
犬・猫禁止とはなかなか厳しいわね。

綱でつないだ犬でもダメなのかな。

綱でつないだワンちゃん?

ああ、綱でつないだワンちゃん・・・ワン・オン・ワイヤー。

あーあ、あなたの発想って、いつもながら、おもしろすぎてついていけない・・・。

「マン・オン・ワイヤー」だって、おもしろすぎてついていけない話だったぜ。

1974年、崩壊する以前のNYワールド・トレード・センターに綱を張って、その上を綱渡りをしたフランス人のドキュメンタリーだもんね。発想はおもしろいけど、ふつうは誰も実行しようなんて思わない。

ところが、この男、さすがはなんでもかんでもロマンチックな物語にしてしまう国、フランスの住人。あの空を綱渡りしたらどんなに気持ちいだろうと妄想をふくらませて、実際、やり遂げてしまう。

「
赤い風船」の国だもんね。

それに対するアメリカ人の反応がまたおもしろい。こいつ、頭おかしいんじゃないかって、精神病院へ入れようとする。

かの国ではいまだに「
チェンジリング」のような対応が続いているってことかしら。

彼の反論がまたふるってる。「アメリカ人はすぐに理由を知りたがる。理由なんてないから愉快なのに」。

これまた、いかにもフランス人っぽいことばよね。

映画は、彼のチームがいかに警戒の網をかいくぐり、屋上までたどりつき、大空を渡る計画を成功させたかを、関わった人たちの証言で綴っていく。

まるで、銀行強盗団の映画みたいな展開。

そして、いよいよ、宙へ足を踏み出す。

宇宙飛行士どころじゃない高揚感でしょうね。足元451メートルには何もない世界を肌で感じるんだから。

彼を捕まえに来た警官は呆然と見つめるしかない。

「あれは綱渡りじゃない。綱の上のダンスだ」とか言ってね。

惜しいのは、ツインタワーの間を軽々と渡っている、いちばん肝心なところの映像がないところだ。

何枚かの写真は残っているんだけど、私たちはそこから想像の翼を広げるしかない。映画だから、やっぱり動いている姿を見たかったなあ。

ちゃんとした記録映像でなくてもいいから、スタッフの誰かが撮っておいてくれたらよかったけど、そこまでの余裕はなかったんだろう。

映像が残っていれば、高価な値がついたでしょうにね。

そういう邪心はなかったってことだな、きっと。

地上から応援するスタッフの中には、フランスから駆けつけた彼の恋人もいるんだけど、成功したら別れちゃったっていうんだから、またなんともフランス人らしい。

というか、それは国民性に関係なく、偉業を成し遂げてしまった人々に共通する行く末かもよ。頂点をめざすまでは同じ目的意識に盛り上がるけど、頂点をめざしてしまったら気が抜けて、みんなバラバラになっていく。

その顛末も、ドキュメンタリーだから、ことばで語られるだけなんだけど、綱渡りのシーンもその後の彼らの運命も含めて、誰かがきちんとした劇映画にすれば、ファンタジックでスリリングな傑作になるような気がする。

「翼よ、あれがパリの灯だ」とかに匹敵する映画。

古っ。

それだけリリカルな出来事だってことさ。

それにつけても、よくやった。

禁止されてることをヌケヌケとやってしまうことの快感もあるよな。

禁止されていることをやる?まさか、あなた、ここで犬を放すつもりじゃないでしょね。

ワン・オン・ノー・ワイヤー!

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でもオリジナルな冒険精神を感じる事が充分出来ました。
音楽がバランス感覚宜しく、とても余韻を残します。
地に足がつかない話とでも言いましょうか。
いい夢、見させてもらいました。