ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

魔法にかけられて

2008年04月06日 | 映画レビュー
 これは楽しい! 導入部はディズニーの伝統的な2次元セルアニメ。おとぎの国の王子様と結婚する森の娘はジゼル。意地悪な継母女王は二人の結婚を邪魔しようとして…。と思いきや、アニメのプリンスとプリンセスはなぜか現代のニューヨークに突然実写の人物として登場する。このあたり、奇想天外でよろしい。

 ディズニーも自分たちの映画をコケにして笑いものにするだけの余裕ができたということなのか、本作はディズニーがまき散らしてきたお姫様幻想をものの見事に嗤い飛ばしている。ゴキブリの大乱舞には参った。わたしの一番きらいなゴキブリが大軍勢で現れると思わず目をつぶってしまった。このお姫様ジゼルはゴキブリもネズミもものかは、美しい歌声とともにこのきったない連中を見事に差配してしまう。やっぱりおとぎの国のお姫さまには違いないわ、かなりパワーがありますが。

 ジゼルを追って同じくNYにやってきた王子様がまたまた時代錯誤の大仰な身振り手振りで見得を切るところもまた面白い。ただ、この映画の爆笑ギャグシーンは予告編で見せすぎましたな。いざ本編を見るときに新鮮みがなくなってしまった。

 偶然ジゼルを拾った弁護士がパトリック。離婚専門弁護士で、自らも離婚経験者。娘をひきとって育てている。で、パトリックには婚約者がいて、でもジゼルが気になる存在になってきて…と、予定調和のお話が予定通りに進むのはちょっといかんかも。しかし、最後に予定調和が追加されていて、これを「予定どおり」と見るか、「ついでのサービス」と見るかは人それぞれ。

 弁護士役のロバート・フィリップが、ショーン・ペンにちょっと似ているけどあんなに苦み走ってなくて甘くて優しそうでいい感じ。
 

 ま、お子様も安心の楽しい映画です。しょせんはそんなものと思って気軽に見るように。仕事に煮詰まっているときとかにストレス発散にいいかも。何しろ頭はぜんぜん使いませんから。音楽もなかなか美しくて親しみやすいメロディ、いいです。

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ENCHANTED
アメリカ、2007年、上映時間 108分
監督: ケヴィン・リマ、製作: バリー・ソネンフェルド、バリー・ジョセフソン、製作総指揮: クリス・チェイスほか、脚本: ビル・ケリー、音楽: アラン・メンケン
出演: エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、スーザン・サランドン、ジェームズ・マースデン、レイチェル・カヴィ、ティモシー・スポール

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