイドに1対1の局面を作られること。右の杉山直宏と左の坂本亘基のアタックはかなり強烈。特に坂本の縦への鋭さは要注意。対面は健太になると思うからここのマッチアップがキーになるかもしれないね。上の写真はどこかの記事で使ったような記憶があるんだけど、2018年のインカレでの福岡大。前列右から2番目が健太で左から2番目が今シーズンJ2のボランチの中でも一番株を上げたと言っても過言ではない河原創。昇格即4位躍進のクラブで42試合フルタイム出場という数字だけでその貢献度が分かる。ビルドアップ時のボールへの関与回数が多く間違いなく熊本のキーマン。河原が1学年上でさらに健太が1年からトップチームに絡んでいたので河原とは相当たくさんの試合に一緒に出ていると思われる。人間関係的にもここでも健太がキーとなるか。ちなみにこの試合には出場していないけど熊本の3バックのセンターに鎮座する菅田真啓も河原の同期だ。そしてレギュラーシーズンのチーム得点王は14ゴールで高橋利樹。うちは長沢が8ゴールでチーム得点王なので14ゴールは立派な数字。国士館大出身の3年目。自分が一番関東大学リーグを見ていた時期に在籍した選手なので学生時代に何度も見た選手だ。何度も見たけど正直に言ってこんなにJリーグでコンスタントに点を取れる選手になるとは微塵も思わなかった。最終学年の時に国士館大が2部だった(同期は浦和の明本)こともあってプロ入りが決まった時でさえ「へー」と思った記憶がある。前プレを頑張れてゴール前で泥臭く体を投げ出せる選手という印象だった。J2で得点を量産し始めてから高橋のプレーを見てみるとその印象とほとんど変わんないんだよね。自らのプレースタイルを磨き上げ続けてこの数字を残していることは素直に尊敬する。そのガツガツとしたところにうちのDFラインも負けないでほしい。ちなみに高校は埼玉栄高出身。サッカーでは全国的には強豪校ではない埼玉栄高だけど現役Jリーガーを4人輩出している。出世頭はもちろん町田也真人。もし也真人が間に合うのなら試合前に腹パンかまして耳元で「調子に乗んなよ」くらいのことをささやいてほしい。也真人は今シーズン熊本との対戦は2試合ともお休みしているので初対戦になるのであれば大先輩として先制攻撃をぶちかましてほしい。


決定戦は別にして、果たしてJ2の4クラブの中で勝ち上がれるのか。取り急ぎデータ。2012年に創設されたJ1昇格プレーオフ。2018年からはJ1参入プレーオフとして3回戦方式に変更。2020年と2021年は開催なし。J2クラブに限定するとこれまで行われた試合は全部で23試合。下位クラブ側から見た勝敗は以下のとおり。

10勝8分5敗

何となく分かってはいたけどいざ集計してみるとやはり下位クラブが圧倒的に勝ち越している。さらに5敗のうち2つは「お前、J2にいるのはいいにしても何でプレーオフ出てんだよ」と言ってやりたい名古屋とセレッソによるものなので、今シーズンのようにクラブの財政規模が同程度のクラブによる対戦の場合は明らかに上位クラブが不利なレギュレーションと言い切って間違いない。この数字が明らかにしたことは勝ち抜けは別にしたとして下位クラブがスコアで負けることは極めて稀であるということ。だからゴールを決めきることが出来るかというところが、試合のバランスよりも大事になってくるんだろうなと思う。もし先制点を許してしまったとしても本来なら圧倒的に優位なはずの上位クラブ側にこそ大きな隙が出来ているかもしれないという共通認識をチーム全体で持てるようにアグレッシブな姿勢を保ち続けてほしい。1点取られたとしても2点取るサッカー、2点取られたとしても3点取るサッカー。下平監督が本来目指すはずだったスタイルがここで花開くかもしれないという淡い期待は持ってもいいのかな。


クラブ創設以来プレーオフ全勝の大分(事実だけど誇大)とその監督キャリアにおいてプレーオフ全敗の大木武(事実、紛れもない事実)。次に進むのはどっちだ。
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無得点の連敗でレギュラーシーズン終了(42節琉球戦)

2022-10-24 23:51:13 | マッチレポート22’
「熊本を欺くための死んだふりでした」。と1週間後にしてやったりの笑みとともに下平監督が振り返るくらいのしたたかさがあれば難しいプレーオフも勝ち抜けるんだろうけど、多分そうじゃないんだろうね。まあもう割り切るくらいしからないくらいにワーストケースでのレギュラーシーズン終了となった。


