漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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冬の肌養生にも腎が関連

2021-11-30 | 肌トラブル・アトピー・美容

冬はくすみ、ごわごわ乾燥、かゆみ、ひび割れ、カカトの亀裂、あかぎれ、寒冷蕁麻疹、しもやけ、老人性皮膚掻痒症と様々な皮膚症状に悩まされます。

冬に養生すべきは「腎」で、肌の潤いやターンオーバーなどにも腎がかかわってきます。

肌がしぼむように感じる夕方、それはちょうど腎の時間にあたるのです。

腎を守る冬の基本養生

早寝遅起き・日の出とともに活動し日が沈むころには休息する
緑の多い自然の中で散歩し深呼吸する
焦らず静かに過ごしてエネルギーを蓄える、スケジュールを詰め込み過ぎない
性欲を抑える、実現不可能な欲望を減らす
腰回りや足元を保温する
就寝30分前に入浴して体を温める

スキンケア:

重ね塗り、厚塗り、頻塗り
こまめにたっぷり、さらにオイルでフタをします。オイルはハーブオイルがおすすめです。

補陽の食事:

羊肉、牛肉、うなぎ、鹿肉、シナモン、ナツメ、生姜湯、紅茶など

筋肉をつけて温活:

筋肉は体の熱を生み出すので、筋肉量を増やすと冷え性が改善します。特に下半身を鍛える

腎の時間に当たる夕方から夜に補腎活血の漢方を飲むといいでしょう。

亀板、鼈甲、プラセンタ、ハシマユなど動物性のものもおすすめ。
それらを配合した健康食品もありますのでどうぞご相談ください。

 

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ディーリア・オーエンス著「ザリガニの鳴くところ」

2021-11-25 | 

女性動物学者が書いた殺人ミステリーです。

おおよそ人間は、神に近い特別な存在だと考えがちですが、著者は人間のあらゆる行動を、野に住む動物と同じ目線でとらえ描いています。

たとえば、差別や集団いじめは七面鳥の群れの行動で例えたり、着飾ったり、派手な車やボートに乗る男たちは繁殖期の雄に過ぎないようです。

主人公の少女カイアは、幼いころから湿地に一人取り残され暮らし、その豊かな自然は、彼女を湿地の生物学者に育てあげ、感情豊かな詩人にもしたのでが、しかし同時にその思考は動物的で、雄の求愛行動、雌の雄を利用する様々な形は、一見残酷なようでも自然の法則の中ではごく当たり前のことだったのでしょう。

派手なオスの典型であるチェイスは、カイアから贈られた貝のペンダントをいつもしていたなんて、実はカイアを愛していたのかもしれなあ。

結末は驚く展開でしたが、法律など人間の物差しに収まらない、カイアの本能に偽らない行動を見たような気がしました。

ホタルのメスは、仲間のオスを呼ぶ光り方と変えて別種のオスを呼ぶ光り方をしてそのオスを食らい、カマキリのメスは、交尾しながらそのオスを食らう。自然界のメスは強いのです。

物語に登場した鳥たち

オオアオサギ、七面鳥、シラサギ、セグロカモメ、カラス、ハチドリ、ガチョウ、ネッタイチョウ、ハクトウワシ、ハクチョウ、ムクドリモドキ、アメリカワシミミズク、アオカケス、クーパーハイタカ、カッショクペリカン、アカオノスリ、コウノトリ、マガモ、ハクガン

2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位


腎陽虚と腎陰虚、あなたはどっち寄りかな?

2021-11-24 | 老化・血流

夜間頻尿でよく宣伝されている「八味地黄丸」。しかし同じ夜間頻尿と言っても人によって体質は様々。

八味地黄丸は「腎陽虚」タイプに用います。なぜかというと体を温める生薬が配合されているからです。

「腎陰虚」の人が飲むと、顔がほてったり、イライラしやすかったり、眠りが悪くなったりなど、陰虚の症状が助長されるかもしれません。

そこで、自分が陽虚なのか陰虚なのかを判別してみましょう。

陽虚:寒がり、足腰が冷える、顔が青白い、尿の色が薄い、明け方寒くて軟便になる など

陰虚:暑がり、手足がほてる、頬が赤い、寝汗をかく、口が渇く目がカサつく、肌が乾燥する など

あなたはどっち寄りかな?

