漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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総合風邪薬さえ飲めば治る、のではない

2023-11-29 | カゼ・インフル・ウイルス
しょうが湯入荷してます。あまりに暖かい冬なので忘れるところでしたが(笑)

漢方の本場中国では、寒気がするときは、生姜湯を飲み、咳が出るときは、梨を煮たシロップを飲むのだそうです。

それにカゼの時も症状に応じた漢方薬を選びます。例えば、
のどの痛み発熱などウイルス性の場合は、板藍根や銀翹散
寒気や関節痛からくるカゼは、葛根湯
急性胃腸炎などお腹にくるカゼは、カッ香正気散(勝湿顆粒)
常備しておきます。

漢方はひとつの食事養生法です。
寒気があるなら、冷たいものを避けるし、熱がこもっているときはさらっと体を冷ましてくれるものを食べ、咳のある時は梨のように喉を潤すものを食べ、体力が落ちているなら暖かくして休みます。
そうすることで免疫力というか治る力が高まって順調に回復するのです。

実際、風邪症状に応じた漢方薬を飲むと驚くほどの速効性を感じます。
タイミングよく体調に合った養生ができれば無理なくすぐ治るのです。

そんな常識の知恵が消えつつあるのは残念ですね。
養生しなければ総合漢方薬を飲んでも免疫力は上がりません。
(先日の佐倉城址公園にて)
それにしても、コロナ、インフルのまん延で、病院薬の咳止めが品不足に陥っているという現実は嘆かわしいことです。
咳も出てないのに咳止めを飲む必要はないし、熱がないのに熱さましを飲む必要もないのに、「朝昼晩のんでください」の指示だけで何も考えずに飲んでる人いないでしょうか?

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クコの花が咲いていた。サンシュユ、ツグミ、ジョウビタキ、タヒバリ、ミコアイサ

2023-11-25 | 植物&動物
今朝の通勤道でクコの花を見つけました

あれ~クコは冬だっけ?どうやら暖かいせいで今頃咲いたようです。

一方ではサンシュユの実。
この二つが配合されている漢方薬といえば「杞菊地黄丸」でしたね。

田んぼでは、紅葉しながらのヒレタゴボウでしょうか?
しかもこの頃新たに芽吹いた様子。
今年は暖かくて、雑草の茂りもすさまじく、散歩道がとおれなくなってしまったところもありました。

一方、野鳥たちは着実に営みを続けているようです。

柿の実を食べるツグミ。
この柿はどうして落ちないのだろうとよく見てみると、向こう側に蔕があってかろうじて枝についているのでした。

電線にずらっとムクドリの群れ、と思ったら左約1/3はツグミの群れでした。
隣同士の距離感が異なってますね。

ジョウビタキの声もあちこちで聞こえます。

声はすれどもなかなか姿が見つけられないのが、すごい保護色のタヒバリ。
ちゃんと来てますよ。
印旛沼には、ミコアイサも。
やっぱり季節は正確に動いているようです。

ヒイラギ(柊)の花が咲き始めた 雄花?雌花?

2023-11-22 | 植物&動物
木へんに冬と書いてヒイラギ。ヒイラギは冬の花。
モクセイ科で心地よい芳香を放ち、分布は台湾と日本なのだそうです。
雌雄異株で初夏に黒紫色の実をつけ、花びらが反りかえるのが特徴、とあります。

近所に見かけたヒイラギの花。

拡大してみると、メシベが見えます

と思ったら、こちらの枝の花はメシベがないみたい

木は1本なのだけど。
ん~、ナゾです。

ちなみにクリスマスのに登場するヒイラギは、セイヨウヒイラギで、クリスマスホーリーなどの名で呼ばれ、モチノキ科。花は、春に咲き、冬に赤い実をつけるそう。


血虚を対策:不眠が改善し目のクマがとれた

2023-11-15 | 気持ち・眠り
冷え性体質もいくつかあって、眠りが浅いという症状を伴っている場合は「血虚」のことが多いです。

1か月漢方対策された女性のこと。
初回:不眠、冷え性の訴え。
肌がくすみ、目のクマもくっきりわかる顔色。
目のクマは、末梢血流がよくない状態の現れで、この方は血虚血瘀の体質のようです。