試合終了から30時間くらい経過してから観たし、もう熊本遠征の準備とかもろもろし始めたタイミングで観ているので感想は適当です。というよりももうプレーオフに向けてのいいとこ探しくらいしか書くことないよ。


まずは藤本と新太の復帰。ちょっと前の記事でどちらかでも戻ってきてくれたらデカいと書いたけどまさかの2人同時復帰。新太も藤本もケガなくフルシーズン稼働していたら三竿や健太と並んでシーズンMVP候補に挙げたいくらいの活躍だったと思うからこの復帰は本当にデカい。最初から全開というほどではなかったけど、随所にらしさは見えたし期待感は高まる。特に新太はアウェイ熊本戦で1人で熊本DF陣を蹂躙して決めた決勝ゴールの印象が強く、味方が頼もしいと思う以上に熊本がこの復帰を嫌がると思う。


終盤のパワープレーもプレーオフを想定しての練習だったと思う。ただ自陣から蹴られるロングボールが多くそれだと可能性出ないのではと思った。天皇杯のエンリケのゴールも、ペレイラのゴールもアウェイ山形戦のペレイラのゴールも全てちゃんとサイドから角度をつけて上げているボールだからゴールに迫れている。練習でさらに相手が1人少ないにも関わらずあんなに慌てて放り込んでいるのはちょっといただけない。


それにしても清武さんちの三男坊。今シーズン出場26試合で3ゴール、そのうち2ゴールが大分戦ですってよ。クラブにとって初のタイトルとなったナビスコカップ獲得直後がユースからの昇格のタイミングでポジション的に夢生、家長、お兄ちゃんと枠はいっぱいだった。さらに不幸だったのは同期の東慶悟まで同ポジション。クラブとして天秤にかけて東慶悟を昇格させたんじゃないのかなと妄想している。プロ入り後も何となく大分への恨み節っぽいところも感じる選手だっただけにこの2ゴールも偶然じゃないような気がするね。試合後のインタビューとても良かった。


何かを書こうと思うとプレーオフのことだったり、シーズン終了のことだったりになってしまうのでこの琉球戦のことに絞ると本当に書くことがない。琉球も降格が決まっていた(実質)がゆえの好ゲームだった感は否めないし、やっぱり至るところで消化試合感は払拭出来なかったかなと思う。期待したいのはここからのバウンスバック。それも極上のスーパーバウンスバック。それくらいの芯の通った強さがなければ3連勝なんてまず無理。今シーズン本当に積み上がったのかが試されるプレーオフ。本当に楽しみ。


レギュラーシーズンは勝ち点66で終了。優勝の新潟が勝ち点84。少し及ばずの横浜FCも勝ち点80で自動昇格なので勝ち点84という目標設定はドンピシャだったと思う。その目標に足りなかった勝ち点は16。昨日でシーズンが終っていれば下平監督は1年で契約満了しかなかったと思う。そうでないのであれば何のための目標設定なんだとクラブに問いたい。ただ幸いにもまだ昇格出来るチャンスは残された。下平監督は来シーズンの就職活動のつもりで今シーズンの集大成を見せてくださいよ。来シーズンもあなたに任せたいと思わせてくださいよ。


プレーオフ熊本戦に向けてかなりの文字数でこってりと記事を書いておりますので今日は極めてさっぱりと。
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ホーム最終戦は惨敗(41節山形戦)

2022-10-16 23:28:05 | マッチレポート22’
サッカーという競技においてモチベーションという要素がどれだけ大事かを改めて痛感させられるような今節のJ2の結果でしたな。結果を知った上でのディレイ観戦だったので、純粋な評価じゃなくなってしまうんだけど、思ってたよりも悪い試合じゃなかったという印象。ただ結果を知った上で観る試合の感想っていつもこんな感じなので自分でもこの試合の評価に迷っている。


失点の仕方が全て悪かった。1失点目は夢生が触れなかった時点でゴールキーパーはタイミングも含めて難しい。2失点目は吉田舜の声が小さかったのか、ペレイラが冷静じゃなかったのか外からでは判断がつかないけどまあ起こりうる失点だとは思う。ただ82分にもペレイラが下がって処理するのか、吉田舜が前に出て処理するのかで微妙なシーンがあった。結果的にペレイラが処理したけど、その後に吉田舜に出てこいとジェスチャーで文句を言っていたので、結局この2人の間であれだけの決定的な失敗を経ても試合中に解決出来ていないことの方が遥かに問題で、この時期のこの状況でやっている話じゃないしレベルが低いなと感じた。