ちなみに腎虚の症状

下肢に力が足りず、歩行が困難、骨がもろい、背中や腰がまがる、足腰が疲れる、痛む
めまい、耳鳴り、ぼーっとする、頭痛、思考力の遅鈍、記銘力減退(物覚えが悪い、物忘れ、痴呆症、認知症)、
排尿障害(頻尿、夜間尿、尿漏れ)、遺精、早漏、流産早産しやすい、閉経が早い
息切れ、息が吸いづらい、呼吸が浅い などです。

老化予防に腎虚の漢方薬がとても頼りになります。ぜひ体質に合ったものを選んで体調管理にお役立てください。

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耳の聞こえが良くなった・補腎と耳の体操で

2021-11-19 | 老化・血流

漢方対策を始めて2か月目で耳の聞こえが良くなってきた難聴の女性のこと。

彼女によれば、「うっかり補聴器を忘れて出かけたのだが、ちゃんと人の話が聞き取れた」、

補腎の漢方薬を忘れずに服用し、おすすめした耳の体操を「毎日欠かさず100回続けたの!」だそうですよ。

耳の体操を毎日続けた人は、彼女一人なのです、残念ながら。皆、3日で飽きてしまう・・・

私も耳鳴りが発症したとき漢方薬を飲んで3,4か月でよくなってきましたが、耳の体操は時々しかやらなかった(*_*;)

「腎は、上は耳に開竅し、下は二陰に開竅する」

「腎」とは発育成長をつかさどるところなので、耳の聞こえは老化の指標でもあります。

体質にあった補腎の漢方薬で若返りをめざしてください。

体の穴に現れる『腎虚』の証<難聴・耳鳴り> | 漢方家ファインエンドー薬局 千葉県佐倉市 (coocan.jp)

 

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オシドリで一休み

2021-11-17 | 植物&動物

池にオシドリの群れが北国から越冬しにやってきました

エクリプス(雄の繁殖羽になる前の姿)も確認

左がエクリプス、中央がメス、右がオス繁殖羽の完成形

雄は繁殖期が近づくと羽を生え変わらせ美しい姿を競い、好みのメスを見つけるのです。

オシドリの雄たち。微妙にけん制しあっています。

オシドリ夫婦というけれど、毎年相手が違うようで、その方が効率よく子孫を残せるのでしょうね。動物界はそのあたりが、人間と違ってあとくされがなく暮らしているのようです。

自然界の営みをみていると、人間のどろどろした悩みもあっさり解消されたりするかもれません。

 


加齢による過活動膀胱や夜間頻尿は、脳萎縮や動脈硬化の現れ

2021-11-16 | 老化・血流

先日夜間頻尿について薬剤師会の研修を受け、やはり「補腎活血」が大切だなあと実感しました。

加齢による排尿のコントロール問題で多いのが、

・過活動膀胱(昼夜かまわず頻回に尿意を催す)

・夜間頻尿(寝てから排尿に2回以上起きる)

原因は「トシだから」?トシだから体がどうなっているのでしょうか?

過活動膀胱では、脳の萎縮による尿コントロール力の低下。認知症へのはじまり。

夜間頻尿では、動脈硬化による腎臓や膀胱の機能低下。脳梗塞(かくれ脳梗塞)やうっ血性心不全のはじまり。

中医学では「補腎」「活血」が老化予防に良いと言われます。

「腎」には「脳」も含まれます

たとえば夜間頻尿でよく宣伝されているのは「八味地黄丸」これも「補腎剤」のひとつ。
六味丸を基本とした処方で、いくつかの種類があるので、体質に合ったものを選ぶとよりよく効くでしょう。(八味地黄丸、杞菊地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸、牛車腎気丸など)

そして「活血」漢方薬の良いところは、ただ血管を広げるだけでなく、体の緊張をほぐして隅々までつまり末端の毛細血管の環境もよくすることができる点です。これ重要ですね。事件は末端で起こっているのですから。「活血」の漢方薬も種類が多く、漢方専門のところでご相談の上選択するのが良いでしょう。

☞おしっこが近い(頻尿、多尿) | 漢方家ファインエンドー薬局 千葉県佐倉市 (coocan.jp)