補血活血の漢方対策を始めて1か月:
漢方の服用は初めてでしたので、気になることがあればすぐに相談いただきました。
途中、不眠対策として、頓服的に酸棗仁湯を加えましたが、その後眠りの質が徐々に改善し、ここ数日は、朝までぐっすり眠れているとのこと。
お顔をみれば、顔色が明るく目の下のクマもすっかりなくなっていました。
気血が補われ末梢血流がよくなったおかげでしょう。
引き続き漢方対策を継続しています。

「虚」を補うのは、数か月またはそれ以上かかることもありますが、体が充実してくると、他の様々な症状も自身で対処できるようになります。


この頃、増えてきたツグミ。シベリアなどから海を渡ってやってくる冬鳥
こんな小さな体で飛んでくるなんて、鳥の体ってすごいですね。

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うっかり立冬だった。冬の養生:サザンカ、ヨウシュチョウセンアサガオ

2023-11-11 | 冬の養生法
立冬(11/8)を忘れるほどの暖かさが続いていましたが、ちゃんと寒さがやってきました。それに、日の出日の入りの時刻が毎日1,2分も変化して、目覚まし時計の時刻はまだ真っ暗です。
体が戸惑ってしまいそうですが、朝は積極的に戸外へ出て、朝日を浴び大気の温度や湿度を感じて、早く季節になじむことですね。

冬の養生法は、穏やかに過ごしてエネルギーを充電することです。
忙しくしない
騒ぎすぎない
夜更かしせず睡眠時間を確保する
食べ物も少々こってりして温かいものを食べたくなります。
木に成るものも、みずみずしいものからこってりしているギンナンや落花生などが旬です。魚も脂がのり、肉は牛肉や羊肉がより体を温めてくれます。

サザンカも咲き始めました。

散歩道に咲いていた花を検索してみたらヨウシュチョウセンアサガオだとか。
まだ背がひくい。外来種だそうです。
傍には小さめ(3~4cmくらい)の、アメリカアサガオかな?
スッキリした青が美しいです。

血虚とは:髪が生えてきた

2023-11-09 | 漢方的話題
中医学に「血虚」(けっきょ)という言葉があります。

お客様の体調を伺っていて、「血虚ですね」というと大概、「(医者に)貧血とは言われていません」と反論されるのですが、貧血とは数だけを見た判断ですよね。

体は、食べたものを使って「質の良い血液」に作り上げ、日々充足しているのですが、しっかり食べていなかったり、胃腸が弱かったり、疲労がたまったり、生理出血があったり、更年期で代謝機能が少々落ちていたりなどするとだんだん、数はあっても血液としての働きが落ちてくるのです。
すると、様々な症状が出現します。
眠りが浅いとか、落ち込みやすくてくよくよ悩みやすいとかも、血虚が原因だったりします。
先日、頭髪の薄毛のお悩みの更年期年齢の女性のこと。
年齢の割に、すでに地肌が見えていて髪の毛が細い。
そこで、補腎補血対策したら、1か月ほどで髪が生えてくるな、とわかったそうで、以後継続されています。
産後の抜け毛なんかも、主に血虚が原因でしょうね。

よくご相談ください。
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指先まで温かくなった・血流改善漢方

2023-11-01 | 老化・血流
コレステロール値が高めで糖尿病も患っている女性。
食事の注意や適度の運動は心がけているものの、あとは病院薬をずっと飲んで、これでいいのか?とご心配のご様子でした。

「瘀血」の症状をチェックしてみると「すごく血流が良くないと思う」と自覚され、血流改善の漢方服用を始めて、それ以来、来局されてはペットの話や料理の話などし、すっかりおなじみさんです。

ある日拝顔して、肌の透明感が増しきれいになったな、と思ったところ(末梢血流改善の成果だ)、
「これ(漢方)飲む前は、夏でも指先が凍るほど冷たかったの。今は温かいのよ~」と手を握られた。ほんとうにほんわか温かい手だ。

糖尿病や高脂血症は、ほぼ無症状なのがやっかいなところだが、こうして末端に変化を実感できたということは、体の内部の環境も以前よりはずいぶんと改善しているといえます。

人の体は、口に入れるものでできている。
よい習慣を積み重ねることですね。
だけど普段の食事だけではなかなか追いつかないところもあります。漢方薬は、効率よく体をかえてくれる生薬からなっているので、食事対策を積極的にサポートしてくれますよ。
今朝のウォーキング道で。
歩くと体の巡りが良くなって元気になれます。秋の野草も元気です。
 
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