今日のメンバー選考がどういう意図だったのかというところでこの試合の評価は大きく分かれるところだと思う。まず大前提としてこの試合をもって夢生のワントップスタメン起用はなくなったということ。ハッキリ言って全く機能していなかった。前節の記事でも書いたけど、夢生はコンディションも良くないように感じるし使うなら試合終盤に2トップの一角でに限られるかなと思う。夢生のワントップ起用の違和感の正体がハッキリしたのは夢生に代わって出てきた伊佐のプレーを見た時だ。今の大分トリニータのワントップに欲しいけど夢生がやらない(もしくは出来ない)プレーはワンタッチで落とすポストプレーかなと思う。相手DFとの激しいバトルを厭わずくさびのパスを収めようと奮闘しているのは伝わってくるんだけど、いわゆるチームのリズムを作り出すプレーには繋がっていない。長沢、サムエルが使えなかったのか、大一番を見据えて回復を優先したのか分からないけど、ワントップなら夢生は4〜5番手評価。そしてポジションに限らず53分のシュートは絶対に決めなければいけない。


0-3の敗戦よりも也真人の負傷の方が心配なわけだけど、いったんピッチ外に退いてから「あ、イケるかも」→「イケそうだな」→「やっぱやめとこ」みたいな流れで交代を決断したのとても良かったと思う。あそこで也真人が無理な判断を選択せざるを得ないようなシチュエーションにしていなかったことは本当に不幸中の幸いだと思う。順位もそうだし、サブの選手層の厚さもそう。ちなみに自分は昇格出来なければ下平監督には退任してほしいというスタンスには変わりはない。詳しくはシーズン終了後に書くけど、これだけの選手層の厚さでこの順位はもはや当り前。ただの一度も自動昇格争いに絡めなかったその手腕に対しては今も懐疑的に見ている。


也真人が痛んだ時も、健太が痛んだ時も自分がコンタクトしたわけじゃないのに寄り添ってくれるディサロは本当にいいヤツ。法政大時代から高く評価していたので卒業時に当時J3最下位だった北九州にしか決まらなかった時はさすがに日本サッカー界見る目なさすぎと思ったけど、今日の実質2ゴールでその力を見せてくれたのは複雑だけど嬉しくもある。元スパーズでオランダ代表のベルフワインのゴールセレブレーションを使ってくれてるのも個人的に好感度高い。


負けたことは仕方ないんだけど、ここまでリーグ戦41試合を戦ってきて最も苦戦を強いられたのは山形だと思う。何も出来ずに押し込まれ続け終盤に決勝ゴールを決められたと思いきやペレイラのゴールでうやむやにしたアウェイゲーム、そして0-3完敗のホームゲーム。自動昇格した新潟よりも横浜FCよりも、3位フィニッシュ確定の岡山よりも山形の方が間違いなく相性が悪かったと思う。山形の他の試合を観ているとそこまで強くないのでこれは相性の問題だと思うんだけど、この敗戦でその最も相性の悪い相手と今シーズン中にもう一度対戦せざるを得ない可能性を残してしまったことが最大の失敗だと思う。せめて引き分けていればその可能性はほぼほぼ自らの手で排除出来ていたわけだから。

ちなみに大分トリニータは今シーズンこれでチアゴ・アウベス選手から既に3失点(15節、17節、41節)を喫している。そして最終節の結果次第で反対の山が岡山−山形となればもう一度必ずチアゴ・アウベス選手と対戦しなければならなくなる。3度やられたことは4度だって十分にあり得る。「チアゴ・アウベスにやられたシーズンだった」なんて総括にならないように今からしっかりと研究しておこうね。どっちを?どっちも。


結果としては惨敗だけど、FW起用の最適解が見えてきたという点においては収穫がなかったわけじゃない。そして金沢戦、山形戦と起用されれば決定機に絡み続ける伊佐の存在を忘れてはいけないと改めて思い直したし、先発にはやっぱり長沢かサムエルが必要。ここは何とか間に合ってほしい。


引き分けでも4位浮上の可能性を残しているのは大きいけど、全力で4位の座を掴みにいくよりはプレーオフの3連戦をどう勝ち抜いていくのかを今から考えてそのための貴重な実戦の場として使う方が有効じゃないかなと思う。選手起用も含めて非常に興味深い最終節になりそうだ。
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2012年に似てきた(40節横浜FC戦)

2022-10-09 23:53:38 | マッチレポート22’
2012年に似てきた。ホーム最終戦が山形で最終節が遠方アウェイ。2012年はプレーオフから昇格したことを考えると似てきたのはいい傾向かもね。山形には快勝して琉球には納得出来ないジャッジでゴール取り消されてドロー、アウェイ開催に回るなんてことになったらいよいよじゃない?