血流改善しよう | 漢方家ファインエンドー薬局 千葉県佐倉市 (coocan.jp)

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冬の養生・精のつくもので腎を養う(補腎剤)

2021-11-12 | 冬の養生法

腎を補うためにはズバリ、精のつくものを食べることです。

『腎精』は『生命の根源』をなすものといわれ、これは親から受け継いだ先天的な生命力と毎日よい食事をすることで充実すると言われます。

「この食材は精がつく」という言い方にも生殖能力の精だけでなく、『腎精』つまり命の根源としての栄養を意味していると思います。



さて、精のつくものというとこってりしたもので、例えば肉や骨ですね。

中医学でも、「有情のもの」つまり動物性のものが特に良いとされています。

ですが肉ばかりでは胃がもたれ、それらを煮込んだスープだけでもおなかがゆるくなる人もいます。

料理は様々な食材でメニューを組み立てますが、それはメインの食材を消化しやすいように工夫することでもあるのでしょう

そこで、補腎する漢方薬「補腎剤」です。

補腎の漢方薬には、補腎するこってりした生薬をスムーズに体内で利用できるように、胃腸の働きをサポートする、血流を促す、溜まりものを掃除するなどの生薬が、考えつくされた最良のバランスで配合されています。

漢方薬の補腎剤は、簡単に補腎できる食事メニューのひとつなのですね。

精がつく生薬・腎精について; (coocan.jp)

久しぶりに帰ってきたノスリ。丸顔で愛嬌がある。肉食だがしばしばトビやカラスに蹴散らされる、か弱い(?)猛禽類。

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冬は腎・十分な睡眠は情緒の安定によい

2021-11-09 | 冬の養生法

暖かい立冬ですが、五行学説では、冬は腎を養生する季節です。

先日、中国生まれの友人と話をしていたら「中国人はたいてい、冬になると薬局に行って体質に合った漢方薬をもらって飲むよ」と言われました。

さすが漢方の国、養生の知恵が身についているようです。

五行の「腎」を、あえて西洋医学的に表現すれば、視床下部から脳下垂体そして各部のホルモン的な連絡網、さらに骨髄の血液や免疫細胞をもコントロールしているところといえるでしょう。
なので「腎」がしっかりしている人は、スクスク育ち、若々しく生殖能力も優れ、そして壮年老年期の不快症状も少ないのです。

だから腎を養っておけば健やかに暮らせるというわけです。

補腎する漢方薬を補腎剤といい、腎に良い生薬だけでなく、それらが体内でスムーズに活用されるように、胃腸を元気にする生薬、血流を促す生薬、無駄な水を掃除する生薬などがバランスよく配合されています。
その話は次にするとして、普段の養生法は、

・睡眠時間を確保して夜更かしをしない
・質の良い睡眠を保つ
・適度な運動を毎日行う
・過労を避ける
・欲張りすぎない

な~んだ寝るだけか、と思われるかもしれませんが、睡眠不足が重なると腎陰を消耗するので、興奮しやすくなり、ストレスに弱くなって情緒が安定しません。

この辺りでは冬鳥のジョウビタキが、この頃やってきてあちこちで盛んにヒンヒンカッカと鳴いてくれます。

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手賀沼散歩・コガモ、ゴイサギ、ホオジロ、エナガなど

2021-11-04 | 植物&動物

手賀沼で探鳥散歩

すぐそばまで住宅街がせまっていて、市民の憩いの場でもあるので、野鳥が人馴れしているところです

草を食むオオバンたち。ここにやってくるカモたちも、人をみると寄ってきます。(餌をもらい慣れている)

この日はカルガモ、マガモ、コガモ、オナガガモなど

暖かすぎてモヤっていますが、コガモのエクリプス。頭部が茶色くなってきています

じっと動かない若いゴイサギ。

千葉県の鳥でもあるホオジロ。県の鳥は全国的にあるようですが、市の鳥はないところも多くわが佐倉市も決まっていない。公募しないかなあ。

小さいけどエナガ。

ジョウビタキやベニマシコ、アオジの声も微かに聞こえましたが、

日中は20度を超え、この暖かさで冬鳥も混乱しているかもしれませんね。

カモやハクチョウたちは順調に来るかしら。