エマニュエル・トッドを読了。トッドは今あちこちで取り上げられていますね。データと経験から思考を紡ぐやりかたは、フランスの学会では主流派からは認められていないのですが、フランス国外では評価されています。どの国にも異端児と評価されてしまう人はいるものです。この本は日本人向けに書かれたこともあって、現大統領マクロンなどのフランス上層階級、知識人(エリート教育を受けた人たち)を実名でこき下ろしています。マクロン以外は知る人はいないのですが。今回のコロナ禍において、日本人の今後については「…このまま表面的にはうまく収束を迎えることができるかもしれませんが…これまでよりもさらに、高齢者を救うことよりも子どもを産むことのほうが大切であるという事実を見えなくさせてしまう可能性はあるでしょう。」と予測しています。痛いところを突かれている感じがします。
「エマニュエル・トッドの思考地図」エマニュエル・トッド 筑摩書房