ノムには土下座で謝りたい。金沢戦での消え方からもう今シーズンのノムは終ったとここでも触れたけど、正直あそこから上がってくるノムがもう想像出来なかった。相変わらずフィットしていないという思いには変わりはないんだけど、このゴールは本当に見事だった。美しくて力強くて非の打ちどころがない。そして決まったシチュエーションを考慮してもこれ以上の賛辞はなかなか見つからない。「本当に申し訳なかった」って言いたい。「信じてなくてごめんなさい」って言いたい。


この土日は鈴鹿に人生初のF1観戦に行っていた。F1終了後の激甚渋滞については鈴鹿経験者の人からも聞いていたのでもう開き直ってこの試合を車の中で観てから帰ってきた。案の定、鈴鹿サーキットから東名阪道の鈴鹿インターまでの10km弱で2時間40分かかったのでいい判断だったかもしれないけど、小さなスマホの画面で観ていたので試合の感想はやや適当かもしれない。


いずれもビルドアップを引っかけられての2失点はもったいないように思うけど個人的にはそれでもこの試合をポジティブに捉えていた。引っかけられても引っかけられてもチャレンジングにビルドアップしていく姿勢が常に見えていたからこの失点は受け入れられるものだと。そして2-2になった時にまさに下平監督が言ってきた「2点取られても3点取るサッカー」が証明出来るチャンスがやってきたなと、大宮戦で越えられなかったこの課題を残り20分でどんな答えを見せてくれるか、むしろ勝敗以上にそこに注目していたと言っても過言ではないかもしれない。だから勝ち切れた時に本当にやっとそれを証明してくれたなと。長かったよ。もう第40節。これが間に合ったのか、間に合わなかったのかは分からないけど、いずれにしてもシーズンのクライマックスに向けてチームの完成度は高まり団結感が出てきているのは外から見ていても手にとるように分かる。勢いを継続する、ちょっと神がかったような勢いがないとプレーオフ3つは勝ち続けられないことを考えると何となくだけど5位フィニッシュがいいような感じを持ってるけどどうだろう。


長崎戦ほどではないにしてもまたも早い時間帯に点が取れた。クロスに対して長沢やサムエルが引っ張ってその裏に中川ってのがいくつかあったからそれがまた炸裂したと思ってたんだけど、よく見返してみると司へマークがないどころか長沢にもマークが付いていないという棒立ちディフェンス。あの時横浜FCのディフェンスラインは何がしたかったのだろうか。北斗のFKの時もたくさんの大分サポーターがニアに蹴ると思ってたよ。だってニアに蹴ったとこしか見たことないもん。それは言いすぎにしても少なくとも北斗のFKが決まる時は全部ニアだもん。昇格を目の前にしてスカウティングが甘すぎやしませんかね、横浜FCさんは。試合終盤も勝手にエキサイトしてくれるもんだから試合がぶつ切りになってうちの選手はやりやすかったと思うよ。まあもうどうせ昇格するんだろうから次は落ち着いてやろうね。


ここに来て北斗と也真人の調子が上がってきているのが心強い。やっぱりこの2人がいてくれる安心感は絶大だし、ビルドアップの質向上には欠かせない。2失点目は也真人が引っかけられたところからだったけど、タッチをミスすれば即ピンチになることを分かっていても味方が窮屈そうにしていればあそこに下りてきてくれるのが也真人だし、ああいう場面こそ回避出来ればビッグチャンスって舌なめずりしながらボールに寄っていってるくらいまではあると思っている。そして泥臭い仕事は若い将輝にせっせとやってもらって北斗には中盤の底で気持ちよくプレーしてほしい。そうすれば今日のような飛び道具もバンバン炸裂してくれるでしょう。去年からの流れという点で考えるとやっぱりこの2人には最後の最後にピッチに立っていてほしい(フル出場しろって意味じゃなくて)と思う。


呉屋はどうしちゃったんだろうね。ここ数試合の夢生のキレがあまりよくないように思うので終盤で呉屋が見たいんだけどケガかね。あとは新太か藤本のどちらかでもプレーオフに間に合ってくれたら本当に面白くなるんだけどね。いやしかし本当に選手層厚い。


とりあえずプレーオフ1回戦は熊本にほぼ決定だろうね。ぶっちゃけどっちでやってもいいから早く決めてほしい。熊本でも大分でも日曜日なので行き飛行機、帰り新幹線になると思うので、マイルで予約出来るうちに予約してしまいたいので出来れば来週決めてほしい。まあそれはつまりうちが負けるってことだけど。何となくだけど5位から行った方がいいような気がする、本当に何となくだけど。
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スペクタクルな前半(39節長崎戦)

2022-10-02 01:36:02 | マッチレポート22’


半年前のこのツイートがあっての今日の27秒ゴールを自らが実況してるのって実況者冥利に尽きるんだろうな。原大梧さんは今後も自慢げに「弓場将輝はオレが見つけた」って言っていいんですよ。ちなみに62分に司のクロスが長沢の頭に合ったところで「長沢用のボールだー!」って言ってましたかね。もしそうだとしたら長沢用のボールってシンプルだけど破壊力あるフレーズだなと思った。違うかな。


ちょっと予想以上だった前半。キックオフから相手にわずかに1タッチしかさせずにゴールを決めてしまうという電光石火の先制。少し前の試合でも触れたけど健太のクロスが良くなったのって先制点の時のような「来ないなら上げます」の選択が出来るようになってからだと思うんだよね。今の健太は相手チームのスカウティングからトップレベルのケアポイントとされていると思う。この試合で最初のマッチアップで対面の加藤聖が取った距離感がその何よりの証拠。ぶっちぎられたくないから距離を取って対応する。これまでの健太だったらそれでも果敢にチャレンジしに行ってたと思うんだけど、今の健太は「来ないなら上げます」が出来る。そしてそれをバイタルエリアのポストプレーヤーに正確に届けてしまう。これをされたら対面の相手はもっと距離を詰めるしかない。そうなれば2点目、3点目のような突破の餌食。ちなみ加藤聖はパリ世代のバリバリのアンダー代表だ。その選手を引きちぎるように置き去りにしていく様からはすごみのような雰囲気すら漂っていたように思う。もうバレてしまった、もう隠せない。これはもう仕方ない。流出の恐怖に怯えるより一緒に戦える間は全力でワクワクしようと改めて思い直した本日の「井上健太ワンマンショー」でした。


ハマりにハマりまくった前半。前線からのプレッシングが効いていて相手の苦し紛れの前線へのボールを何度も相手陣内で回収出来た。詳しくは分からないけど長崎はビルドアップ時に強気で前に人数を揃え過ぎていて後方が孤立しているようなイメージだった。長沢も司も也真人(ハイペースで飛ばしてフル出場した也真人は本当に立派)も後半で交代すること前提だからペース配分くそくらえの勢いでガンガンにプレッシングに行っていて、ボールが回収出来る度に本当に気持ちが良かった。ボール保持になったら点差からくる心の余裕もあったとは思うけど、全員が気持ち良さそうにポジションチェンジを繰り返し相手に全く捕まえさせなかった。特に北斗が気持ち良さそうにプレーしているのが印象的で北斗はずっとこういうサッカーがしたかったんだろうなと思ったよ。後半開始から1点返され少し巻き返されたけど、前半にあれだけ走らせとけば反撃もあれくらいが限界でしょう。60分頃から落ち着きを取り戻すとそこからは決定機につぐ決定機。1本も決められなかったことは反省材料だけど、試合運びとしては文句なし。


試合の途中に原さんの実況にもあったけど「大分は仕上がってきた」と思いたいところだけど、今日はさすがにうまくいきすぎたくらいに思っておく方がいいと思う。後半に試合が落ち着いたこともあり試合後のインタビューで下平監督も極めて冷静に試合を振り返っていたから安心はしているけど、残り3試合もこんなにうまくいくことはないと思う。ただこの勝利でプレーオフ進出はかなり現実味を帯びてきた。というよりもう1回戦はどっちのホームでやるかは別にして熊本とやるの濃厚になってきた。今シーズンは1勝1敗。完全決着には申し分ない相手。


しかし19分の奎汰のシュートが決まってたら昇天して死んでたかもしれんな。将輝、司、奎汰のアカデミー揃い踏みなんてのを見られたんならもうシーズン終了でいいよ。
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